Re:DOD   作:佐塚 藤四郎

10 / 16
そして、彼女と彼は邂逅を果たす。改筆中21.9.26~一先ず了21.10.1


2.「邂逅」-7

     7

 

 

 

 バタリ、と手にしていたトランクを下ろして、額に流れる汗をブラウスの袖口で拭う。

 デスクワークで運動不足気味のこの身体には、中々に良い刺激になった。身体が酸素を欲し、呼吸が口呼吸過多になり、急激な運動で血液を送り出した脾臓が悲鳴を上げ、左脇腹に鈍痛が響いていた。滲んだ汗がブラウスを濡らし、肌に張り付いて不快な感覚を伝えてくる。背に確かな温もりと重みを感じながら崩壊した都市を疾走、とまで俊敏でもなければ格好良くもつかないけれど、如何にか東京タワーの元に着いた。

 "竜"が墜落した赤い塔は、"竜"回収の折に、損傷著しく倒壊の危険性が高い部分は解体されたが、その他の部分は検証の為に保全されたことで、今なおこの災厄の地に屹立している。災厄からしばらくの間は方々の研究機関が詰めていたが、現在では調査の手もやりつくしたようで人員、機材共に撤収され伽藍としている。近隣の民間人は退避命令・指示等で移転しているのもあり侵入を禁止するフェンス等は無く、千切れ古ぼけた黄色い立ち入り禁止テープが所々で夜風にたなびいていた。

 瓦礫が今なお転がる路上、適当に腰掛けられそうな場所に見当をつける。ちゆりには大きすぎる白衣を脱がせて床代わりに敷き、その上にちゆりを寝かせて膝枕にした。膝の上を見れば、ちゆりの顔は穏やかな表情で眠っていた。この様子ならいよいよもって安心だろう。

 暫しそのまま見詰め、穏やかで静謐とした時間が流れる。乱れていた呼吸も大分落ち着いてきた。

 ちゆりの額に掛かる金の髪を指先でそっと払いながら、塔の麓から夜空を見上げる。帳が覆う蒼空には下弦の半月が堂々と浮かび、冷たく澄んだ光で道を照らしている。

 

「ふぅ、……ほんと、いい夜ね」

 

 深く一息ついて、自然と感嘆が漏れた。

 満月じゃないのが惜しまれるほど、今宵は冴え冴えと晴れ渡った夜空だ。ビル群の割れた窓に月光が乱反射し、路上アスファルトの亀裂から逞しく葉を伸ばす雑草を照らしている。崩壊した都市の姿は世紀末な様相であるが、一方で自然と科学が共存している様は幻想的な美しさを孕んでいた。

 この風景は、かつてこの日本国の中枢都市であったもの。それはこの荒廃したビル群や、放置され錆が浮かぶ車両の数が物語っている。

 

「『カイム』、ね」

 

 近くの風景から研究所のあった方に目を移し、あの黒々した"人間(カイム)"を想う。

 私達が上手く逃げ切れた以上、計画は上手く推移しているのだろうか。

 計画、私達の安全とカイムを確保する計画。

 あの状況では情報が少なすぎた。そのクセに悪い問題ばかり想起された。

 特に、実験室にあれほどの破壊を齎したカイムの危険度。危険なのは確かだけれど、どう危険なのかは推し量れきれなかった。すぐさま襲われもしなかったし、私の話を聞いて理解する程度の知性も見え、私の話にも頷いてくれたように見えた。カイムが人間的な要素を有していると期待しても良いだろう。だが、それはあまりに不確定な要素だ。

 一方で確定している一番の問題があった。あのまま研究所にいれば、"岩"に変化を齎した存在として私は、最悪の場合ちゆりも、情報と責を追求されただろう。それこそ、ちゆりが危惧していたように監禁に陥るような事態まで。

 だからこそ、自ら警報装置を作動させた。

 あの状況から問題を避ける為に求められるのは、混乱。それも、研究所内外を巻き込む大混乱。カイムが現れただけでは足りない。

 最下層の実験室にいる人員が操作しなくては作動しない警報装置、それが作動したということが意味指すものは、"岩"の暴走だ。その鎮圧・調査ともなれば、第二研究所の警備戦力だけでなく各駐屯地、他研究機関から大規模な人員移動が期待できた。"岩"と関連があると見られる"竜"の方にも戦力が分散されるだろう。事実、緊急の大混乱と真夜中の時刻と夜闇のおかげで、人波に紛れることでうまく逃走することが出来た。

 ただ一つ、想定される最悪の事態もある。カイムの気性が穏やか・受容的で、現人類の知性・価値観を超越した存在だった場合だ。この場合、武力衝突があったとしても研究所側と和解する可能性が出て来る。そうなれば、私達は即刻お縄でしょうね。だけれど、その可能性は低いことに賭けた。これは経験則。

