ダンジョンに英雄王がいるのは間違っている   作:あるまーく

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英雄王との問答?をしていたベルだがお互いに自身の情報を伝えることにした。
英雄王も自身を取り巻くイレギュラーに困惑したが、ベルの話……迷宮都市オラリオの話を聞き興味を示し、暇潰しにはなるかと一緒に向かうことにする。
そしてベル自身にも興味を示す。
後ギルガメッシュは以降ギルにします。


英雄に憧れる少年と英雄王はこうして迷宮都市をめざす

ーーーーーー

 

「……しからば、童はこれからその迷宮都市オランダとやらに行くのか?」

 

「……はい。一応その予定です。後オランダ?じゃなくてオラリオです。あ、後結局貴方様は?」

 

「我のことを知らぬだと!」

 

あれからギルとベルはお互いに(主にベルだけが)話したが、ギルが自身のことを知らぬというベルの発言にその顔を歪め、ベルを睨み付ける。

 

「ご、ごめんなさい。本当に知らないんです。ごめんなさい」

 

ベルはギルの睨み付けるに即座にベルは頭をペコペコ下げる。

 

ギルは自身を知らないと言うベルにちっ、と舌打ちだけした。

 

「ならば聞くがよい、我こそ、英雄の中の英雄王、ギルガメッシュ!後にも先にも王とは我のことをさす、童のその魂にこの偉大な王の名を刻むがよい!」

 

と、自信満々声高々に告げた。

 

ベルはその名にはやはり聞き覚えがなかった、しかし自身の夢見た英雄ーーーしかもその王と名乗りを上げた。

 

これが並大抵の人間なら「やばい、頭のおかしいやつだ…!」と思われるだろう。

 

しかしベルにはその尊大な態度、自信満々な声を聞き嘘をついているとは思えなかった。

 

……無論信じた訳でもないが、だが気付けば自身の口は勝手に動いていた。

 

だかなぜだか、ベルにはそれが…

 

「……格好いい!」

 

その声は本当に囁かれる程度だったが、ギルガメッシュには聞こえていた。

 

ベル自身もまさか口に出てたとは思わず慌てて口を手でふさいだ。

 

「ほう。なかなかにして見る目があるではないか、童よ。気に入ったぞ我が下僕にしてやろう!」

 

誇りに思え!、とギルガメッシュはベルに獰猛な笑みを浮かべそう告げた。

 

逆にベルは下僕にしてやると言われ、ひきつった笑みで「あ、ありがとうございます…」と言った。

 

「しからば、我も童と一緒にその迷宮都市オラリオとやらにむかうことにするか」

 

「えっ?ついてくるんですか?」

 

「仕方なかろう!下僕の動向を見守るのも良き王の務め、……まぁ今の我には特にすることなく、戻る場所もないがな」

 

「……王様もそうなんですか?」

 

ああ、とギルはそう返答した。

 

事実流石のギルと言えど、行きなり聖杯から呼び出され、魔力供給者となるマスターがいない状況に戸惑っていた。

 

(だが、どういうことだ?)

 

ギルは内心自身の体について疑問に思っていた。

 

自身の体は霊体化できず、生前の時と同じ魔力もある。

 

これではまるで、聖杯に呼び出されたのではなくて、……前回と同じ受肉していると言っても過言ではない。

 

(まぁ我の体のことはどうとでもよい、それに目の前の童、よくよく見れば面白そうだ…)

 

ギルは目の前のベルを改めて見据え、そう感じていた。身体的な意味ではなく、内に秘めるその力に…。それを感じギルはまた笑い声を上げた。

 

「フハハ童よ!そう言うわけだ、我もその迷宮都市とやらに行き、お前の行く末、見極めてやろう。」

 

聖杯事態にも、たいした興味もわかなかったギル。しかし目の前のベルには今興味が湧いていた。だから思った、この少年が大きくなり、その内に秘めた力がどのようなものになるのか、と。

 

ーーーーーー

 

ベルは未だに困難のなかにいた。急に現れ、自身を王と名乗り自分を下僕にしてやると言った目の前の青年に…。

 

「えっ?」

 

「察しの悪いやつだな…我が貴様のマスター、童の場合は保護者か…それになってやると言ってやるのだ、誇りに思うがいい!」

 

「ほ、保護者?急に保護者とか言われても…」

 

「…なんだ、急に泣きおってどうしたのだ?」

 

ベル自身よくわかなかったが、ギルに指摘され自分の目もとを触って見ると確かに涙が出ていた。

 

ベルは祖父が死んでから1人で過ごしていた。こんな田舎の外れに住んでいるため、人と滅多に会うこともなかった。

 

 

そして、唯一の家族ーーー祖父も死に一人ぼっちになってしまった。だから嬉しかったのだ、また家族が出来たことに。

 

だから不意に口から出ていた。

 

「いえ、また家族が出来て嬉しかっただけです。僕1人でしたから…」

 

「…ふん。まぁ良かろう、お前を我が家族そして下僕として認めてやろう」

 

「それでも下僕何ですか!?」

 

「当たり前であろう!フハハハハハ」

 

そう言った、ギルはどこか嬉しそうに高笑いをしていた。

 

 

 

 

 

 

 


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