ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く 作:始まりの0
~駒王学園前~
現在、駒王学園に堕天使の幹部コカビエルが現れた事で被害の拡散を防ぐ為に現魔王レヴィアタンの妹ソーナ・シトリーとその眷族達が駒王学園を囲む結界を張っていた。
「くっ会長!このままじゃ俺達もちませんよ!」
ソーナのポーンであり生徒会の書記、
「くっ……この状況拙いですね。私や椿姫は未だしも他の皆は魔力が尽きかけている……何か……何かこの状況を……」
結界を維持しながらも何か手はないかと思考を巡らせる。しかし幾ら思考を働かせても解決に至る答えが見つからない。そんな時だった、結界を維持する負担がいきなり減った。
「一体何がどうなって………!?」
ソーナは維持している結界が先程に比べて強化されている事と自分の知らない力が辺りを覆っている事に気付く。
「悪魔達よ、我等が王の命によりお前達に手を貸そう」
ソーナ達がその声に振り返る黄金の鎧とオーラを纏う男が立っていた。それは零に命じられて駒王学園に来ていたカノンだった。
「迸れ!我が
カノンの体内に秘められた宇宙的エネルギーが爆発し、全身から黄金のオーラが溢れだし結界を包み込んだ。
「ハアァァァァァァァァァァ!!」
「なっ何あの力……次元が違う」
ソーナはカノンの放つ力に驚愕している。それと同時に畏怖した自分達を圧倒する力を放つカノンに、もしこの状況で此方に刃が向けば自分達は確実にやられると。
「これでしばらくは保つか………我が王よ。外は御任せを」
~結界内 駒王学園中庭~
一誠とゼノヴィアは現在、4本のエクスカリバーを束ねた聖剣を持ったフリードと相対していた。
「クソッ!コイツ、前と全然違うじゃねぇか!」
「厄介だな。流石は4本のエクスカリバーを束ねた事はある、今のままでは………」
イリナが所有していた使い手の意志で形を
「アーヒャヒャ!流石はエクスなカリバーちゃん!ハイスぺックな僕ちんのステータスをさぁ~らに引き上げてくれるなんて、ホント、聖剣様々でごぜぇますぜ旦那!」
フリードは自分の後ろにいる神父の様な格好をした男に喋りかけた。
「フッ……当然だ。お前の持つ4本のエクスカリバーを束ねた聖剣とお前に渡した聖剣の因子を使えば造作もないことだろう」
「そんじゃ~こんまんま、此奴等を軽く潰しておきますかー!」
フリードが再び聖剣を構えて駆けようとするが、地面に異変を感じその場から飛び退いた。そして次の瞬間、フリードの居た場所に無数の剣が出現した。気付くのか後、一瞬遅ければフリードは串刺しになっていただろう。
「あげっ!今のはなんだぁ!?」
「今のって……まさか!?」
全員が振り返るとそこには魔剣を持った木場がいた。しかし何時もの木場ではなかった、その髪は長くなっていた。それに加え、身体は一回り小さくなり若干の丸みを帯びていた。
「きっ木場なのか?」
「そうだよ、イッセー君。コレが僕の本当の姿………僕は今まで魔剣の力で自分の性別を偽ってきた、あの聖剣に復讐する為に自分を捨てて今まで生きてきた。それが同志達の望んでいた事だと信じて」
「ほぉ……貴様はあの計画の生き残りか、そう言えば1人脱走したまま見つからずに例の事件が起きたと言っていたな」
男は興味深い目で木場を見ていた。
「お前がバルパー・ガリレイか………」
「そうだ」
「お前のせいで僕や同志達の未来を奪った。でも同志達は生きていた、復讐なんて望んでなかった。そして言ってくれた『僕は僕の為に生きていい』って………」
木場は持っていた魔剣を消し、両手を胸に当てた。すると木場の身体を青い光が包み込んだ。そして歌が響き始めた。
『僕達は生きている、だから君は君の為に生きればいい』
『例え聖剣が相手だって皆、一緒なら』
『また皆で聖歌を歌おうね』
『神様が見ていなくたって』
『例え離れていても僕達の心はずっと一緒だよ』