 あの黒々としたカイムの姿、並の人間は敵対の姿勢を取る。これは確信。

 未知の何かに関わった存在には"巨人"、"竜"、白塩化症候群そして変異感染者がいる。完全致死の奇病と、人間を殺害せずにはいられない変異感染者。人は、命は、死を想わずにはいられない。

 

 未知。常識と非常識。黒々した謎の存在。白塩化症候群。塩の柱。死。

 

 常識側を恐怖させ、非常識側を拒絶させるには充分過ぎる要因となるでしょうね。私が作動させた警報装置のお膳立てもある。カイム側に受容の意思があったとしても、人間側はそれを決して受け入れない。異端は異端として在るしかないのだから。

 いや、主任だったらどうかしらね。まぁ、その主任も今頃、官邸でお歴々に読書会と音楽鑑賞会の大切さをとうとうと語っているところに、緊急の連絡が入ったかどうかというところなのでしょうけど。

 それに、餌は撒いてある。私という存在だ。周囲に敵意を持った存在しかいない中、私という存在の選択肢を与える。一度でも交渉、会話が出来た相手だ。他の餌よりは食い付いてくる可能性は高いでしょう。

 ただ、その餌は毒入り。カイムが私に興味を示したのなら、その関係性の上位は私が頂く必要がある。カイムが私にしか頼れないのなら、カイムは私達を殺せないでしょう、私には彼にそう思わせるだけの価値を示し、与えられることが出来る。ただ、これはカイムが人間であればという希望的観測による判断。どうしようもなく暴力的でケダモノのように貪りたがる人種の可能性だってある。ただ、これは悪い賭けだとは思っていない。顔突き付け合わせてお話しての勘、ってやつなのかもしれない。

 カイムが人間らしい良い人で、私みたいな悪い人に釣られることを祈るばかりね。

 今後の見通しを脳内でしていると、夜が一瞬昼のように輝き、遠い轟音が夜の帳に響いた。微かに聞こえる人の悲鳴は幻聴ではないのだろう。

 それは国立超自然第二研究所の方角だった。

 

「……あら。食い付いたわね、素敵」

 

 研究所の方角から赤い光が発せられ、遠目に火柱が上がっているのが見える。今度こそ確かな人間の絶叫や何かが崩れる轟音が暗い空に響き渡る。

 カイムが連中より私を選んでくれたようで何よりね。しかし、私の目には優しそうな人間に見えたのだけれど、思いのほか好戦的なのかしら。あるいは陽動か。だとすれば、生真面目な気質なのかもしれない、なんて勝手に他者の人格に希望を寄せるのは止めておこう。これはあくまで分析だ。

 さて、何人死んだのかしらね。

 今こうして尋常ではない事態が所内外で起きている。ということは、カイムは研究所の警備と事を構えたということ。そして、今は方々からやって来ているだろう武力集団とも一戦構えたのだろう。構える、婉曲的な表現は避けるべきね。カイムと相対した者は残らず死んでいるでしょうね。あの実験室での破壊力をより集中的、意思を持って向けられて生きている人間はいないだろう。そして、死んでいった人々には申し訳ないけど、死んでくれたおかげで計画は相成った。死んでいった命が、カイムの中で私達の価値を釣り上げる。カイムを受け入れる人間はいなくなり、ますます私を頼らざるを得なくなる。これでカイムは私達を殺せなくなる。

 大切なものを傷付けようなんて、絶対に許さない。今回のはこれでチャラにしてあげるけど、二度とさせないわ。

 命を糧に燃え盛る大火を遠景に望みながら、膝上の少女の頬をそっと撫でた。

 

 

 × × ×

 

 

 研究所の方角を見詰めながらちゆりの頭を撫でていると、廃墟ビルの屋根から影が音も無く降り立った。

 その影は月光に晒され、その姿を露わにする。般若かと思ったが違う。

 

「あら。いい夜ね、カイム」

「…………」

 

 返事は無い。その影は"人間(カイム)"だった。

 影は腰掛けている私達の前まで来て立ち止まり、此方を静かに見下ろしてくる。実験場で携えていた大剣の姿は無かった。

 間近で改めて見るけれど、やはり不思議な姿よね。

 体表は影のように揺らめいていて、言葉では形容しがたい姿をしている。手足の先ほど漆黒に覆われ、その体表には金や赤に光り輝くの紋様が浮かんでいる。

 顔だけは揺らめきが少なく、灰色の肌に輪郭や表情がしっかりと人間らしい形をしている。目鼻があり、眉があり、耳も口もある。顔立ちは男、若い印象。20歳半ばくらいか。男前と呼んでも差し支えない程度には整った顔をしている。髪は黒く、前髪は目にかかる程の長さ。その(すだれ)髪の奥に覗く眼の白目は漆黒だったが、その漆黒の浮かぶ瞳は金、それこそ満月が埋め込まれているように光り輝いている、ように見えると記憶に付記しておく。実験室での一件、私だけが"岩"のカイムを視認していた以上、この赤目を、私自身を疑うべきなのは忘れるべきではない。後々、ちゆりからの観察が必要になるだろう。

