ソードアート・オンライン 黄昏の剣士   作:京勇樹

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サポーター

その後も二人は、自分の身を省みぬ戦い方を繰り返した

だが、それを嘲笑うかのように、記憶を失う犠牲者は増え続けた

そんなある日、和人に一通のメッセージが送られた

差出人は、Eとしか記載されていなかった

その内容は

 

《僕に勝てば、二人の記憶を戻す方法を教えますよ》

 

だった

それを見た二人は、更に奮闘した

だがその様子に、心配する者達が居た

それは、あるボスと戦っていた時だった

 

「つあっ!?」

 

ボスの攻撃を明久は防いだが、その際に段差に足が取られて転倒

その隙に、そのボスは一撃を叩き込もうとした

だが

 

「裕也!」

 

「承知!!」

 

その攻撃を明久を飛び越えた結華が防ぎ、ボスに裕也が一撃を入れた

 

「君達!?」

 

「なんで来た!? このゲームは危険なんだぞ!?」

 

現れた二人

結華と裕也の二人を見て、明久と和人は驚いた

だが、結華と裕也の二人は

 

「大丈夫ですよ、二人共」

 

「俺達には、SAOの記憶はありませんから」

 

と告げた

すると二人は、目を合わせて

 

「明久さん、和人さん。私達が、あいつの攻撃を弾きます」

 

「その隙に、一撃叩き込んでください」

 

と言って、構えた

それを聞いた二人は、剣を構えて

 

「分かった!」

 

「任せろ!」

 

と返答した

すると、それまで隙を伺っていたボスが吼えて、突撃してきた

それと同時に、裕也と結華の二人が前に出て

 

「はあっ!!」

 

「しいっ!!」

 

と槍と刀で、ボスの攻撃を防いだ

その直後

 

『スイッチ!!』

 

と二人は、同時にその場から退いた

その瞬間、明久と和人の二人が一気に駆け出して

 

『はあぁぁぁぁぁっ!!』

 

と声を上げながら、剣を突き出した

その一撃は、ボスに直撃

ボスは、爆散したのだった

その後、明久と和人の二人は

 

「それにしても……」

 

「なんで、ここに……」

 

と二人に問い掛けた

すると、結華と裕也の二人は

 

「実は、直葉から連絡を貰ったんですよ」

 

「私は参加出来ないから、代わりに和人さん達を手伝って。と」

 

と言った

直葉だが、新しく入った高校の合宿に行っており、二人を手助け出来ないのを気にしていたのだ

しかし、自分に出来ることを模索した結果、和人に剣道の技を教えることと、結華と裕也の二人に、和人と明久の二人を手伝ってほしいと連絡

二人は快諾し、動いたのだ

なお裕也だが、手術後は実家を出て常村家に住んでいる

結華の兄たる勇作は裕也のことを知っていたが、共働きだった両親は知らなかった

しかし、裕也を受け入れた

そして、真面目に家事をしたり、バイトする裕也に感心していた

学業だが、裕也は入院中に通信教育を受けており、高校卒業レベルの知識は、既に習得していた

暇だったから、高校レベルにまで手を出したようだ

バイトしているのは、バイクの免許を取りたいからだそうだ

 

「スグが……」

 

「後で、お礼を言わないとね」

 

結華と裕也の言葉を聞いた二人は、そう言うと二人に

 

「だけど、無茶はするな」

 

「記憶は失わなくても、怪我させたくないし」

 

と言った

それを聞いた結華と裕也の二人は、笑うと

 

「それは、こちらのセリフですよ」

 

「無理無茶無謀は、お二人の特技ではないですか」

 

と言った

そう言われた二人は、顔を見合わせて

 

「確かに」

 

「そう言われると、否定出来ないなあ」

 

と笑いあった

こうして、二人をサポートする人物が居たりして、二人はそのサポートを受けながらも、順調に順位を上げていった

そうして、運命の日

ユナのライブの日が来た

ユナのファーストライブは、SAO帰還者達には無料で見れるようにとチケットが配布された

これも、今ならば罠だと分かる

しかし、その罠に飛び込まないと、致命的に出遅れてしまう

だから明久達は、そのライブ会場に向かった

全てに、決着を付けるために

 

「和人……そっちは任せたよ」

 

「ああ……明久も、頑張れよ……」

 

二人はそう言って、途中で別れた

このライブで、終わらせるために


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