カカシ「一度死んで目が覚めると教え子達の性格やら何やらが変わっていた。」   作:柚子ゴル

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ここからはかなりオリジナル要素が出てきます。おそらく原作で出てきた人がいなくなったり原作で起こったことがいろいろ変わっています。そんなの邪道と思う方は申し訳ありませんが、ここから先見ることをあまりお勧めしません。


第6話 タズナの過去と任務と弟子

 

 

「でっか…」

 

タズナの家を見て思わず呟いたナルト。第七班の他のメンバー2人も同様の反応を見せる。カカシも例外ではなく驚きの表情が隠せないでいた。カカシの記憶では海に浮かぶ質素ではあるが、一般家庭の普通の一軒家であったはずの家が、普通の一般家庭の家の3、4倍はありそうな家になっていた。このタズナは一体何者なのだろうかという疑問が絶えない。

 

あれから一旦家に引くことになった。サクラは不満気な表情をしていたが、タズナはこちらに悪意があるように思えない。火影様には連絡鳥を飛ばしたし、素直についていくことにした。勿論警戒をしながら。

 

豪華な家に入るとタズナはただいまと大きな声で言う。すると小さな足音が聞こえてきて、その主がタズナに抱きついた。

 

「おかえりじいちゃん!白に再不斬もおかえり!」

 

タズナの孫、イナリだ。俺の中では初めはこんなに明るい子ではなかった。ぎょっとしていると再不斬と白がイナリに答える。

 

「ああ。」

「ただいま戻りました。」

 

おかえりと言われなんの違和感もなく返事をし、柔らかい雰囲気を作っている再不斬と白。イナリと話の花を咲かせている。

一方カカシ達は居間に通された。

居間は意外に質素で落ち着いた雰囲気だ。居間の真ん中にある木のテーブルを拭いている女の人がこちらを見て微笑んで言った。タズナの娘ツナミだ。

 

「あら。お父さん、白くん、再不斬さん。おかえりなさい。」

 

タズナ達は先程と同様の反応をして、ツナミがいた木のテーブルに集まり、木の椅子に腰掛けた。

ツナミは此方に気付き挨拶をする。

 

「初めまして。お疲れ様です。お茶でもいれますね。ゆっくり寛いでください。」

 

「あ、お構いなく…」

 

カカシはそう言って、ツナミに勧められた木の椅子に座る。

タズナはカカシ達が座ったのを見て、ツナミとイナリをその場から居なくならせてから真剣な表情で言った。

 

「お主達は超質問したい事が山ほどあるだろうが、それは待っていただきたい。とりあえず、わしの昔話を聞いてもらいたいのじゃ。」

 

カカシ含める第七班は頭を縦に振りうなづいた。それを確認したタズナは話し始めた。

 

 

「あれはわしがまだ霧隠れで忍びとして働いていたときのことじゃ。」

 

「え、忍び?!」

 

タズナはしっかりとナルト達の方を見て言う。しかしカカシは思わず反応してしまった。それを非難するように周りの教え子達の視線がまとわりつく。カカシは苦笑いしながら、話の腰をおり申し訳ありませんと言った。

タズナも大丈夫と言いながらも苦笑いを浮かべる。咳払いをし、タズナは話を続けた。

 

✳︎

 

霧隠れの忍びだった時、わしは情報が漏れないようにするため仲間の護衛につき、暗号部が生きたまま捕まりそうになったり情報を吐くのを防止するため仲間殺しの任についていた。

そう驚くな。どこの里でもこのような任務はある。ん?辛かったですか?そりゃあ辛かったさ。毎日毎日うなされていた。高め合ってきた仲間をこの手で殺すんだからの。それに絶望していた時、愛してやまないわしの妻を殺さないといけなくなった。わしは殺したよ。…悪逆非道か。まさにその通り。家に帰ると妻との間の子、ツナミが笑顔ではしゃいでいた。なんだかこのままではこの子までいずれ殺してしまう気がしての。わしは里抜けをした。里抜けは重罪人じゃ。隠れて生きようと思った。あいにく仲間を殺して得た金は山程あったから生活するには苦ではなかった。その時この波の国にきての。暫くしてわしは旅に出た。そして旅から帰ってくると波の国が荒れていた。ガトーとかいう不届き者が国を荒らしていたらしい。わしはすぐに殺したさ。ガトーとかいう男を殺すのはなんの苦でなかった。久々の人殺しは案外呆気なかった。そこに雇われていた忍びが、再不斬と白じゃ。その時刀の使い方がなってなくて教えて欲しいと言ってきた。これでもわしは一時期刀の使い手として世に名が通っていた。そしてわしは今、二人を見ているんだ。

 

これを頭の隅に入れておいて欲しい。これはあくまで序章だ。依頼はここからだ。

わしには、再不斬と白以外に弟子がいた。それこそまだわしが里に居た時、つまり一番弟子だ。それは干柿鬼鮫じゃ。…。先程からうるさいぞカカシ上忍。上忍ならば上忍らしくせい。其処におる下忍達の方が遥かに静かじゃ。何謝るな。静かに聞いてくれたらいいんじゃ。

鬼鮫は随分とわしに懐いてくれた。刀を扱う才能も桁外れに凄かった。わしは刀を作るのが趣味での。そこの再不斬が使っている刀もわしが作ったものじゃ。わしは忍刀を作っていた。そのうちの一つ、大刀•鮫肌を鬼鮫のために作った。わしは里抜けをする前に鬼鮫にそれを渡し、去った。里抜けをし、波の国で暮らしている時風の噂を聞いた。わしの代わりにあいつが仲間殺しの任務をしていると。わしは酷く罪悪感に溺れ、いてもたってもいられず、旅に出て霧隠れへと行ったが、やはり荒れに荒れていたせいか近づくことも出来ず旅は終わった。また風の噂で鬼鮫は里抜けをし、わしを探していると聞いた。そしてこの前、とある手紙が来た。

「6日後そちらへ向かいます。」

鬼鮫からじゃった。鬼鮫はきっとわしを殺しに来るだろう。何も言わずに里を抜け、挙げ句の果て後釜をやらされて。腸煮え繰り返っているだろう。わしを護衛してくれとは言わない。ツナミとイナリを守って欲しい。鬼鮫はわしだけじゃ足りず、二人を殺すかもしれん。子供には罪はない。どうか二人を守ってやって欲しい。木の葉にあの子らが住む家を用意させた。明日の朝あの子らを連れて木の葉へと向かって欲しい。それがこの任務内容じゃ。

Cランクどころの話ではない?当たり前じゃ。そもそもちゃんとこの任務内容にあった報酬は出している。強いていうならば、わしも下忍ばかりで驚いたがそれ以上にこの子らの実力に驚いた。じゃから安心してあの二人を任せられる。再不斬と白も連れて行ってくれ。この二人はここで死ぬには惜しいからの。

 

✳︎

 

ニコリと微笑みタズナは言った。

再不斬と白は黙ったままだ。

カカシは頭が痛かった。鬼鮫は再不斬と白より遥かに厄介な相手だ。

それよりもあの火影は一体何を考えているのか…。カカシの悩みの種は増えるばかりだ。


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