ソードアート・オンライン 黄昏の剣士   作:京勇樹

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探してる人物

バイクを暫く走らせて、啓太は

 

「ここまで来れば、大丈夫か」

 

と、ある場所で止めた

そして、後ろを向いて

 

「いきなり、すまんな」

 

と謝罪しながら、ヘルメットを外してから、相手のヘルメットを外した

そして、相手の顔を見て

 

「君は確か……板橋西高校生徒会長の……」

 

「あ、貴方は……あのSAO帰還者学校の……」

 

助けた少女は、以前にSAO帰還者学校に来た板橋西高校生徒会会長の白川みのりだった

その後啓太は、近くの喫茶店に入って話を聞くことにした

今日は買い物に来ていたらしい

だが、その買い物の最中にあのナンパ男達が来た

ちゃんと断っていたらしいが、男達は相当しつこく話し掛けてきていた

そこに、啓太が割って入ったのだ

 

「助けていただき、ありがとうございました」

 

「いや、見過ごせなかったからな……」

 

みのりが頭を下げると、啓太はそう言って近くに来たウェイトレスに

 

「ブレンドとピラフを」

 

と注文した

そして、みのりに

 

「何を頼む? どうせ、昼はまだだろ?」

 

と問い掛けた

すると、可愛らしい音が啓太の耳に聞こえた

その直後、みのりは顔を赤くしながら

 

「えっと……ウーロン茶とナポリタンをお願いします……」

 

と消え入りそうな声で、ウェイトレスに注文した

注文を受けたウェイトレスは、注文内容を復唱した後に下がった

それを見送ると、啓太は

 

「さて……一つ聞きたい……先日の訪問……話し合いの内容は、確か不審者だったか?」

 

とみのりに問い掛けた

その問い掛けに、みのりは頷き

 

「はい……当校とそちらの学校のちょうど間……地図では、ここら辺ですね……この近辺で、不審者が多数目撃されています」

 

と携帯で、地図を表示させた

確かにそこは、板橋西高校とSAO帰還者学校のちょうど中間

しかも、SAO帰還者学校の生徒も利用する駅までの道途中だった

 

「ふむ……一応、生徒会にはそれとなく言っておこう……それで、用件は他に有るんだろ?」

 

啓太がそう問い掛けると、みのりは少し黙り

 

「なぜ、そう思ったんですか?」

 

と問い掛けてきた

それを聞いた啓太は

 

「訪問してきて、内部を見ていた時……確かに施設も見ていたが、人も見ていただろ? 誰か探しているように」

 

と言った

それを聞いたみのりは、再び黙ってから

 

「ある人を……探してるんです……私の、大事な友人を……」

 

と言った

それを聞いた啓太は

 

「その人物は、SAO帰還者なのか?」

 

と問い掛けた

その問い掛けに、みのりは頷き

 

「はい……かなり高い確率で、間違いないかと……」

 

と言った

それを聞いた啓太は

 

「何か、確たる証拠は?」

 

と再び問い掛けた

そこにウェイトレスが来て、まず飲み物を置いた

それを飲んで一息入れると、みのりは

 

「実は、私はあるMMORPGをしていたんです……今は、もう終わってしまったゲームなんですが……」

 

と語りだした

それは、約三年前

つまり、SAOが始まった時

ある一人のプレイヤーが、突如そのゲームに来なくなった

また遊ぼうと約束したのに

何か起きたということは、直ぐに分かったそうだ

その相手は友達を大事に思う人物らしく、遅れたりした場合はきちんと謝罪するか、遅れることをメッセージで報せてきた

しかし、何の連絡も無かった

その時に知ったのが、SAO事件だった

そしてその人物は、新しいゲームを始めると言っていたのを思い出し、その新しいゲームというのがSAOだと直ぐに察したそうだ

 

「なるほどね……しかし、生きて帰ってきていると?」

 

「はい……少し前のMMOトゥデイ……それに、その人物の名前が出ましたから」

 

啓太の問い掛けに、みのりはそう言った

それを聞いた啓太は

 

「その人の、名前は?」

 

と問い掛けた

すると、みのりは

 

「ルクスです」

 

と言った


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