 

「今一度確認なのだけど、貴方の名前はカイムで良いのかしらね?」

「…………」

「そう。私は岡崎夢美。眠っているのが北白川ちゆり。よろしくね、カイム。で、どうかしら。私達は逃げ切れそう?」

「…………」

 

 腰掛けたままの私の問いに、カイムはただただ首肯する。

 これで私達の安全は確保されたということだ。カイムが嘘を吐いている可能性はほぼ無い。カイムがこうして私の前で会話に応じているのだから、味方とまでは言わないが、互いに利用価値のある協力者くらいには認識してくれているでしょう。

 

「さて、色々お話する前に質問よ、カイム。貴方、言葉は理解しているわね。それでいて話さないということは、話せない、ということでいいのかしら?」

「…………」

 

 私の問い掛けにカイムは一瞬考えるように俯いてから、灰色の唇を開いた。黒い口腔から灰色の舌を覗かせ、指で指し示す。

 話せないという事かしら。しかし、口? 舌? を指差して何かしら。……見えないのだけれど。こいつは見えるように屈むといった配慮を一切しないのか。腰掛けているのもあるが、カイムの体躯は大きい。身長は180~190㎝くらいだろうか。つまり言うと、見せる気あるのかしら? カイム?

 

「あら、何? 見えないって、ほら屈みなさい」

 

 仕方が無いので、ちゆりの頭を膝から下ろして立ち上がる。マントを外して畳み、枕代わりにそっと頭の下に添える。それからカイムの両肩に手を伸ばして、屈むよう抗議する。このままじゃ私、貴方の肩しか見えないのよ。

 立ち上がる時、ふとカイムの両脚の付け根に目が行った。決していやらしいものではなく、学術的な興味に因るものだったのだけれど、それらしいものは確認できなかった。なるほど、色々と便利な身体であるらしい。

 

「…………」

 

 私の抗議行動にも、カイムは沈黙するだけだった。

 しかし、このカイム、頑健である。

 両肩に体重をかけて屈ませようとしたけど、ピクリとも動く気配が無い。私の体重がさほど無いせいなのか、カイムの筋力がすごいのか。いや、両方かしらね。体裁さえ気にしなければ、このままぶら下がれてしまうだろう。

 そんな下がる気配の無い肩だったが、暫ししてカイムが片膝をついて見える高さに顔を持ってきてくれた。

 

「そうそう、早くそうしなさい。……さて、これは何かしら。あ、ほら動かない。焼印(やきいん)、ではないようね」

 

 カイムの顔にべたべた触りながら、その口腔に遠慮なく指を入れ込み舌に撫でる。多少カイムが身動ぎしたが、気にしない。見せようとしたのなら徹底的に観察させてもらうわよ。

 その渇いた灰色の舌には、見たことのない紋様が浮かんでいた。私がカイムの名を認識した時の天使文字といった風でもない。文字というよりは紋章に近しいのかもしれない。

 

「なるほど、今はまだ分からないという事にしてあげる。喋れないことは了解よ、カイム」

 

 そう言い乾いた口腔から指を抜く。

 また解らないことが増えたことに、思わず顔が綻んでしまう。

 

「…………」

 

 案外大人しくしていたカイムは、私が指を引き抜くとやれやれといった具合で立ち上がろうとする。

 

「あら、ダメよカイム。そのままにして。これから大事なお話をするの。顔を見て話しましょう?」

 

 そう言いながら、立ち上がり掛けたカイムの肩をまた掴み力を入れる。

 カイムは一度、私の顔を見詰めて覗き込んでくる。彼の力なら難なく立ち上がれるだろう。だが、またやれやれといった具合で片膝を突く。なるほど、このカイムは中々に人間のようだ。

 主導権を握りたいというのもあるが、さっきの言葉も本当だ。カイムは髪が目にかかり、その表情が見え難い。人と向き合う時は目を見て、ちゃんと向き合わないと。カイムが顔を逸らさないように両の耳を柔らかく掴み、逃げてはダメと行動で伝える。

 

「先ずは感謝を。貴方の所為なところもあるけど、助けられたのは本当。あの状況から救われたわ、ありがとう。カイム。まぁ、少し派手にやりすぎのようだけれどね?」

 

 正面からカイムの満月のような瞳を見詰め、本心から感謝を告げる。

 最後だけは真面目臭くなり過ぎないように茶化す感じで。うん、これは悪癖ね。

 カイムは耳を掴む私の手を顔を振って払い、一度瞑目して僅かに俯く。

 あの状況。研究所での騒動もそうだし、私の世界を認めない世界もそう。貴方がいなければ私はきっと閉じられた世界で果てていたわ。だからこその心の感謝。これだけは一番最初に言おうと決めていた。

