寿命かと思ったら別世界に飛ばされた件   作:スティレット

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 最近脳が茹ってなかなか上手い話が思い浮かびません。困ったな。


第12話

 あれからまたしばらく。千雨ちゃんは認識阻害の効かない特異体質として学園長に報告し、記憶を消してもいたちごっこになるとのことでこちら預かりとなった。最初はあちらが引き取ろうとしていたが、もう俺達の派閥に組み込まれているのでそれは辞退してもらった。

 

 一方で千雨ちゃんには麻帆良の高校の主将クラスの模擬戦を見せて、無意識でも気を使っている人間での見取り稽古を行っている。自らの常識を守るためにはその常識をある程度壊して行くしか無いこの麻帆良、どんな感じで気を使っているのか俺と共に聞きに行ったりもした。

 

 結果、気と魔力が水と油だとすれば俺の使っている小源(オド)で点火した魔力は軽油くらい違うことが分かった。ネギま!式魔法は小源(オド)でまかなっているんだけどね。

 

 そして今、俺は咸卦法の練習をしている。元々、小源(オド)を混ぜ込んで自身の魔力として使っていたのでいけると思ってのことだ。手ごたえは感じられる。

 

 それとは別に気の鍛練も怠ってはいない。原作の明日菜が一般人の気の容量で(あれは一般人と言えるのか?)咸卦法を使っていた。しかし内容量を増やして継続時間を増やすことは良いことだと思ったので実践している。

 

「見よう見まね、斬岩剣」

 

 気の鍛練には気を消費したり瞑想したりするのでこう言ったお遊び要素も忘れない。でも斬岩剣を放つのなら普通のハイスラで十分なんだよな。俺が見たのは別の班の助っ人を頼まれた時にフロントが被ってた刀子先生の太刀筋をちょっと見ただけだからなぁ。

 

「見よう見まね、斬空閃」

 

 右手に気を這わせて左手に魔力を乗せた状態で魔法を撃つのはかなり面倒だからね。気なら気で対処しないとこんがらがりそうだ。

 

 錬金した鉄柱を切り払い、遠くに設置した的に斬空閃を当て、残心を取ってから鍛練を終了する。こういう時エヴァの別荘は便利だ。おじさんになる程使うつもりは無いけど。

 

 それからガーゴイルの作ったポーションを回収して、今はエヴァと茶を飲んでいる。エヴァとの模擬戦は既にやっていたし。

 

「しかしその魔剣は魔力を吸うから強化できないだろう? どうやって鉄柱を斬ったんだ?」

 

「本当は虚無の魔法って奴は吸わないで強化に使えたんだが・・・・・・俺には再現出来なかったから鉄柱の一番脆い箇所を読んで斬りつけたんだよ」

 

 どんな物質にも脆い箇所は存在する。それは人によって「目」とか言ったりするが、俺は培った経験で一番斬りやすそうな場所を斬っているだけだ。これ無しだったら斬岩剣で無理やり斬るのもアリなのかもしれない。

 

「で、咸卦法の方はどうだ? いけそうか?」

 

「ぼちぼちだな。一発成功とは行かないが、そもそも「混ぜながら」戦うのは普段からやっていたし、それが気と小源(オド)になっただけだ。後は遠距離攻撃の手段として咸卦法を崩さないまま魔法が撃てればいいんだけどな」

 

「大分無茶なことを言っているな・・・・・・」

 

 これは、気、魔力の消費量が一定なのにそれに別枠で魔力を消費しようとしているのだ。器用と言うレベルじゃないらしい。いけると思うんだけどなー。

 

「まあ、なんとかいけると思うからやってみるよ。まあ見てな」

 

 これで俺の鍛練は終了した。今度は千雨ちゃんのも見てあげないといけない。

 

 

 

 千雨ちゃんは気の扱いを学ばせてからというもの、瞑想が中心の鍛練を行っている。俺は体内で魔力やら精製してたからなんとなく勝手が分かってたけど、千雨ちゃんは一般人だからね。

 

「スゥゥゥ、フゥゥゥ」

 

 空手でもへその下の丹田と言うところで何かを練る稽古はある。それを応用しているのだ。

 

「スゥゥゥ、フゥゥゥ」

 

 鼻から息を吸い、限界まで吐ききる。これをすると自然と腹が引き締まる。ダイエットにもいい。

 

「よし、そこまで。次は横になって身体につま先から頭のてっぺんまで順番に電気を流すようなイメージでやってみよう」

 

 俺がよく身体の痛いツボを探す時に使う手段だ。有効かは分からないけどこれも採用してみた。

 

 千雨ちゃんはレジャーシートを広げてその上で横になった。ここは人目を避ける意味で森の中だから地面には普通に虫とか居るし。

 

 それでも周囲の危なさそうな虫は凍らせてまとめてあるので危ないと言う事は無い。

 

「はい、それじゃあリラックスして。力を抜いたら足の先からゆっくりゆっくり調べる感じでやるんだ」

 

「才人お兄さん。なんか足の裏がジンジンします」

 

 あら、足ツボの方がヒットしたか。

 

「じゃあサービスでマッサージしてあげよう。痛いかもしれないけどその分内臓とかが参っている証拠だから我慢してね」

 

「は、はい」

 

 千雨ちゃんの靴を脱がせて親指を重ねて押し当てる。

 

「ゆっくり力を入れていくから痛かったら言ってねー」

 

「はい・・・・・・痛い痛い!」

 

「こりゃ相当こってるね。もうちょっと弱くやるから我慢するんだよー」

 

「うう・・・・・・はい」

 

 鍛練から脱線してしまったが、まあこういうのもいいだろう。一番ヤバイのは千雨ちゃんが中2になってからだ。いや、中3だったかな? まあそれくらいだろう。それまでにあの騒動に巻き込まれない程度の実力を身につければいい。

 

 吸血鬼に効くかわからんが今度エヴァと、あとミカンにもやってやろう。後はそろそろ人化の術でも覚えさせるために関西からの刺客を一人拉致るかなぁ。それはもうちょっと正義の魔法使いが沈静化してからにするか。




 5時前くらいに起きられればいいんですけど、今の時間帯は暑い。

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