ブロントさんが自らの正体を明かしたその日、私は夢を見た。
それは貧弱一般騎士の視点から見たかつての英霊となれるほどの強い騎士達だった。
セイバーにランサーにバーサーカー。
あとブロントさんみたく白い甲冑を身に纏った見た感じロリコンっぽいのとか、ローランと名乗る騎士とか色々だ。
後アストルフォとかいう騎士も出たけどアレどう見ても女の子ですよね。アレで男ですって。……ふう。
え、他にも有名な騎士がいるだろう?
無茶言わないでください。作者がそんな知識持ってるわけないじゃないですか。
その夢を見終わって私はベッドから起きるとすぐさまブロントさんのところへ向かう。
ブロントさんは相変わらず蟲蔵で直立不動の体勢だ。……凄いバランス感覚だ。
「ブロントさーん」
「おいィ……おいィ……」
「あ、これ寝てますね。それじゃあおっはようございまーす。ウォータ‼︎」
パシャア、と少々間抜けな音を響かせて、ブロントさんの顔面に水の弾をシューッ!超!エキサイティング‼︎
「ななななななんだ⁉︎敵か?敵なんだな⁉︎」
「それは私だ」
「お前だたのか」
「暇を持て余した」
「ナイトと幼女の」
「「遊び」」
「「……」」
「「イェア!」ピシガシグッグッ
ノリのいいブロントさん、私は大好きです。
「で、なんでウォータで起こしたわけ?」
「いえ、そう言えばなんで私のところにサーヴァントとして来たのかなーと思ったらつい」
「おいィ……。普段は謙虚で優しいと評判のナイトもこれには怒りが有頂天になりそうなんだが?」
「許して♡」
「許すます!」
ふっ、ナイトチョロいぜ。
「そうだぬ……。ぶっちゅけマスターは誰でも良かったんですわ。俺は聖杯が最後の足掻きで出したようなもんだからよ。
ただおもえは助けを求めていた。ならそれに応えなかったらそれはナイトじゃなくて内藤。
言わせんなや恥ずかしい」
やだ……ナイトチョロいとか言ってたのに今の言葉にかっこいいタル〜と思ってしまった私がいる……。
お、おちけつ。私がいずれ好きになる人はきっと料理上手な先輩だ。
「それで、今日はどうします?夜まで時間がありますが」
「うみゅ。今日はカカッっと魔術の修行を終わらせて体捌きだとか剣の振り方とかを教えるんだが?
もし黒魔なのに体術いらなくね?と考えているのらその浅はかさは愚かしい。
黒魔の破壊力ばつ牛ンな黒魔術に体捌きによって身についた回避力が合わさることで最強に見える」
「なるほどなー」
この後めちゃくちゃ修行した。
「さあ、ランサーを自害させろ」
僕はランサーのマスター、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトの頭に銃を突きつけていた。
僕の後ろには舞弥が彼の妻であるソラウとかいう女の頭に銃を突きつけている。
「くっ……!この魔術師の面汚しめが……!」
「生憎、僕は魔術師とかいう人種じゃないんでね」
僕は舞弥に目配せし、銃が完全に頭に密着するようにさせる。
これはアピールだ。
殺すだけならあの距離でも充分に殺せるが、ケイネスに対するある種の見せしめとしては効果はあるだろう。
「や、止めろ!わかった、言うことを聞く!」
初めから素直にそうしておけばいいものを。
尤も、言うことを聞いたからといって僕は彼らの命の保障まではしていない。
この聖杯戦争で流れる血の中に含まれる者になるだけだ。
「れ、令呪をもって命じる。ランサーよ、じが----」
「ハイスラァ!」
ケイネスの声を遮るようにあげられる声。
それと同時に斬り飛ばされるケイネスの手。
それらをやったのは----あの時のサーヴァント。
「ああやはりヒーローは常に偶然ピンチのもとにやはり駆けつけてくるものだな」
ヒーロー、ね。
ヒーロー。つまりは英雄。
僕が嫌う人種の一つだ。
彼らのような英雄がいるからこそ、無駄に多くの血が流れるんだ。
「おいィ?無視しないでいただけますかストレスたまるんで(苦笑)」
しかし、この状況はマズイな。
この女はケイネスにとっての人質とはなっても、このサーヴァントの人質とはならない。
大体のサーヴァントは特殊な奴でもない限り、僕より弱いというのはないだろう。
歴戦の経験から言っても、単純な身体能力から言ってもだ。
どうにかしてこの場を上手く対処する必要がある。
すぐに思いついたのは三つ。
一つ目、逃げること。
煙幕を使うなり、スタングレネードを使うなりでこの場から逃げ出す。
二つ目、戦うこと。
令呪を使い下らない戦いをしているセイバーを呼び出し、目の前のサーヴァントと戦わせる。
あのサーヴァントのステータスは何らかのスキル、或いは宝具で隠されているのか全く見えないが、セイバーは最優の名に違わずステータスは軒並み高い。
少なくとも無様に負けることはないだろう。
問題はセイバーの対城宝具を耐え切ったバカげた耐久力だ。
三つ目、あのサーヴァントのマスターを捕縛、或いは殺害すること。
安易な推測かもしれないが、あのサーヴァントはアーチャーではないだろう。
その証拠として、あのサーヴァントの後ろにはマスターと思わしき少女がいた。
