ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く   作:始まりの0

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EP41 四神

 ~駒王学園上空~

 

 

「『古に創造されし邪を滅せし守護神達よ。我が声に応え此処に降臨せよ』」

 

 零は両手を広げながら、舞う様に空を飛び始めた。何時の間にか手には広げた扇子を持っている。

 

 

「『青き龍よ。天空を翔けその術にて邪を滅ぼせ【ソウルコード:龍王機】』」

 

 零の周囲を周っていた青色の光が空に舞い上がり、雷を放出しながら巨大化していくその姿を翼を持つ龍へと姿を変える。

 

 

 《グオォォォォォォォ!》

 

 龍王機は咆哮すると零の近くに降りて来た。

 

 

「『炎を纏いし孔雀よ。天空を舞いその焔にて邪を焼き尽くせ【ソウルコード:雀王機】』」

 

 零の周囲を周っていた赤い光がその場から離れると、激しく燃え始めた。炎はやがて巨大化するとその姿を炎を纏う赤い鳥に姿を変えた。

 

 

 《キュアァァァァァァ!》

 

 雀王機は啼きながら翼を羽ばたかせ優雅に空を舞い、零の近くに舞い降りる。

 

 

「『堅き鎧を持ちし大亀よ。水を制しその鎧にて小さき者を邪より守護せよ【ソウルコード:武王機】』」

 

 零の周囲を周っていた玄い光は地へ降りていくと、地面の中に吸い込まれていく。そしてそこから水が噴き出すと中から尾の方から蛇が出ている巨大な亀が姿を現した。

 

 

 《ゴオォォォォォォォ!》

 

 武王機は大地を踏みしめ、零に向かい咆哮を上げる。

 

 

「『白き虎よ。その神速にて地を駆け金剛をも斬り裂くその爪にて邪を引き裂け【ソウルコード:虎王機】』」

 

 最後に残った白い光は、凄まじい速度で辺りを飛び回るとその姿を白い虎へと姿を変えた。

 

 

 《ガアァァァァァァァ!》

 

 虎王機は雄叫びを上げると、空を駆けながら零の元に駆け寄る。

 

 

「此奴等はとある文明が産み出した人界を守護せし超機人と呼ばれる存在だ。まぁ色々あって今は俺の所に居る訳だ………さてヴァーリ、この状況でも戦うか?(パチッ」

 

 零は扇子を閉じ武王機の頭の上に降りると、そのまま座り込んだ。

 

 

「ふっ………アハハハハハ……本当に面白いね、そのドラゴン達から溢れる力は計り知れない。けどデカいだけじゃ」

 

 

「デカい=強い訳じゃないからな………じゃあこうしよう。龍王機!雀王機!武王機!虎王機!」

 

 

 《グオォォォォォォ!!》

 

 《キュァァァァァァ!!》

 

 《ゴオォォォォォォ!!》

 

 《ガアァァァァァァ!!》

 

 

「『我、世界を守護せんがため我が魂を刃と化す、そして今、汝等と1つにならん。【四神招魂】!』」

 

 龍王機、雀王機、武王機、虎王機はそれぞれ零の言葉に応える様に雄叫びを上げると、再び光となって空に舞い上がる。そして4つの光は天から零に向かい舞い降りると零を包み込んだ。

 

 

「【ソウルコード:真・龍虎王】!降臨!」

 

 龍王機の頭部を模した兜、虎王機の顔をついた鎧、背には雀王機の翼、左肩には武王機の甲羅が装備されている。

 

 かつてアーシアの事件の際に零が呼び出した【応龍王】と同じ種類の機体だ。

 

 超機人………それは此処とは違う世界の地球の太古に無数の邪な者達が世界を蹂躙していた。それに対抗する為に造られたのが超機人だ。

 

【応龍王】はその中でも『四霊』と呼ばれる最高位のランクの機体だ。そして超機人の動力源は『五行器』と呼ばれる自然界のエネルギーを使用する永久機関を持ち、魂を宿している。

 

