ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く   作:始まりの0

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EP35 小さい零の日常

 ~早朝 天王理家 リビング~

 

 

 ギャスパーの一件の翌日、天照達は何時もの様に朝食を作っておりアーシア達も起きて来てその手伝いをしていた。

 何時もと変わらない日常であった。

 

 

「おはよぅ……」

 

 

「おはよう」

 

 

「零さん、オーフィスちゃん、おはようございm……」

 

 

「「ご主人様、オーフィス、おはようg………」」

 

 起きてきた零とオーフィスに朝の挨拶をする為に振り返ったアーシア、黒歌、白音だった。しかし予想外の現象が起きていた事に驚愕していた。

 

 

「おはよう、オーフィスちゃん、零………あらあら」

 

 

「「おはy……ぉお!!」」

 

 天照達も挨拶する為にオーフィスと零の方を見ると、3人の神は少し驚いた様だが笑顔になっている。

 全員の目の前にいたのは何時もと変わらぬ眠たそうな眼をしているオーフィスと、オーフィスに抱えられた銀髪、紅と金の目を持つ小さい子供だった。年齢で言えば2~3歳くらいで、頬っぺたはぷにぷにしている。100人に聞けば100人が可愛いと言うだろう。

 

 

「零、小さくなってた。小さい零、可愛い(なでなで」

 

 

「ぜっ零さん?」

 

 

「おはようアーシア。オーフィス、撫でるのは止めなさい」

 

 

「ごっご主人様……ぷにっぷにっです(ツンツン」

 

 オーフィスは何時もと変わらぬ態度で小さい零を撫でている、無表情だが何処か嬉しそうだ。白音は困惑しているが、零の頬っぺたを突いている。

 

 

「はぁはぁ……可愛い……にゃ(だくっだくっ」

 

 黒歌は小さい零を見て息を荒げており、鼻血を出している。もし街中でやっていたら完全な変態である。

 

 

「なんでそんな可愛い姿になったんですか?」

 

 

「俺も男だから可愛いって言われても全然嬉しくないんだけど………朝起きたらこんな姿になってた。母様でしょう、これをしたの?」

 

 零は天照にそう言った。完全に天照の仕業だと言い切った。

 

 

「あらっなんで私の性だと思ったのですか?証拠もなしに母を疑うなんて、私は哀しいですよ、およよ」

 

 

「母様の加護を無視して俺に干渉できる存在なんていません、少なくとも俺は知りません。よって俺をこんなふうにできるのは母様しかいません」

 

 

「「姉上!グッジョブ!!零、可愛い!!(REC!REC!」」

 

 月読と素戔嗚は天照に向かってサムズアップしながら、零の姿を撮影している。

 

 

「1つ聞きたんですが、これは何の為にしたのですか?」

 

 

「えっとですね、偶には息子に甘えて欲しいなと思いまして。大きくなったから恥ずかしいのであれば小さくしてしまえばいいのではないかと」

 

 神様のする事は理解できない。この女神は子供に甘えて欲しいから子供の身体を小さくしたと言うのだ。

 

 

「あのですねぇ…………もういいです、戻してください」

 

 

「「「「「ダメ(です・にゃ・だ)!」」」」」

 

 アーシア、白音、黒歌、月読、素戔嗚が反対した。

 

 

(折角可愛いのに勿体ないです!)

 

 

(小さいご主人様、まだ愛で足りないです)

 

 

(はぁはぁ……ショタなご主人様、理性が……でも抱っこして○○○○(ピーピー)して最後には○○○(ピーピー)ぶはぁ)

 

 

(零、可愛い!私も理性が……食べちゃいたい。でも姉としての威厳が……ブツブツ)

 

 

(REC!REC!折角の機会だ!昔、着せれなかった服を着せて撮影だ!)

 

 零を愛でたいアーシア、白音。R-18の妄想に走り鼻血を吹き出している黒歌。姉としての威厳など鼻血と妄想により既にない月読、色々な服を着せて撮影しようとするスサノオ。

 黒歌と月読は既に手遅れな様な気がする。

 

 

「多数決で戻さない事に決まりました♪」

 

 天照は楽しそうにそう言った。その手に小さい振り袖を手にして。

 こうして戻さない事に決定した。

 

 

 このままでは零は小さいまま、しかも可愛いため、母である天照達だけでなくアーシア達にも愛でられるだろう。それに黒歌の場合は色々と問題がある。

 

 

「くっ!無理矢理にでも解いてやる………はぁぁぁぁ」

 

 零は力ずくでも元の姿に戻ろうとする。どうやら自力でも戻ろうと思えば戻れるようだ。零は全身に力を入れると、零の身体が光り始める。

 

 

「ダメ……(ぎゅぅぅ」

 

 そう言ったのは予想外にもオーフィスであった。

 

 

「えっ「戻っちゃダメ」うっ………分かった。暫くこのまま居るとしよう」

 

 オーフィスは何時もの無表情なのだが、何処か悲しそうだ。零はそんなオーフィスを見て、渋々ではあったがこの状態のまま居る事にした。

 

 

 理由?そんなの決まってる、オーフィス可愛い。可愛いは正義、可愛い者を泣かす者は何であろうが許さない。オーフィスを泣かす事はしたくない。俺が我慢する事でオーフィスが喜ぶなら……今は母様達の持っている振袖やらゴスロリ服を何とかしないと。あんなもの着せられてたまるか………何としても阻止しないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~翌日 昼~

 

 

 もう嫌だ。こんなの嫌だ!男なのになんで巫女服やらメイド服・振袖なんぞ着なければならんのだ!?しかも全部ぴったりのサイズってどういうことなんだ!?いや母様なら知ってても可笑しくないが………せめて男物が良かったよ!

