ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く   作:始まりの0

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EP20 深夜の学園

 ~白音side~

 

 こんにちわ、白音です。ご主人様がいなくなって3日が経ちました、今はイッセー先輩達やアーシア先輩達と一緒に学園の前に居ます。

 

 その理由はこの街に現れた堕天使の幹部コカビエルを倒す為です。恐らく今の私では勝てないと思いますが、リアス先輩から祐斗先輩の過去を聞いて少しでもお手伝いできればと思っています。アーシア先輩も同じ気持ちらしく、一緒に居ます。

 

 

「ねぇ塔城さん」

 

 

「何ですかリアス先輩?」

 

 

「貴方のご主人様に連絡はつかないのかしら?」

 

 

「それがこの3日間、行方不明でして……でもこの状況は分かってる筈ですから、直ぐ来ると思います」

 

 

「零さん、本当に何処に行ったんでしょうか?」

 

 

「偶にあるので気にしても無駄です……私達の学園を壊させる訳にもいきませんし、ライ、お願い」

 

 《ガアァァァァァァ!!!》

 

 獣の咆哮と共に白音の身体を白い鎧が覆った。

 

 

「アーシアはできるだけ下がっていて下さい。相手は堕天使の幹部です、正直言うとこの場に居る全員が纏めて掛かっても勝てるきがしません」

 

 そうして私達は現魔王レヴィアタンの妹ソーナ会長とその眷族達の張る結界の中に入っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私達が見たのは4本の聖剣が1つになり膨大な光が地上の魔法陣に吸い込まれていく所だった。

 

 

「フハハハハハハハハ!これでいい、後は時間を待つのみか」

 

 巨大な玉座の様な物に座っている12枚の黒い翼を持つ堕天使コカビエル。コカビエルはかつての戦闘で神とも戦った事のある堕天使の1人。その強さは強大だ、恐らくこの場にいる全員が勝てないだろう。

 そしてコカビエルは光の槍で体育館を吹き飛ばす、出来たクレーターから炎が噴き出すと黒い3つの頭を持つ犬が出て来た。

 

 

「アレは!?」

 

 

「地獄の番犬ケルベロス!?」

 

 地獄の門を守る番犬ケルベロス、それは本来地獄にいる筈の犬。だがそれが今、此処にいる。

 

 

「行きます……やっ!」

 

 白音は一気に駆けると1匹のケルべロスをライガーゼロのクローで引き裂いた。

 

 

「白音ちゃん…すげぇ……俺も負けてられねぇ!!赤龍帝の篭手(ブースデッド・ギア)!」

 

【Boost】

 

 

「イッセーは力を溜めなさい!そして私達の援護を!朱乃!」

 

 

「はい!部長!」

 

 朱乃は制服から巫女服に変わり、悪魔の翼を出し空を飛んだ。

 

 

(この状況はまずい……例えリアス先輩が魔王の妹でも相手はかつての大戦を生きぬいた堕天使。ライの最終装備を使っても私じゃ勝てない。ならケルベロスだけでも)

 

 

「ライ、モード【イェーガー】」

 

 《ガアァァァァァ!》

 

 

 ~白音side out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 獣の咆哮が響き渡る。

 

 

「なんだ?」

 

 コカビエルやリアス達はその咆哮のが聞こえた方向を見た。そこには白音の姿があった。白い鎧が弾け飛び代わりに青い装甲を装備し獣の様に4つ脚で構えた。

 

 

「なんだ、貴様は?」

 

 

「塔城白音……ただの此処の生徒。貴方に此処を壊させる訳にはいかない」

 

 その背には巨大なブースターがある。ブースターが唸りを上げ始めた。

 

 

「【鋼鉄を斬り裂く蒼き爪(ストライク・レーザー・クロー・イェーガー)】」

 

 《キュィィィィィ……カッ!》

 

 白音は一瞬でその場から消えた、そして音と共に場に居た3体のケルベロスが引き裂かれた。

 

 

「ほぅ……中々面白いな、この中で一番楽しめそうだ」

 

 コカビエルは光の槍を作ると、何もいない方向に向かい投げた。そして槍が爆発すると同時に白音も吹き飛ばされた。

 

 

「きゃぁぁぁ!」

 

 白音の纏っていたライガーゼロが解除され、白音は倒れた。

 

 

「ゲホッ!ゲホッ!……くっぅ……イェーガーの反動が」

 

 白音の使ったライガーゼロ、その装備イェーガーパック。超高速で動き、敵を翻弄しその爪で引き裂く戦闘スタイルの装備だ。しかしこの装備には弱点がある、音速に近い速度で動く反動が使用者にそのまま来てしまう。いわば、諸刃の剣でもある。それに耐えるだけの力と身体を持てばいい、しかし白音ではこれを使いこなすのは困難の様だ、白音の全身の骨が悲鳴を上げている。当分の間は動く事はできないだろう。それを理解した上で白音は使用した。自分ではコカビエルは倒せないが故に、他の者達の負担を減らしコカビエルの為に力を温存させる為に。

 

 

「白音ちゃん!!」

 

 アーシアは白音の元まで駆け、直ぐに聖母の微笑み(トワイライト・ヒーリング)を使用し白音の治療を始める。

 

 

「何だ………もう終わりか、つまらんな。消えろ」

 

 コカビエルは光の槍を白音とアーシアに向け投げる。リアス達もそれを見て動こうとするが、既に遅い。

 

 

「ご主人様!!」「零さん!!」

 

 2人は向かってくる光の槍に目を瞑り、零の名前を叫ぶ。

 

 

「おらぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 《ガキィン!》

 

 何かが光の槍を弾き飛ばした。そこには青い服の零が立っていた。


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