 先程、零が呼び出したのは『四神』の超機人。【応龍王】を始めとする『四霊』の僕でもある。

 

 そして零が纏っているは、『四神』の超機人達が合神した【真・龍虎王】だ。

 

 先程の龍王機達の巨大な姿ではないが、零の身から溢れる力は全く小さくなっていない。それどころか更に力は増大している。

 

 

「………フフフ……フハハハハハハハハハ!!素晴らしい!素晴らしいよ!零!その身から溢れる力の波動!今までに見た事がないほど強大だ!じゃあ!行くよ!それが見かけ倒しでない事を見せてくれ!」

 

 ヴァーリは零の放つ力が強大である事に歓喜し、今まで以上に力を全身から溢れさせる。そして巨大な魔力の塊を形成した。

 

 

「成程……ではこれでどうだ?『神州霊山!移山召還!急々如律令!』」

 

 零は龍王機の使う七十二の呪符の1枚を取り出すと、空に向かい放った。すると空に巨大な陣が浮かび上がり、そこから巨大な岩山が出現した。

 

 

「落ちろ!」

 

 

「フハハハハハハ!そうでなければ!面白くない!はあぁぁぁぁぁぁ!」

 

 ヴァーリは自分が形成した魔力の塊を岩山に向け放った。岩山はヴァーリの魔力弾を受け爆散する。零はそれを見ると、【真・龍虎王】の尾にある龍玉を手に取る。龍玉からは凄まじい雷が放たれ、刃を形成する。

 

 

「『龍王破山剣』、さぁヴァーリ。俺の力を半減できないお前がどう戦う?」

 

 

「確かに、力を半減できずオレの力も増えない。なら他の所から奪えばいい」

 

 ヴァーリの背の白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)の翼が大きくなる。

 

 《Half Dimension!》

 

 音声と共に宝玉が光り、ヴァーリが手を握ると残っていた校舎が一瞬の内に半分の大きさになる。

 

 

「ほぅ……他の物体を縮小させているのか。面白い……では行くぞ!」

 

【真・龍王機】に装備された雀王機の翼が大きく広がると、零は龍王破山剣を構えヴァーリに接近する。

 

 

「おらぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 一気にヴァーリの懐に入ると龍王破山剣を振り下ろした。ヴァーリの白龍皇の鎧は殆ど意味もなく斬り伏せられた。ヴァーリはそのまま旧校舎の方に落下した。

 

 

「手応えが……おかしい」

 

 零はヴァーリを斬り伏せた時の手応えに違和感を感じていた。

 

 

「ぐぅ………がはっ!危なかった……」

 

 《何と言う威力だ。斬撃の威力を半減し、全魔力を鎧の防御に回していなければ深手を負っていたぞ!》

 

 零が旧校舎の方を見ると、白龍皇の鎧を解除されたボロボロのヴァーリが立っていた。アルビオンによると、龍王破山剣で斬られる瞬間にその威力を半減させ、後は全力で鎧の防御力を上げていた様だ。

 

 

「流石はヴァーリ、戦闘に関してのセンスはずば抜けているな。よくもあの一瞬で見抜いた」

 

 

「それは零もだよ、あの一撃、本当に死ぬかと思って冷や汗を掻いたよ」

 

 

「威力は加減している。それに此処は俺の結界内、死なない様に怪我をしても直ぐに治る様に調節しておいた」

 

 ヴァーリはそれを聞くと、自分の身体を見た。零の言った通り、傷は既に消えていた。

 

 

「本当に傷が治っている」

 

 

「俺にはお前を殺す理由がない。故に今はこの断罪の間(ジャッチメント・フィールド)をお仕置きモードに変えている。この中ではどんな攻撃でも死人はでない、傷は直ぐ治る。あくまでもお仕置きする為のモードでな」

 

 どうやら、今の零の展開する断罪の間(ジャッチメント・フィールド)はお仕置きモードという状態になっているらしい。この状態ではどの様な強い攻撃であっても死ぬ事はないとのことだ。

 

 