『一緒に戦おう』
周りに現れたのは、先程木場が会っていたかつての木場の同志達。
「うん………一緒に戦おう。僕達は何時だって一緒だよ」
木場がそう言うと、同志達が光となって木場と1つとなった。仲間と木場の心によって
「うっ……なんだよ、コレ?涙が止まらない……」
一誠は聖歌を聞き、涙を流していた。木場と木場の同志達の言葉と歌がこの場にいる一誠やリアス達の心に響いている。
【相棒】
「ドライグ?」
一誠は
【あのナイトは至った。
「僕は………私は目の前の邪を倒す。第2、第3の私達を生み出さない為にも私は戦う!!」
木場はその決意を胸に魔剣を創造し、その手に掴んだ。
「木場ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!フリードの野郎とエクスカリバーをブッ叩けぇぇぇぇ!!!お前が男だろうが!女だろうが!お前はリアス・グレモリーの眷族で『騎士』で俺の仲間だぁ!戦えぇぇっぇぇ!お前の仲間達の思いを無駄にすんじゃねぇ!」
「祐斗……いぇ、祐子。やりなさい!貴女は私の、リアス・グレモリーの眷族なのだから!私の『騎士』はエクスカリバーごときに負けないわ!」
「祐子ちゃん、信じてますわよ!」
イッセーくん、部長、朱乃さん。こんな私を受け入れてくれてありがとう。
「私は剣となる。私に宿る神器よ、今こそ僕や仲間達の思いに応えてくれ!!
祐斗改め、祐子が天に魔剣を掲げる。そして同志達の聖なる力と悪魔としての祐子の力が融合する。聖なる力と魔の力、本来なら相反し決して交わる事のない2つの力が祐子の想い応えた
「
祐子は1歩ずつ、聖剣を持ったフリードに近付いていく。そして先程の光景を見ていたゼノヴィアもその横に並んだ。
「魔剣使い、協力しよう。あの聖剣は破壊する」
ゼノヴィアの言葉に祐子は驚いている。
「いいのかい?君達の目的はアレの奪還だろう?」
「あぁ……アレは聖剣であって聖剣でない。異形の剣だ………此処で破壊する」
「分かった。一緒に戦おう」
ゼノヴィアは左手に持っていた
「ペトロ、バシレイオス、デュオニュシウス、そして聖母マリアよ。私の声に耳を傾けてくれ」
ゼノヴィアがそう言葉を紡ぐと、空間が裂け、中から鎖に拘束された剣が現れる。その剣が放つ力はフリードの持つ聖剣を圧倒するほどの聖なる力を放っていた。
「この刃に宿るセイントの御名において解放する………デュランダル!」
鎖が引き千切られ、聖剣・デュランダルが解放された。
「デュランダルだと!?」
「私は元々はデュランダルの使い手だ。エクスカリバーの使い手は兼任していたに過ぎない。そしてこのデュランダルは暴君でね、触れた物はなんでも切り刻んでしまうんでな。それに加えて私の言う事は聞いてくれず、手に余っている。普段は異空間に閉じ込めておかないと危険極まりないのさ」
「馬鹿な!私の実験ではそれを使う領域までは達して居ない筈だ!」
「私はイリナ達人工聖剣使いと違って私は数少ない天然ものでね」
バルパーはそれを聞いて絶句していた。
「クソッ!伸びろ!」
フリードは4本の聖剣1つ
「此処にきて、まさかのチョー展開!?」
フリードは予想外の展開に驚愕しながらも、刃を元に戻し、ゼノヴィアを睨む。
「所詮は折れた聖剣、このデュランダルの敵ではない!!」
「そんな設定いらねぇんだよ!!」
フリードは
「ハアァァァァァァァ!!!!」
フリードに祐子が聖魔剣で斬り掛かった。エクスカリバーと聖魔剣が衝突し、火花が散る。2人は高速で移動しながら衝突を繰り返した。
「うぇ!?まっマジかぁ………‥がふっ」
そして徐々に祐子が押し始め、すれ違った瞬間に祐子の放った一閃でエクスカリバーが粉々に砕けた。どうやらその際にフリードも攻撃を喰らった様で、血を吐いて倒れた。
「やった……やったよ!私達の力は聖剣を越えたよ」
漸く、エクスカリバー編も終盤に迫ってきました。
祐斗でなく、祐子になりました。