津芽湊の暗殺教室 『更新停止中』   作:ケチャップ

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今回は暗殺肝試しの日の早朝に起こった話ですv(`ゝω・´)

早起きは健康にいいらしいですが、皆さんできてますか?
私は、夜遅くまでゲームしたりアニメ見たりしてるんで出来るわけありません!

湊「威張って言うな‼︎」


早起きの時間

いつもと同じ夢を見た

 

 

母さんの眠る棺桶と妹が眠る棺桶。

それを前にして泣いてる俺と姉ちゃん。そんな俺たちを慰めるじいちゃんとばあちゃん。

 

相変わらず父の姿は無かったが2人の棺桶の上には、いつもと違いセンニチコウの花が添えられていた。

 

 

 

 

 

珍しくその日の夢には続きがあって…

 

 

2人の葬儀が終わった後も俺は1人、棺桶の前で泣いていた。

 

そばにいたのに守れなかった悔しさ、そんな自分に対する怒りを抑えられなくなり俺は力強く拳を握った。

 

だが、そんな俺の手を誰かの手が優しく包んでくれた。

 

 

 

 

「……凜香」

 

 

 

 

名前を呼ばれ俺の隣で微笑む凜香を見て自然と笑みがこぼれた。

 

 

 

(凜香を失いたくない、今度こそちゃんと守ろう。俺の……大切な人だから)

 

そんな事を考えていると凜香が少しずつこちらに近づいてきた。

身長差を埋めるように背伸びをして少しずつ、俺の顔に自分の顔を近づけて来た。

 

もし俺か凜香が背中を押されれば唇が触れてしまう、そんな距離まで近づいていた。

 

俺はドキドキしながらも凜香から目をそらさなかった。

凜香は目を閉じ、少しずつ距離を詰める。

 

互いの唇が触れるまであと……数センチ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで俺は起きてしまった

 

 

(…………お金払うから続きを見せてくれー‼︎‼︎)

 

上半身を起こし頭を抑えながら俺は心の中で叫んだ。

 

 

今回の暗殺旅行で気付いた速水に対する気持ち。

あんな夢を見たためか、俺の心臓はいつも以上に速く鳴り響いていた。

 

「ったく、こんなんで速水と顔合わせられんのかよ…」

 

俺は頭をかきながら自分に情けなさを覚え、ため息をついた。

 

 

次第に冷静になった俺は、部屋の中で寝息が聞こえている事に気づいた。

 

 

 

ふと俺は目線を下に移すとそこには、可愛げな寝顔を見せ寝息を立てる速水の姿があった。

 

俺は速水を起こさないように気をつけつつも、声にならない叫びをあげた。

 

(なんで速水がここに⁉︎てか、寝顔かわいいな……いやいやそんな事言ってる場合じゃ)

 

 

「くしゅん!」

 

俺は考えるのを一度やめ、くしゃみをした速水の方に視線を戻した。

 

「まったく、何もかけずに寝てたら風邪引くって」

 

そう言って俺は速水を起こさないようにそっとタオルをかけた。

 

俺はフゥと息を吐き、一旦気持ちを整理し自分の携帯画面を眺めた。

 

「5時か…久しぶりの早起きだな」

 

そう呟き俺は、少し散歩してくると書き起こしを残し、そっと部屋を後にした。

 

 

「くしゅん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は浜辺へ足を運び、薄暗くも少しずつ昇る朝日に照らされる海を眺めていた。

 

波の音しか聞こえないこの空間、俺はこの暗殺旅行で起こった事を振り返っていた。

 

 

篠宮と死闘を繰り広げた事

(あの時は本当に死ぬかと思った…毒刀に侵されていたとはいえ、あいつかなり強かったからな)

 

 

鷹岡がすべての元凶であった事

(あのクズ、今度あったらぶっ飛ばしてやる……皆無事で本当に良かった)

 

 

篠宮の雇い主がデュラハンであった事

(………あの篠宮が恐れる存在…確かにロヴロさんの言う通り今の俺が勝てるはずもない…)

 

 

 

そして、何よりも速水と喧嘩した事、仲直りできた事

 

(速水と仲直りできてなかったら俺は篠宮に負けてたろうし、自分の気持ちにも気付けなかった。ちゃんと仲直りできて良かった)

 

 

 

そんな事を考えているうちに朝日はその姿を全て現し、目の前に広がる海はキラキラと輝いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「綺麗だな…」

