ハイスクールD×D 勇者の絆を持つ神の子が往く   作:始まりの0

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EP7 同居人が増えました

 ~事件から数日~

 

 零は今日まで登校せず、やっと登校してきたのだが、何故か全身に包帯を巻いている。そして松葉杖をついており、不機嫌な顔をしていた。

 

 

「………はぁ……」

 

 

「だっ大丈夫かレイ?」

 

 零が横を見てみると何時もの変態3人組がいた。

 

 

「レイ、どうしたんだそれ?」

 

 

「まぁ……色々と在ってな。少しの間、絶対安静だったんだ」

 

 一誠はそれを聞くと、零に少し近付いた。

 

 

「もしかしてこの間の戦いの時の傷か?(ぼそっ」

 

 

「そんな訳ないだろう、あんな雑魚に俺が傷付けられる訳ないじゃん。これは………そう言えば元はと言えばお前等の所為じゃん」

 

 零がそう言うと一誠を睨む。

 

 

「えっ!俺の所為!?」

 

 

「……まぁいい。どうせ、あの部長殿の事だから話を聞かせろとか言ってるんだろ?」

 

 

「えっ…うん、そうなんだけど…その怪我じゃ」

 

 

「あぁ、構わん。問題ない」

 

 

「それじゃあ放課後に」

 

 零は放課後に一誠と共にオカルト研究部の部室に行く事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~オカルト研究部 部室~

 

 

 放課後に零は一誠と共に部室にやってきた。部室に入った時は零の姿に部員全員が驚いていたが、問題ないとの事で現在は包帯は全て外し、ソファーに腰かけている。

 

 

「ぁ~やっと解放された」

 

 そう言いながら肩を回したり、首を回したりしている。

 

 

「それで……色々と聞きたい事があるんだけど…」

 

 

「その前にアーシアはどうした?」

 

 零は先に助けたアーシアがどうなったのか聞いた。笑顔なのだが「アーシアに何かしててみろ、この場を消し去ってやるぞ」と言ってる様にリアス達には思えた。身体からは何やら凄い力が溢れているが、皆はあえて見ないふりをした。

 

 

「レイさん!」

 

 部室の奥からアーシアが出て来ると零に飛び付いた。

 

 

「うぉ?!アーシア、大丈夫だったのか?」

 

 

「はい!」

 

 零がアーシアの安否を聞くと、アーシアは笑顔で返答する。それを聞くと、身体から出ている力は収まった。力が収まったのを確認するとリアス達は安堵する。なんせ、こんな所で応龍皇を出されたら大変な事になるからだ。

 

 

「それで話を聞かせて貰えるかしら?」

 

 

「……面倒だし、話したくない(話したら色々と面倒な目に合いそうだし、オーフィス達の事がバレたら余計面倒だ)」

 

 

「ッ!……そう言うと思ってたけど……でも話して貰わないと困るわ。神器(セイグリッド・ギア)も所持していない人間が堕天使を圧倒し、巨大な力を持っている。これを危険視しない訳がないでしょう?」

 

 それは勿論だろう、零の正体も力の事も全く分からないリアスにとって零の目的がハッキリしない以上は敵になるかも知れない。もしあの雷が自分や愛しい眷族達に向いたらと考えるとリアスは震えてしまう。

 

 

「確かに………【悪魔側】のこの地の管理者のお前にとっては俺みたいなイレギュラーがいたら困るだろうからな。まぁ当然の反応だろうな……けど」

 

 零の紅と金の瞳が鈍い光を放つ。

 

 

「【悪魔】や【堕天使】がこの地にいるなら、それを管理するのもお前の役目だと思うんだが……そこの所はどうなんだ?」

 

 

「ッ!?……それはその…」

 

 

「まぁ済んだ事は置いておいて…………アーシア、済まなかったな」

 

 突然、アーシアに謝る零。

 

 

「えっ?どうしてレイさんが謝るんですか?」

 

 

