津芽湊の暗殺教室 『更新停止中』   作:ケチャップ

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今回もかなり長めとなっております!
ミナトは倒れているので出番は少なめです
湊「おい‼︎」

あと、うまくまとめられずグダグダですがご了承ください…


渚の時間

「殺してやる…よくも皆を」

 

「はははははその意気だ‼︎殺しに来なさい渚君‼︎」

 

治療薬を爆発され怒る渚に対し、鷹岡は笑みを浮かべていた。

 

その状況を見て殺せんせーは寺坂に言った。

 

「渚君の頭を冷やして下さい、君しかできません寺さ…」

 

バゴッ

 

しかし、殺せんせーが言い終わる前に寺坂は自分のスタンガンを渚の後頭部へ投げつけた。

 

「チョーシこいてんじゃねーぞ渚ァ‼︎

薬が爆破された時、俺を哀れむような目で見ただろ‼︎ いっちょ前に他人の気遣いしてんじゃねーぞモヤシ野郎‼︎ウィルスなんざ寝てりゃ余裕で治せんだよ‼︎」

 

寺坂はそう叫ぶと、後ろにいるミナトに言った。

 

「お前もへばってねぇで根性みせろよ‼︎」

 

その言葉と共にミナトは少しずつ立ち上がる。

 

「……うるせーな寺坂…少し疲れただけだよ。渚…そんなクズでも殺せば殺人罪だ…お前はキレるに任せて百億のチャンス手放すのか?」

 

 

「2人の言う通りです渚君。その男を殺しても何の価値も無い…逆上しても不利になるだけだ」

 

殺せんせーの言葉に鷹岡は割って入ってきた。

 

「おいおい余計な水差すんじねぇ

本気で殺しに来させなきゃ意味無ぇんだ…このチビの本気の殺意を返り討ちにして…」

 

「渚君、寺坂君のスタンガンを拾いなさい…その男の命と先生の命、その男の言葉と2人の言葉、それぞれどちらに価値があるのか考えるんです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「寺坂‼︎」

倒れ込む寺坂を吉田と木村が支えていた。

ミナトもまた磯貝と速水に支えられながらも、まっすぐと渚を見ていた。

 

「「…渚…死なねぇ(死なない)範囲でブッ殺せ」」

 

2人の言葉に渚はスタンガンを拾い、上着を脱ぎ捨てる。

 

「殺せんせー…渚スタンガンしまっちゃったよ」

 

茅野の言葉を聞き、殺せんせーは鷹岡に聞こえない小さな声で烏間に言った。

 

「烏間先生、もし渚君が生命の危機と判断したら…迷わず鷹岡先生を撃ってください」

 

殺せんせーの言葉と共に烏間は改めて思いしらされた。

今の状況が大変危険だということに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

渚はゆっくりと歩み寄るが、完全に戦闘モードに入った鷹岡は間合いに入るなり思いっきり腹部に膝蹴りを浴びせた。

 

「どうした?殺すんじゃあなかったのか?」

 

渚が苦し紛れにナイフを振るっても鷹岡は軌道をずらし、そのまま顔面殴りつける。

 

体格、技術、経験全てにおいて渚は鷹岡に劣っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勝負にならない…」

 

「勝てるわけねーよあんな化け物」

 

腹部を抑え、口から血を流す渚を前に速水と菅谷は言うと、他の生徒達は顔を青ざめたり、目の前の光景から目をそらしていた。

 

しかしそんな中でもミナトと寺坂だけは渚を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へばるなよ今までのは序の口…こっからが本番だぜ?」

 

そう言うと鷹岡はナイフを拾い上げクルクルと回し始めた。

(ナイフと共に夢に出てくるこいつの笑顔…あの日から俺の全てが狂った…二度と同じ過ちは繰り返さない…)

 

 

「手足切り落として標本にしてやる。ずっと手元に置いて愛でてやるよ」

 

そう言ってナイフを向ける鷹岡は今までよりも邪気のこもった笑みを浮かべていた。

 

そんな鷹岡を前に渚は思った

 

(やっぱり鷹岡先生は強い…このままじゃ負ける……でも方法が無いわけじゃないあの日ロヴロさんが教えてくれた必殺技の条件…)