 

「次に契約のお話。筆談は出来そう?」

 

 私の問いにカイムは静かに首を横に振る。

 

「無理ね。なら、了承しかねることや質問があればその都度手でも上げて。意図はこっちで汲み取るから」

 

 私の声にカイムは顔を上げる。

 カイムはその月の瞳で私を凝視している。値踏みするような、裏を探るような真剣な瞳。

 あら、良い顔よ、素敵。

 

「私は貴方に知識と力、"竜"と声と、この世界での社会的居場所を確約するわ。足りなければ、声が出るようになってから追加要求なさい。論理の範疇なら目途を付けましょう」

「…………」

 

 とうとうと語る私をカイムは静かに見詰めている。契約の確認をしているのだろうか。

 

「その代わりに、貴方は私に協力すること。服従では無く協力。協力だから私がお願いした事に応えるか応えなないかは貴方が決めればいい。ありったけの餌で釣る事はあるでしょうけど」

「…………」

「無理難題や悪事を吹っ掛ける気は無いわ。協力は研究の助力が主になると思ってもらっていい。包み隠さず言えば、インタビューでうんざりするほど君の知る話をさせられたり、身体の恥ずかしい所までサンプルに提供してもらうことになるでしょうね」

「……!!」

「そんなに嬉しそうにしない。違う? まぁいいわ。さて契約終了のお話。私の為すことにどうしても付き合いきれないなら、貴方は貴方の好きにすればいい。そこで契約は終了。私を殺そうが犯そうが、何処へと去ろうがそれこそ好きにするといい」

「…………」

 

 カイムが私を見詰める姿に変わりはないが、一瞬、その瞳が細められた、気がした。黒い身体にこの夜暗ということもあり、その奥底にあるものは読み取れない。

 

「私の方からは契約の終了を申し出ること無さそうだから省こうかしらね。……あぁ、一点だけ確約しましょう」

 

 そこで区切ってカイムの頭に腕を回し、上半身を屈め柔らかく抱き寄せる。

 不意を突いた行動にカイムの身体は素直に動いた。

 そして、より近くなったカイムの顔、その耳に顔を寄せ、そっと囁く。

 

「――――二度と、ちゆりを傷付けないで」

 

 私が囁くと同時にカイムは十数歩の距離を一瞬で飛び退く。

 私はその反動で尻餅を突いた。何も逃げること無いじゃない。

 赤いスカート払いながら立ち直り、カイムに対峙すると、カイムは距離を置いて屹立したまま私を凝視している。悠然と佇んでいるように見えるが、その視線は一瞬でも目を離さないように私の赤目に注がれている。

 なんだ、ちゃんと人の眼を見れるじゃない。

 そんなカイムに、私はカイムの金眼を見詰め返す。そして、そのままゆっくりと歩み寄りながら語り続ける。

 薄っぺらい上辺の遣り取りで他者と繋がれるほど、私という存在は確立していない。漂泊にして軽薄なる明白。だからこそ生臭い本心を、グロテスクな内面を、私という存在を構築している微かな要素をありったけ掻き集めてぶつける。ぶつけなくてはならない。言わなくても通じるなんてのは私以上に夢物語だ。

 話せ。岡崎夢美のことを。カイムのことを。話す、ひとと繋がるのにそれ以上は無いのだから。

 

「貴方には大切なものはある? きっと"竜"のことなのでしょうけどね」

 

 憶測でもの言う私にカイムは暫し肯否せず黙したが、その後ただただ静かに小さく頷いた。

 

「私にもあるわ。そして、無数の有象無象と一つ大切なものが天秤にかけられたなら、迷わず大切なものを取る」

 

 先の研究所でその選択肢を選び取ったし、今後もそう在るでしょう。

 

「私は、何ものにも担保されていない。血縁、集団、国家、思想、宗教、文化、民族、歴史、知識、経験、記録、記憶。ありとあらゆるものから浮いている。この赤を含めて、あるいはこの赤故に。貴方が訳有りであるように、私も訳有りということ。これが私の行動原理。私は私に、世界に、私は何たるかを証明してみせんとする意思だ」

 

 カイムに語り掛けながら間近正面に相対し、少し爪先立ちになって顔を寄せる。眼を見開いて簾髪の奥の眼にこれが私だと見せつける。

 欠月の朧気な光の中、カイムの金瞳に岡崎夢美の赤瞳が映るのを見た。

 

「異端は異端であることを自覚すれば幾らで身の振り様はある。それでも他者との共通項が無いというのは、他者との繋がり、共感を得るうえで厄介なのは間違いない。それとも逆なのかもしれないわね。人並みの人にとって他者と繋がる事は当たり前の事なのかもしれない。共感を特別視しているから異端なのか、異端故に共感を特別視しているのか」

 

