平塚先生の相手は……
三雲達を烏丸と逃がし、私と木崎、小南の三人と敵の人型ネイバー二人。数では有利だがそんなものが通用する相手ではなさそうだ……すると老人の人型ネイバーが……
「……ミデンでの戦いではこの方法が有効ですな」
そう言って、大型トリオン兵を市街地へ向かわせた!? しかもあの方向は……
「くっ!?」
私が行こうとすると木崎が止める。
「平塚さん。気持ちは分かるが追うのは小南に任せて下さい」
「な、ちょっと!」
小南も言う。
「小南、あの方向には京介の家と平塚さんが前に勤めていた学校がある。それに強い奴が残るのがいい。平塚さん、恐らくあなたの方がコイツらと戦える」
たしかにそうだが……
「先生、あたしに任せて下さい。必ずとりまるの家と平塚先生の勤めていた学校は守ります!」
小南はトリオン兵を追っていった。
「ほっほ、出来れば女性お二人で向かってもらいたかったものですが」
「ほう、貴様は女には手を抜く人か?」
「いえいえ、心は痛み入りますが全力でやりますぞ」
老人は言うが……私は木崎と小声で会話する。
「あの老人、余裕がありそうですね」
「そっちのツノ付きは任せた。目的は時間稼ぎだろう?」
「ええ」
「お前なら玉狛支部オリジナルの『全武装(フルアームズ)』を使えば楽に勝てるだろうに……」
「買い被りすぎですよ、平塚さん……」
木崎がそう言うなか、私は両手にシューター用の『アステロイド』を出して合成し『ギムレット』にする……
そして私は撃ちはなつ!
「ほう」
老人は飛び上がる。私は、さらに右手で『メテオラ』を撃つ。
その弾を老人は杖で弾く。
その間、木崎はツノ付きを誘導。トラップ型メテオラとワイヤー型トリガー『スパイダー』を使い、爆風を起こす。すると、老人が……
「『星の杖(オルガノン)』」
そう叫ぶと、あたりの建物が一斉に破壊された!?
『『星の杖(オルガノン)』!? あれは『アフトクラトルの国宝』とまで呼ばれた黒トリガーだ』
国宝だと!? って、いましゃべったのは……空閑のお目付け役のレプリカか?
というより、たしかネイバーフットでは黒トリガーは本国の守りに使われるため本国を離れる事はほとんどないと聞いたが……国宝とまで呼ばれる黒トリガーを投入してくるとは……何かあったのか?
老人はさらに攻撃を加えようとする。
私は離れ、木崎は『シールド』を張った。が……
ジャキンッ!
木崎の『シールド』に干渉せずに木崎は体が切られた!?
「くっ!? スラスターオン!」
木崎は持っていた『レイガスト』のオプショントリガー『スラスター』を使って老人の足に投げつけた。
『トリオン体、活動限界。ベイルアウト』
木崎は玉狛支部へ飛んでいった。く、これで2対1……
「では、ミデンの淑女。これにて……」
老人とツノ付きは背中に羽のような物をまとい、飛んでいった!?
私は追いかけようとするが……
『(ガガ)待て、平塚君。君は本部へ戻ってくれ!』
鬼怒田開発室長からかかってきた……
「どうしたんですか?」
『(ガガ)人型ネイバーが……黒トリガーが……基地に侵入し……(プツン)』
そこで通信が途絶えた……基地に黒トリガーが侵入!?
私は本部へ向かうのだった。
次回はルミルミ視点。
平塚先生にはまだやってもらいたい事があります。