ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く   作:始まりの0

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EP28 公開授業

 ~公開授業当日 2年教室~

 

 この日は、名の通り父兄に授業が公開されている日だ。

 

 教室の後ろには既に保護者達が集まり、ビデオやカメラを構えている。だが普段は落ち着いている零や一誠がいるこの教室はざわついていた。

 

 その原因は煌びやかな着物を着ている天照、月読、素戔嗚だった。そして何故か巫女服を着て零に似たぬいぐるみを抱いているオーフィスだった。

 

 

「はぁ~………もぅやだ」

 

 俯いている零、その表情はともかく暗い。

 

 

「零~着ましたよ~」

 

 

「姉貴!しっかりと記録しろよ!(パシャ!パシャ!」

 

 

「当たり前だ!私を誰だと思っている!零!カメラ目線だ!ほらっ!(REC!REC!」

 

 満面の笑みで手を振る天照、高性能カメラで零を撮り続ける素戔嗚、超高性能ビデオカメラで零の撮影をしている月読。美男美女揃いで、しかも名指しで呼ばれたため、クラスメイトの視線は零に集まる。

 

 

(だから嫌だったんだ!隠してたのに!!何でバレたんだ!!クソッ!さっさとあんなもの(公開授業の案内)処分しておけば良かったぁ!!)

 

 零は後悔していた、あの時に案内の紙を処分していれば此処に天照達がいる事はなかったのだろうと。まぁ常に零の事を見ている三貴子ので、いずれは知られていたのだろう。

 

 

「はっ!………えっとですね。本日は英語の授業ですが、皆さんの手元に在る粘土で自分の想う物を作って下さい。そう言う英会話もあるのです」

 

 英語の先生も3人の神に見惚れていたが、我に帰り授業の内容を生徒達に伝えた。生徒達も授業の方に集中しだした。それぞれ思った物を粘土で作り始めた。

 

 

「はぁ………面倒だが仕方ないな。何にしようかな、ん?」

 

 

「………(じっ~」

 

 横を見ると、巫女服の姿のオーフィスが立っており零の事を見ていた。

 

 

「零、これはなに?」

 

 

「これは粘土と言って………ってなんでお前まで?というか何故にそんな恰好を?」

 

 

「母が我も来いって……この服は母から貰った。後、黒歌も来てる」

 

 

「ぶほぉ?!げほっ!げほっ!……ぜぇぜぇ(あの馬鹿……今、この学園には魔王がいるんだぞ!見つかったらややこしい)」

 

 この学園には、現在リアスの兄であるサーゼクスがいる。もし仮にはぐれ悪魔である黒歌が出会ったら、サーゼクスは魔王として黒歌を討つだろう。そんな事が起きれば

 

 サーゼクスと黒歌が出会う→黒歌が討伐される→零が怒る→悪魔破滅→1人で悪魔を滅ぼした零を危惧した他の勢力が零の討伐の為に協力する→零が全て返り討ちにして世界が滅茶苦茶→世界の滅び

 

 という結末が見える。

 

 

「……白音の所に行ったのか。まぁ……気持ちは分からんでもないが……見つからなければいいんだけど……(まぁ、アレを渡してるから問題はないと思うが)」

 

 

「よいしょっと」

 

 オーフィスは考えている零の膝の上に座った。それを見てアーシアを覗いたクラスメイトは驚いている。

 

 

「フム………取り敢えず何か作ろう」

 

 

『なんと羨ましい!』

 

 

『あの娘は誰なんだろう?』

 

 

『くぅ~羨ましい!!』

 

 

『あの子、可愛い……はぁはぁ』

 

 

 

 クラスメイト達が騒ぎ出す。うるさい、こっちは母様達の事で気が気でないのに。後、最後の奴、こっち来い!まぁいい、取り敢えずこの課題を終わらせる。

 

 零はオーフィスを膝に座らせながら、粘土で何かを作っていく。教師はオーフィスの事を指摘しようとしたが零に睨まれてそのまま立ち尽くしていた。

 

 

「ふぅ……出来た。というか……やりすぎたな」

 

 零が粘土で作り上げたのは、かつて共に戦った鋼鉄の戦士達。大いなる者、冥王、勇気の究極の姿、魔神、歌を歌う戦闘機、黒歴史を抹消したヒゲ、紫色の人造人間等々。

 

 

「零、これ何?」

 

 

「此奴等は俺が昔、一緒に戦った大切な仲間達さ………」

 

 

「なかま………」

 

 オーフィスはジッと零の作った鋼鉄の戦士達を見る。

 

 

「おぉ!かっけぇ!!」

 

 

「細部まで凄い!」

 

 零の作品を見たクラスメイト達が集まってくる。そして騒ぎ始めた、そして何時の間にか零の作品でオークションになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~授業後~

 

 

「はぁ~疲れる………」

 

 疲れた表情で項垂れている零。だがしっかりとオーフィスを肩車している。

 

 

「零、何故疲れた?」

 

 

「肉体的には疲れてないんだが………精神的にな、何時もの何十倍疲れた」

 

 

「我、良く分からない」

 

 

「零、アーシアさん、御疲れ様でした。今日はご馳走にしましょう、勿論零の好物も」

 

 天照がそう言うと、オーフィスの眠たそうな眼が輝いている(様に見える)。

 

 

「母のご馳走……おいしい。楽しみ」

 

 

「分かりました。直ぐ帰りますんで、先に帰って下さい。オーフィスも一緒にな」

 

 

「母……我も手伝う」

 

 オーフィスは零の肩から降りると、とてっとてっと歩いて天照の元に行った。

 

 

「「じゃあ姉上、俺達はこのまま撮影を続けるので」」

 

 月読と素戔嗚は未だ撮影をつもりの様だ。

 

 

「いぇ、御二人も帰って下さい「でっでも」帰って!下さい!いいですね!!」

 

 

「「はっはい……」」

 

 零から放たれる圧力で月読と素戔嗚は渋々であったが了承した。

 

 

「アーシア、お前も母様達と一緒に先に帰ってくれ。この所、悪魔やら堕天使がうろついているからな。母様達と一緒の方が安全だ……俺は黒歌と白音を迎えに行く。魔王やらその関係者がいるからな」

 

 

「分かりました。お母様、私もお手伝いします」

 

 

「えぇ、お願いします、アーシアさん」

 

 零は天照達と別れると、直ぐに1年の教室に向かった。


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