「もう少し早く、助けに行っていればお前は死なずにすんだ」

 

 

「そっそんな…現に私はこうしてレイさんに助けられた訳ですし」

 

 

「ちょっと待った!!!」

 

 突然、一誠が声を上げる。

 

 

「アーシアが死んだって言ってるけど、現に生きてるじゃんか!」

 

 

「だがあの時に、お前もアーシアが死んでいたのを分かっていた筈だろう一誠?」

 

 そう、先の事件の際に一誠はアーシアの身体が冷たくなっているのと息をしていないのを確認していた。

 

 

「そう言えば真っ暗な所で、綺麗な女性が現れたんですけど……アレは誰だったんでしょう?」

 

 

「あぁ……それはお前の首に掛かっている元々の十字架の持ち主だよ」

 

 

「えっこの十字架の……」

 

 アーシアは零から貰った十字架に触れた。

 

 

「彼女自身も君の事を気に入ったみたいだから、また力を貸してくれるだろう……彼女の名前は次に会った機会に聞けばいい。そう言えば、アーシアはこれからどうするんだ?」

 

 

「えっと……今は此処で寝泊まりさせて頂いてます」

 

 

「そうか……まぁ悪魔にはされてないみたいだし……」

 

 

「それはアーシア本人が拒否したからよ。貴方が悪魔になれないなら、自分もならないそうよ」

 

 

「何で俺が基準になってるのかは分からないけど………それでこれからアーシアはどうする?」

 

 零がそう言うと、アーシアが顔を真っ赤にしている。

 

 

「あっあの……できればその……レイさんの御傍に居させて頂けないでしょうか?」

 

 

「俺の家に来たいと?……別にいいけど……あぁでも……アイツ等の事も紹介しないと……まぁいいかな」

 

『ピリリリリリリリリ』

 

 電子音が鳴り響くと、皆は自分の携帯を見る。

 

 

「あっ俺だ……!?」

 

 零が自分の携帯を出すと、そう言った。そして携帯の画面を見ると固まる。

 

 

「はい!もしもし!……母様、一体なんの御用で?…えっ?はい…はい……では時間が在れば其方に赴きます。分かってます、出来るだけ被害は出ない様に…えっ?関係のない人は絶対に巻き込まない様に……分かってます。はい、それで悪魔やら堕天使の方は?……そうですか………失礼します」

 

 携帯を切るとポケットに仕舞う。何故かその表情は暗い。

 

 

「はぁ……母様の命で在れば仕方ないか。しかしもう少し先になるか……【ソウルコード:ライガー・召喚】」

 

 右眼の紅眼が光ると共に、光が現れ白音が出て来た。

 

 

 

「アレ……あっ天王理先輩」

 

 

「悪いな白音。少し頼まれてくれるか?」

 

 

「何ですか?」

 

 

「えっと……この子…家に連れて行って欲しいんだけど」

 

 白音は零の横にいるアーシアを見た。

 

 

「誰ですか?」

 

 

「えっはい、私はアーシア・アルジェントと申します」

 

 

「全て理解しました………っでどうしてこうなったんですか?」

 

 何か白音からゴゴゴゴゴゴゴッと言う擬音が聞こえてくる。

 

 

「ぁ~……白音、凄く怒ってる?」

 

 

「怒ってません………ただ無性にお人好しフラグ立てた先輩を殴りたいだけです」

 

 

「訳が分からないよ…………取り敢えず彼女を連れてってくれるか、訳は後で話す。それとリアス・グレモリー、俺はお前等が俺の邪魔をしなければ敵対するつもりはないからな。俺自身の事はお前等に話しても、お前等の許容量を超えるから今は話すつもりはない」

 

 

「それは何時かは話してくれるって思っていいのかしら?」

 

 

「考えておく。それと一誠」

 

 

「ん、俺?」

 

 

「お前、自分の神器(セイグリット・ギア)が何か分かったのか?」

 

 

