ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く 作:始まりの0
~旧校舎 ???~
零はリアスに呼び出され、アーシアや白音達と一緒に旧校舎の一番奥の部屋に来ていた。何故かその部屋は封鎖されている。
「で……なんの用だ?こんな所に呼び出して、詰らん用であったら吹き飛ばすぞ?」
何故か零は目の下に隈を抱えている。疲れているのか、はたまた寝不足なのか分からないが、原因は何となく予想がついていた。
「あらっ凄い隈ね……何かあったの?」
「べっ別に……ただ上映会をされただけだ。今回の公開授業と赤ん坊の頃から10歳くらいまでのを上映された……逃げようにもオーフィスと白音が膝に座っていたから逃げれなかったんだ。もぅ……やだ」
昨日、零の家では上映会が開かれた。内容は昼間に撮影した零の授業の様子、それに加え赤ん坊の頃から10歳までの物を上映された。
【零の成長日記。0歳~10歳編、日常Ver】
監督:天照 撮影:月読 編集:素戔嗚 上映時間:5時間
上映したのはテレビではなく、スクリーンとプロジェクターを用いて大々的にだ。
上映会では天照のご馳走が振る舞われた。そしてアーシア達はそれを見て顔を赤くしながら嬉々としていた。更には天照達からその時の詳細を赤裸々に語られた。
零は直ぐにでもその場から逃げ出そうとしたが、白音とオーフィスが膝に座っていたので逃げ出す事も出来なかった。
因みにオーフィスの巫女服と黒歌が撮った白音の授業の様子はちゃんと自分のコレクションにちゃっかりと加えている零であった。
「そっそう………貴方も大変ね」
リアスが零のその様子を見て、憐れな目で見ている。
「でっ?今回呼び出したのはなんでだ、俺は早く帰って癒されたいんだが……(なでっなでっ」
零は眠そうな目でリアスを見ながら、アーシアと白音の頭を撫でている。
「今日は、私のビショップの眷族の封印を解くのよ」
「あぁ、そうか……それは良かったな。俺には関係ない」
「実は、その子は少し問題を抱えている子なのよ。そこで貴方にも協力してほしいのよ、勿論ちゃんと報酬も出すわ」
「まぁそれなら考えなくもない……っておい、勝手に話しを進めるな」
零が言い終わる前にリアスが封鎖されている部屋に向かって手を翳すと、部屋の扉に紅い魔方陣が浮かびあがり砕けて散った。
~部屋の中~
『いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
「なんだ?」
一同が部屋に入ると、部屋の中央にある棺桶の中から悲鳴が聞こえてきた。
「封印が解かれたのですよ」
朱乃がそう言いながら棺桶の蓋を開けると、そこには金髪の少女がいた。
「いやぁ~」
「御機嫌よう、ギャスパー。魔王様の命により今日から貴方の封印を解くわ」
リアスがそう言うと、少女は涙を流していた。
「お外嫌いですぅ~、怖い~」
どうやら外に出る事が怖い様だ。泣きながら首を横に振っている。
「うおぉぉぉぉぉ!金髪美少女!」
一誠は少女を見て興奮し叫ぶ。零はそれを見て呆れており、頭を抱えている。
「一誠……お前という奴は……本当に……はぁ。それで此奴は?」
「この子はギャスパー・ヴラディ。私の眷族悪魔よ、元は吸血鬼……ハーフヴァンパイアよ」
零はそれを聞いた瞬間に面倒そうな表情から真面目な表情に変わった。
「へぇ~吸血鬼なんですか……取り敢えず宜しくな!ギャスパーちゃん!」
一誠がギャスパーに手を伸ばした瞬間、辺りの全てが停止した。
「ほぉ…………時間停止能力か。珍しい」
「なっなんで止まらないんですかぁ~!?」
ギャスパーの目が変化している。これはギャスパーの持つ神器【
この眼の力の影響を受けないのは、神や魔王クラスの力や特別な力を持つ者。また時間停止の力を持つ者だけだ。
「まぁ俺にも同じ様な力があるし、こういうのは慣れてるからな……」
「周りの物が止まってます」
「わぁ~凄いです」
どうやらこの中で動けるのは、零、白音、アーシアだけの様だ。零は神の力を持っているので分からなくないが、白音とアーシアは何故動けるのだろうか?
「なんでそこの2人は動けるんですか!?って、その2人の胸の所、なんか光ってますぅ?!しかも聖なる力を感じますぅ、肌がビリッビリッしますぅ!怖いですぅ!」
アーシアと白音の胸の所が何故か光っている。
「これって零さんに頂いた十字架です」
「ライが光ってます」
どうやら光の元はアーシアの十字架と白音のライガーゼロの様だ。この2つは元々は零の物であるため、零の神としての力を宿している。
「どうやらそいつ等がお前達を護っている様だな………さてと、ギャスパーとか言ったな。取り敢えず
「あっはい………あの、貴方達は誰ですか?」
「私は塔城白音。猫又です」
「私はアーシア・アルジェントと申します。人間です」
「俺は天王理 零」
それぞれが自己紹介すると、ギャスパーは驚いた表情をしている。
「そそそそれってででで【伝説の戦士】様の名前じゃないですか!?」
「なんか、お前等の間では俺はそう呼ばれているらしいな」
「ごっご本人様ですか!?」
取り敢えず、ギャスパーを落ち着かせて時間停止を解除させた零はギャスパーの前に腰を下ろした。
「ふぅ………ギャスパー、まずはお前の話を聞かせてくれ」
「この子の事はわたしg「黙れ、俺は此奴と話してる。邪魔をするな」ッ!?」
零は何故か何時になく真剣な表情になっている。そしてその紅と金の目が鈍い光を放っている。
「おっおい、レイ、そんないいかt……!?(ビクッ」
零から放たれているのは無言の圧力、怒っている訳ではない。ただ純粋に力で黙らせようとしている。
「……少し、2人で話がしたい。お前等は部室に行っていろ」
「………分かったわ。行きましょう、皆……天王理、その子に変な事をしないでね」
リアスはそう言うと、他の皆を連れ出て行った。アーシア達も零から何かを感じ取り、大人しくこの場を離れた。
「あっあの……どうして?」
「少しお前と話をしたかっただけだ。他が……特にリアス・グレモリーがいたら、ゆっくり話もできないだろうからな」
零はそう言うと、眼の輝きが収まった。
そしてこれから話すのは、2つの血を持つ者達の話。
1人は巨大な力を宿し望まれ、祝福された存在。
1人はその身に宿す禍々しい力で、望まれながらも不吉を齎す存在。
2人は端から見れば異なった存在に見える。しかしその者達は同じ闇を抱えていた。
今回、ギャスパーが登場しました。
ギャスパーくん?
ギャスパーちゃん?
次回は零の過去についても少し触れます。