ルミルミ対ユーマ
大規模侵攻・ルミルミ視点
八幡と10本勝負をして、八幡の弟子になった私は、あれからとにかくランク戦で戦っている。
しかし、みんな私が大弾を撃ったらやられてしまい相手にならない……
「お、ルミ。今日はハチマン先輩は一緒じゃないのか」
「……空閑君」
八幡から聞く限りでは今回の新入隊員一位の実力者。しかし、背が低い……
「ねえ、こないだは断っちゃったけど、私とランク戦しない?」
「お、今回はやる気だな、ルミ。いいよ、やろうよ」
私は空閑君とランク戦をすることになった。勝負は10本。
『スタート』
空閑君の使用トリガーはスコーピオン。八幡と同じだけど、サイドエフェクトが無い分、素早い動きに注意して……
私は空閑君の第一撃をかわした。
「おお!」
そして私は銃を空閑君に向けて……
シャキンッ!
『伝達脳破損。鶴見ダウン!』
……これが10回続に、結果、私は一回も勝てずに負けてしまった。
「ハァハァ、空閑君、強すぎ……」
「いやいや、ルミもなかなかだぞ?」
「圧勝してよくいうよ……バムスター退治の記録はほぼ同じだったのに……」
すると、なにか空閑君とは違った声が聞こえた。
『ふむ、やはりルミはトリオン能力だけで戦っている感じがあるな……』
空閑君の服の中からなにやら黒い生き物?が出てきた。
「な、なに? それ……」
『はじめまして、ルミ。私はレプリカ。ユーマのお目付け役だ』
お目付け役?
「まあ俺の相棒だ、でも確かにルミもトリオン能力はかなり高いな……もしかしたらチカに匹敵するかも……」
『さすがに、チカなみのトリオン能力とはいかないが、恐らく準黒トリガーレベルのトリオンはありそうだ。よくネイバーに狙われるのではないか?』
……確かに、今まで警戒区域に近づくとネイバーが現れることが多かったかも知れない。あまり近づく事もなかったけど……
『しかし戦い方が素人レベルだ。ユーマは幼い頃から戦いなれているが、ルミは格闘技やスポーツの経験もあまり無いのではないか?』
……う、確かにあまり無い。運動神経は悪くはないけど……
『恐らく、その辺りを鍛えれば強くなるだろう。ハチマンにもそういうメニューを組んでもらうといいだろう』
「あ、ありがとう……」
その日から私は、とりあえずジョギング、筋トレ、ストレッチを日課にした。
数日後……
『ゲート発生! ゲート発生!』
前から通達されていた大規模侵攻が始まった!
私達C級隊員は、住民の避難や救助活動。空閑君は戦闘能力的に三雲君のサポートとして一緒に行った。
私は雨取さん、夏目さんと共に避難。
避難を進めていくと、新型トリオン兵が現れて私達のいる地区が後回しにされることが決まった。
「働き者が損をする。狂ってるぜ」
でも避難が進んでいない区域を優先するなら仕方ない。
「そうか? 俺はここで戦果をあげりゃいいアピールになると思うぜ……倒せる奴がきたら倒す。倒せない戦闘用や新型がきたら戦略的撤退する。賢い奴のやり方だ」
……ああ、この人達は空閑君のいう『3バカ』だった。
私はとりあえず表情だけ『バッカみたい』と思った。
すると言っているそばから、バムスタートリオン兵が現れた。
まずい!?
「酉の陣-輝く鳥(ヴィゾフニル)!」
3バカがバムスターに一斉攻撃。なんとか倒した。
「やれやれC級は戦闘禁止とか言っている場合じゃねーぜ……」
すると、3バカが倒したバムスターの中から……新型トリオン兵が現れた!?
新型は私達に向かってビーム攻撃、私達は逃げる!
すると、三雲君と嵐山隊の木虎さん?がきた。
「嵐山隊!? よりによって、顔がいいだけで広報活動メインのマスコットチームかよ……」
ああ、そういえばこの3バカはそんな認識しているんだっけ? 私は八幡から嵐山隊はちゃんとしたA級部隊だって聞いてる。
すると横から戦闘用のモールモッドが……
そっちは三雲君が対処するみたい。その間、木虎さんは……
ドドドドドドッ!
「なんだ、あの動き……すげぇ」
「見てないで避難!」
私が3バカに言うと、新型が……飛んだ!? ジャンプなんて感じではなく、空を飛んだ。そして、ビームで無差別攻撃!? まずい!
そして木虎さんは新型に足を取られた……
もう何も言ってられない!
「『アステロイド』!」
私は新型に向かって大弾を撃った。
ドゴッ!
新型の顔にあたり、こっちを向いた。その瞬間――
ズカッ!
木虎さんは自分の足を切って、ワイヤートリガーで抜け出して、新型を倒した。
「今、撃った人! C級は戦闘禁止よ!」
「あ、はい! すみません」
「でも、いいアシストだったよ」
木虎さんに怒られ、私は謝り、三雲君に言われた。すると……
カシャカシャ……
新型の中から、前にテレビで一斉駆除されていた小型が……
バチバチバチ!
3つのゲートが開いて新型(色違い)が3体出てきた!?
「逃げなさい、早く! こいつらの狙いはC級隊員よ!」
木虎さんがそれを言ってすぐに木虎さんは新型に捕まった。さらには三雲君も新型に吹っ飛ばされた!
私達は逃げるなか、雨取さんがなぜか固まっている!?
「くっ!?」
私は銃を構えて撃つが、のけぞるくらいにしかならない。やっぱりバムスターとは固さが違う!
夏目さんも『アイビス』で撃つが全然ダメだ。夏目さんが捕まりそうになると、雨取さんは夏目さんの『アイビス』を拾い――
――とんでもない大弾トリオン弾を新型に撃ちはなった!
それは、まるで大砲かのような威力で、新型の半分が吹っ飛んだ。
さらにはまだ新型が二匹……どうすれば……私は思い出した。
八幡からのお守り!
私は八幡からもらった黒い箱形の物を開けた。
すると……
ズズゥッン!
私の影の中から、黒い人? みたいなのが出てきた。
なにこれ!?
ルミルミが使った黒い箱形の物の説明は次回。
早めに投稿する予定です。