pixivで思った以上の評価をもらえたのでこっちにも貼ってみます。完結済みですので読んでもらえると嬉しいです!

あとかなり気合を入れて書いたのでコメントをもらえるとすっごく嬉しいです

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記憶のなかの貴方[完結]

私、総武高校生徒会長こと一色いろはは何時ものように先輩をこきつ……手伝ってもらう為にひだまりのような奉仕部へと向かっていた。

 

先輩、普通であれば誰を指しているのかわからないであろうその言葉は、私に取っては先輩=比企谷八幡という方程式になるほど、先輩のことを口には出せないけれど信頼をしていた。だからこそ、今日この日あんなことが起きるとは思ってもいなかった。

 

 

私は奉仕部の扉をノックをし返事を待つ。

 

 

「どうぞ」

 

ふふふ、先輩覚悟してくださいね!今日もコキ、じゃなくてりよ、じゃなくて手伝ってもらいますからね!

 

 

「せんぱーい!」

 

「やっはろー、いろはちゃんどうしたの?」

 

「一色さん久しぶりね。何か依頼かしら?」

 

「えっと、お久しぶり?です雪ノ下先輩。あれ?先輩はいないんですか?」

 

その瞬間ひだまりのような空間であった奉仕部の空気が凍りついた。

 

 

「どうしたんですか?雪ノ下先輩に結衣先輩」

 

「えっと、いろはちゃん疲れてるみたいだから今日は帰ったほうがいいんじゃないかな?」

 

「それが、そうもいかないんですよー。今日中に片付けないといけない仕事があって先輩に手伝ってもらいたいなーって」

 

「いろはちゃん、ちゃんと寝てる?」

 

「え?ちゃんと寝てますよ?」

 

「いろはちゃん、生徒会室に戻ったほうがいいんじゃないかな?」

 

「先輩くるまで少しいさせてくださいー」

 

 

ドンッ

その瞬間、雪ノ下先輩がテーブルを力強く叩いた。

 

「一色さん。黙って聞いていれば比企谷くん、比企谷くん、少しは成長はないのかしら?比企谷君がどこにいるか?教えてあげましょうか。それは天国よ、前もよく見ないで、信号をよく見ないで道路を渡った貴方を庇って死んだのよ。"一ヶ月以上前にね"私たちが比企谷君のことをどう思ってたか知っているんでしょう?私たちはすごく苦しくて悲しんだわ。それでもようやく立ち直ってこれて奉仕部も復活させたというのに、貴方は都合良く記憶を失ってそして先輩、先輩とこの部屋に来るのかしら。人殺…「ゆきのん!!!」

 

「ごめんねいろはちゃん、今日は帰ってもらえると嬉しいかな」

 

私は、その言葉を聞いて言葉を失った。意識はなくとぼとぼと家に帰ったのだろう。気づいたら私は家につきベットに突っ伏していた。なにがあったんだろう。私が本当に記憶を失ったのだろうか。私の過ごした数ヶ月は妄想だったのだろうか。そして雪ノ下先輩が最後に言おうとしてたあの言葉が蘇る。"先輩を殺したのは私なのだろうか"

 

私は半日ベットに突っ伏していたけれど、まったく眠れず気づいたら朝になってしまった。

 

机のはじに置いてある化粧用の鏡を見ると、そこにはごわごわの髪、目のクマが酷い私が写り込んでいた。

 

「先輩…雪ノ下先輩の言ってたことは本当なんですか……?私が記憶失ったんですか?雪ノ下先輩があんな嘘をつくわけありませんよね…」

 

私は独り言のように言葉を吐き出す。

そうして私は一つのことに気づいた。

 

日記に先輩のことを書いていたはずだと。

私は一目散に机の引き出しから日記を引っ張り出しここ数ヶ月の日記を確認することにした。

 

 

xx月xx日

 

先輩を葉山先輩攻略とか理由をつけてデートに誘うことができた。

流石私。

 

2月14日

 

先輩にバレンタインのチョコを上げることができた。

葉山先輩に上げるやつの味見って渡したら美味しいって言ってくれた。

嬉しいです。

 

3月14日

 

先輩がホワイトデーにお返しをくれました。嬉しいです。

小町に怒られるからって言わないで欲しかったな。

小町ちゃん的に言うなら、先輩ポイント低いです!

 

4月15日

 

明日は私の誕生日。先輩にはそれとなく教えておいたし大丈夫だよね………?

