ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く 作:始まりの0
~VS九尾の御大将・八坂姫~
「さてと…………曹操、ちょっと待ってろ。先に九尾の姫君を止めるから」
「いや、止められると困るんだが………次元の狭間への穴が開かなくなるし」
「【メモリーコード:光の護封剣】」
零の左眼が光り、空から光の剣が落ちてくる。光の剣は曹操を貫くと地面に縫い付ける。
「………痛みはないが、身体が全く動かん」
「3分間は動けないから無駄な力は使わない事だ。俺はその間に」
―オォォォォォォォォォ!!!―
零は咆哮している九尾の狐を見た。
「さて………取り敢えず、気絶させて曹操をどうにかした後に目を覚まさせるとするか。出来るだけ、痛くない様にと………すぅ~」
零は大きく息を吸うと、手を銃の形にして、九尾の狐に向けた。彼の指先に凄まじい力が収束していく。
「【メモリーコード:指鉄砲】」
指先から収束させた純粋な力が、閃光となって放たれた。閃光は九尾の狐を包み込む。
―オオォォォォォォォォン!―
九尾の御大将は零の指鉄砲の光に包まれながらも抵抗しようと、光を掻き分け零へと突き進む。
「お前の娘が待っている。九重の涙は我では拭いきれぬ…………母であるお前を待っているんだ。だから暫し眠れ」
零がそう言うと、指先から放っている指鉄砲がより一層強くなり、力の奔流に飲み込まれた九尾の御大将。
そして、指鉄砲が止まると、倒れている九尾の姿が在った。少し傷はあるが、命に別状はないようだ。
「母上!?」
九重は母の身を案じ、母の元に駆け寄った。
「大丈夫………気を失っているだけだ。九重、アーシアは九尾の大将の近くで隠れてろ」
「はっはい!」
「わっ分かったのじゃ!」
2人は零の言葉に従い九尾の大将の身体の陰に隠れた。それを確認した彼は曹操の方を向いた。
「さてと…………待たせたな」
「簡単に止められてしまったな………まぁ貴方が出て来た以上、こうなることは想定していたがこうも簡単にやられるとは」
「全然、残念そうじゃなさそうだな」
「少し残念ではあるけれど…………
「うわぁ…………此奴、ヴァーリと同類かよ。この
曹操はどうやらヴァーリと同じ戦うことに喜びを感じるタイプの人間らしい。まぁ、人間の限界を知るために赤龍神帝であるグレートレッドを呼び出し、戦いを挑もうとし、その為なら誰かを犠牲にしても構わないと思っている事が零にとっては腹立たしい事だった。
「少し灸をすえてやる。
【ソウルコード:………】」
零がそう呟くと、彼の背後に赤い物体が出現した。
「?」
曹操はそれが何なのか分からず疑問に思い首を傾げる。
「お前に合わせて、近接戦闘メインでやってやる。
多少痛い目に合わせるつもりだから、覚悟しろよ」
零は笑みを浮かべそう言った。
彼と曹操の第2ラウンドが今、始まる。
メモリーコード
・光の護封剣
遊戯王で出てくる魔法カードを再現した物。原点では3ターンだが、零の場合は3分間、相手の動きを止める事ができる。
・指鉄砲
ゲゲゲで出てくる技。指先に高密度の力を溜めて、それを敵に放つ。
出した理由?妖怪相手だし、(イケメン)親父さんも使ってたからです。