 

 

「…お前もそう思うか?」

 

不意に後ろで呟く声に俺は振り返る事なく応えた。

 

「ずいぶん早起きだな津芽」

「お前もな、鮫島」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから2人は朝日を眺めていた。

 

「しかし驚いた、まさかお前らE組が暗殺をしてるなんてな…しかもターゲットのあのタコは地球を破壊するって宣言したんだろ?」

 

「俺はそんな事よりも外見が気になって仕方なかったよ」

 

俺は笑って応えると、鮫島は焦りながら言い返した。

 

「いやいや、外見よりも地球を破壊するってとこ気にしろよ…まぁ確かにあの外見は気になるとこだけど……殺せんの?タイムリミットまでに」

 

鮫島の言葉は俺は少し俯いた。

今回の暗殺でも殺すまでは至らなかった。あの先生を殺す事がどんな無理ゲーよりも難易度が高いと思ったと同時に俺は悩んでいた。

 

「津芽?」

 

俺は鮫島に呼ばれ顔を上げた。

 

「悪い…考えるのに夢中で」

 

「まぁ、あんな超生物殺せって方が無茶だもんな。それよりさ…」

 

鮫島は一旦しゃべるのをやめるとあの時の笑みを浮かべてから言った。

 

「烏間先生から聞いたけど、なんかすげー技使って殺し屋を倒したらしいじゃん」

 

(こいつは本当にこういう時イキイキしてる)

 

「俺と喧嘩しようぜって言いたいの?」

 

「お!わかってくれた?いやー話が早くて助かるわ……見せてくれよ虚刀流って奴をさ」

 

修学旅行の時と同じ笑みを浮かべる鮫島に対し、俺も笑みを浮かべ言い返した。

 

「いいぜ、見せてやるよ。ただしその頃お前は八つ裂きになってるだろうけどな」

 

そう言うと俺と鮫島は互いに距離を取り睨み合った。

 

「この前の続き始めようぜ、津芽‼︎」

 

「楽しませてもらうよ、鮫島‼︎」

 

俺たちは同時に走り出し、あの時と同じように互いの蹴りつけた足をぶつけ合った。

 

 

 

 

 

 

 

「虚刀流…‼︎」

 

 

「それがどうした‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻は7時…

俺たちは砂浜に倒れ空を見上げていた。

お互い自分の力を全て発揮し、ぶつかりあった。

最後はフラフラになりながらも互いに蹴り合うが、砂に足を取られそのまま倒れこみ引き分けとなった。

 

「そういえば鮫島、お前バイトは?」

 

「ああ、なんでも今日の客はお前らしかいないんだと、そのお前らが皆寝てんだ仕事は夕方からって言われた」

 

「そっか…」

 

それからしばらく沈黙が続いたが、鮫島が口を開いた。

 

「やっぱお前強いよ、今まで戦った誰よりも強い…」

 

「それを言うならお前も強いさ、虚刀流くらってんのに何度も立ち上がりやがって…」

 

 

 

 

 

 

 

「「やっぱりお前と戦うのは1番面白いや」」

 

 

 

 

 

互いの声が重なり笑いあう。

 

 

篠宮の言う通り俺は喧嘩が好きなのかもしれない、でも鮫島との喧嘩は俺を、不思議と清々しい気分にさせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらくして鮫島は眠くなったと呟き、またなと手を振りながら言うとホテルへ戻っていった。

 

俺もそろそろ戻ろうとした時、部屋で速水が寝ている事を思い出した……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋に戻ったがそこにはスースーと寝息を立てる速水の姿があった。

 

「………いつもは凛としてるけど、こんな緩んだ表情で寝てんだな」

 

俺は速水にそっと近づき、頭を撫でた。

 

「ありがとう、凛香」

 

 

それから俺は速水との距離を少し開けて、再び眠りにつこうとしたが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……眠れない…」

 

 

 

結局俺が眠りにつけたのはその日の夕方だった。

 

 

 

 

 

 

 




昨日投稿した素直な時間で集められたミナトに対する批判の声ありがとうございました!

湊「なんでお礼言うんだよ⁉︎てか、俺は寝てる設定なの?」
起きてたらお前倒れちゃうじゃん
湊「……否定はしない」

感想、ご指摘お待ちしてます!v(`ゝω・´)

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