 アレから母様達だけでなくアーシア、白音、黒歌、オーフィスまで俺を抱き上げたり、膝に座らせたり撫でたりしている。黒歌とつく姉(月読)の目が怖い、はぁはぁと息を荒げて興奮している。

 こういう眼を俺は知っている。昔、ある女達に襲われた時に女達のしていた眼だ。獲物を狙う獣の眼………思い出しただけでも怖い。危うく既成事実を作られる所だったぜ。

 

 零はそんな事を考えながら、天照の横にある子供用の椅子に座りながら食事をしていた。

 

 

「はい、零ちゃん。ご飯でしゅよ、あ~ん」

 

 

「もぐっもぐっ………美味しいです母様。その赤ちゃん言葉止めて下さい。俺、精神まで幼くなってませんよ」

 

 

「フフフ、そうでしたね。でも可愛いので問題ありません、可愛いは絶対的な正義なのです」

 

 どうやら零の可愛いもの好きは母親から受け継がれたものの様だ。

 

 

「姉上、零の事が愛らしいのは分かるけども確か今日じゃなかったのか?」

 

 

「そう言えば、明日は三大勢力の会議だったな……時間は夜だったか。零、可愛い~」

 

 素戔嗚と月読はそう言った。彼等は零を愛しいと思っているが、それでも日本の神々だ。明日開かれる三大勢力のトップの会議の事が気になっていた。

 

 

「それについては俺の方でコンタクトをとっております。ちゃんと母様の席も用意しております」

 

 零はアザゼルに天照の席も用意する様に言っていた。アザゼルは完璧に用意しているだろう、そうじゃないと零に何をされるのか分かったものじゃないからだ。特に零には色々と秘密を知られている為、それをバラされたくないのだろう。

 

 

「ですが母様……どうなさるおつもりですか?」

 

 

「そうですね……今のこの国は深刻な問題ですから……このままでは本当に信仰が失われる可能性もありますね。それにこの所、色々と他国の者達の性で被害も出ていますしね。この間もそれなりの力の持ち主が神社の力を吹き飛ばしたという問題が起きました」

 

 

「しかもそいつは参拝して帰ったって話だぜ。迷惑な話だぜ………」

 

 天照の話に素戔嗚はそう付け足すと溜息を吐いた。確かに迷惑な話である、参拝する為だけに神社の神聖な力を吹き飛ばすなど。

 

 

「まぁそうですね……叔父上、一応話し合いなんですからいきなり剣を抜かないで下さいね」

 

 

「お前は短気だからな。剣を抜くなよ、お前が剣振るうだけで大地が避けて海が荒れるんだから」

 

 

「そうですね、貴方は少し気が短いですから……少しは我慢して下さいね」

 

 

「くっ!?なんで俺に集中砲火なんだよ!?そんなん言ったら姉貴や姉上だって……あっすいません。何でもないです」

 

 言い返そうとした素戔嗚は笑みを浮かべた天照と月読が無言の圧力を掛ける。それによって素戔嗚は縮こまってしまった。

 

 

「荒ぶる神が何だか威厳がないにゃ」

 

 

「フフフ、黒歌さん。姉に勝てる弟などいないのですよ」

 

 

「そうそう、弟が偉大な姉に勝てる訳ないだろう」

 

 黒歌の言葉に天照と月読はそう言い返した。

 

 

「ふぁ~眠い………むにゃむにゃ」

 

 零は満腹になった性か眠そうに欠伸をしながら目を擦っている。

 

 

「今日は夜もある事ですしお昼寝しましょうか……素戔嗚、此処に書いてある物を買ってきてください」

 

 

「ついでにケーキも買って来い」

 

 

「えっ俺も零とお昼寝したい……」

 

 

「黙って行って来い」

 

 

「素戔嗚、行ってきなさい」

 

 月読と天照の一喝で素戔嗚は「クソォォォォォォ!なんで俺だけ零とお昼寝できないんだぁー!!」と叫びながら泣き叫び走り去る。

 

 

「私もご主人様とお昼寝します」

 

 

「わっ私もお昼寝します!」

 

 

「私もにゃ!」

 

 

「我もお昼寝する」

 

 

「ふぁ~……むにゃむにゃ。くぅ~」

 

 こうして小さな零の平和な日常が過ぎていく。

 

 

「むにゃ……はやく……大きくなりたい……すぅ~」


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