ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く   作:始まりの0

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EP47 零の選択

 ~天王理家~

 

 零がリアス達と話し合いを終わらせ自分の家に帰って来た。

 

 

「ふぅ………取り敢えず話し合いは終わった。皆もご苦労様……」

 

 零はそう言うと、ソファーに腰かけた。

 

 

「あっあの、零さん………本当に悪魔の皆さんはこの国より追い出されてしまうんでしょうか?」

 

 アーシアが零に話し掛けた。どうやら悪魔が本当に追い出されるのかと心配して居る様だ。正確にはリアスや朱乃達、オカ研メンバーの事を心配しているのだろう。

 

 

「アーシアは本当に優しいな……………魔王達がどう動くか次第だ。従わぬなら、この国の者達の為にも排除しなきゃなんない。それでも尚、この国の人間や妖怪達に害を成すなら殲滅する…………俺も種の殲滅なんぞあまりしたくない。必要があればするが、必要がなければしない………まぁ殲滅はせずとも冥界の片隅から出られない様に封印してやることもできる…」

 

 零自身も悪魔全体を滅ぼす事は望んでいない。魔王達が日本神話側に従わない場合は零は、現在の悪魔の地である冥界に悪魔達を出れない様に封印しようと考えていた。

 

 

「フッ……まぁいい。俺は暫らくは待つのみか…………おっとそうだ、ギャスパーの事を忘れていた。悪いがみんな、俺は少し出掛けてくる。ギャスパーが起きたら話でもしていてくれ」

 

 

「ご主人様は何処にいかれるんですか?」

 

 

「少し吸血鬼の城にな………じゃあ行ってくる」

 

 白音の言葉にそう返すと、零はそのまま魔法陣と共に消えてしまった。

 

 

 それから数時間後、ギャスパーは目を覚ました。

 

 ギャスパーはまだベッドの上に居り、皆がギャスパーの寝かされている部屋に来ていた。

 

 

「取り敢えず自己紹介、私は白音……猫又」

 

 

「私は黒歌、白音のお姉ちゃんよ」

 

 

「私はアーシア・アルジェントと申します。宜しくお願いします」

 

 

「我、無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)オーフィス」

 

 それぞれがそう挨拶するがギャスパーは布団を被ってしまう。

 

 

「イヤァァァァァァ!聖なる力がビリビリしますぅ!それに無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)って最強の龍じゃないですかぁ!?」

 

 神器(セイグリッド・ギア)は抑え込めたが、どうやら人見知りはそう簡単には克服できそうにない。

 

 

「そんな怖がらなくていいのに…………はい、ニンニク」

 

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!ニンニク臭いですぅ~!嫌い~」

 

 

「そんな事ばかり言ってちゃ強くなれないよ」

 

 白音がニンニクを持ってギャスパーに近付けると、それを嫌いギャスパーは逃げる。逃げたギャスパーを白音が追い掛ける。

 

 

「白音が珍しくいじめてるにゃ」

 

 

「楽しそう、我もする………」

 

 

「いじめは駄目ですよ!オーフィスちゃん、白音ちゃん!」

 

 

「ぴぃぃぃぃぃ!いじめるぅ~!!」

 

 こうしてアーシアに止められたことで助かったギャスパー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~ヴラディ家 居城~

 

 人が踏み入らない霧に覆われた森の奥にあるギャスパーの実家、ヴラディ家の城。そしてその城の下に広がる吸血鬼の街。

 

 そしてこの城の当主、ラムド・ヴラディは自室より城下を見降ろしていた。

 

 

 《キィィィィ》

 

 

「むっ……何者だ?」

 

 ラムドが振り返ると、魔法陣が展開されそこから白銀の髪を靡かせる零が現れた。

 

 

「初めまして、ラムド・ヴラディ………俺は天王理 零という者だ」

 

 

「!………天王理零……確か噂に聞く伝説の戦士か」

 

 

「今日はお前の子であるギャスパーの事で尋ねた」

 

 

「なっ……ギャスパー……あの悪魔になり下がった愚か者の事で余になんの用だ?」

 

 

「フフフ………そう強がる必要はない。ギャスパーの事は母であるアスティア・ヴラディから聞いている」

 

 

「バカな!アスティアは既に死んでいる!」

 

 

「あぁ…………その通りだ。だが世界の理すらも我が意のままだ(ギンッ」

 

 零の両目が光り輝くと、辺りが光りに包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 光が消えた後、ラムドは両膝を地に付き涙を流していた。

 

 

「ギャスパーには父親(お前)の言葉が必要だ………例えこれまでがどうだったとしても、ギャスパーのこれからの為にもお前の言葉が必要だ。(同じ苦しみを持つ者)でもリアス・グレモリー()でも駄目だ……真にあの子を大切に想い、真にあの子を愛す汝の言葉でなければならぬ…………だが心の準備は必要であろう。準備ができたらこの手紙の場所に来るといい(すっ」

 

 

「私には………もうその資格は……」

 

 

「決めるのは汝次第だ………」

 

 零はそう言うと、その場から消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【さて、来るだろうか?】

 

 

 《さぁ………それは彼等次第……》

 

 

【フッ………確かに、我等は待つのみ】

 

 

 《如何にも……待つのみ……そう言えば鴉の方はどう思う?》

 

 

【分からん………だが準備は整っている】

 

 

 《そうだな………残りの方も何時来てもいい様に準備だけは滞りなく進めよう》

 

 

 

 

 

 

「あぁ………それに俺達の周りをウロチョロとしている輩もどうにかしないとな」

 

 零は家の前に立っておりそう言うと、横目で何かを見つめている。

 

 

「逃げたか…………まぁいい。俺は俺の選択した事をするだけだ………この選択が正しかったのかは分からんが………な」

 

 零はそう呟き、皆が待つ家の中へと入って言った。


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