ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く 作:始まりの0
今年も宜しくお願いします。
~2016年 元旦 天王理家~
「と言う訳で明けましておめでとう」
「「「明けましておめでとうございます(にゃ)」」」
「おめでとう」
零がそう言うと、白音、黒歌、アーシア、オーフィスが新年の挨拶をした。
「まぁ普段とあんまり変わらないな」
『いえいえ、そんな事はありませんよ』
零はそう言うと、何処からともなく声がしてきた。零はその声を聞くと身体がビクッと跳ね上がった。そして後ろを振り返ると天照、月読、素戔嗚が現れた。
「母様、月姉、叔父上………明けましておめでとうございます」
「はい、明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いしますね」
「可愛い弟(?)よ~、今年も宜しく~」
「おう!正月だ、飲むぞ!」
零が挨拶すると、3人の神々も挨拶を返す。それからアーシア達も新年の挨拶をした。因みに月読と素戔嗚は顔が赤い。素戔嗚に至っては酒樽を担いでいる。
「母様、主神が新年そうそうこんな所に来て良いんですか?」
「大丈夫です、『皆さん、今年も宜しくお願いしますね。私は息子の所に行くので後はお願いします』と笑顔で言ったら皆は喜んで送り出してくれましたよ?」
【皆さん、今年も宜しくお願いしますね。私は息子の所に行くので後はお願いします。可愛い息子に新年の挨拶をしないといけませんので】
【私もだ】【俺もだ】
【いやしかし……】【主神がその様な理由で高天原を離れるなど】
【何かいいましたか?(ゴオォォォォォォ】
【私等に意見か?(ゴオォォォォォォ】
【消えるか?死ぬか?(ゴオォォォォォォ】
零にはそう言う場面が容易に想像できた。
「(日本の神々も苦労するな)……そうですか…ん?何ですかその荷物は?」
零は天照と月読の持つ大きな袋を見て首を傾げる。
「フフフ……お土産ですよ。アーシアさん、白音さん、黒歌さん、オーフィスちゃんはこっちに来て下さいな」
そう言って天照と月読はアーシア達を連れて奥の部屋に消えていった。
「なんだ?……まぁいいか。叔父上、飲むならつまみが要りますよ。それに正月ですし御節も」
「おっそれもそうだな。御節はクシナダに作って貰ったぜ」
そう言って零と素戔嗚は御節とつまみの用意を始めた。
それから数分後、アーシア達が天照達に連れられ戻ってきた。ただその服だけは違っていた、先程までの服とは違い振袖を着ていた。
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
「へぇ、似合ってるじゃないか」
零は皆の振袖姿を見て雄叫びを上げる。そして、カメラとビデオカメラを構えて皆の姿を撮り始めた。
「ふぅ………眼福、眼福………それよりも母上、月姉……その小さな振袖を持ってなんでこっちに近付いてくるんですか?」
「いえいえ……折角手に入れた上物の振袖を貴方に着せようと思いまして(じりっじりっ」
「その為にお前を小さくしようと思ってな(じりっじりっ」
「着ません。絶対に着ません………(がしっ)あれ?アーシア?白音?黒歌?オーフィス?何で俺を拘束して…しまった。母様!皆に何を!?」
アーシア達が何故か零の身体に抱き着いて動きを封じた。
「あらあら……ただ貴方の振袖姿を見たいだけですよ?」
「いっいやだぁぁぁぁぁぁっぁぁ!!!」
こうして零を子供にし振袖を着させて撮影会を始めた。
その後、皆で食事の席に着いた。
「はぁ……酷い目にあった。まぁいい……それ以上の物を手にした訳だし…フフフ」
零は疲れた表情をしているが、オーフィス達の振袖姿を撮ったカメラとビデオカメラを大事そうに撫でながら異空間に収納する。
「あっそうです、お年玉を忘れていました。はいっ皆さん、どうぞ」
そう言って天照達がアーシア、白音、黒歌、オーフィスに大きな袋を渡した。
「これはなんですか?」
「フフフ、ごにょごにょ……です。零に見せてはいけませんよ?」
天照に耳打ちされると、皆の表情に光が差した。何時も無表情のオーフィスも嬉しそうだ。
「零にはこれを」
そう言って零に渡したのは剣・勾玉・鏡だった。
「いやいや……これってオリジナルの三種の神器ですよね!?最高神の権威ですよ!お年玉で渡していい物じゃないですよ!?」
三種の神器とは天孫降臨の際に天照大神が瓊瓊杵尊に授けた剣・玉・鏡であり、それは天照の最高神の権威の一部でもある。お年玉などと言って気軽に渡していいものではない。
「仕方ないですね……ではこっちを」
そう言って三種の神器を仕舞い、10個の剣・勾玉・鏡を取り出した。
「いや……だから駄目です!それは十種神宝ですよね!?世界を構成している様な神器を俺に渡さないで下さい!」
「これでも駄目ですか、なら……これを」
そう言ってまたとんでもない物を出そうとしたので零はそれを止めた。このままでは他の神話体系を滅ぼして世界を零に渡そう等と言いだしそうだ。天照や月読達が言うと本気で行ってしまいそうで怖い。
こうして零達の正月が過ぎていった。
「小さい零さん、可愛いです」
「赤ん坊のご主人様………可愛い」
「ほんとだにゃん、私もご主人様との赤ちゃん欲しいにゃん」
「零……可愛い」
天照達の渡したお年玉は零の赤ん坊の頃から写真とビデオのセットでだった。