C級隊員の俺ガイルキャラを登場です。
一月八日。ボーダー正式入隊日。
入隊式の司会進行はイケメン、美女揃いの嵐山隊が務める。ち、リア充共が……
そして新入隊員の中には玉狛の空閑とお兄さんと友達がネイバーにさらわれたと言っていた雨取。あと付き添いのB級隊員のメガネ君こと三雲。
普通は新入隊員などB級に上がるまではよほどの話題のあるやつが居なければA級隊員が気にすることなどないのだが、今回はそのそれがいるため、風間隊、雪ノ下隊などが見に来ている。
「へー、あれが先輩の言っていた子達ですかぁ?」
俺の隣にいつのまにか一色がいた……
「いや、なんでいるの? ステルスヒッキーで存在消してたのに……」
「ふっふふーん、先輩のサイドエフェクトが存在を消すなら私のサイドエフェクトはそれを見破るのですよ~」
嘘を言うな、嘘を。この場に空閑がいたら『つまんない嘘つくね』と言われてるぞ……
「しかし、ちっちゃいですね~。先輩、ちっちゃい子にはあまいですよね……やっぱり年下好きですか? 私は先輩とは無理です、ごめんなさい」
「なに一人芝居やってんの? 別に関係ないだろ。つか空閑が小さいのは黒トリガーの影響だぞ?」
そんな感じに一色と話していると……
「ん? 先輩。あの子……」
「あ?」
一色に言われて見てみると……鶴見留美がいた。
今から三年前に夏の林間学校とクリスマス会であった子。あいつももう中三か……そういや空閑と同い年だったのか……
様子を見るに、またしてもグループから外れて一人のようだな……
訓練が始まり、スナイパー希望の隊員は移動。中には雨取もいた。
鶴見は、空閑と同じアタッカー&ガンナー&シューター希望者として残った。
「先輩。私もスナイパー組を見に行きますね」
「おう、さっさと行け」
すると今度は葉山が俺のもとへ来た。
「……何のようだ?」
「あれが、ネイバー世界から連れ去られた人を取り戻そうとしている子達なのか?」
「ああ、連れ去られたのはスナイパー組の女の兄と友達だがな……」
「そうか……でもネイバー世界も広い。何処の世界に連れ去られたか、連れ去られた国に行けるかもわからない……いまだに第一次侵攻の行方不明者は見つかっていない。それでもあの子達はやるのか……」
「俺をその言葉で無理矢理同じ隊に入れたお前が言うなよ」
今から三年前。俺らの学校がネイバーに襲われたあと、怪我や精神が安定してきた頃。既にボーダー隊員を兼任していた平塚先生が、連れ去られずに無事だった俺らには高いトリオン能力があることがわかったと言うことでボーダーでの保護を命じられた時、葉山や一色は迷わず隊員になる決心を付けたが、俺はあまり気が進んでいなかった。
俺が今まで使ってきた『ステルスヒッキー』が実はサイドエフェクトだったと認定されたが、俺はボーダーに入隊する気にはなれなかった。
当たり前だ。俺らの学校の生徒の半分も助けられなかったへっぽこ組織に入る気になんかなれるかと言う俺の心の隅にあった怒りだった。
しかし、葉山はなぜか俺をボーダーに入れたがった。なぜか……
『ボーダーでは、既にネイバー世界に遠征に行くことが出来るらしい。俺達とみんなを助けに行くのを手伝って欲しい。これは俺からのただ一人残った奉仕部部員である君への依頼なんだ』
そういわれ、俺は最初はしぶしぶだったが、ボーダーに入隊することになったのだった。
そして俺はサイドエフェクト持ちと言うことで本来1000Pスタートで4000Pで正隊員のハズのC級隊員としての訓練を3600Pスタートで週2回の訓練だけを受けて(ランク戦に参加しなかったことで散々文句を色々言われたが)あっという間に正隊員になったのだった。
「……そうだったな、悪い。ここまで来てなんか自信がなくなってきてさ……最近思うようになった。本当に俺は彼女達を助けられるのだろうかって……不安になってるんだ」
「ま、だろうな……あいつらもいずれなるかもしれねぇ」
「そうだ。だから先輩として諦めろと忠告した方が良いのかもしれない。逆に一緒に取り戻そうと手を差し伸べるべきかもしれない……比企谷だったら……いや、聞かないでおくよ……」
そう言って葉山は行った。俺も訓練室へ向かう。
次回は訓練が主な内容です。
いつになるかはわかりません。