 

 

1つ 武器を2本持っている事‼︎

 

 

2つ 敵が手練である事‼︎

 

 

3つ 敵が殺される恐怖を知っている事

 

 

(よかったぜんぶそろってる…鷹岡先生、実験台になってください)

 

渚はあの時と同じように笑って鷹岡に近づいていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当にあいつはすごいよ…」

 

ミナトの言葉に速水はどういう事?と聞き返す。

 

「…暗殺者だった母さんに稽古つけてもらったけどさ、俺…暗殺であいつに勝てると思わないもん」

 

 

渚はあの日のロヴロさんとの会話を思い出していた。

 

『君には必殺技を授けよう。プロの殺し屋が教える必殺技…と言っても必ず殺す技じゃ無いがな』

 

あの時ロヴロさんはそう言った。

 

『暗殺から戦闘へ引きずりこまれた時に必ず殺せる理想的状況を造り出す技……それを100%確実に出来るよう練習しておけ』

 

 

 

 

 

 

心臓の音が鳴り響くのを感じつつ渚は鷹岡との距離を徐々に詰めていった。

 

「この…クソガキがぁ」

 

鷹岡は近づいてくる渚に全神経を集中させ、相手の挙動一つでも見逃さまいと備えていた。

 

 

(タイミングはナイフの間合いのわずかに外…接近するほど敵の意識はナイフに集まる その意識ごと空中に置くように捨てそのまま……)

 

渚の手から落ちるナイフに鷹岡の視線は揺らいだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パァン‼︎

 

 

 

 

渚は勢いよく鷹岡の目の前でノーモーションから最速で最も遠くに最大の音を鳴らした。

 

周りから見れば小さな音でも、全神経を集中させていた鷹岡にとってはまるで目の前で爆発が起こったのかと錯覚するほどの衝撃だった。

 

「な なにが…起こっ」

 

反射的に鷹岡は体を後ろに反らす

 

 

暗殺者はその数瞬を逃さない

流れるように2本目の刃を抜くが早いか

 

渚は寺坂のスタンガンで鷹岡を麻痺させその場に膝まづかせた。

 

(…ウソ…だ…こんな…ガキに…二度も…)

 

 

烏間先生、殺せんせーでさえも目の前で起こった出来事に唖然とする中、ミナトは思った。

 

 

(誰よりも群を抜いてる暗殺の才能……まさか本当に倒しちゃうなんてね)

 

 

 

「…とどめ刺せ渚…首あたりにたっぷり流しゃ気絶する」

 

寺坂の言葉に渚はスタンガンを鷹岡の首に当てつつ思った。

 

(殺意を教わった…そしてその殺意から引き戻してくれる友達の大事さも…ひどい事をした人だけど授業への感謝はちゃんと言わなきゃいけない)

 

鷹岡ははっと思い出すとガクガクと震えだした。

 

(感謝を伝えるなら)

 

(やめろ…)

 

(そういう顔をすべきだと思ったから)

 

(その顔で終わらせるのだけはやめてくれ)

 

徐々に渚の表情が見え始める。

 

(もう一生その顔が悪夢の中から離れなくなる)

 

 

「鷹岡先生、ありがとうございました」

 

 

笑顔を向け言う渚は言葉と共にスタンガンのスイッチを押し鷹岡はその場に倒れこんだ。

 

 

「よっしゃああ元凶撃破‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鷹岡を倒したのも束の間、渚達は爆破された治療薬を前に落胆していた。

 

「…とにかくここを脱出する。ヘリを呼んだから君等は待機していてくれ、その間に俺が毒使いの男を連れてくる」

 

 

「フン、テメー等に薬なんぞ必要ねぇ」

 

生徒達が声のする方へ振り返ると、そこにはスモッグ・グリップ・ガストロ、そして篠宮の姿があった。

 

「お前達の雇い主は既に倒した、戦う理由は無いはずだ。俺は充分に回復したし生徒達も強い、これ以上互いに被害が出る事はやめにしないか?」

 

烏間の言葉にガストロは銃を咥えつつ応える。

 

「最初から戦うつもりなんてねぇよ、ボスの敵討ちは契約に含まれてねