ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く   作:始まりの0

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EP97 すまない

 ~VSジークフリート、ジャンヌ・ダルク~

 

「このぉぉ!!!」

 

 

「うおぉぉぉぉ!」

 

 ジークフリートはグラム、バルムンク、ノートゥング、ディルヴィング、ダインスレイブとエクソシストの使う光の剣、計6本の剣でで、ジャンヌは断罪の聖龍(ステイク・ビクティム・ドラグーン)を操り、零の呼び出した長身の男へと攻撃する。

 

 男はその剣を全て、その身体で受け止めた。

 

「「なっ!?」」

 

 

「アレだけの攻撃を受けて無傷だと!?」

 

 

「ありえないわ!」

 

 2人は無傷の男を見て驚愕している。

 

「すまない。お前達の攻撃は俺には効かない」

 

 

「馬鹿な!?俺の剣は伝説にも出てくる魔剣、ジャンヌの剣は神器から創られた聖剣だ。悪魔だろうと、天使だろうと斬り裂ける筈だ!!なのになんで、無傷でいる!?」

 

 グラム、バルムンク、ダインスレイブと言った魔剣は伝説にも出てくる武器だ。断罪の聖龍(ステイク・ビクティム・ドラグーン)も聖剣の塊であり、人間は勿論、上級悪魔、天使などを傷付ける事も可能だ。

 

 その一斉攻撃を生身で受けて無傷などありえない。そんな事が出来るのは、高位の神くらいの物だろう。

 

「お前は一体……何者だ?」

 

 

「セイバー………いや、敢えて真名を名乗ろう。俺はジークフリート」

 

 

「「?!」」

 

 ジークフリートとジャンヌは一体、この男は何を言っているのだと思った。

 

「馬鹿な!ジークフリートは俺だ!」

 

 

「そうなのかも知れないな。だが俺もまたジークフリートである事は間違いない………困惑させて本当にすまない」

 

 英雄ジークフリートは申し訳なさそうな顔をしている。

 

「ふっ…………ふざけるなぁぁぁぁぁ!!!」

 

 ジークフリートは自身の名を騙る目の前の男に対し激昂する。彼にとってジークフリートの名に誇りを持っているらしく、それを騙られ頭に血が昇った様だ。

 

「怒らせるつもりはなかったのだが………本当にすまない」

 

 英雄ジークフリートは謝ってばかりである。

 

「お前が誰だって関係ねぇ!この場で斬り殺す!ジャンヌ!」

 

 

「えぇ!何も知らないくせに、偉そうに語って………何様のつもりよ!」

 

 ジークフリートとジャンヌはそう叫びながら、英雄ジークフリートに斬り掛かる。

 

 英雄ジークフリート、2人の攻撃を回避しながら、隙を見つけ、自分の剣で斬り付ける。

 

「ぐっ!」

 

 

「このぉ!」

 

 ジャンヌは聖剣で英雄ジークフリートの剣を弾き、彼の胸元ががら空きになる。

 

「今よ!」

 

 

「おおぉぉぉぉぉぉ!」

 

 ジークフリートはその隙をついて、6本の剣で斬撃を繰り出す。常人の前にはそれが何をしているのか分からないだろうが、凄まじい連撃である。

 

 そして、最後に渾身の力を籠め、6本の剣先を1点に集中させて突きを繰り出した。

 

 ―ガキィン!―

 

「良い一撃、良い連携だ…………だが、それでは邪竜の血を浴びたこの身は貫けない」

 

 英雄ジークフリートはそう告げた。6本の剣の突きは彼の胸元で止まっている。

 

 伝説では英雄ジークフリートは邪竜ファヴニールを打ち倒し、その血を全身に浴びた。その後、身体は一箇所を除き、どんな武器も通す事はなかったと言う。

 

 悪竜の血鎧(アーマー・オブ・ファヴニール)………背中の葉の形をした後の残っている所を除き、一定以下の物理・魔術による攻撃を無効化する。弱点である背中を隠す事ができないと言うデメリットもある。

 

 だが英雄ジークフリートは剣技をもって、その弱点をカバーしている。

 

「すまないが、終わらせさせて貰う」

 

 英雄ジークフリートはそう言うと、己の剣の柄に埋められている青い宝石を露出させた。その瞬間、剣より凄まじい力が放出される。

 

 その力を目の当たりにして、ジークフリートとジャンヌは漸く力の差を理解した。そして直ぐに逃亡しようとする。だが時は既に遅い。

 

「『黄金の夢から覚め、揺籃から解き放たれよ。邪竜、滅ぶべし』」

 

 彼の英雄の剣は聖剣と魔剣の両方の属性を持ち、竜殺しを成した呪われた黄昏の剣。柄に嵌め込まれた青い宝石には神代の魔力(真エーテル)が貯蔵されており、普段は隠されたこの宝石を外界に晒す事で邪竜を斬り裂いた剣は真の力を発揮する。

 

 その剣の名は

 

「【幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)】!」

 

 剣より放たれた光の衝撃波、ジークフリートとジャンヌはその光の中に飲み込まれた。

 

 2人は光に飲まれながら、真の英雄の姿を目に焼き付けた。

 

 

 

 

 

 

 

「加減はしたつもりだが」

 

 幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)の真名解放により撃破したジークフリートとジャンヌに歩み寄る英雄ジークフリート。

 

 彼は2人が生きている事を確認すると安堵し、零より渡された拘束術式の込められた水晶を砕いた。すると、2人を光の鎖が拘束した。

 

 そして、2人を抱えるとある場所へと向かった。


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