「あっあぁ……」

 

 一誠の左手が赤い光に包まれ籠手が装備される。

 

 

「やっぱり……赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)か……まぁ頑張れ」

 

 

「何でイッセー君の赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)の事を?」

 

 黙っていた朱乃がそう聞いた。

 

 

「何となく……だ。今はそれで納得しろ…じゃあ、白音、2人にもアーシアの事を紹介してやってくれ。夕食の時間までには帰れると思うけど、もし2人が腹減ったって言ったら作ってやってくれ」

 

 零がその場で1回転すると、制服から白い衣を纏った姿になる。

 

 

「じゃあ頼むぞ、白音」

 

 

「…はっ…はい!」

 

 一瞬、零の姿に見惚れていた白音だが声を掛けられて我に帰る。そして零はその場から姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~数時間後 天王理宅~

 

 

「と言う事があった」

 

 

「フフフ、そうなんですか」

 

 

「そうにゃ、ご主人様は超鈍いにゃ」

 

 

「鈍すぎます。色々な面で」

 

 何故か、3人に打ち解けているアーシア。この数時間の間に何が在ったのだろう?そう考えながら扉の隙間から覗き込んでいる俺、これじゃ変な人だな。と言うか自分の家で何でこそこそしてるんだ?

 

 

「ただいま~」

 

 

「「「「お帰りなさい」」」」

 

 4人がジッと零を見つめている。

 

 

(ぜろ)…我、お腹空いた」

 

 ソファーに座っているオーフィス。

 

 

「はいはい……ちょっと待ってろ。でもアーシア、本当にこんな所に住んでいいのか?」

 

 

「はい!オーフィスちゃんや黒歌さんの話も聞きましたけど、彼女達が良い方だって分かりました。それに私はレイさんの御傍にいたいですし」

 

 

「何で俺の傍になんか居たいんのか分からんけど、居たいならこの家にいればいい」

 

 

「ありがとうございます!」

 

 満面の笑みでアーシアがそう答えた。零は思った「この子は癒しだな」と。

 

 

「フラグたてたにゃ……」

 

 

「またライバル増えた……」

 

 

「本人が気付いていないのが性質が悪いです」

 

 黒歌、オーフィス、白音の順に言い、ジト目で零を見る。

 

 

「どうした3人とも?」

 

 

「「「鈍感」」」

 

 

「はっ?鈍感?なんで?」

 

 言葉の意味が全く分からない零が首を傾げる。

 

 

(ぜろ)…お腹空いた。早くご飯」

 

 

「えっあぁ……」

 

 零はエプロンをつけると、調理を始めた。

 

 

「あっそうだ、アーシア。この際に言っておくけど、俺の本当の名前は(れい)じゃなくて(ぜろ)だから。まぁ好きな方で呼んでくれ、後、オーフィス達の事は秘密にしていてくれ。2人の事がバレたら魔王やら堕天使やらに追われる事になるから」

 

 

「はい、分かりました。でもどうして違うお名前を名乗られてるんですか?」

 

 

「日本の苗字にゼロって合わないからな。日本の漢字は1つの字で幾つもの読み方があるからな、レイって方が未だしっくりと来るんでな」

 

 

「そうなんですか……日本語って難しいですね、そう言えばさっき黒歌さんが仰られていた【よ〇い】【〇ぎり】とかってどう言う意味ですか?」

 

『ビシッ』

 

 零はアーシアの言葉に固まった。

 

 

「く~ろ~か~ちゃ~ん」

 

 零が笑みを浮かべながら、黒歌を見る。

 

 

「にゃ?!ごっご主人様、眼が笑ってないにゃ!」

 

 

「無垢なアーシアに何を教えてるんだ!この変態猫がぁ!!」

 

 

「ひゃ~!此処は逃げるが勝ちにゃ!行こう白音!」

 

 

「私まで巻き込まないで下さい」

 

 

 こうして楽しい時間は過ぎていく。


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