ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く   作:始まりの0

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EP46 驚きの真実

 ~駒王学園 オカ研 2年教室~

 

 三大勢力の会談から1週間が経過した。

 

 一誠や祐子達は普通に過ごしているが、零達は未だに来ていない。表向きは家庭の事情となっているが、実際はアーシア達の日本神話への加入で色々と動いている。そんな事を一誠達が知る訳もない。

 

 そして放課後になり、突然に零達がやってきた。右眼は未だに力が戻らない為か眼帯をしていた。

 

 

「れっレイ!?」

 

 

「皆さん、御機嫌よう!」

 

 

「レイ!この一週間何をしてやがった!?」

 

 

「連絡くらいしやがれ!」

 

 松田と元浜が零に駆け寄る。言葉こそ荒いがどうやら零の事を心配していた様だ。

 

 

「しかもアーシアちゃんや白音ちゃんと登校だと!?」

 

 

「貴様ぁ!もしかして大人の階段を昇っただけでなくハーレムか?!」

 

 そうでも無かった様だ。零はそんな2人をスルーして一誠の元にやってきた。一誠は先の戦いの事があり、零の事が近付く度に心臓の速度が速くなるのを感じていた。

 

 

「そう構えるな。学園(こんな所)で暴れるつもりはない。それともお前は此処で暴れて犠牲者を出したいのか?」

 

 

「いっいやそんな事はない……」

 

 零に敵意がない事が分かると、一誠は安心した様だ。

 

 

「今日はお前等の主に用がある。それと生徒会長のシトリーも呼べ、最高神の子として……日本の代表として悪魔(お前等)に話しがある……会わないと言うならそれで構わないぞ?話し合いに応じないのであれば、日本(この国)から強制的に退去願うだけだからな……」

 

 

「ッ!?……分かった、直ぐに部長に連絡する(ぞくっ」

 

 そう言うと一誠はリアス達のいるオカ研の部室に向かった。一誠には零の言う「強制的に退去願う」という言葉が問答無用で日本に居る悪魔達を滅ぼすぞという風に聞こえた様だ。しかし悪魔に良い印象を持っていない零ならそれを実行しても可笑しくはない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~オカ研部室~

 

 現在、オカルト研究部の部室には魔王サーゼクス・ルシファーの妹、リアス・グレモリー。リアスのクイーンであり、人間と堕天使のハーフ姫島朱乃。リアスのナイト、聖魔剣使い木場祐子とデュランダルの担い手ゼノヴィア・クァルタ。ポーンであり歴代最弱の赤龍帝、兵藤一誠。

 魔王セラフォルー・レヴィアタンの妹、ソーナ・シトリー。ソーナのクイーンである真羅椿姫。ポーンであり、一誠達と同じ学年の龍王ヴリトラを宿した神器をもつ匙元士郎がいた。

 

 勿論のこと、先の会談の事があり零をかなり警戒している。

 

 

「黒歌、オーフィス」

 

 リアス達の前に座る零が2人の名を呼ぶと空間の歪みが出現し、黒歌とオーフィスが現れた。

 

 

「はぐれ悪魔黒歌……ッ!もっ申し訳ありません、もう彼女は悪魔ではありませんでしたね」

 

 ソーナが黒歌を見てそう言ったが、零から一瞬殺気を放たれた事で直ぐに謝罪した。

 

 

「……まぁいい。今回は話し合いだ……母様からも争いは避ける様に言われている。此処で争うつもりはない」

 

 零は殺気を収めて直ぐに入り口の方を見た。

 

 

「アザゼル、居るんだろう?」

 

 

「流石は零、隠れてる俺に気付くとはな」

 

 入り口の方に突然アザゼルが現れた。どうやら隠れていたらしい。その後ろに数人の人物がいた。

 

 

「アザゼル、久しい」

 

 オーフィスがアザゼルにそう言うと、オーフィスは直ぐに零の膝の上に座る。

 

 

「オーフィス、もう少しそっちに寄って下さい。私も座ります」

 

 白音も当然の様にそう言うと、空いた方の膝に座った。

 

 

「「くっぐぅ~~~~(羨ましぃ~)!!」」

 

 そんな零をみて、血の涙を流している一誠と匙。

 

 

「さてとアザゼル、1つ質問があるんだが………なんでそいつ等がここに居る?」

 