 告白か独白かの境界が曖昧になりつつある誰が為の語りを垂れ流しつつ、覗き込んでいた顔を引っ込めてカイムに背を向ける。素直に言えば、自身が来た道の方を振り返った。

 

「理由の有無に関わらず、隣に在り続けようとする物好きもいるから一概には言えないのだけれどね」

 

 私は遠くで眠っている少女を見た。私は彼女の事を助手と呼ぶ。彼女は私の事を教授と呼ぶ。教授と助手の間柄であれば共に在る理由になると、彼女が私の気持ちを汲んでくれてのことだ。何しろ、今の私は教授という社会的役職に就いていないのだから、彼女は私の助手だとしても、私は教授ではない。そんなことは私も彼女も分かっている。分かっていて分かち難いこの理由に名前はあるのか。

 顎を上げ見返るようにカイムの方を目を遣ると、カイムは私達の頭上を越えた向こう、赤い塔の落ち窪んだ箇所、嘗て"竜"が磔になっていた所を見上げていた。その顔は、時折ちゆりが私に向けるものに似ているような気がした。それが何たるか確固に言語化にする(すべ)を私は持ち合わせていない。

 

「…………」

「………!」

 

 かける言葉を見失い静かに見つめる他に無かった私の視線に気付いたカイムは、一息吸い込んだ所作を見せた後になって声を出せないのを思い出したのか、苦虫を噛み潰したように顔を顰めた。

 

「……フフッ。貴方って本当はお喋りでしょ。今、喋ろうと呑み込んだ息を吐き出し損ねたようだし。残念ね、何て優しい言葉をかけてくれていたのかしら」

「…………」

 

 カイムは沈黙する。彼は声が出せない以上そうする他無いのだけれど、それ以上に語るまいとする意図が表情、視線の動き、なにより眉根の皺で見て取れた。

 私は先の刹那、窒息するしか能が無かったが、彼はあの感情を言語化出来るようだ。決まりね。彼、カイムは人間だ。少なくとも私以上にそうであることは違いない。そうと分かれば、そろそろ終幕を迎えよう。

 

「私は嘘を吐かない。冗談や戯言は言うし、不確定事項や嘘に騙された情報を口走ることもあるでしょう。正しい情報であってもそれを秘匿し断片的に語り、事実誤認を誘う事もする。だけれど、確約した事だけは捻じ曲げない。それが今の私に残された最後のひととの繋がり方だから」

 

 助手をして、悪魔的と言わしめる手法だけれど、仕方が無いし仕様が無い。逆説的に、悪魔のような確実にロクでもない存在でも、他者との繋がりを得ることが出来る方法論であることは確かなのだから。

 私が歩み寄るのをカイムは逃げるでも襲い掛かるでもなく、静かに見詰め続けていた。

 

「さて、長い長いお話はこれでお終い。選んで。契約か、否か」

 

 カイムの正面に至り、小首を傾げながら右手を差し出す。

 言わなくてもいい事まで馬鹿正直に話した気がするが、不思議と後悔も恥じらいも恐れも無かった。全てを出し尽くした。これ以上は何も無い。

 この手は撥ねられるか刎ねられるか、脳の脇でそんな可能性も考慮し覚悟していたが、そのような事態にはならなかった。

 

「…………」

 

 カイムは、その夜の闇よりも黒き冥い手を差し出し、私の手をそっと繋いできた。

 その手に体温というものを感じはしなかった。だけど、その握る手は優しい感覚を伝えてくる。

 

「これで契約完了ね。どうぞ末永くよろしく、カイム」

 

 今はまだわからないことだらけ。でも、それはこれから知っていけばいいこと。道は細く、険しいながらも先へと続いたのだから。

 

 

 × × ×

 

 

 私とカイムの繋がれた手が離れる瞬間、私と彼の合間で鈍い金属音が鳴った。音の方、足元を見てみるそこには黒々とした短剣が在った。

 短剣と呼ぶには大ぶりで、切先から柄頭まで漆黒のそれ。両刃は根元につれ幅広く、厚い刀身には紋様が浮かんでいる。鍔の中央にはこぶし大程もある真紅の玉が埋め込まれ、見るものに怪しい光を放っている。その特徴的な形状は、チンクエディア、ルネサンス期に欧州、主にイタリア・ヴェネツィアの辺りを起源とする短剣に類似していた。名の意味は「5本指」であり、その非常に広い身幅の体を如実に表している。主に儀礼や装飾として用いられた刀剣だったはず。

 何故このようなものがこんな所に? そう思い見下ろしていた視線をカイムの方に向けると、カイムは何とも難しそうな顔で短剣を見詰めていた。なるほど、訳知りではあるけど、この状況は訳が解らないといった所か。

 私は自然な動作で拾おうと膝を折り手を伸ばしていた。好奇心は当然あったけれど、それ以上に、それこそ無意識に物を落としたから拾おうという反射的な行動であった。

 