その少女は僕の娘であるイリヤよりも幼く見えるが、そんなことは関係ない。
ただ銃の引き鉄を引くだけだ。
とは言え、三つ目は現実的でない。
それは何故か。
相手は盾を持っている。
まず飾りということはないだろう。
それの腕に絶対の自信があるか、宝具の可能性がある。
それを僕の銃で撃ち抜けるかと言ったら答はNo。
僕が持つ起源弾は魔術師じゃなくとも高威力を発揮するが、本領を発揮するのは魔術師においてのみだ。
だが如何に威力があるとは言え、あのサーヴァントに起源弾が通用するビジョンが見えない。
それなのに無駄弾を撃つのはバカらしい。
僕は舞弥に目配せし、選択肢1を選ぶ。
舞弥が僕のサインを読み取り、スモークグレネードを投擲する。
あのサーヴァントは一瞬攻撃かと身構え、その直後に煙幕が噴出される。
僕らはそれに紛れ、逃走することに成功した。
「ゲホゲホゲホオエッ!」
「噎せないでくださいますか^^;」
とか言う私もだいぶ咳き込んでしまった。
煙幕張るとかあいつ絶対忍者だろ汚いなさすが忍者きたない。
これで私は忍者のことが嫌いになりましたあもりにも汚すぐるでしょう⁉︎
「それでこれどうします?」
私がこれと言って指差したのは額が後退している噛ませ犬な男となんか恐ろしいイメージの顔が浮かんでくる女だ。
二人とも片方の手を斬り落とされている奇妙な共通点を持つ。
「そうだな……取り敢えず騎士王とディルムッドのリアルバリスタのけっちゃこがつくまで待つべき。つうかディルのマスターはマジでズダズタにされた金髪の雑魚だな」
「しっかし積極的に参加しようと思った矢先にコレって凄いですねー」
「まあ俺は本能的に主人公タイプだからよイベントが巻き起こるのは自明に理。俺が歩くだけでヒュム♀は俺にフレ登録要求してきて忍者は勝手に部下になる。こう忙しくては1りの時間もつくれない(リアル話)」
「今も実際に2りですしねー。
で、なんでセイバーとランサーのリアルバリスタに介入しないんですか?」
私はブロントさんがどうしてリアルバリスタに介入しないのか疑問に思ったので訊いてみた。
昨日積極的に参加するって言ってたからてっきり不意だまスウィフトでバラバラに引き裂くと思ったからだ。
「お前タイマンを邪魔するのはいけないことなんですわ?お?
タイマンは真剣な喧嘩という意味で誰でも真剣な喧嘩を邪魔されたら怒りが有頂天になるのは明白に明瞭。もしも邪魔したら親とか呼ばれて一巻の終わり。早く謝るべき。死にたくないなら謝るべき。早く謝っテ!」
「す、すいまえんでした;;」
怒られてしまった。
「……「」確かに戦争だから不意打ち騙し討ち上等かもしれませんが「そんなことは望んでいない」という意見。
俺は俺はナイトだから正正堂堂と戦うことが決定している(勇敢)
それに俺はディルの願いを叶えてやりたいんですわ」
「ランサーの願い?」
そういやブロントさんは貧弱一般騎士の集合体みたいなものだからある程度願いに推測をつけるのは可能なのかもしれない。
「勝手な推測かもしれませんがディルの願いは多分おそらくきっと戦士としての生き様を完遂すること。
なら騎士王であるアーサー王と戦うことでそれが叶うと思われ。まあディルは勝つことは出来ないけどよ」
「あらま。負けること前提なんですか」
「そもももディルは『必滅の黄薔薇』に『破魔の赤薔薇』だけでなく『大いなる激情(モラルタ)』に『小なる激情(ベガルタ)』の二剣二槍を使い手。セイバんクラスで呼ばれなかったせいか『大いなる激情』も『小なる激情』も所持してないのに『必滅の黄薔薇』も壊してしまったことで更に弱体化は加速した。
さすがにその状態ではディルが騎士王に敵わにいのは確定的に明らか」
きっとGM(聖杯)に弱体化させられたんやな。悲劇やな。
「……どうやら決着がついてしまった感。さうkら、ちょとわずかに眼を閉じていてほしいんだが?」
「そのお願いは了解されました〜(CV:沢城みゆき)」
私が眼を閉じると、肉を斬る生々しい音が二回聞こえてビチャビチャという水音かーらーのー鉄のにほひがプンプンですよ猿渡さん!
これ絶対にあの2りを斬り殺した音でしょ……。
「もう開けてもいいぞ」
「ほーい。……って、あら?どこにやったんです?」
私が眼を開けるとそこに屍体は見当たらなかった。
いやまあ血痕とかはあるけども。
「剥製にした」
「えっ」
「剥製にして俺の荷物になるやうにした」
「東方鉄挽肉であるか^^」
あの動画は面白いから皆さんも見てみましょう(ステマ)
いやしかし殺すんですねー。そこら辺はしっかりしてるんですねブロントさん。
それとも中の人たちが原因なんですかね?まあどうでもいいです。
「それじゃ今日はこのぐらいにして間桐邸に帰るぞー^^」
「わぁい^^」
そういうことになった。
この時の私たちは帰り着く前に起こる出来事を知らなかった……。
ランサーの自害しか止めてねえ!
だだだだだ大丈夫だ次こそはブロントさんが活躍するからよまあ見てなw
それじゃ闇系の視聴があるからこれで