 

 

我ながら、先輩のことを書き過ぎてるなって思う。

本当に先輩LOVEだったんだなって。

私が次のページをめくるとそこのページは白紙だった。

その日は私の誕生日、私は先輩に祝ってもらったのを覚えている。そんなことを私が日記に書かないわけがない。なにがあったの!?

 

次のページも次のページも白紙。

 

そして次のページ。

 

4月21日

 

先輩と久しぶりに二人きりになれて満足です。

私にメロメロにしてあげますよ。

 

 

よかった。私の思い過ごしだったみたいだ……

 

先輩は生きてる。雪ノ下先輩が言ってた1ヶ月前は過ぎているし問題はないはずだ。

 

よしっと私は立ち上がり身支度をした。

階段をおり、お母さんが作った朝ごはんを食べる。私の日常、何かがあったとは思えない。

ふと、日記にあれだけ書いてた先輩のことをお母さんには、話してたかな?と気になって声をかけてみる。

 

「お母さん」

 

「なに?いろは」

 

「私って先輩のこと話してたかな?」

 

 

「え?えぇ、えぇ、話してたわよ?もう時間だからそろそろ出なさい」

 

「はーい」

 

 

私は昨日の帰りは嘘だったかのように、心は晴れ晴れとしていた。そして雪ノ下先輩のことを軽蔑していた。あんな嘘をつく人だったなんて。先輩に甘えられる私に嫉妬でもしてるんですか?www

 

 

そんなことを思って言うと前方に先輩発見

 

「せんぱーい」

 

おっと、無視ですか。どうせ俺だと思わなかったとか言うんですよね

 

「せんぱああーーーいい」

 

む。また無視なんですか?仕方ないですね。ここは私の必殺技いろはタックルを

 

先輩の後ろに忍び寄り……

 

「いろはタックル!」

 

ヒョイっ

 

「え!?」

 

ズデーン

 

みましたかみなさん!あの目の腐った男可愛い後輩の抱擁をよけましたよ!

 

「なんでよけるんですか!」

 

「いや、当たったら怪我するかもだろ?」

 

「かわしたら、かわしたらで私が怪我しましたよ!罰として今度デートしてください」

 

「はぁ?なに言ってんだ。俺は休日は家からでないって決めてんだよ」

 

「え?先輩あれですか?家デートで私を襲うつもりなんですか?すいません、ちょっと無理です」

 

「あ?また俺振られたの?」

 

「とにかく、今週の土曜開けておいてくださいね!」

 

「断る」

 

案の定断って来ましたか。けど私にはジョーカーが3枚もあるんですよね

 

「あーあー、なんだか小町ちゃんにメールして、そして今日の全校集会で本物って言葉をいいたくなって来ました」

 

「一色!どこに行きたんだ?」

 

ふっ私の勝ちです。

 

「先輩にお任せしますよー」

 

先輩は生きてる!奉仕部の先輩方軽蔑します。

 

先輩とデートを取り付けることに成功した私は、るんるん気分で学校に登校して、6時間の授業を切り抜けた私は奉仕部へと向かっていた。もちろん文句をいいに行くためだ。あの二人は許すことはできない。先輩の為にもあの二人は排除しなくてはならない。その気持ちを胸に私は廊下を突き進む。

そしてノックもせずにドアを開け放ち私は言い放った。

 

「奉仕部でなにがあったかは知りませんけど。先輩を否定してしまいには死んだことにするなんて最低です。」

 

「なにをいってるのかしら?本当に狂ってしまったの?」

 

「狂ってなんかいません。私は今朝先輩に会いましたから。先輩方がどうかしているんです。それだけですでは、失礼しました。」

 

私は今だにあの態度を続けるあの二人に苛立ちを隠せず、私はその場を去った。

 

………

 

奉仕部を後にした私は生徒会室に向かった。

昨日放置した仕事もやらなくてはいけなくて大忙しだ。

 

机に広がるのは、資料の山、山、山

 

やってられっかー!私は息抜きの為に…そこ!まだ何もやってないだろ!とか言わないでください!

