Fate/buro   作:這い寄る劣等感

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最近は話の内容よりもサブタイトルを考える方が難しくなってきてるんだが?
因みに今回のサブタイトルはなんとなくそうつけただけで実際その通りなのかは俺にはわからにい


また会える日まで

またまた二日後。

具体的には聖杯問答でセイバーがフルボッコにされる前。

ブロントさんは蟲蔵でーーーー蟲が一匹たりとていないから果たして蟲蔵と呼べるかどうかは甚だ疑問ではあるがーーーーランスロットから話を聞いていた。

原作で言うならセイバーとランサーが戦っているところに隣のイスカと金ぴかが乱入してーのあんこくw突撃というカオスなあるさまになってしまった場面の話だ。

違う点といえばあんこくwがあんこくwではないところだろうか。

 

 

「私が確認できたのはセイバー、ランサー、イスカンダルと名乗るライダー、空間の歪みから無数の宝具を射出するアーチャーであろうと思われるサーヴァントだ。キャスター、アサシンの姿は確認できなかったな。そしてセイバーだがーーーー我が王だ」

 

「アーサー王、か」

 

「その通りだ。いずれ戦うにして生半な相手ではないということは事実だぞ。バーサーカーらしく、と言うべきか。アーチャーと一戦交えた後に我が王とも戦ってきた。その剣技は依然冴え渡り……とはいかなかったな。左手の挙動がおかしかった。恐らくはランサーの宝具の影響だろう。そう考えたからランサーには手を出さなかった。そこでライダーの介入があって止むを得ず撤退という体裁を装ったわけだ。……しかし、声だけしか聞いてないが、ランサーのマスターは騎士同士の戦いを何だと思っているのだ!」

 

「流石に心が広大な俺もこれには怒りが鬼なった。タイマンを邪魔するとかちょとsYれならんしょ……?」

 

「タイマンって一対一の喧嘩のことじゃないんですか?なら一番最初に邪魔したのはとなりのイスカですよね?」

 

「いあタイマンは真剣な喧嘩のことなんだが?そういう意味で邪魔したのはランサーのマスターでFA。以下レスひ不要です」

 

 

なるほどなー。

ランサーのマスターは見たことないけどきっと生え際が後退してますね。知らないけどきっとそう。

 

 

「しかし双槍……左手の挙動……まさかとは思うが……」

 

 

ブロントさんが何かブツブツと呟いている。

ランサーの正体に心当たりでもあるのだろうか。

と思った次の瞬間にブロントさんの表情が険しいものとなる。

 

 

「誰かが助けを求むる声が聞こえた。行くぞ、桜!」

 

「hai!」

 

 

ブロントさんの言葉に何の疑問を覚えることもなく了承する。

ブロントさんはホイッスルを吹き鳴らすと軽快な音楽とともに黒い鳥が走ってきた。

 

 

「なんだ、この生物は?鳥のようではあるが……」

 

「暢気に喋ってる暇なんかにい!駆けろハイウィンド!」

 

「クエーッ!」

 

 

ハイウィンドと呼ばれた黒い鳥は一声甲高く鳴くと、一気に駆け出した。

その速さたるやブロントさんにしっかり掴まっていないと振り落とされそうになるくらいだ。

 

 

「俺たちも後を追うぞ、バーサーカー!」

 

「承知した!」

 

 

私達が蟲蔵から勢いよく飛び出た後に叔父さん達も蟲蔵から出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあっ……!はあっ……!」

 

 

私、遠坂凛は走っている。

いや、正確には逃げている、が正しいだろう。

友達のコトネちゃんがいなくなったからそれを探してやろうとお父様の言い付けを破って冬木市に来た結果がこれだ。

自業自得すぎて何も言えない。

私の後を追いかけてくるのは毒々しい色をした刺々しいヒトデのような何か。

そいつはヘアッ!ヘアッ!とか言いながらゆったりと追いかけてくる。

どこかで聞いたことあるけどそんなの今思い出せる状況じゃない。

 

 

「あっ……」

 

 

私はずっと走り続けていたことから足が限界だったらしく、もつれて転んでしまった。

痛い。擦り傷ができたかな?

