そこでダンジョンで助けられたアイズに出会う。
あのあとホームについたギルだったが、そこにいたのはベルだけだった。
「ヘスティアはどうしたベルよ?」
「……理由は分からないですけど、怒らせてしまったみたいで…そのままバイト先の打ち上げに行ってしまいました」
ベルは落ち込んだままそう答えた。
ことの顛末をを聞くと、どうやらベルが大幅に上がったステイタスの理由を聞いたら不機嫌になったそうだ。
……あやつは本当にベルが好きよのぉ…
我はあやつが出ていった理由がわかったが、ベルにそうか、と言い今日のゆうげをどうするか聞いた。
ベルはどうやら朝約束をしていたらしく、『豊穣の女主人』と言う所で食べるようなので、我もついていくことにした。
「王様、わかってると思いますけど揉め事は駄目ですよ。これから行くところ酒場みたいな所ですし」
「わかっておる。ベルの払いで食事をするのだ顔ぐらい立ててやろう」
「ふふっ、今日は稼ぎましたからご馳走しますよ王様」
そう言いながら目的地に二人は向かっていった。
ーーーーーー
「ベルさんっ。来てくれたんですね?いらっしゃいませ!隣の男の人もご一緒ですか?」
はい。シルさんの質問に僕はそう返し、王様はあぁ、と店内を見ながらそう返事をした。
そして、僕らはカウンター席で二人並んで座った。
「アンタがシルのお客さんかい?ははっ、冒険者のくせに可愛い顔してるねぇ、隣のアンタはずいぶんと良い男だね!」
カウンターから乗り出したドワーフの女将さんに、内心でほっけよ、と呟いた。王様は女将さんの発言にフッと笑い、当たり前だと返した。
……まぁ、王様は見た目凄い格好いいもんな…言動は凄くアレだけど…
「なんでもアタシ達に悲鳴を上げさせるほ大食漢なんだそうじゃないか!じゃんじゃん料理を出すから、じゃんじゃん金を使ってくれよぉ!」
「えっ!?」
「なんだベルそうだったのか?それならそうと言えば良いものを…」
告げられた言葉に度肝を抜かれた。王様も信じないで下さい!
ばっと背後を振り返りシルさんを見たが、彼女は目をそらしえへへ、と言った。
えへへ、じゃないですよー!
そうして、僕がシルさんにどうしてこうなったのかを聞いている間、王様はカウンターに置いてあるメニューから選び、女将さんに注文していた。
僕もシルさんとの話を区切り、メニューに目を通す。うっ、けっこうするなぁ…。そう思いながら僕はメニューからパスタを注文した。
そうして、僕らの注文した食べ物が置かれた。僕も王様もパスタ何だけど王様のは、本日のオススメと書かれていたもので確か…
「なんだと!」
僕は再度メニューを見て驚愕した。…700ヴァリス…僕のと合わせて1000ヴァリスもするじゃないか!?
王様はメニューを見ていた僕を不思議に見ていたが、自身の料理を食べるのを再開した。
僕が値段を考えながら食べていたら、女将さんが「酒は?」と尋ねてきて、僕はご遠慮しますと答え、王様は頂こうといった。…どちらにしろ答えた瞬間ふたつのジョッキが置かれた。
聞いた意味ないじゃないか!
食べている途中にこちらにやって来たシルさんと話ながら僕らは料理を楽しんだ。
……明日からもまたダンジョン頑張んなきゃ…
そう考えていたら、突如十数人規模の団体が入店し、あらかじめ予約していたのか、僕らの位地と対角線上の、一角のテーブルに腰かけた。
その集団ーーー『ロキ・ファミリア』そして、その中の金髪の少女、アイズさんを見て心臓が飛び跳ねた。