ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く 作:始まりの0
~駒王学園 廊下~
オッス!オラ、零。この学園には強い魔王達がいるんだってな!オラ、ワクワクすっぞ!
じゃなくて俺は天王理 零。地獄の公開授業を終えて、俺は白音と黒歌を迎えに行く為に1年の教室に向かっている。現在、この駒王学園には魔王が2人居る。
授業中に気配を探ってみたら、魔王が2人居た。1人はリアス・グレモリーの兄、サーゼクス・ルシファーだろう。もう1人は恐らく、生徒会長:ソーナ・シトリーの姉、セラフォルー・レヴィアタンだろう。
非情に拙い……何かの手違いでリアス・グレモリーやソーナ・シトリーともそうだが、魔王達と黒歌が出会えば大変な事になる。魔王に遭遇した場合、黒歌だけでなく、白音にまで危害が及ぶだろう。まぁ2人に傷1つでもつけたら、悪魔を滅ぼすけど。
っとこんな事をしている場合じゃねぇ……急いで探さないと。ってなんだ?なんか周りの女子生徒が赤い顔してこっちを見てる。1年では風邪でも流行ってるのか?
「あっ先輩」
「おっ白音、無事だったか?」
白音が先に俺を見つけてくれた様で、声を掛けてきた。
「はい?」
「1つ聞きたいんだけど……黒歌は?」
「呼んだかにゃ?」
俺が振り返ると、何時もは肌蹴させている着物をちゃんと来た黒歌がいた。どうやら耳も尻尾もちゃんと隠している様だ。魔力も仙力も隠して居る様だし、これなら普通の人間に見えなくもない。
「全く……お前は…自分の状況を分かってんのか?」
零がそう言ってジト目で黒歌を見ると、黒歌は申し訳なさそうに俯いた。
「分かってる。私が本来は此処に居ちゃいけないのは……でも白音の晴れ姿をみたくて」
「姉様、分かってるなら、ビデオを回しながら騒がないで下さい」
どうやら白音も零と同じ様な目にあったらしい。先程の零の様に疲れた様な表情をしている。
「お前も大変だったんだな……黒歌、俺は別に白音の公開授業に来た事を怒ってるんじゃない。俺も生徒じゃなかったら来たかったくらいだし……けど来るんならせめて俺に一声かけろ。そしたら幾らでも手を貸してやるのに」
「ほんとかにゃ!?」
「本当、本当……取り敢えず、早く帰るぞ。魔王達に見つかったらややこしい事になる」
「「はい」」
零は駒王学園を出る為に、2人を抱えて窓から外に飛び出した。そして地面に着地すると、凄まじい速度で家に向かって駆け出した。
余談であるが、これほど派手行動をしたにも関わらず、誰の記憶にも残っていなかった。どうやら零が何かしていた様だ。
~旧校舎 ???~
『カタッカタッカタッカタッ』
真夜中の旧校舎に響くキーボードを叩く音、それは旧校舎の一番奥の部屋から聞こえてくる。
それが誰なのかは今は分からない。だがその者も抱えていた、誰にも分からぬ苦しみを。