唯一魔法が使える少年   作:きゅうじょう

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不定期だから遅くても仕方ない

ラストを少し変えました。物語に影響は無いので大丈夫ですよね?


第8話

ある日の朝、談話室に行くと頭を押さえている宮藤がいた。

「…どうしたんだ宮藤?」

「なんでもないの…」

と苦笑いの宮藤とリーネさん。

「あら、月影君いい所に来たわね」

とミーナさんが言った。

俺にはさっぱり分からないので聞き返した。

「どうしたんですか?何か連絡でも?」

「明日海へ行くの。

明朝10:00時にここに集合ね。」

海か。

俺は良いんだけど何をしに行くんだろうか?

(まあ、訓練だろうな。)

「分かりました。

でも俺、水着持ってませんよ?」

「あらどうしましょう…。男性用の予備なんてありませんし…」

「仕方ない、月影には別の訓練を用意するか」

「そうね。じゃあ坂本少佐、月影少尉の訓練の内容は任せても良いかしら?」

「分かった。月影、訓練はキツくするから覚悟しろよ?」

「分かりました。なんだって乗り越えてみせますよ」

そう言って俺は談話室を出て行った。

 

 

 

 

 

俺は今部屋にいる。

訓練は今日は休みだ。

訓練が無いからと言って休みの間部屋で閉じこもるのは面白く無いので、銃の手入れをしてから部屋を出た。外に出るとシャーリーさんが物凄い速度で飛んでいた。

「シャーリーさんって確かスピードレーサーだった気がするな」

ならスピードを測っているのだろうと思いその光景を見ていた。

かなり速い。普通のストライカーユニットでは出ないスピードだ。

多分改造してるんだろうと思った。

「俺も今度何か改造してみようかな?」

そんなことを思いながら俺は適当に散歩を始めた。

 

 

 

 

 

散歩が終わり暇を持て余していた俺は部屋に戻りもう一度銃の手入れをしていた。もう既に手入れは終わっているのだがあまりにも暇だったのだ。仕方がない。かと言って一度終わっている手入れでそんなに時間が潰せる訳も無かったのですぐに終わってしまった。

 

「………暇だ。凄く暇だ」

 

「そんなに暇なの?」

 

突然横から声がしたので慌てて振り返るとハルトマンさんがいた。一度も音が聞こえていなかったので何故かと思っていると部屋に入ったときにドアを閉め忘れていたのを思い出す。そこから忍び足で音を立てずに来たのだろう。

 

「まあ、暇ですけど。ハルトマンさんはどうしてここに?」

 

「たまたま部屋の前通って見たら窓の外見てぼーっとしてたからおどかしてやろうと思ってね」

 

「おかげでかなり驚きましたけどね」

 

「それは良かったよ」

 

突然ハルトマンさんがあっと思い出したような顔をして聞いてきた。

 

「そういえばサーニャに聞いたんだけど、月影って他の人の固有魔法を使えるの?」

 

「ええ、使えますよ。と言っても今はサーニャの魔道針だけですけどね」

 

「ねえ、ちょっとやって見てよ」

 

「良いですよ」

 

俺はサーニャが出していた魔道針と同じものを出した。今はまだ使い方がよく分からないのであまり使いこなせていない。

 

「わー!すごーい!月影そんなこともできるんだね!」

 

ハルトマンさんが少し大げさに言っているような気がしたがあまり気にせずに返した。

 

「この魔法解析のおかげで固有魔法が何個でも持てるというのはかなりありがたいですね」

 

「いいなーその固有魔法。ま、でも私は今のままでいいか。そうだ、この際私の固有魔法も覚えてみる?」

 

「ハルトマンさんの固有魔法ってどんな魔法なんですか?」

 

「私の固有魔法はね、大気を操るんだよ」

 

「大気ですか。ハルトマンさんが使っていた『シュトゥルム』って言う技の事ですか?」

 

「うん、そうだよ」

 

そう言ってハルトマンさんは手に圧縮した空気を作り出した。

 

「まあ、こんなことが出来るんだよ」

 

「少しそのままでいることって出来ますか?」

 

「うん?良いけど、少し出力落とすよ?」

 

「それで大丈夫です」

 

少し小さくなった圧縮された空気を魔法解析で見る。集中する。魔力の流れ、力の入れ所、魔力を使う場所それらをしっかりと見極める。

この魔法を使うと少しづつ呼吸が乱れてくる。ハルトマンさんも「大丈夫?」と声をかけてくれるが、言葉で返すことも出来ずに頷くだけになってしまう。

 

一分くらい経っただろうか。前回と同じ時間くらいで魔法を解析出来た。俺は見よう見まねで圧縮した空気を作り出した。

 

「わ!すごい!そうやって覚えていってるんだね。でも大丈夫?呼吸が荒かったよ?」

 

「集中しすぎただけなんで大丈夫ですよ。あの、ハルトマンさんが良ければ何ですけど、この魔法の使い方教えてくれませんか?」

 

「眠たく無い時なら良いけど。…そうだ。ねえ、月影いつも出て行く時扉に鍵かけるよね?」

 

ハルトマンさんが怪しい笑みをしながら聞いてくる。

 

「はい、掛けてますけど…。それがどうかしたんですか?」

 

「今度昼寝する時にこの部屋かしてくれないかな?」

 

何故この部屋を使うのかと考えると一つ思い当たる事があった。

 

「バルクホルンさんに邪魔されたく無いから、ですか?」

 

「そうそう。トゥルーデが起こしに来るから安眠出来ないんだよ。と言うわけでこの部屋をお昼寝に使わせてくれたら教えてあげても良いよ?」

 

なんだか変な条件を出されてしまった。これって俺がバルクホルンさんに見つかったら怒られるんじゃあ?

しかし魔法の使い方を教えてくれる良い機会なのでその条件をのんだ。

 

「分かりました。でも俺がバルクホルンさんにハルトマンさんの場所聞かれたら答えますよ?」

 

「それで良いよ。じゃあ私は寝るからまた今度教えるね!あと二人きりの時はフラウって読んでね!」

 

そう言ってハルトマンさんは自分の部屋に帰って行った。

その後の俺は暇だったので1人で射撃の訓練をして過ごした。




遅くなって本当にすいませんでした

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