 零から凄まじい殺気が放たれ、アザゼルの後ろにいる者達に向けられた。

 

 アザゼルの後ろに居たのは、アーシアを殺した原因ともなった堕天使レイナーレ、ミッテルトだった。

 

 

「おいおい、そんなに殺気を向けるなよ。今は此奴等はリアスの眷族だ……まぁ前に色々とあったが、迷惑を掛けたからな。神器の実験に付き合って貰ってリアス達の眷族にしたって訳だ。おいっ!?ちょっと待て、オーフィス!そんなものこっちに向けるな!」

 

 零の膝に座っていたオーフィスがレイナーレ達に向かって黒く禍々しい球体を形成し放とうとしている。

 

 

「そいつ等、アーシア虐めた………消す」

 

 

「オーフィス、落ち着け。それは後だ……今は話し合いだからな……此処でやると母様にも迷惑がかかる」

 

 

「……母に迷惑掛かるならやめる」

 

 オーフィスは天照に迷惑が掛かると聞くと直ぐに球体を消した。

 

 

「まっ……そいつ等の事は置いといてやるよ。ではまず天照大神からの悪魔側への要求を伝える」

 

 

 1.現在、日本に居る総ての悪魔達は本日から1週間以内に近くの神社・社に赴きそこにいる神々の指示に従う。

 

 2.本日より日本神話側に知らせず勝手に日本に侵入してきた悪魔がいた場合は此方で捕縛し、日本側で裁いた後に魔王達に連絡し、悪魔勢にペナルティを科す。

 

 3.元々日本にいた転生悪魔達は1人残らず日本の神々の元に赴き、その真意を確かめる。その後、強制的に転生悪魔にされた場合はその主を捕縛・日本側の方にて裁く。もしくは魔王側に突き出して罰則を与える。

 

 4.本日より日本にいる人間、妖怪などを転生悪魔にした場合は悪魔側にペナルティを科す。

 

 5.転生悪魔に関して日本神話の許可と転生させられる本人が望み転生悪魔になるならばペナルティはなし。死亡した後、命に関わる救急である場合は本人に確認し、本人が悪魔となる事を望んだ場合はそのままとする。本人が望まぬ場合は天王理零が開発した術式にて元の種族に戻す。

 

 6.悪魔が日本に滞在する場合は各地方を収める神々と誓約を交わす。それを破った場合は本人だけでなく魔王側にもペナルティを科す。

 

 7.上記の要求に従わなかった場合は、日本神話は悪魔側を外敵と見なし日本にいる悪魔は殲滅する。

 

 今此処に、日本の最高神・天照とその妹神・月読、弟神・素戔嗚の名において魔王側にこれ等を要求する。故に迅速に対応願う。

 

 

「以上が主神・天照大神が貴様等悪魔に出す要求だ」

 

 

「そんな無茶な………」

 

 

「横暴です!悪魔であってもこの国で生活を望む者達も多くいるのですよ?!」

 

 

「だからこそ従えと言っている。天照、月読、素戔嗚の三神が日本に滞在する事を許可すれば誓約はつくが日本で暮らしていいと言っているんだ。まぁ多少不便になるかもしれんがな」

 

 つまりは本来であれば殲滅させられても文句は言えないのに今まで日本で好き勝手していた事を許しできるだけの譲歩し、日本での生活や貿易、悪魔の仕事を監視下でなら行っていいと言っている。これでも天照達の慈悲深い心が分かるだろう。

 

 

「誓約書は此処だ……本来なら魔王どもを呼び出して母様達の目の前でサインさせたいが、此方も忙しいのでお前等から魔王達に渡せ」

 

 そう言ってリアスとソーナの前に誓約書を置いた。

 

 

「言っておくが、従わない場合はこの我手ずから貴様等を滅ぼしに冥界に行くと思えよ」

 

 

「「「「「!!?」」」」」

 

 

「俺も面倒くさいので出来る限りそんな事はしたくない。なんで大人しく従って貰いたい……」

 

 

「わっ分かりました。直ぐにでも魔王様達にお渡しします………」

 

 ソーナはそう言って誓約書を手に取り仕舞った。

 

 

「話が早くて助かるよ、ソーナ・シトリー………さてと今日は個人的な話もあるし、外に居る眷族達を退かせたらどうだ?」

 

 零にはソーナが外に待機させている眷属たちがいることに気づいていたようだ。

 