暢気にもそんな感想を抱いてしまった。

このまま死んでしまうのだろうか?

そんなのは嫌だ。

助けて、お父様。

誰か、助けてーーーー。

 

 

「ウォータ!」

 

 

その時、聞き覚えのある声が聞こえた。

その声が言った何かによって水が発生し、それがヒトデのような何かに当たりその動きを止める。

 

 

「チッ……効きが悪いですね。ブロントさん!」

 

「任せろ!ヒトデマン風情が唯一ぬにの思考のナイトである俺に敵うはずがにい!ハイスラァ!」

 

 

水で動きが止まった後に誰かがヒトデのような何かを真っ二つにする。

ボヤける視界の中で見えたのは白い騎士と、私の妹の姿だった。

そこで、私の意識は途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「姉さん!」

 

「心配するな桜。緊張が切れてしまったんだろうな。気絶しているだけだ」

 

 

私は倒れている姉さんに近付き、容態を確認する。

ブロントさんの言う通り、気絶しているだけのようだった。

 

 

「む?足を擦りむいてるな。ケアル!」

 

 

ブロントさんが魔術を唱えると、姉さんの足にできていた擦り傷が治った。

これが前衛の回復力なのか!

 

 

「取り敢えずどこか安静できる場所に連れてくぞ。どこかいい場所を知ってたら教えるべき。はやくwはやくwはやくw」

 

「それならこの近くに公園があったはずです。そこのベンチに寝かせましょう」

 

 

私が言ったことに従って姉さんを公園まで連れて行き、ベンチに寝かせる。

寝かせたところで思わぬ闖入者が現れた。

 

 

「桜……?」

 

「お母……様……?」

 

 

そこに現れたのは私の母親である遠坂葵だった。

 

 

「そうか。こいつがさくあrのカーチャンか」

 

 

ブロントさんが私の呟きを聞き、ズンズンとお母様に近付き、その拳を振りかぶった。

 

 

「止めろブロント!如何様な理由で貴婦人に手をあげようとする⁉︎」

 

「離せランスロット!こいつは桜を捨てたクソ親の一人だ!桜が受けた苦しみを少しでも理解可能状態にさせない限り俺の怒りが収まることを知らない!」

 

 

振り上げた拳をランスロットが受け止め、そのままブロントさんを羽交い締めにする。

それでも尚ブロントさんはお母様を殴ろうともがく。

 

 

「落ち着け!怒るのは解るが、彼女はほぼ一般人だ!それをサーヴァントである私達が軽く撫でるつもりでやった行為でも大怪我を負うかもしれないのに、本気で殴ればそれこそ死んでしまう!お前は桜の目の前で彼女の親を殺すつもりか!」

 

「っ……!……俺は言い返そうと必死に回転させたが言葉が出なかった。すまにい頭がヒットしてしまってたようだ。冷やしてくる」

 

 

ランスロットに正論を言われ、ブロントさんはその場から離れた。

代わりに叔父さんがエントリーしてきた。

 

 

「雁夜くん……貴方……その姿は……。それに、桜も……」

 

「……葵さん。桜ちゃんがこうなってしまったのは俺が原因だ。いくらでも怨んでくれていい。詰ってくれていい。だけど、忘れないでほしい。桜ちゃんがこうなる判断を下した、下してしまったのは時臣で、それを引き止めきれなかったのは葵さん、貴女だと言うことを。……せめて、凛ちゃんだけでもしっかりと育ててくれ。俺は貴女の前に現れることは二度とないだろう」

 

 

ギップリャァァァァァァァ!

うっわ、くっさ!

