そして、ギルはルナール『狐人』の春姫に出会う。
朝の5時、朝というには早い時間。我は、ベルが出ていくのを感じ目をさました。
こんな時間からダンジョンに行くのか…。我は付いていくか悩んだが、今日は一人街を探索することにした。
「……ベル君のあほぉ。むゅぅ」
「なんという寝言を言っておる…」
我はソファーで寝ているヘスティアを眺めそう言った。
我がベットを使いベルがソファー、ヘスティアが布団ーーー極東の神の知り合いにもらったもので寝ている。
あやつ、夜中にベルが寝ているソファーに潜ったのか…。本当に神か疑うぞ?
そんな現状を確認し、我は寝巻きから着替え朝の準備をした。
本来なら、王たる我がすることではないのだが、使用人がいないので仕方なく我がすることにした。
……まぁ、仮にも我が家族と認めたのだ、それくらいの些事今はしてやろう。
そうして、我は準備をし始めた。
ーーーーーー
ヘスティアが起きたのは朝の7時だった。
「んー。あれ?おはよう王様君」
「やっと起きたか」
「あれ朝ごはんがある?もしかして王様君が用意してくれた?」
「あぁ。王たる我が作ったものだ心していただくがよい」
その前に顔を洗ってこい、そう言いヘスティアに洗面所を指差した。
そして、我とヘスティアはともに朝ごはんーーーパンと簡単なスープを食べながら今日の予定を話した。
「僕はもう少ししたらバイトにいくけど、王様君は今日はベル君と一緒にダンジョンいかないのかい?」
「あぁ。今日は街で散策するとしよう…しかし神がバイトか世も末だな」
「働くのが好きって神様もいるんだよ?…まぁうちは貧乏だからねぇ」
我は前回ギルドで金塊を売って、当面の金を確保していた。
金をやって甘やかすとあまり本人のためにならないからな…家族を名乗るのだから、そこら辺は厳しくしている。
ふっ。我も甘くなったものよ、今の現状に思うところがないと言えば嘘になるが、反面こうゆうのもいいと思う我もいる。
「それではヘスティア先に出るぞ。洗い物はやっておけよ」
「あいよー。遅くならないでね」
そう言い我はホームを後にした。
ーーーーーー
街に繰り出した我は周りの風景を眺めながら散策をかいした。
やはり都市というだけあってこんな時間でも人は多いな、種族もたくさんいるが我には見飽きたものよ。
ギルは道いく多種多様な人に目を向けたが、興味を引かれる者はいなかった。
……昨日ダンジョンで会った金髪の少女、それと一緒に歩いてる何人かの人物達を見かけたが、ギルは興味をひかれなかった。
ーーーベル・クラネルのようにうちに眠る何かのようなものは感じられずギルには雑種としか思わなかった。
「さて、この辺も見飽きたしどうすかな…」
ギルは街を散策していたが、興味を引かれるものはなかった。
そうして歩いてるうちに南のメインストリートを抜けていた。
本来であれば、ここは繁華街があるが、まだ朝が早いためちらほらとしか開いてなかったため更に奥まで進んでいた。
「…ふむ。看板から察するにここは歓楽街か…まぁ朝からあいてないよの」
興味もないしな、内心でそう思いながらギルは歩いていた。
そうして、ギルは東方建物が多く建ち並ぶーーー遊郭のほうまで来ていた。そして、不意に上から誰かが話しているのが聞こえ足を止めた。
「ーーー姫、今日の夜からあんたもデビューだよ。まぁ、私が言えたあれじゃないけど割りきって楽しみな」
「…はい」
褐色の肌をした女性に声をかけられた金の髪に翠の瞳をし、そして髪の色と同じ色をした獣の耳と尻尾をした少女ーーー女性というには幼い顔立ちをしているがその成長した女性特有の膨らみは確かに女性のそれである。
ーーー狐人の少女はどこか諦めを含んだ声でそう答えた。
じゃあ、この部屋の下見でもしてな…そう言い褐色の肌をした女性はその部屋を後にした。
「…今日から私も娼婦かぁ…ふふ、命ちゃんたちが見たら泣いちゃうよね…」
そう言った狐人の少女は自身の故郷での友人達を思い自重気味にそう呟いた。
ーーーその背後の開け放たれている窓から不意に声をかけられた。
「ほう。狐人か我も初めて見たわ…」
「えっ…何処から?そして、誰ですか?」
狐人の少女は2階にあるこの部屋に侵入してきた人物に困惑しながらそう質問した。
「我か?まったくベルと言い貴様と言い無知な輩が多すぎるぞ…まぁよい!娘よよく聞くがよい!我は人類最古の王にして、全ての英雄の王!英雄王ギルガメッシュである!」
侵入してきた人物はそう高々に宣言した。
ーーーーーー
我は先程上から声が聞こえ、珍しい後ろ姿が見えたのでそこの部屋にはいった。
我のステイタスでも、2階に飛び上がるぐらい訳はない。
部屋を見て、そこにいる少女を見て我は興味がでた。
……こやつもベル同等面白い力を持っていそうだ…
まぁ、我も狐人は初めて見たがな。それも含めなかなか価値のありそうな娘だな。
「お、王様!?それも英雄王!?すっ、凄いです!」
「フハハハ!そうであろう!」
狐人は我の口上を聞き、興奮気味に声をあげた。
やはり、こやつもベル同様わかっておる。
我が娘の反応を見て笑っていると、閉まっていた襖が開き、褐色の肌をした女が入ってきた。
「な、なんだ!?何をいきなり大声を出した!?とゆーかお前は誰だ!?」
ア、アイシャさん!?そう言い娘は入ってきた女性にびっくりしていた。
貴様も我を知らんだと…!