 

私誰に突っ込んでるんだろ…

まぁいいやと、もう出来てる資料をみると私はニマニマしてしまった。

書類の筆跡は明らかに先輩。先輩が手伝ってくれたと思うだけでも嬉しいものだ。

 

「お前何、ニマニマしてんの?」

 

「うわ!なんで先輩がここにいるんですか!?私の笑顔みたならお金取りますよ?」

 

「それが手伝いに来た先輩への態度かよ。本気で帰るぞ?」

 

「すいません、すいません。これとこれお願いします。」

 

「なんか多くないか?そりゃあ先輩ですし。こきつ………手伝ってくれる優しい先輩ですから。

 

「今、こき使うって言おうとしただろ」

 

「気のせいですって。お願いしますね」

 

「まぁいいや。小町に遅くはならないっていってあるし急ぐぞ」

 

「でたシスコン!」

 

先輩といるのは落ち着く。キャラじゃないのはわかっているけれどそう思ってしまうものだ………

 

 

 

…………

 

 

「おい、一色起きろ」

 

「はえ!?」

 

「はえってあざといな。まぁいいやとにかくやっといたから俺は帰るぞ」

 

 

私がちらりと視線を落とすと仕上がっている資料が先輩の癖のある文字で仕上がっていた。

先輩私が寝ている間もやってくれたなんて優しいですね。

 

「ちょっ!待ってくださいよ!せんぱーい!また明日です。今日はありがとうございました」

 

先輩から返事はなかったが片手をあげ、そのまま歩いて行ってしまった。キザな行動なのになんか様になってるのが腹たちますね。

 

…………

 

仮眠をとって回復したはずなのに、お疲れモードの私は家に帰り自室に入るなり机に突っ伏していた。

 

つかれたぁー

 

そんな時に鶴、いや母の一声が聞こえた。

 

疲れたからいいやとも思ったけれど。作ってくれたお母さんに失礼だし食べようかな。

 

トコトコと階段をおりて、食卓に着きいつものように先輩の話をする。

 

「お母さん、今日も先輩が手伝ってくれたんだよ?目つきは悪いけど捻くれた優しさがあるんだー。」

 

「へぇ、何先輩?」

 

「先輩は先輩だよ。比企谷先輩」

 

「比企谷?比企谷先輩って学校に2人いるのね」

 

「え?一人だけだと思うよ?」

 

「比企谷八幡先輩………?」

 

会話を進めるごとにどんどん俯くお母さん。どうしたんだろう。

 

「そうだよ?」

 

「いろは、貴方が受け止められていないのはわかるけど。そろそろ受け止めなさい。彼はもう死んだのよ。彼の死を受け止めて、助けてもらった命を大事にして日々を過ごしなさい。」

 

なんでそんなことをいうの?そうかお母さんも敵か。

 

「嘘だ!!」

 

私は、ご飯を一口も食べずに部屋に逃げ込んだ。

 

「なんだみんな先輩が死んだって言うの?先輩…………」

 

ドサッ

 

音のした方向をみると、私のカバンが机にから落ちていた。どうやら机に突っ伏す時に落としてしまったみたいだ。

 

「拾わないと……」

 

私はそこに入れた記憶のないものが入っていた。

 

よくみてみると本の紹介文だった。

 

そしてある本の紹介文のところに丸がつけてあって癖のある字で面白そうと書いてあった。

 

先輩の文字だ。やっぱり先輩は生きている。

 

本の題名はこうだった。

 

記憶の中の貴方

 

内容はこうだ。

 

ある日学校に行くと好きな人が自分をかばって死んだことになっていた。水穂のなかでは生きている先輩、先輩の生きている証拠がある世の中。本当の真相は!!!!

 

期待の新人のミステリー作品好評発売中

 

 

これだこれを読まないと。私はカバンから財布を取り出して本屋へと向かった。

 

待っててくださいね!先輩!

 

 

私は次の日学校を休み、買った小説を読みふけった。

内容が私の状況と酷似している。

 

・いつも通り先輩を呼びにいくと、先輩が自分をかばって死んだことになっている。

 

・先輩の生きてる証拠が幾つもあるのにみんなのなかでは死んだことになっている。

 

そして本を読み進め一つの結論がでた。

この指南書によれば、主人公水穂が恋している矢羽多先輩は、ふとしたきっかけで異空間に閉じ込められ、みんなから存在を消されてしまったらしい。

 

完全に先輩の状態と当てはまる。

 

 

そして私は一つのシーンに注目をした。それは水穂が先輩と連絡を取った方法だ。

 

水穂「先輩なんで日記にはいるのに、死んだことになってるんですか。」

 

水穂は泣ながら、日記に"先輩"と書く。すると何の奇跡か「どうした?」と文字が浮き出たのだ。

 

 

これしかない

 

 

私は日記を引っ張りだして先輩と書き殴る。

 

………変化なし、そうだよね。そんなうまく行くはずありませんよね。

 

「俺だと思わなかった」

 

けど私は先輩がよく言うフレーズを思い出してもう一回書いてみる。

 

『先輩』

 

『比企谷先輩』

 

『奉仕部の比企谷八幡先輩』

 

届いて!私の思い。

数分経って私がマジックのようにノートに右手をかざして祈っていると文字が浮き出てきた。

 

先輩……先輩!!

