津芽湊の暗殺教室 『更新停止中』   作:ケチャップ

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さて、ミナトはヘタレ卒業なるか!

今回も長め、グダグダとなっております(´ω`;)


告げる時間

今回の暗殺旅行でこの子が好きって気づいた。

 

凛とした表情からたまに見せる笑顔、容姿の整った顔立ち、二つ結びにした茶髪のセミロング、数え切れないほど彼女の好きなとこが出てくる。

 

すごく恥ずかしいこと考えているなと思いながらもミナトは背中から降りた速水の方を見る。

 

 

 

 

「ずっと前から言いたかった、やっと俺気づいたんだ」

 

 

 

 

ミナトが言い進めると共に、速水は次第に赤く染まっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺…凛香のことが…す」

 

「きゃーーーーーッ‼︎……ひーーーーッ‼︎目がない‼︎えーッ‼︎日本人形‼︎?ぎょえーーー水木しげる大先生‼︎?」

 

そんな叫び声を上げながら、殺せんせーが頭上を飛び越え出口へ向かった。

 

 

「………タイミング悪いな……」

 

それからミナトは下に視線を移すと、案の定そこには殺せんせーの叫び声に驚き耳を塞ぎしゃがみ込む速水の姿があった。

 

「……なに?…なにがあったの?」

 

「殺せんせーが1人でパニックになってるだけだよ」

 

ミナトはそう言うと速水に手を差し出した?

 

「立てる?」

 

「…何度もごめんね…」

 

そう言ってミナトの手を掴むが速水は足を滑らせ気づいた時にはミナトと速水は互いに抱き合う形になっていた。

 

 

「………………」

「………………」

 

 

「………凛香?」

「安心する」

 

「え?」

 

ミナトの言葉に速水は口に出していたことに気づくと、そそくさとミナトの元を離れた。

 

「…ごめん」

 

「気にすんなよ、何ならいつでも安心させてやるよ?」

 

ヘラヘラ笑いながら言うミナトに速水は少しイラついた。

 

「別に、他に安心する方法ならいくらでもある‼︎」

 

「わかったわかった。それよりほら、早くここから出よう?」

 

そう言ってミナトは懐中電灯を拾い上げ、スイッチを入れても光がつかないことを確認していた。

 

「やっぱ電池切れか…凛香携帯の明かり使って」

 

そう言い終える前に速水はミナトの手を握っていた。

 

 

「これで平気…」

 

顔を俯き頬を赤く染めながら手を握る速水を前に、ミナトは恥ずかしそうに頬をかきつつもその手を優しく握り返した。

 

(今はこうしてるだけでも満足だ)

 

そんなことを考え笑みを浮かべるミナトに速水は疑問を抱いた。

 

「どうしたのよ?」

 

「いや、なんかいいなーと思って」

 

「どういうことよ?」

 

「おしえてあげないよ、じゃん♪」

 

その言葉に速水は再びイラつき、ミナトから視線を反らす。それでも、彼女はまだミナトの手を握り続けていた。

 

 

 

 

 

 

(今日はダメだったけど、いつかまた、君に俺の気持ちを…)

 

そんな思いを胸に秘めつつ、ミナトと速水の2人はアイテムを手に海底洞窟を後にするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

洞窟を抜けると数名の生徒達が息をあげる殺せんせーを囲んでいた。

 

「要するに…怖がらせて吊り橋効果でカップル成立を狙ったと」

 

「こんなゲスなタコが担任とは…お前らも大変だな」

 

前原に続き鮫島が呆れながらそう言うと殺せんせーは泣きながら言った。

 

「だって手つないで照れる2人とか見たかったんだもん‼︎貴方達がくっつくように先生は、先生はーー‼︎」

 

「殺せんせーそういたうのはそっとしときなよ。うちら位だと色恋沙汰とか突っつかれるの嫌がる子多いしさ……皆が皆ゲスいわけじゃないんだからさ」

 