「……カイム! 貴方、手。血が」

 

 私の手は短剣の掴み持ち上げようとしたが、それは叶わなかった。短剣が思った以上に重かったとかではない。私が柄を掴む短剣の刃をカイムの黒々とした武骨な手が鷲掴みにし地に押し付けていた。刃を掴む手には赤黒い血が滲み、雫となって滴っていた。カイムの動きは極めて機敏であった。私がカイムの行動に気付いたのは、短剣がピクリとも持ち上がらず、意図していなかった抵抗力に身体が引っ張られつんのめってしまってからであった。私はカイムの顔を窺ったが、その時すでにカイムは私の顔を見詰め、探るような面持をしていた。手に怪我を負いながらも手の方に目を遣ること無く、おそらく私が短剣に手を伸ばし掴もうとした瞬間から私を窺っていたのかもしれない。

 カイムは刃に血を滲ませたまま、もう片方の手で短剣の柄を握る私の手を離すように促してくる。その意図に気付くまで幾瞬か間が抜けた後、私は短剣から手を離した。私が手を離しきるまでカイムの注意は深く私に向けられていた。相当に気を張っているのは一目瞭然であった。

 屈みの姿勢から直立の姿勢に戻ったカイムは短剣を逆手に持ち、その刀身を顔の近くにまで寄せて凝視している。その凝らした目つきには困惑の色が見えた。

 

「……その短剣は貴方の?」

 

 私の問い掛けにカイムは一度首肯しかけるも、その顎を下ろす手前で固まり、悩む様に首を捻りつつも曖昧気味に首肯した。微妙、といったところか。確実なのは、ただの短剣という訳では無いのだろう。

 

「それはとても危険なものだったり? 刃物だから危険という次元ではなく、それこそ触れるだけでダメみたいな」

 

 カイムは問いを受けると視線を短剣から私に移すと、今度は迷いなく首肯した。未知なる存在たるカイムが迷いなく危険と断定する未知の短剣。どれほどの脅威かは想像に難くない。カイムという大きな未知を前に感覚が麻痺していたのだろう。カイムに対しては相応に注意を払っていたのに、同じく未知であるはずの短剣には充分な警戒をしていなかった。

 

「……そう、ごめんなさい。そして、ありがとう。()めてくれて」

「…………」

「手は大丈夫? ……私に? いいの?」

 

 カイムは器用な事に、逆手に持っていた短剣を浮かすように宙に放ると、短剣を持っていた同じ手の親指の先と人差し指の腹で短剣の切先を挟むように持った。そして、短剣の柄を私に持たせるように向きで差し出してきた。

 カイムの空いている手の方は指先まで気を回しているようで、自然な構えではあるが必要とあらば瞬時に動けるように緊張してる。手だけではない。全身に気を張り巡らしていた。それ程にカイム自身が警戒しながらも短剣を受け取るように差し出してくるのはどういう訳か理解が追い付かない。本来であれば是非も無く受け取る所だけれど、まさか未知の方から歩み寄られるとは誰が予想だにしようか。

 私達は今、追われる身だ。研究所や『壁』の方は大混乱であるのだろうけど、それも時間の問題だ。ちゆりに次いで、私まで行動不能になってはどうしようもない。そういった不確実性、リスクというのは場が落ち着くまで避けるべきだ。べきではあるが、一度、不用意ではあるが短剣に触れた時に肉体的異常や精神的汚染らしきものは感じなかった。"岩"の中のカイムを見通した私の感覚だ、多少は当てにしてもいいだろう。つまりは勘、ってやつ。助手曰く、私の勘は馬鹿には出来ないらしいから。

 

 腕時計を確認し、意を決して、その黒き短剣を握る。も、何も異常な事は起きなかった。未知への接触の不安か興奮か、胸の高鳴りが手に伝わり、柄を握り込む指先の脈動が鮮明に感じられる。

 何も無かった、とは落胆しない。短剣の切先は未だカイムが握り込みビクともしない。切先から短剣の全重量を支えているようで、柄を握る私の手に短剣の重みはかかっていなかった。

 カイムの緊張は僅かにも解かれていない。私はカイムの瞳を見て告げる。

 

「大丈夫。任せて。手を、離して」

 

 その瞬間、世界は暗転し、私は夢を見た。

 

 愚かなる賢王。

 古き時代、栄華繁栄を極めたが為に堕落した民と衰退の道を辿る国。王は自らの力のみではどうにもならぬ事を悟った。王は自らの剣に神を降ろし、堕落した民を虐殺し、王国を滅ぼした。白銀であった刀身は、最期、王自身の血に染まり漆黒となった。

 

 私は夢を見た。

 

 並び立てぬ両雄。

 互いに競い、高め合い、認め合った両将軍。両雄は魔剣に魅せられ、魔剣を巡って殺し合うことになる。最期、相共に滅びるまで殺し合った両雄の様を、並び立てる存在でいながら並び立っていられなかった様を、魔剣は見つめていた。

