唯一魔法が使える少年   作:きゅうじょう

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まだ6月だから月一投稿だな
はい、もう少し早めに頑張ります。


第17話

 

俺たちは今車に乗ってロンドンに向かっている。乗っているのは俺含めて三人。

俺こと月影流斬。エーリカ・ハルトマン。そしてゲルトルート・バルクホルンさんの三人だ。どうしてこのメンバーなのかというと、説明するには夜明け前まで遡る。

 

 

 

早朝。俺が起きてベットを整えていた時、バルクホルンさんが血相を変えて扉を開けてきたのだ。

 

「月影!いるか!?」

 

「え、ええ。いますよ?」

 

と言うかこんな朝早くから、と言うか夜遅く?から部屋に居ないのはサーニャくらいなものではないだろうか?

 

「クリスが!クリスが目覚めたんだ!!一緒に来てくれ!」

 

「!!おめでとうございます!……でもなんで俺が?」

 

「カールスラントから逃げ出す際に月影はクリスを逃してくれたんだろう?ならクリスに紹介しなければな」

 

なるほど。俺がクリスちゃんを助けた後、すぐに他の人を助けに行ったしな。そのせいで俺は自力でカールスラントから脱出し、ブリタニアに渡る羽目になったのだがクルトさん達も助けられたし俺の選択は間違っていなかったと思いたい。

しかし覚えていてくれているのだろうか?あのネウロイに焼け野原にされた光景なんて俺でもあまり思い出したく無い。とりあえず行ってみるか。

 

「分かりました。俺とバルクホルンさんだけで行くんですか?」

 

「後はエーリカだな。あいつには車を運転してもらわねば」

 

「じゃあハルトマンさんの部屋に行きましょうか」

 

 

 

少年少女移動中……

 

 

 

「エーリカ!入るぞ!」

 

バルクホルンさんが許可なく部屋に入る。流石に無断で入るのはどうなんでしょうか?そして部屋を開けるとバルクホルンさんが固まった。呼びかけると、見てみろ、と言われバルクホルンさんは部屋の中に入る。

 

「…………」

 

部屋が綺麗だ。ここ本当にエーリカの部屋だよな?整理整頓されている部屋の主はそこでスヤスヤと寝息を立てている。

 

「エーリカ……ついに整理整頓が出来るように………!!うっ…うう……!」

 

なんかバルクホルンさんが涙している。早く行きたいのでは無いのだろうか。まあ、気持ちは分かるが。

 

「う……ううん?あれ?トゥルーデ、それに流斬も。何してるの?」

 

この部屋の主であるエーリカは目を擦りながら眠そうに起きてきた。バルクホルンさんはエーリカの元に歩いて行った。

 

「エーリカ。お前もついにカールスラント軍人としての自覚が出てきたんだな……!」

 

「あー…。うん、そうだよ?頑張ったでしょ?」

 

「本当によくあの汚部屋からここまで持ってきたな。凄いと思うぞ。凄い重労働だったろ?」

 

「まあね。でも頑張ったよ!」

 

溢れんばかりの笑顔でピースをしている。俺はエーリカに近づいて頭を撫でてやった。

 

「………えへへ」

 

なんかにへらってなってるが俺らの目的を忘れていた。エーリカから手を離し車を運転してもらえないか頼む。

 

「運転?いいよ、どこに何しに行くの?」

 

「ロンドンだ。妹のクリスが意識を回復したんだ。運転頼むよ」

 

バルクホルンさんが説明すると、すぐに用意するからハンガーで待ってて欲しいと言われたのでハンガーで待機するとこ約5分。

 

「それじゃあ行こっか?」

 

エーリカが到着してからすぐに車に乗り込み、出発した。

 

俺が運転すればいいって?俺まだ免許持ってないんだよ。最近整備の人達に教えてもらってるところだ。危なくて二人を乗せた状態で運転できないよ。

 

 

 

 

 

病院に着きクリスちゃんの病室を聞いて足早に歩くバルクホルンさん。そして病室に入るなり大声でクリスちゃんの名前を叫んだ。

 

「病室ですよ!お静かに!」

 

看護師さんに怒られてしまった。まあ、当たり前なんだが。

病室に入り、ベッドの上にいる人物は確かに俺がカールスラントが焼け野原になる時に助けた女の子だった。クリスちゃんはバルクホルンさんと談笑している。やっと目覚めた家族なのだ。今はゆっくりと話がしたいだろう。

ある程度話すとバルクホルンさんが俺の名前を呼んだ。

 

「はい?なんですか?」

 

バルクホルンさんとクリスちゃんの元へ歩く。するとバルクホルンさんが俺を紹介した。

 

「クリス、この人が月影流斬だ。…覚えてるか?」

 

「うん、覚えてるよ。月影さん、あの時助けてくれてありがとうございます。本当に感謝してます」

 