 

『なんだ俺か。どうしたんだ?』

 

『なんだ?じゃありませんよ!学校で大変なことが起きてるんです』

 

『聞くだけ聞いてやるよ』

 

『先輩のことでなんですから真剣に聞いてください!先輩がなんで死んだことになってるんですか?なんで私たちノートで連絡が取れてるんですか?先輩が読もうとしてた本にすっごく状況が似てて先輩は異世界に行ってしまったんだと思うんです。』

 

『落ち着け一色。一色の世界では俺がいないことになってるんだな?けど問題なくないか?俺一人いなくなったところで誰も困らないし、気づかないまでである。』

 

 

『何言ってるんですか。先輩がいなくなって悲しんでる人はたくさんいます!あの2人とか平塚先生、それに戸塚先輩に小町ちゃん。あとはわた……『小町と戸塚が悲しんでるだと!?それはすぐ戻らないといけないな!』

 

 

チッこのシスコンが……

まぁいいです。今は先輩がどうすれば戻れるか考えてあげます。

 

『それで今先輩はどこにいるんですか?』

 

『え?………ここはどこだ……?』

 

『先輩わからないんですか?』

 

『すまない。一色に今朝と夕方にあっているのは覚えてるんだが。』

 

『それは覚えてるんですね?先輩にはいつも手伝ってもらってますし、後は任せてください!』

 

私が書ききり右手をかざすと、焦ったような筆跡の先輩の文字が現れる。

内容は

 

『待て一色。今俺に何があったかわからないんだから無駄足になるだけだろ?』

 

やっぱりこんな異常事態でも先輩は優しいです。

 

『先輩私のこと心配してくれてるんですか?私は大丈夫ですよ。この本通りに話が進んでいるのでそれを沿って行けば先輩は助かるはずです。』

 

私はそう書ききり一方的に日記を閉じこう呟いた。

 

私は何度も先輩に助けられた。今度は私の番です、と。

 

読みかけの本を開き一心不乱に本を読み進める。いつもより早く、いつもより深い理解を。そのことだけを意識して本をめくり最後のページをめくり顔を上げると、街が地を塗りこめたような不気味な夕焼けで染まっていた。

 

私は本を閉じ何故かはわからないけれど、そこに向かわなくてはならない。そう感じる場所に足を運ぶ。

 

そしてそこに先輩がいた。

どんなに遠くからでも私なら分かるあの背中。私は煌々と赤い光を放つ物のしたににいる先輩に向けて走り出した。

 

…………

 

奉仕部サイド

 

比企谷君が死んでしまってから始めて、私の家に由比ヶ浜さんが泊まりにきた。

 

話すことはもちろん一色いろはのことだろう。私はあれの事を考えたくもないのだけれど、由比ヶ浜さんが話すべきだと言ったことから私の家で話し合いをすることが決まった。

 

「それでゆきのん、いろはちゃんのことはどう思う?」

 

「狂った。ただそれだけよ」

 

「ゆきのん気持ちは分かるけれど、少しは一緒に考えてみようよ」

 

「いえ、彼女は狂った。それ以外の何ものでもないわ。」

 

「ゆきのん!前のゆきのんだったらそんな事は言わなかったよ。ヒッキーが死んだのはいろはちゃんのせいなのかもしれないけど。ヒッキーが助けた命なんだよ?私たちがそれを否定したら同時にヒッキーのことも否定したことになっちゃうよ!」

 

 

「それは………」

 

私がどう言おうか悩んでいると奉仕部の2人のケータイに同時にメールが届いた。

 

同時に来たと言うのが不気味な気がして、メールを開けると内容はこう言う物だった。

 

一色いろは

宛先:雪ノ下雪乃 ★ゆい★

 

先輩は私が助けますから。

"記憶のなかの貴方"っていう本を知ってますか?