 

 私は夢ヲ見た。

 

 優しき狂王。

 万の血を吸わせた使い手に不老不死を与えると伝わる魔剣。王は魔剣に魅せらることなく国と民に善く在り続けた。ある日、不慮の事故で最愛の后と腹の子を亡くし、王は深く嘆き悲しんだ。愛する者を失ったこと。老いた身で漸く授かった我が子を失ったこと。我が身で王家の血が絶えること。王の務めを果たせぬことで王国が滅ぶこと。正気か狂気か、王は短剣とその手を緋に染めて叫ぶ。「私が最後の王ならば、私が生き続ける限り王国は不滅なのだ!」と。最期、妊婦と胎児を前に王の心の臓は老いか病か、急激な負荷に耐えかねて爆ぜて果てた。目の前の妊婦と胎児を殺せば、ちょうど一万人だった。

 

 私ハ夢を美タ。

 

 虚ろなる女王。

 少女の家族が住む村を山賊が襲った。少女は山に打ち捨てられていたのを父が拾ってきた剣を手に取った。人を殺すのは初めての事だった。返り血で血塗れになった少女に、娘い村人、家族は怯えた。それから年を取ることのなくなった少女は村中から疎まれて旅に立つ。世界放浪の長い旅路の末、少女は無限の命と、強力な魔剣と長年の知恵、それを使いこなす力を以てして一国の女王に上り詰めた。何不自由ないように見える。だが少女は手に入れていない。あの時欲しかった父の優しさだけは。

 

 私は、我たしハ、わたシは……、

 

「――――夢、み」

 

 そう自身で呟いた言葉は酷く遠くに感じられた。

 朦朧としつつも短剣を手放すことなく、今なお自身の脚だけで私自身を支え立っているようだ。

 

「……っはぁ!! はぁ、はぁ、すぅ。……私は、岡崎夢美だ」

 

 意識が明白になるにつれ溺れていたかのような感覚が押し寄せ、膝から崩れ落ちる。呼吸は激しく乱れて額に嫌な汗がぶわっと玉の様に浮かんだ。腕時計の時刻を確認してゾッとする。私が短剣を掴む直前に確認し、カイムが短剣から手を離し、短剣の影響を受け、今こうして呼吸に喘いでから確認した時刻で20秒と経っていない。純粋に短剣の影響下にあった時間がどれ程かは考えたくない。幾瞬の間に恐ろしいまでの没入感があった。映画に没入して呼吸を忘れるような感覚というのは話に聞くが、そんな品の良いものでは無い。強烈すぎる心象は自己と他の境界を容易に浸蝕してくる。

 あの瞬間、私は私であり、賢王であり、両雄の片割れであり、優しき狂王であり、虚ろなる女王であった。明確にして強固な自我か、逸脱した共感性の欠如が無ければ、見せられた記憶のどれか、或いは複数に憑り入れられて人格が乖離・統廃合で崩壊しても不思議に思わない。人でなしであったことに感謝する日が来るとは、人生とは分からないものね。

 一つ、確信を以て断言することは、私は歴代の短剣の使用者達の記憶を見せられたということ。そしておそらくは、それは短剣の意思なのだろうということ。それが初めこの短剣に降ろされた存在なのか、記憶の人格らの総意なのか、それら集合が統合により形成された上位人格なのか、はたまた全くの別なのかは定かではない。

 短剣は私に今の心象を見せた。害するつもりなら、如何様にも手があるだろう。とすれば、そうせんとした短剣の意思は、意図は何処に在る?

 

 短剣は何をした。

 自身のありったけを掻き集めてぶつけた。

 何故だ。

 知ってもらう為だ。

 誰に。

 この岡崎夢美に。

 誰が。

 

「――――古の覇王。そうでしょう?」

 

 私は項垂た姿勢のままそう隣の男に問い掛ける。無論、返事は無い。だけれど、静かに頷く姿がそこに在るように感じられた。

 自身の汗が滴り落ちた短剣を見る。漆黒に紅玉が映えるそれ。そう、それがこの短剣の、銘と呼ぶのは無機質な感が過ぎる。であるなら、そう、名前だ。『古の覇王』、大仰な名前だ。狂的な心象体験も、とどのつまりはこの短剣のギコちない自己紹介に過ぎなかった。

 その名前と自身が何たるかの証明。もっと良いやり方だってあるだろうにと思ったが、あまり他人の事をとやかく言えるような経験を積んで無いのを自覚して口を紡ぐ。

 何故、カイムが今この場で私に渡してきたのかは分からない。短剣の意思を感じ取ったのか、何なのか。ともあれ、中々どうして電波の波長は合っているのかもしれない。私と、古の……長ったらしい。

 

「以後、君はハオだ」

 

