ソードアート・オンライン 黄昏の剣士   作:京勇樹

83 / 201
最近、短くてごめんなさい


前兆

翌日夕方、アスナはユウキ達が居るアインクラッド25層の宿屋に向かった

アスナが到着すると、既にユウキ達は全員居た

 

「ごめんね、遅くなって」

 

とアスナが謝罪すると

 

「大丈夫だよ、アスナ。皆、来たばっかりだから」

 

と返した

そして、会議を始めた

本来ならば、40人単位のレイドを組んで行うフロアボス攻略

それを、たった七人で行うのだからかなり密に会議した

しかし、たった七人で行える戦法は高が知れている

基本的には、アスナとシウネーの二人が後方から支援

他が前衛となる

驚いたことに、シウネー以外の全員はかなり近接戦闘が上手い

アスナは最初

 

(SAOプレイヤーかな?)

 

と疑った

しかしそれは、即座に自ら否定した

なぜならば、ユウキ達程の腕前のプレイヤーを知らない訳が無いからだ

ユウキ達の腕前ならば、攻略組に名を連ねていただろう

つまり、ユウキ達はSAOプレイヤーではない

そう結論付けて、アスナは会議に集中

最前線たる26層の迷宮区に向かった

そして、道中のモンスターを撃破しつつ無事に到着

魔法とアイテムで回復すると、ドアに近づいた

その時アスナは、違和感を覚えた

 

(誰か……居る)

 

そう確信したアスナは、ユウキ達を下がらせると広範囲魔法を放った

すると、門前の柱の影に人の姿が現れた

スキルと魔法で、隠密(ハイド)していたのである

それを目視したアスナは、即座に抜剣

一瞬にして、肉薄した

すると、そのプレイヤーは慌てた様子で

 

「ま、待った! こっちは戦うつもりはない!」

 

と両手を上げた

それを聞いたアスナは、そのプレイヤーの眼前で細剣を止めて

 

「じゃあ、なんで隠密してたのかしら?」

 

と気迫タップリに問い掛けた

すると、そのプレイヤーは手を上げたまま

 

「俺は、斥候部隊の一人だ! 中に仲間達が入って偵察してる間、待ってる役割だったんだ!」

 

と説明した

するとアスナの視界に、そのプレイヤーが名前と所属を表示させた

その所属は、最近アインクラッドの攻略に力を入れている最大手ギルドだった

すると、そのプレイヤーは続けて

 

「隠れてたのは、無用な争いを避けるためだ。誤解しないでくれ」

 

と語った

一人でも戦えるかもしれないが、確かに戦わないで済むならば隠れるのも手だろう

それを聞いて、少ししてからアスナは剣をゆっくりと下ろして

 

「わかりました、貴方を信じましょう」

 

と言って、鞘に納めた

それを見て、そのプレイヤーは安堵した様子で深々と息を吐いた

すると、アスナは

 

「それで、私達が挑んでも大丈夫かしら?」

 

と問い掛けた

すると、そのプレイヤーはウィンドウを開いて少ししてから

 

「ああ……こっちの仲間は、全員倒されたらしい……大丈夫だ」

 

と言って、離れた

それを見て、アスナはユウキ達に

 

「それじゃあ、行きましょう……プランは、事前に決めた通りに。もし殺られたとしても、すぐに戻らないでね」

 

と言って、剣から杖に持ち替えた

それを聞いて、ユウキ達は頷いた

そして、ユウキがドアに歩み寄り

 

「じゃあ、行こう!」

 

と言って、大きなドアに両手を当てて押した

それにより、ドアは鈍い音を立ててゆっくりと開いた

開ききると全員は突入した

アスナはその時、視界の端に一瞬オレンジ色の何かを見たが、現れたボスに意識を戻したのだった

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。