クリスちゃんは深々とお礼を言った。姉がいればこの妹ありだ。しっかりとしている。

 

「でもトゥルーデったらこの前まで無茶してたよ?よく突っ込んでたし」

 

「え、エーリカ!今日は見舞いに来たんだぞ!そういう話は…!」

 

「だってほんとじゃん」

 

「お姉ちゃん……」

 

「ないないない!!私はいたって冷静だ!!」

 

バルクホルンさんは全力で否定している。でもバルクホルンさんって宮藤が来てから少し焦った感じと言えばいいのかな?少しなくなった感じがする。と俺が言ってもあんまり関わりないので仕方ないが。今もエーリカが宮藤が来てから丸くなったとクリスちゃんに教えている。

 

「宮藤はお前によく似ているよ。いい友達になれると思う。……あ、似ていると言ってもお前の方が断然可愛いからな?」

 

「………姉バカだねぇ」

 

なにも言うまい。

 

 

 

 

 

病院から出てきた俺たちは車の前で佇んでいた。

 

「ミーナ宛に手紙?」

 

「これは怪しいね。ちょっと読んでみようよ」

 

「確かに差出人ないから怪しさ倍増だしな。俺も読んでみたいです。どうしますバルクホルンさん?」

 

「確かに怪しい。ミーナには悪いが読ませてもらおう」

 

そう言ってバルクホルンさんは手紙を開ける。

 

【深入りは禁物。これ以上知りすぎるな】

 

この一文が手紙にある。知りすぎるな?何のことだ?

 

「これはミーナに直接聞いてみるしかないな」

 

俺たちは車に乗り込んで基地に戻った、

 

 

 

 

 

基地に戻り。普段ミーナ中佐がいる執務室へ向かい、ノックをして入る。

 

「ミーナ。ミーナ宛に手紙があった。【深入りは禁物。これ以上知りすぎるな】これはどういうことだ?」

 

「興味あるね」

 

エーリカもそれに同調する。

 

「分からないわ。私達はネウロイについて調べていただけだし。それに私たちを快く思わない人達はたくさんいるしね」

 

「だがこんな品のない真似をするのはあいつしかいないだろう。トレヴァー・マロニー。空軍大将だ」

 

 

 

 

 

ミーナさんと坂本さんに尋ねたあと、俺は自室に戻りハンドガンの整備をしていた。すると突然警報が鳴った。インカムから坂本さんの声が聞こえる。

 

『月影、今すぐハンガーに集合だ』

 

「分かりました」

 

俺はさっさとハンドガンをホルスターに戻しハンガーに走った。

 

 

 

 

 

ハンガーに着くと出撃メンバーが集まってストライカーユニットを履いて空に飛んでいるところだった。そしてその中には坂本さんの姿もある。

 

(無理をしなければ良いんだが…)

 

俺はそう祈るしかなかった。本人の意思で飛んでいるのだからあまり他人が口を出して良いものではない。もしもの時にフォローしよう。

今回の出撃メンバーの中にウィーラー、サーニャ、エイラがいなかったのであの三人は待機だろう。

 

空に飛び出し先に飛んでいた人達と合流して進んでいくと、少し先にペリーヌさんが待っていた。

 

「少佐!あの、宮藤さんが命令を聞かずに先行してしまいまして…」

 

「なに!先を急ぐぞ!」

 

みんなが「了解」と返事をするとそれぞれ速度を上げていく。

 

ある程度進むと坂本さんの魔眼が芳佳を視認したらしい。更に、

 

「宮藤の他にもウィッチ?…あれはネウロイか!!」

 

そう言って坂本さんがいきなり速度を上げて突っ込んでいく。

 

(不味い!この状態で坂本さんに攻撃が来たら…!!)

 

俺も坂本さんの後を追い速度を上げる。周りの人は驚いているが、今はそんな事を気にしている場合ではない。ネウロイに向けて撃つと反撃が返ってくる。向こうもただではやられたくない。

ネウロイがビームを放ち坂本さんがシールドを張る。しかしビームは難なくシールドを貫通し、坂本さんに直撃する。その内の一発が機関銃に当たりそうになる。

 

(これ以上被害を出すわけにはいかない!)

 

俺はカールスラントから逃げ出す際にずっと持っていた大型のナイフを取り出し機関銃に付いている紐を切り銃を左手で掴む。

それと同時にビームが当たってしまう。坂本さんから引き離した。そして、投げようとした所で爆発してしまった。

 

「クソッ!!」

 

左手から爆発音が聞こえ正面からは痛みによる悲鳴が聞こえる。落ちていく坂本さん。血だらけの俺の左手。至近距離で爆音を聞き、左手にダメージを負った俺は意識を手放した。




クオリティが下がってきている気がする。
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