私はこの本に書いてあったいくべきな気がする場所に先輩を迎えにいきます。

 

内容はこれだけ、愛読家の私ですら知らない本のタイトル。これはどう言うことなの。

 

「これは…一体どう言うことなのかしら?」

 

「ゆきのん!この本のタイトル知ってる?」

 

「知らないわ」

 

「ちょっと調べて見る。このままじゃいろはちゃんが危ない気がする」

 

そう言うと真剣にケータイを打ち込み出す由比ヶ浜さん。私はただその姿をぼーっと見つめて……

 

「ゆきのんは考えてて!」

 

「えぇ、そうね。私も考えてみるわね」

 

 

………

 

「ないよ!ゆきのん。そのタイトルの本。少し間違えたのかなって思って似たような言葉で調べてみたけど一つも出ない」

 

私は今までの情報を頭をフル回転させて、考える。

 

・一色さんの比企谷君が死んでないと言う考え。

 

・昨日言っていた「私は今朝先輩に会いましたから。先輩方がどうかしているんです。」この言葉。

 

・そして最後にいくべきな気がする場所。これは考えてではなくて心の奥底でいかなくてはならない気がする場所だろうか。

 

心の奥底で………比企谷君の事故現場………?

 

 

頭のなかでパズルのピースがどんどん埋まって行く。

一色さんが向かった場所は、比企谷君の事故現場だ。

 

無意識のうちに彼女は死のうとしているのかもしれない。

 

「由比ヶ浜さん。あの交差点よ!」

 

「わかった。いこう!」

 

 

私の家からそれほど遠くもない。あの交差点、私たち2人はどんどん突き進む。そして、視線の先には赤信号に突っ込んで行く一色さんが見えた。

 

「いろはちゃん(一色さん)!」

 

……………

 

「せんぱーい!迎えに来ましたよ!」

 

「来ちゃダメだ!一色!!」

 

私が立ち止まると右手に見えたのは、私の背丈と比べものにならないほどでかいトラックだった。

 

私の頭のなかにはフラッシュバックのように映像が次々に流れて来た。

 

 

「先輩!誕生日プレゼントありがとうございました!やっぱり先輩が本物です。大好きです先輩。付き合ってもらえませんか?」

 

 

「まさか先輩にOKもらえるなんて嬉しいです!」

 

「え?」

 

キーッ ドカン

 

「一色よく前を見ろよ。まぁお前だけでも助かってよかったよ」

 

「先輩!目を開けてください。私を甘やかして下さい!もっと一緒にいてください。今まできもい何て言ってすいませんでした。謝りますから……」

 

 

「残念ですが比企谷さんはお亡くなりになりました」

 

「うあああああああああ」

 

「一色さん貴方が比企谷君を殺したのよ」

 

「ヒッキーを返してよ………」

 

「いろは先輩だけでも………助かって………よかったです。お兄ちゃんポイント低いよ」

 

「比企谷………」

 

「八幡!」

 

「八幡。我より先に…」

 

 

次は映像

 

 

「いろはタックル!」

 

誰もいない場所で転ぶ私。

 

「先輩また明日です。」

 

誰もいない廊下に手を振る私。

 

『先輩!』

 

一人で先輩との筆談をする私。

 

 

 

あぁ、私が壊れたんだ。先輩すいませんでした。イマカラムコウニイキマスカラ。

 

私の手からノートが離れた。そして"ノートが私を後ろに突き飛ばした"

 

 

………

 

「間に合って………」

 

「ヒッキー!?(比企谷君!?)」

 

いつものようにニヒルな笑みを浮かべる比企谷君が一色さんを突き飛ばす。

 

 

貴方って人は死んでも人を救うなんてね。

 

………

 

「あぶねえぞガキ!」

 

 

私の目の前をトラックが通りすぎる

 

何があったの?私がみたのは私の代わりに引かれたノート。

 

 

カサッ

 

私の手に何かが握られてる。

手を開くと紙があり。それを開くとこう書かれていた

 

"強く生きろ、""いろは"""

 

 

「先輩、先輩、先輩」

 

私の目から大粒の涙が流れる。

 

「一色さん!いろはちゃん!」

 

 

「なんで……ここに……?」

 

雪ノ下先輩から返って来たのは、言葉ではなく、グーパンチだった。

 

「一色さん、比企谷君が繋いでくれたその命粗末にすることは許さないわ。」

 

「ヒッキーの分まで強く生きて………ね。」

 

 

…………………

 

 

あれから数ヶ月

私は先輩の死を受け入れることができました。

先輩は今どうしていますか?

 

私はですね、毎日先輩の写真にキスしてから学校に行ってます。先輩ならあざといとか言うんでしょうね。でもいいんです、これが私の愛情表現ですから。

 

 

これから60年、70年、80年。死ぬまで続ける日課です。

そうしたら私と結婚してくれますか?

 

 

チュッ

 

「いってきます、先輩」

 

 

 

 

 

 




死ネタとなってしまいましたがどうでしたか?


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