泣きギレに入った殺せんせーに中村はそう告げると、ミナトと速水、そして倉橋に目をやった。

 

「まぁ、早くくっつけっていうペアはいるから先生の気持ちも分からなくはないけどね〜」

 

3人は中村の言葉にドキッとしつつも動揺を隠すように振舞っていた。

 

 

「何よ結局誰もいないじゃない‼︎怖がって損したわ‼︎」

不意に海底洞窟の方から聞こえてきた声に生徒達は振り返ると、そこには烏間の腕にしがみつくイリーナの姿があった。

 

イリーナは生徒達の視線に気づくとそそくさと、烏間の腕を離し距離を取っていた。

 

「…なぁうすうす思ってたけどビッチ先生って…」

 

「…どうする?」

 

「明日の朝帰るまで時間はあるし…」

 

(((((くっつけちゃいますか?)))))

 

結局生徒達もゲスいことが判明し、最後の作戦が開始された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒達はイリーナをホテルのロビーに連れて行き、作戦会議を行った。

 

「意外だよな〜あんだけ男を自由自在に操れんのに」

 

「自分の恋愛にはてんで奥手なんだね」

 

木村と茅野がそう言うと、イリーナは言い返した。

 

「仕方ないじゃないのよ‼︎あいつの堅物ぶりったら世界クラスよ‼︎」

 

「THA WORLD⁉︎」

 

「はいはい、津芽君そこに反応しない」

 

イリーナの単語に反応したミナトは片岡に軽くあしらわれ少ししょげていた。

そんなミナトを気にもせず生徒達の作戦会議は進んでいった。

 

 

「とりあえず服の系統なんとかしようぜビッチ先生」

 

「そーそーお堅い烏間先生相手ならもっと清楚な感じで攻めないと」

 

「清楚つったら神崎ちゃんでしょ。昨日着てたの乾いてたら貸してくんない?」

 

「うん!」

 

そう言って部屋から持ってきた白いワンピースをイリーナに着てもらうが…

 

「サイズが全然合ってねぇよ‼︎」

 

清楚という言葉には程遠く、神崎の清楚な服を着たイリーナは逆にエロくなっていた。

 

「もーいーやエロいのは仕方ない‼︎大切なのは人間同士の相性よ‼︎」

 

呆れつつもそう言う岡野の言葉に茅野がコクコクと首を縦に降る中、矢田は思い出したかのようにTVを指差し言った。

 

「あ!そういえばさっき‼︎TVのCMであの人の事”俺の理想のタイプだ”ってベタ褒めしてた‼︎」

 

皆の視線がTVに集まる。

そこに流れていたのは……

 

[1、2、3、4 アル◯ック! ホームセキュリティはアル◯ック!]

 

レスリングで優勝した女性選手が映っていた。

 

「”彼女はいいぞ、顔つきも体つきも理想的だ、おまけに3人もいる”って言ってよ」

 

 

「「「理想の戦力じゃねーか‼︎」」」

 

生徒達がツッコミを入れる中、1人鮫島はケラケラ笑っていた。

 

「お前らのクラス面白いし、個性的なやつばかりで見てて飽きないわw」

 

「笑ってないでお前もなんか考えろ!鮫島!」

 

ミナトの言葉に鮫島は腕を組み少し考えるが、何か思いついたのかニッと笑みを見せた。

 

「ひらめいた、作戦決行はディナーの時間。烏間先生とそこのビッチを二人きりにして、いい感じのムードにするってのはどうだ?」

 

そこのビッチという言葉にイリーナは怒るが、鮫島はそんな事おかまいなしに生徒達に問いかけた。

 

「烏間先生って普段どんなもん食べてんの?シェフに頼んでそれ作ってもらうから教えてよ」

 

しかし、鮫島の言葉とともに生徒達の表情は暗くなっていた。

 

「どうし」

 

「ハンバーガーかカップ麺」

 

「は?」

 

「だからハンバーガーかカップ麺…」

 

ミナトの言葉と共に鮫島の表情も次第に暗くなっていった。

 

「…なんなんだあの人」

 

このままでは拉致があかないと殺せんせーは生徒達に指示を出した。

 

「と、とにかくディナーまでに出来ることをしましょう。女子はビッチ先生を烏間先生好みにスタイリング、男子は2人の席をムードよくセッティング、鮫島君はシェフにそれにあったメニューを作ってもらうようお願いします」

 

 

「「「はーい」」」

そう言って生徒達がそれぞれ動き始めるのをイリーナは唖然と見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

21:00 ディナー開始と共に烏間は大部屋に入る。するとウェイター服に身を包んだ鮫島に声をかけられた。

 

「烏間先生、今回生徒達が苦しんでいた時にお力になれなかったお詫びとして、先生方には特別席を用意させていただきました」

 

「特別席?」

 

「はい、外に用意してあります。すでにビッチ先生が席についているのであちらへどうぞ」

 

いつもとは違い、真面目な対応をする鮫島に感心しつつ烏間はその言葉を疑う事なく外に用意された席に着いた。

 

「俺達だけ特別席というのは少し気が引けるな」

 

「そ、そうね」

 

柄にもなく緊張してるイリーナは黒いドレスに原さんがアレンジしたショールを身につけていた。

 

 

(こんなショール社交界じゃ使い物にならないし、テーブルセッティングも素人仕事、しかも…プライバシーもへったくれも無い野次馬ども……何よコレ楽しいじゃない)

 

文句しか出ない舞台にもイリーナは笑みを浮かべ生徒達にほんの少し感謝していた。

 

(ちょっとだけ大好きよアンタ達!ヤッてやるわよ!この堅物オトしてみせるわ‼︎)

 

「…色々あったなこの旅行は」

 

イリーナが意気込んだ時、ふとそう言うとそのまま言い続けた。

 

「だが収穫もあった。この調子で二学期中に必ず殺す、イリーナお前の力も頼りにしてるぞ」

 

 

この状況を楽しんでいるのは自分だけだった。目の前にいる烏間は今も暗殺の事だけを考えている。そう思うとイリーナは先ほどまでの楽しい気分とは裏腹に少し悲しくなった。

 

 

 

そしてイリーナは話し始めた。

自分が初めて人を殺した時の話を…

 

イリーナが初めて人を殺したのは12の時、民族紛争が激化するなか住んでいた家にも民兵団が襲ってきた。

 

親は問答無用で殺され、敵は隠れていたドアを開けた。殺さなければ殺されるその思いで父親の拳銃を迷わず撃った。

敵の死体と共に地下の蔵に隠れイリーナは危機を脱したのだった。

 

「ねぇカラスマ”殺す”ってどういう事かわかってる?」

 

その言葉に烏間は応えることなく黙っていた。

 

「湿っぽい話しちゃったわね、それとナプキン適当につけすぎよ」

 

そう言うとイリーナはナプキンを直しつつ、そのナプキンにキスをすると同じ部分を烏間の口へと当てた。

 

「好きよカラスマ、おやすみなさい」

 

 

そう言って去っていったイリーナはその光景を見ていた生徒達から大ブーイングを受けていた。

 

 

(…深く考えるつもりは無いそれが俺の任務だからな)

 

空に浮かぶ三日月に目をやりつつ、烏間は今後の暗殺に意気込むのだった。

 




結構予想されていましたがミナトはまだヘタレのままですw
湊「俺がヘタレならビッチ先生もヘタレ決定だなw」

ビ「はぁ?あんたと一緒にするんじゃないわよ!」

次回は暗殺旅行からの帰り、そしてあの人とミナトを対面させるか考え中ですv(`ゝω・´)

感想、ご指摘、ミナト達への質問などなどお待ちしてます!

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