ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く 作:始まりの0
今回出るのは……
特別編 聖夜の奇跡 前編
~昼間 駒王街 公園~
12月24日。それは1年に一度のクリスマス・イヴ。イエス・キリストの誕生日の前の日であり前夜祭を行う日だ。そして良い子にはサンタクロースがプレゼントをくれる日でもある
公園にはカップルが溢れかえり、甘い空気が漂っている。
そんな中で3人の男子高校生が妬ましそうにカップルを睨んでいた。
「妬まし~」
「爆発しろ~」
「リア充滅べ~」
駒王学園の三馬鹿こと
歴代最弱の赤龍帝にして、悪魔、普通にしてればイケメンのおっぱい好きのエロ大王(駒王学園女子生徒達により命名):兵藤一誠。
女性のスリーサイズを見るだけで計測するスカウターを持つロリコン。エロメガネ:元浜。
セクハラ発言、写真はお任せの一見スポーツ少年に見える変態。エロ坊主:松田。
カップル達に向かい嫉妬と羨望の眼で睨みながら自分勝手な念を込めて言葉を放つ。カップル達からすればいい迷惑である。
「何をしている馬鹿共」
3人が振り返ると、そこには黒歌を連れた零がいた。
「「「レイ!?」」」
「邪魔だ、どけっ」
「ご主人様、此奴等誰にゃ?……あっ……(この茶髪、赤龍帝じゃない)」
「うちの学園の変態3人組だ。放っとけ……帰るぞ、黒歌」
「「「ごっご主人様ぁぁ!?」」」
黒歌が零のことをご主人様と呼んだことに反応した様だ。
「和服、巨乳のお姉様と!」
「主従プレイだと!?」
「「なんと羨ましい~!燃えろ!俺達の
元浜と松田がそれらしいセリフを言って零に殴り掛かって来た。零はそれを軽く避け、回し蹴りを喰らわせて近くの噴水に蹴り入れた。
「うわぁ………さぶそうにゃ」
「自業自得だ………珍しく一誠は殴り掛かって来なかったな」
「……なぁ、俺達この間まで戦ってなかったか?それについこの間まで夏だった様な……」
「あぁ………大丈夫、これ特別編だから。時間軸とか、全く無視で」
「メタいな!」
「細かい事を気にしているから、お前は何時まで経ってもガキなんだよ」
一誠の突っ込みにそう返すと、零は空を見上げた。
「さぶっ………さっさと帰って炬燵に入ろう」
「そうするにゃ、後みかんも必要だにゃ」
そうして帰ろうとする2人なのだが……
「って待てよ!マジでデートなのか!?確かそのお姉さんは、猫耳の人だよな?!ご主人様ってどうなってんだ!?」
「そうだにゃん、よく覚えてたにゃ。赤龍帝の坊や。因みに言うとご主人様っていうのは私と白音が勝手に呼んでるだけよ。あっ…でもご主人様が望むなら何時でも、どこでも初めてを捧げる覚悟はあるにゃ」
黒歌がそう言うと、零に抱き着いた。
「クソッ!羨ましい!!!」
「喧しい……俺は忙しいんだ。お前に構っている暇などない。黒歌も変な事を言うんじゃない」
(私としては本気何だけど……鈍感にも困ったものだにゃ)
零はそう言って黒歌と共に帰ろうとしていると、あることに気付いた。そして振り返るとそこにボロボロの服を着ている1人の老人が立っていた。
「ホッホッホッ………お若いですなぁ……これはまた人であり、人でない……神に近い様なお方だ」
「誰だ……この爺さん?」
一誠は見覚えのない老人に首を傾げる。
「……この感じ……アンタも人じゃないな(ギッ」
「悪魔でもないみたい……だからと言って妖怪でもない、天使でもない。どちらかと言うと……妖精や精霊に近い感じにゃ」
零と黒歌がこの老人が人間でない事に気付いた。零の至っては何者なのか突き止めようとその眼で老人を見つめた。そして直ぐに驚いた表情をする。
「……成程。まさか貴方が俺の前に姿を見せるとは……」
どうやら零はこの老人が誰なのか分かった様だ。
「ホッホッホッ……なに、偶々通りかかっただけですじゃ。それで御挨拶しようと思いましてな」
「俺は貴方に挨拶されるほど、偉い存在じゃない。ただの半端者さ」
「いやいや、御謙遜を……」
「おい、レイ。この爺さん、知り合いなのか?」
「会ったのは初めてだ。今までも同じ様な人は何度か会った事あるがな………」
「ホッホッホッ……此処とは違う何処かで会ったことがございましたかな?…‥儂も貴方に会うのが始めてとは思えませんしのぅ」
何やら良く分からない話をしている零と老人。黒歌と一誠は一体何なのか訳が分からない様子だ。
「それにしても……貴方もだいぶ、存在が薄くなっていますね。今日が本番だと言うのに」
「えぇ……近年になって儂を信じてくれる子供達が減ってしまいましてな。今ではこうやって存在しているのがやっとという所ですじゃ」
老人がそう言うと、老人の身体が薄くなっていく。
「おっおい!レイ!何がどうなってるんだ!?」
「大丈夫じゃよ、悪魔の坊や……これも仕方のない事なんじゃよ」
「ぇ!?もう訳分かんないだけど!レイ!説明プリーズ!」
「はぁ……この御方はな、子供なら誰しも知る御方だ」
「ん……もしかして、ご主人様」
どうやら零の言葉で黒歌は老人の存在に気付いた様だ。「子供なら誰でも知っている」「12月24日が本番」と言えば自ずと答えは出るだろう。
「この御方は1年に1度、子供達に夢を運ぶ【サンタクロース】だ」
「なんだ……サンタクロース……サンタさんか……成程………ん?……でぇぇぇぇぇぇ!?マジでぇぇぇぇぇぇぇ!?」
一誠の叫びが公園中に響いた。
「うるさい(ドゴッ」
「ぐぇ!?(バシャーン」
一誠は零の蹴りによって、元浜達と同じ様に噴水で水浴びをすることになった。