ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く   作:始まりの0

47 / 110
EP40 思い

 ~駒王学園上空~

 

 総ての魔術師達を全滅させた零【半身】は役目を終えると、零【分身】と再び1つとなった。

 

 そして零は気配を感じ振り返ると、そこにはを広げたヴァーリの姿があった。

 

 

「フフフ………あのカテレアを倒すとは流石は伝説の戦士という所だね」

 

 ヴァーリは不敵に笑っている。零はそれを見て、かなり面倒そうな顔をしている。

 

 

「言っておくが俺は戦わんぞ。唯でさえ疲れてるんだから」

 

 

「全然、そうは見えないけど?」

 

 

「精神的に疲れてる。と言う訳で俺は帰る……それにお前と戦う理由はないし」

 

 零はそう言って、下に降りようとするが、背後で凄まじい力を感じた。

 

 

 《Vanishing Dragon Blance Breaker!!!》

 

 ヴァーリは白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)禁手(バランス・ブレイカー)である白龍皇の鎧を纏っていた。

 

 

「君に戦う理由がなくとも、オレには戦う理由があるんでね!」

 

 ヴァーリはそう言うと、凄まじい速度で零に拳を繰り出した。零はそれを簡単に手で受け止める。

 

 

「はぁ………どいつもこいつも力やら、権力やら、なんでそんな物を求めるかねぇ………」

 

 

「そっちが本気を出さないなら、その気にさせてやる!」

 

 《Divide》

 

 白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)の能力。触れた相手の力を10秒ごとに半減させ、自分の物とする。一誠の持つ10秒ごとに力を倍加させる赤龍帝の篭手(ブースデッド・ギア)とは正反対の能力だ。

 

 

「これが君のちかr……がぁぁぁぁぁぁっl!?」

 

 ヴァーリは突然、禁手(バランス・ブレイカー)を解除すると苦しみ始めた。

 

 《たった1回の半減でこれか?!ヴァーリ!急いで余分な力を吐きだせ!!》

 

 白龍皇アルビオンが直ぐにヴァーリに指示を出す。すると、白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)から光の粒子が凄まじい勢いで放出されている。

 

 

「ぐぅぅぅぅ………半減しきれなかった。ククク……フハハハハハハ!全く面白いよ!これくらいじゃないとつまらない!もっと!もっとだ!もっとオレを楽しませてくれよ!零!!」

 

 ヴァーリは笑いながら再び鎧を纏うと、全身から凄まじい力を溢れさせている。

 

 

「はぁ………アザゼル、この場合……俺はどうすればいい?」

 

 

「全く……どう言うつもりだ、ヴァーリ?」

 

 アザゼルは黒い翼を広げると、零の横まで昇る。

 

 

「どうもこうもない。こっちの方が面白そうなんでね……オレは強い奴と戦いたい、こっち居れば強い奴と戦える。それだけだ」

 

 

「カテレアと同じ旧魔王の血筋だからかと思ったじゃねぇか」

 

 

「旧ルシファーの血筋。ヴァーリ・ルシファー………」

 

 

「フフフ、よく知ってたね(バサァ」

 

 ヴァーリの背に12枚の悪魔の翼が生える。かつて天より落とされた天使の長、その血を引くのがヴァーリだった。

 

 

「まぁどうでもいい……アザゼル、どうする?」

 

 

「ぁ~ちょいとばかり躾けてやってくれ。俺は下で騒いでいる奴等に説明してくるわ」

 

 アザゼルはそう言うと、下に降りて行った。ヴァーリがルシファーの血筋だと分かってサーゼクス達が騒いでいるのでアザゼルはその事について説明しに行った。

 

 

「はぁ………人任せかよ。ふぅ……仕方ない」

 

 零の右眼が輝き始めると、両手を広げる。

 

 

「『人を守護せし四方の神を模した戦機よ。我が声に耳を傾けよ』」

 

 零の右目の輝きと共に青・赤・玄・白の光が現れ、ゆっくりと零の周囲を回り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~一誠side~

 

 

 すっスゲェ………アレがレイなのか?

 

 普段は授業中でも外を見たりして何を考えているのか分からないレイの力……これまでもアイツが怒って戦っていた時の事。それは少し怖かったが、それはアーシアや誰かの為だ。

 

 けどさっきまで2人に別れてた時の黒髪の方は純粋に怖かった。未熟な俺でも分かる圧倒的な力、敵をでっかい斧で斬り裂いている時にアイツ………顔こそ鎧に隠れて見えなかったけど……

 

 声と雰囲気で分かった。笑ってた……まるで子供がおもちゃで遊ぶ様に敵を斬り裂くのを楽しんでいた。

 

 それを見た俺は情けない事に竦んで動けなかった。

 

 

「大丈夫、イッセー?」

 

 部長が心配そうに見ながら俺の手を握ってくれた。

 

 

「部長……俺、怖いです。今のレイが凄く怖いです」

 

 

「えぇ……私もよ」

 

 リアスの手もまた震えていた。

 

 そして上空では2人の零が1つのなり、ヴァーリと相対していた。

 

 

「レイ………」

 

 

 《どうした相棒?》

 

 一誠が空の零を見上げていると、ドライグが声を掛けてきた。

 

 

「ドライグ……俺、アイツに勝てるかな?」

 

 《無理だな。今の相棒じゃ弱過ぎる、見てみろ。ヴァーリとかいう現白龍皇がたった一度の半減でアレだ》

 

 ドライグに言われ、空を見上げるとヴァーリが苦しんでいる場面だった。

 

 

 《アレで全力じゃないなら、あの白龍皇の小娘と2人揃っても勝てないだろうさ………だが勝ち目がない訳じゃない》

 

 

「どういうことだ?」

 

 

 《神器(セイグリッド・ギア)は宿主の思いで成長し進化する。相棒が本当に勝ちたいと思うなら俺も力を貸す、奴を倒すのは俺やアルビオンの目的でもあるしな》

 

 ドライグはそう告げると、そのままドライグは黙り込んでしまう。

 

 

「強く……(ぎゅぅぅぅ」

 

 一誠は気が付けば拳を握り締めていた。




~予告~

かつて神・魔王・堕天使が手を焼いた二天龍

元人間であり歴代最弱の赤龍帝:兵藤一誠

魔王ルシファーの血を引く歴代最強の白龍皇:ヴァーリ・ルシファー

その前に立つのは古より世界を守護する4つ存在

それ等を率いる原初の神の子:零

零にとって重要な事は己の護るべき者を護り通し、母の願いを叶えること

赤龍帝と白龍皇

二天龍を宿す者達の前に居るのは無限にある並行世界の力を持つ存在であり神の子

この戦いの果てに天使は、悪魔は、堕天使はどうなるのか?

そして己が力で魔眼を制し眠るギャスパーの運命は?

それら総てを見守る原初の神はどう動くのか?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。