 

「気付いておられたんですね……失礼しました。椿姫」

 

 

「はい、会長」

 

 クイーンである椿姫に外に居る眷族達を下がらせるように命じた。

 

 

「素直に従ってくれてありがとう……日本の代表としての話は終わりだ。此処からは俺個人の話だ………アザゼル、そいつ等がここに居るのはリアス・グレモリーの眷族だからだと言ったな?」

 

 

「あぁ、間違いない。ほらっ証拠に悪魔の翼があるだろう。レイナーレがビショップ、ミッテルトがルーク。残りのドーナシークとカラワーナは俺の助手をしている」

 

 

「そうか……それでそいつ等は俺の目の前に現れて………唯で済むと思っているのか?確かに【栽神への誓い(ライズ・オブ・ギアス)】の効力でその堕天使共に危害を加える事はない。だがそれはあくまでも肉体的にということであって精神的にダメージを与える事もできるんだが……それに先程の俺以外が危害を加えてもその契約には反さない」

 

 零がレイナーレ達に使った栽神への誓い(ライズ・オブ・ギアス)は零が直接的にレイナーレ達に危害を加えないと限りは発動しない。つまり幾らでも彼女達を消す方法はあるという事だ。先程の様にオーフィスがレイナーレ達を消そうとしても何の問題もない。

 

 

「まぁ待て……お前が此奴等を許せないのは分かるが、此奴等は此奴等なりに必死だったんだ………それに此奴等は裁きは受けた。もうお前等に害はなさないさ」

 

 

「……アーシア、どうする?…お前が決めろ。此奴等を裁くか、裁かないか………お前がもし許さないと言うなら俺が何とでもしてやる」

 

 そう言うと、右眼の眼帯を外した。そして右眼を開けると、そこには輝きを放つ紅い瞳が在った。

 

 

「私は………私はレイナーレ様達を…………許します。レイナーレ様のお蔭で私は零さんに会えたんですから」

 

 

「だっそうだ。アーシアに感謝しろよ小鴉………だがもしも家のアーシアや白音達にちょっかい出そうものなら」

 

 辺りの空間が歪み始め、部室が何時の間にか荒野へと姿を変えた。空には暗雲が立ち込めており、雲の隙間から巨大な蛇腹が姿を見している。

 

 

 《グオォォォォォォ》

 

 そして雲から顔を出したのは零がその身に宿す四霊の超機人【応龍皇】が、何時の間にか四神の超機人である【龍王機】【雀王機】【武王機】【虎王機】がリアス達を取り囲んでいる。

 

 

「ただ死すだけでなく、その魂は未来永劫の苦しみを受けると思え……それはリアス・グレモリー貴様もだ」

 

 超機人だけでなく、周りには無数の巨大な影が現れリアス達を見下していた。それだけでなく、零の背後には凄まじい数の武装を人影が立っていた。

 

 

「おいおい、なんじゃこりゃ………流石の俺も空いた口が塞がらねぇよ全く」

 

 アザゼルが驚いていると、辺りの風景がオカ研の部室に戻った。

 

 

「俺は俺の大切な物に手を出す奴には容赦しない。それが何処の誰であろうとも……な」

 

 零の眼が光がゆっくりと収まって行く。それと同時に零の全身から溢れ出していた力も消えていった。

 

 

「………まぁいい。話はそれだけだ……俺達は帰る」

 

 そう言うと、オーフィスと白音を抱えて立ち上がる。そしてそのまま部室を去ろうとする。

 

 

「…っ……待って!」

 

 それを止めたのは、この部屋の主であるリアスだった。だがその声は震えていた。

 

 

「なんだ?言っておくが、さっき言った要求は変わらないぞ。従わないならお前等を消すだけだ」

 

 

「ッ……それは……魔王様達に相談して直ぐにでも行うわ。それよりもギャスパーの事よ!私のギャスパーを返して!」

 

 リアスは連れて行かれたギャスパーの事を言った。零はそれを聞いてリアスを睨み付ける。リアスは睨まれて竦むが更に続けた。

 

 

「あの子は私の眷族よ!私の下僕なのよ!」

 

 

「ぁあ………そうだったな。だがそのギャスパーは未だに眼を覚まさない……恐らく神器を無理矢理に抑え込んだ反動だろう。まぁ今の所、眠っているだけだから問題ないが………ギャスパーがあんな目に合うのに置いていったお前にそう簡単に返すと思うか?」