「俺は二度と貴女の前に現れることはないだろう(キリッ)」だっておwwwwwww

はー、はー、ほんま叔父さんは私をわろわせてくれますわぁ……。

 

 

「さ、桜……」

 

 

おっといけない。

私も反応しなければ。

 

「何か用ですか?」

 

「貴女のその髪と瞳……。私が、時臣さんが原因なの?」

 

「……まあ、そうとも言えるかもしれませんね。「」確かに私は「望んでこうなったわけではない」という意見。その原因を作ってしまったのは叔父さんで、助長させてしまったのがお父様にお母様という事実。けど、間接的には、です。直接こういう風にしたのは間桐のとこにいたクソジジイです。お母様が気に病む必要はありません」

 

「で、でも……」

 

「気に病んでいるのなら、まずは姉さんをこの場から、冬木市から連れ戻してください。そして叔父さんの言ったように姉さんだけでもしっかりと育ててください。それが私の望みです」

 

「そんな、でも、貴女は……!」

 

「お母様」

 

 

私は語気を強めて呼んだ。

ビクッ、と肩を震わせお母様は口を止める。

 

 

「……もう、私の体は穢れているんです。とてもじゃないけど、お母様や、姉さん達と一緒に暮らすことなんてできない。いえ、私は気にしませんよ?けど、絶対にお母様達が気にします。それは本意ではありません」

 

「そ、そんなことは……」

 

「ない、と言い切れますか?私はお母様も姉さんもとても優しい人だと思っています。そんな人達が変わり果てたーーーー言うほど変わってはないんですけどーーーーこの姿を見て罪悪感を感じずにいられますか?私は、多分できないだろうと勝手に考えています。ですからーーーー」

 

 

私はブロントさんが出て行った方に歩いて行く。

 

 

「叔父さんみたいに二度と会わない、なんてことはないですけど、少なくともこの聖杯戦争中はサヨナラです。それじゃあ、また」

 

 

そのまま私は公園を出て行った。

出て行った先にはブロントさんが腕組みして待っていた。

ヒットした頭は冷やせたのだろうか。

 

 

「……お前、それでいいのか?」

 

「……いいんです。私は、大丈夫。ブロントさんや叔父さん、ランスロットがいますから」

 

「そうか。おもえがそう決めたのなら何も言うことはないな。だがよーーーー」

 

 

ブロントさんは私の頭を手で優しく掴み、自分の胸に押し付ける。

ワシャワシャと少し手荒く頭を撫でながら。

 

 

「桜はまだ子供だからよ。泣きたい時に泣いて笑いたい時に笑っているのが一番じゃないかな?まあ一般論でね?」

 

「……胸、お借りします」

 

 

私は、泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ふーっ。スッとしました。やっぱり出す物出せばスッキリするんですね」

 

「うむ。俺も激昂してトチ狂いそうになると泣き喚いて頭を冷静にすることにしているのだよ」

 

 

現在、ブロントさん、叔父さん、ランスロットと共に間桐の屋敷に帰還中。

大人三人は徒歩で、私はハイウィンドに乗っていた。

 

 

「それはそうと、ブロントさんよくも人の親を目の前で殺人未遂しようとしてくれやがりましたね。これはもうOSHIOKIやろなあ……」

 

「おいバカやめろ!そんなことされたら俺の寿命がストレスでマッハなんだが……」

 

「だが断る。そういえば令呪ってサーヴァントに対する絶対命令権でしたっけ?」

 

「その通りだ。ただ恒久的なものだったり、勝てだのといったものは効力を十全に発揮しない場合がある。出来る限り、飛べ、や自害しろ、といった分かりやすいのが望ましいな」

 

「そうですか。なら令呪使ってどんなことしよっかにゃ〜?」

 

「hai!!他の人も早く謝ってください!

まだ僕は死にたくないんです!!経験値ロストが怖いんです!僕の頑張った時間を奪わないで下さい!僕がロストしたらここで謝らなかった人達のせいですね?」

 

「そもももブロントさんがまだ謝ってないだろ。見ろ、見事なカウンターで返した」

 

「よーし、それじゃあいってみましょー☆」

 

「おいバカやめ……ウボァー」

 

 

今日という日はこれで終わった。

とあるコンビがバカげたことをしでかそうとしているのを私達はまだ知らない。




因みに令呪は使ってないぞ?

桜ちゃんはまだ小学生。母親が恋しいのはバレバレで。
それでも気丈に振る舞おうとするからブロントさんは黙って胸を貸した。

ここからはこの話に関係ないのだがブロントさんはキングダムハーツに出た方がいいのは確定的に明らか。
ブロントさんならキーブレードを使い手でもおかしくはないな。

じゃあ闇系の拡散があるからこれで

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