 手の中の短剣の紅玉に向けてそう告げる。改名でなく愛称。短剣の意思が反発したりするかなと思ったけれど、思っていた以上に静かで何も感じない。受け入れたのか、狸寝入りを決めているのだろうか、(hao)だけに。

 ふと頭の片隅に、第2、第3案として『(いにしえ)のいービィ』や、『とっとと はお太郎』がよぎったが、柄を握る手からとんでもない鳥肌が立ち昇り、全身の汗が瞬く間に引いていく。わかった、私が悪かった。初期案でいこう。やはりというか、ハオは狸寝入りのようだった。

 私の方は未だに呼吸で上下に波打ち肩を深い呼吸一息に整え、短剣を杖代わりに立ち上がる。見上げたカイムの顔に警戒の色は既に無く、興味深そうに、おそらくは私を見守っていた。

 

「この結末、予想してたの?」

 

 この短剣は元はカイムが所有、というよりは所持か、していたものだ。カイム自身、私と似たような体験をしたことが有るのかもしれない。

 カイムは然もあらんといった雰囲気を漂わせている。余裕を感じているあたり、今のこの状況は彼の理解の及ぶ範疇の事柄なのだろう。まぁ、いいわ。このお話はいずれきっちり絞らせて頂こう。

 

「……それじゃあ行きましょうか。貴方の様子を見るにまだ大丈夫なのでしょうけど、だいぶ時間を食ってしまったわ。ここで捕まってちゃ台無しだものね」

 

 そう言って身を翻し、ちゆりの方へ駆けてゆく。健やかな顔のそれは、気絶ではなくただの熟睡。私の赤外套に涎のシミを作っていた。その顔を見たからか、大仕事が一段落着いた気の緩みからか、私も少なくない睡魔が襲ってきたがもうひと踏ん張りだ。

 大まかな逃走の算段を付ける。北か、西かの二択であるが、この場合は西一択だ。現段階では、日本国政府の政府機能の一部は、未だ尚、霞が関にて踏み止まっているが、最悪の事態という状況に置いては機能の移転を余儀なくされるだろう。そうなれば政府機能の中心は九州だ。それに、研究所以前の私とちゆりの日本での活動圏は関西なのもある。潜伏するなら都市圏の方が目立たないないし、諸々の調達や処分も楽だ。

 そうと決まれば早い。ハオをトランクのガワにベルトでグルグルと巻きつけて固定する。ちゆりを赤外套で包み込むように背負う。足はどうするか。使用者がいて稼働が確実な車を拝借するよりかは、稼働不安があっても放置されたままの車を拝借した方が良さそうだ。日本国内は日本車だらけだからより取り見取りだなんて小悪党な勘案をしていたら、カイムは既に横で控えていた。

 

「あら、どうかしたのかし……、ひゃあ!?」

 

 奇妙な浮遊感が足裏をくすぐる。らしくない声が出てしまった気がする。

 見れば私とちゆりとトランク雁字搦めのハオはカイムの腕で抱きかかえられていた。私がカイムの腕の中にいて、私の腕の中にちゆりがいる。私達はカイムの腕の中に一緒にすっぽりと収まっていた。

 二重お姫様抱っことは、随分とタフネスな王子様もいたものね。少なくとも、私が知っている童話にはそんな王子様はいなかったわね。子供には聞かせられないか。

 

「ふふっ、やっぱり貴方は良く分からないわね、カイム。でも、これだけは分かる。貴方は優しい人。貴方が執心するドラゴンが、貴方の何なのかは知らないけれど、そのドラゴンは幸せ者ね」

 

 カイムが首を横に振る。その心意は読めない。ただ、悲しそうな顔に見えた。灰色の顔に表情は乏しい。だけど、目が細く俯いていた。

 

「そう。でも素敵よ」

 

 そう言いながらカイムの頬に腕を伸ばし、そっと撫でる。

 カイムはそれを首を振って手を振り払おうとするが、気にせず撫でる。

 丘の向こうに行くのは私の足。そこは変わらないわ。だけど、今この時だけは王子様に連れ去られるというのもわるい気はしない。

 私達を抱えたカイムが駆ける。人二人を抱えているとは思えな速度で夜の街を疾走する。

 崩壊都市・東京の闇に私達の姿は溶けていった。

 

 

 




どうも、作者です。ご閲覧ありがとうございます。

古の覇王 ※DOD1でのデータ
重量1.5㎏(たぶん。ちなみに最終形態時の重量)
材質ダークマター(ダークマターとは?) 
魔法トールクロウ(英字不明。Tall?Thor? Claw?Clow?) 発動魔法は上から光が降ってくる感じだから、たぶんトールはTallでなくThorか

DOD1で困った時(主に赤ちゃん)はひたすらこの剣をぶん回すか、鉄塊をジャンプ切り叩きつけしてた思ひ出

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。