 

 

「っ!?」

 

 

「俺はお前と違ってあの子の意志を尊重しつつ、必要な限り護る。だからあの子が自分の意志でお前の元に戻るなら俺は止めない。だが1つ言っておく」

 

 零は白音とオーフィスを降ろすと、一瞬でその場から消えた。

 

 

「ぐっ……がぁ!?」

 

 皆が声のした方向を見てみると、零がリアスの首を掴みその身体を持ち上げていた。

 

 

「あの子がお前の元に戻ったとしても、戻らなかったとしても…………俺はあの子を護る。お前ではあの子を救えない……苦しみも悲しみも孤独も理解できないお前にギャスパーは救えない(ぱっ」

 

 

「ごほっごほっ」

 

 

「リアス!」

 

 零が手を離すとリアスは地面に落ち、咳き込んでいる。そして朱乃がリアスに駆け寄った。

 

 

「フン………ぁあ……忘れる所だった。姫島朱乃」

 

 リアスに駆け寄った朱乃を見て何かを思い出した様だ。懐から手紙を取り出すと朱乃の前に差し出した。

 

 

「なっ何ですの?」

 

 

「君にはそう警戒しないで欲しいな。俺は君に害を成そうなんて思ってないし、仲良くしたと思ってる………これは招待状。もし強くなりたいなら………これに書いてある場所に来るといい」

 

 

「強く………どういうつもりですの?私を懐柔するつもりですか?」

 

 

「そんなつもりは毛頭ない。ただ俺は俺のしたい事をするだけ………俺は君に選択肢を与えているだけさ。どうするかは君が決めるといい、俺はそれに口出ししない」

 

 零はそう言うと、朱乃の近くに手紙を置くと身を翻した。

 

 

「おいおい、ちょっと待て。俺の話は終わってないぜ、前に聞いた事を未だ答えて貰ってない。『お前は一体何者だ?』」

 

 

「さて………俺は俺だ。それ以上でも以下でもない………お前が何を考えているかは知らんが死にたくないなら口に出さん事だな」

 

 零の足元に魔方陣が浮かぶと、黒歌達の足元にも同じ魔方陣が描かれた。

 

 

「俺は忙しいのでこれで失礼する…………ぁ…そうだ。この駒王の土地は俺が母様から管理を任されたんで、覚えておくように………まぁ今の生活を続けて貰っても構わない。ただこれまでみたいに自分の土地だとかほざいたら、その場で消すんで宜しく」

 

 零はそう言うと、アーシア達と共に消えてしまった。

 

 

「「「ぇ………ぇえ!?」」」

 

 驚きの真実に皆は驚いた様子で唖然としている。




・オカ研新メンバー(リアスの新しい下僕)

名前:レイナーレ

種族:転生悪魔(元:堕天使)

駒:ビショップ

神器:???(アザゼルに埋め込まれた物)


一誠を殺し悪魔に転生させるきっかけとなった堕天使。一誠の初めての恋人であったが、全ては一誠に宿る神器を消す為であった。

現在はアザゼルに下された罰を受けた後に、リアスの下僕となった。

しかし零からはアーシアを傷付けた存在として睨まれている。

《一誠のハーレムの1人の予定?》






名前:ミッテルト

種族:転生悪魔(元:堕天使)

駒:ルーク

神器:???(アザゼルに埋め込まれた物)


元々はレイナーレにつき従っていた堕天使の1人。他の2人はアザゼルの元で研究(と言う名の趣味)の手伝いをしているらしい。

何故かリアスの下僕となっている。

《一誠のハーレムの1人の予定?》




















~アザゼルの屋敷~

会談後、帰宅したアザゼルは疲れた様子で高級そうな椅子に座っていた。

「ふぅ……疲れたぜ。だが収穫もあったな……零の事……もう少し調べてみるか…ん?あれ?何処行った?………ファーブニルの神器が………あれ?ん、紙?」


【堕天使やらヴァーリに迷惑を掛けられたんで、お前のコレクションの1つ貰ってくぞ。絶対返さないので宜しく。By零】

と書いた紙がポケットに入っていた。


「……………ふざけんなぁ!!!!」


【なお、この手紙は消滅します】

そしてその日、街の一角の屋敷で爆発が起きたとか。

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