「俺としてもお前を殺すつもりはないからな。まぁお前としては不満があるかも知れんが我慢しろ………」

 

 

「クックククク……アハハハハハハ!本当に素晴らしい!これで手加減しているなんて!でも!オレは君の本気を見てみたいよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~会談室~

 

 零とヴァーリの戦いを見ている一同は唖然としている。先程、零が呼び出した龍王機達の事にしても、龍王機達が合体した真・龍王機の事に関しても、あまりにも自分達の常識を超えている。

 

 

「おいおい、ありゃなんの冗談だよ。ヴァーリは魔王の血を引き、二天龍の片割れを宿した……俺の知る限り歴代最強の白龍皇だぞ。なのに零はそれを手玉に取ってやがる」

 

 

「その歴代最高の白龍皇があぁも簡単に………」

 

 アザゼルの言った言葉に次いでサーゼクスもそう呟いた。現在の状況では圧倒的に零が有利だ、それはミカエルもサーゼクス、経験不足であるリアス達もそれが分かっていた。

 だがそんな中で天照達は何故か表情を曇らせている。

 

 

「零………」

 

 

「あぁ……姉上、今のこの状況………」

 

 

「それにアイツ等の眼………」

 

 天照達は三大勢力の者達を見て、ある感情を読み取った。それの感情の原因は自分達の愛する零自身、それ故に零に向けられたその感情を許せなかった。

 

 三大勢力のトップ達、そしてリアス達が零に向けている眼は圧倒的な力を持つ零に対する畏怖だ。現在はその力が白龍皇に向けられている、だがその力が仮に自分達に向けられたら自分達は確実に全滅させられる事になる。特に零は母のいる天照の日本勢力の味方だ。

 

 仮に天照が直ぐに悪魔達を日本から追放する様に言えば、零はそれを実行に移すだろう。それに黒歌の様に、無理矢理に転生悪魔にされた事でも悪魔に対しいい印象はない。もしこれ以上、零の気に障れば本当に悪魔達は全滅させられかねない。それはアーシアを迫害した天使側、事件を起こした堕天使側についても同じ事が言える。

 

 かつて自分達を助けた「伝説の戦士」が今度は自分達の敵になる。しかも今度は日本神話が零の味方をするだろう。かつての大戦の際には二天龍でさえも手を焼いたのに、その二天龍を一撃で封印した零相手に自分達は何処まで抵抗できるだろう?

 

 現在の光景を見れば、自分達が確実に全滅させられるイメージしか浮かばない。故に零に恐怖している。

 

 だがそれは天照達にとっては許す事のできない行為だ。自分達の愛する零にその様な目を向ける事、自体が許せない。

 

 

「今は見守りましょう…………あの子の戦いを」

 

 天照がそう言うと、月読と素戔嗚は再び零に視線を向けた。




・ソウルコード:ユニコーンガンダム

 とある世界であるニュータイプの少年の乗っていたガンダム。

 全身にサイコフレームを搭載しており、人間サイズになってもその能力は本来と同じ。

 零が使用するとサイコフレームは翠色の光を放ち、シールドもファンネルの様に使用する事が可能である。

 また今回は登場しなかったが、フルアーマー化する事も可能である。

装備

ビームマグナム×1

シールドファンネル(ビームガトリング装備)×3

頭部バルカン×2

ビームサーベル×2

ビームトンファー×2







ソウルコード超機人

龍王機・雀王機・武王機・虎王機


零のソウルコードにより呼び出された【四神】の超機人。

とある世界の太古に、地球を蝕む百邪という存在から地球を、人類を救う為に造られた超機人。【応龍皇】は【四霊】と呼ばれる最高位の存在。

【四霊】の僕である【四神】の超機人達は互いに合体することで、その力を発揮する。

応龍皇の様に個々の意志を持っており、自分達のそれぞれの搭乗者を自ら探す。だが零の場合は圧倒的な力とその魂で4人以上の搭乗者の代わりとなっている。


【真・龍虎王】

四神の超機人達が合神した姿。龍王機の術を基本に戦闘を行う。

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