ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く   作:始まりの0

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EP93 動き出す者達

 ~???~

 

「それで状況は?」

 

 

「九尾の洗脳は完了したよ」

 

 

「なぁ……未だ、暴れちゃ駄目なのかよ?」

 

 状況を説明する男に文句を言う大男。

 

「駄目だ、少しは大人しくしていろ()()()()()

 

 槍を持つ男がそう言うと大男は舌打ちして大人しくなった。

 

「後は時が満ちるのを待つのみだ」

 

 

「それで、()()()()。他に情報は?」

 

 

「あぁ、何でも三大勢力と日本神話がこの京都で会談するらしい」

 

 ゲオルグと呼ばれた男はそう説明する。

 

「日本神話……という事は」

 

 

「その通りだよ()()。恐らく、伝説の戦士も来ている」

 

 

「それは楽しみだ!あの二天龍を倒した英雄と対峙できるとは!!」

 

 

「なぁ、曹操!俺にもやらせてくれよ!」

 

 と次々に自分も戦わせろと言いだすと、曹操と呼ばれた男は手に持っていた槍で地面を叩いた。

 

「まずは自分達の役割を果たせ………そして世界に示せ!我等()()()の力を!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~お馴染み零の精神世界~

 

「■■■■―――!!!」

 

 

「いきなり、呼び出して済まない」

 

 

「あっ……あぁ。取り敢えず、お前は少し落ち着け」

 

 零の精神世界に現れた岩の巨人と男。

 

「■■■■!!」

 

 

「分かった、分かった。お前のいう事は分かったから」

 

 咆哮する巨人に落ち着く様に言う零。その隣で申し訳なさそうにしている鎧を着た男。

 

「まずは情報を集めないとな…………俺は暫らく動くから、大人しくしていろよ」

 

 零はそう言うとこの場から消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~現実世界 ホテル一室~

 

「ん………はぁ~……良く寝た」

 

 宿泊しているベッドの上で目を覚ました零は身体を起こした。

 

「すぅ……すぅ………」

 

 横を見てみると、アーシアは眠っていた。

 

「フム………普通は男女別の部屋の筈なんだが…………何故アーシアが同室なのか?まぁ、母様達の仕業だろうがな」

 

 零は何故アーシアと同室なのかと考えてみるが、最終的には天照達の所為だろうと考えた。すると何故か頭の中で「孫!孫を!」と連呼している彼の神達の姿が思い浮かんだ。

 

 だが直ぐにそれを振り払うと、ベッドの上から降りた。

 

「さて…………何処の誰だか知らんが、邪魔をする輩は排除しよう。これも全ては写真撮影の為………ククク。クフフフフフフフ」

 

 

 《銀髪が1人で笑ってる………不気味だ。やはりアイツは危険だ、俺がアーシアたんを守らないと。アーシアたんの匂いは》

 

 そう言ったのは、毎度お馴染み変態ドラゴン、五大龍王(笑)のファーヴニルである。ファーヴニルは改めてアーシアを護る事を決意すると、アーシアの服の中に潜り込もうとする。

 

「おい、変態ドラゴン。アーシアの寝間着の中に潜り込もうとするな、潰すぞ?」

 

 

 《チッ!銀髪…………この間、アーシアたんと何が在った?》

 

 

「この間?」

 

 

 《アーシアたんが攫われた日の晩だ、一緒にお風呂に入ってたろ!?》

 

 

「あぁ………特に何もないけど」

 

 

 《………まぁいい。今度こそ、アーシアたんは俺が護る。この間みたいな事にはならない》

 

 

「ならいいが…………俺は少し出てくるからアーシアを頼んだぞ。後、彼女に変な事をしたら………」

 

 

 《しない………多分………でも理性が保つか》

 

 

「何かしたら切り落とす」

 

 

 《…………なにを?》

 

 

「なんだと思う?」

 

 零はそう言って笑みを浮かべると、部屋から出て行った。

 

 

 

 

 

 

「さてと………変態ドラゴンに釘を刺したし、大丈夫だろう」

 

 零は旅館の外に出て散歩していた。

 

「取り敢えず、可愛い写真の為にも母親を探さねば」

 

 零はポケットの中から鳥や蝶の形をした折り紙を取り出した。それに息を吹きかけると、空に向かって放り投げた。すると折り紙が本物の鳥や蝶へと変わり飛んで行った。

 

「これで良し………母様が来るまで数日ある、その間に決着を付けないとな」

 

 そう言い、旅館の方へ向かい帰って行った。

 

 

 

 

 

 ~午前中~

 

 零、アーシア、一誠、裕子、ゼノヴィア、イリナ、桐生、松田、元浜は京都を観光していた。何故、違うクラスの筈の裕子が此処に居るかと言うと、簡単に言えばリアス達が認識操作の魔法で裕子のクラスを変えたらしい。

 

「此処は産寧坂……此処で転ぶと死ぬらしいわよ」

 

 

「えっ!そうなんですか?!ぜっ絶対転びません!」

 

 桐生にそう言われてアーシアは真剣に怖がり、零の腕に抱き付いた。

 

「にっ日本には恐ろしい術式を坂に仕掛けているんだな」

 

 

「だっ大丈夫だろう」

 

 

「ほっ本当に大丈夫なの?!」

 

 同じ様に坂を怖がっているゼノヴィアとイリナは転ばない様に一誠の腕に抱き付いた。

 

「ぐぅぅぅぅ!!!」

 

 

「落ち着け!松田ぁぁぁぁ!旅館に帰って一誠を殴ればいい!」

 

 三馬鹿の2人は零と一誠に対して嫉妬している。だが零に対しては叶わないのが分かっているので、その怒りが全て一誠に向いた。

 

 それから清水寺、銀閣寺、金閣寺などの観光名所を巡り、零は一誠達と共に休憩をお茶を飲んでいた。

 

「中々に疲れたな」

 

 

「ふぅん………狐か」

 

 

「へっ?」

 

 零がそう言うと、一誠が間の抜けた声を出すと、狐の妖怪達が現れた。

 

「御迎えに上がりました………太陽神の御子よ」

 

 

「あぁ………別にいいぞ」

 

 

「天王理君!アーシアさん!」

 

 そこに走って来たロスヴァイセ。何故、彼女が此処に居るのかと言うと、彼女は現在、零の元に居り、駒王学園の臨時講師として働いている。そして今回の修学旅行に付いて来ていた。

 

「成程……アザゼル辺りからか」

 

 零は何となく状況が理解できている様だ。


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