やはり俺の高校生活は気付かれないまま終わりを告げる。   作:to110

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夏が近づいてきていることを最近よく感じます。やはり、一番は暑さでしょう。四月に長い期間雨が降ったと思えば、まだ五月なのにこの暑さ。異常です。
上に書いてあることは作者の日記とでも思ってください。本編とは一切の関係性もございません。この物語学校祭の後だから秋とかだしね。
携帯の調子が悪い状態でお届けする長篇シリーズ、では、どうぞ。


第9章 風は四方より吹いているのが現実である。

「もうこの時点でカードは全て出ている。あとは、その使い方だ」

 

 

「それが姉さん、なの?」

 

 

「ああそうだ」

 

 

「でも陽乃さん、難しいとかそういうレベルじゃないよね。どうするの?」

 

 

「お前は人の話を聞いてないんだな」

 

 

「そんなことないよ‼︎ちょう聞いてるよ‼︎」プンスカ

 

 

由比ヶ浜もいつもどおりに戻ったな。一先ず安心、か。

さて

 

 

「カードは全て出ていると言っただろ。最強のカードを得るために今あるカードの大半を使うがな」

 

 

「…………まぁ、そういうことなら貸しましょう」ハイ

 

 

「すまんな」パカッ

 

 

雪ノ下さんを今から相手にするのか……………

かなり、切羽詰まってるな………………

これは賭けだ。勝率はよくて二割といったところ……………

 

 

プルル プルル

 

 

『もしもし?雪乃ちゃんから電話なんて何かあったの?」

 

 

「もしもし。雪ノ下さん、比企谷です」

 

 

『なんだ〜比企谷君か〜』

 

 

このときの声はほんとに寂しそうだった。だが、そんなことを気にしてる暇はない。

 

 

「明日会えますか?」

 

 

『おおっと⁉︎デートの誘いか?誘いなのか?』ルンルン

 

 

「はい」

 

 

『それでいつどこがいいの?』

 

 

急に声が落ち着いた、そんな、いわゆる真剣な声になった。雪ノ下さんの言ったデートというのはおそらく一対一で話すのか、というものだろう。

 

 

「そちらに合わせますよ」

 

 

『こういうときは男の人が決めるんだよ?』

 

 

「俺は暇ですので。雪ノ下さんは忙しいでしょう?」

 

 

『ん〜、じゃあ駅前のスーパーのフードコートに11時』

 

 

「わかりました。それじゃあ」

 

 

『あ!そうだそうだ。比企谷君♪」

 

 

無視したい。あのときのように。だが、同じ轍は踏まないためにそれはできない。

 

 

「なんですか?」

 

 

『せいぜい頑張って、ね」

 

 

「………………はい」

 

 

こちらの目論見はわかっていると考えてよさそうだな。だが、そんなことよりも、ただ雪ノ下陽乃の声に、その重さに、腰を抜かしていた。動くことすらしばらくはできていない。呼吸はどうだ、全くできていない。時計の針が、全く進まない。こんな状況になることなんてあるんだな。

 

 

「雪ノ下、ありがとう」

 

 

「お疲れ様」

「お疲れ‼︎」

 

 

「さてと。んじゃ、今日はもう帰るか。また明日な」

 

 

「ヒッキー、まだ話してないよ?」

 

 

そうだ。今日中にやらなければならないことがまだあった。

 

 

「なんのことなの?」

 

 

「あの日の、こと」

 

 

「……………それは聞かなければいけないわね」

 

 

まずい、考えてなかった。いや考えてはいた。それがさっきの会話でどこかに飛んでいったのだ。だからどうするーーーーー

 

 

「比企谷君」

 

 

「は、はい」ピクッ

 

 

「無理して話す必要はないわ。今は姉さんのことに集中しなさい」

 

 

「いや…………でも………………

悪い。そうさせてもらう」

 

 

「ちょっとヒッキー‼︎約束がーーーーーー」

 

 

「由比ヶ浜さん。彼は今から姉さんを相手にするの。万全な態勢で挑まないと勝てっこないわ」

 

 

「…………………わかった

ヒッキー、後でちゃんと、話してね」

 

 

「ああ、すまん」

 

 

はあ、まさか俺が約束を破る日がくるとはな。

まぁ、今は彼女らに甘えさせてもらおう。

 

 

「じゃ,また明日」

 

 

「何故そんなに私たちに明日のことを言いたくないのかしら?」

 

 

「どういう意味だ」

 

 

「比企谷君の性格からの推論、というところかしら」

 

 

「ふぇ?どういうこと?」クビカシゲ

 

 

「雪ノ下、推論は根拠がないとたたないぞ」

 

 

「根拠、ね」ギロッ

 

 

「ん⁉︎」ピクッ

 

 

なんなんだよ、あの顔。思わず眼を逸らしたじゃねーか。

だが、彼女の顔はおそらく……………

いや、あくまで俺の予想だ。相手を理解するなんて傲慢なのだ。

 

 

「……………まぁいいわ。明日、証明してあげるわ」

 

 

「ふぇー………………」ポカーン

 

 

由比ヶ浜がアホで助かった。彼女が気づけばこの場所を…………………潰しかねない………………

 

 

「じゃあな」ガラッ

 

 

勝負は明日だ。カードを得られるかどうかでこれからが変わるどころか、打つ手がなくなる。

 

 

しかし、さっきの彼女の顔は俺には………………………悲しむような、そんな表情だった。




俺ガイル 二期、すごく大きな展開でしたね。すごい感動してました。「本物」をめぐる物語。今後が楽しみです。
因みに、半角たちはいい味出てましたか?なくす予定は今のところはないです。
お読みいただき、ありがとうございます。今後もお楽しみに。ではでは〜

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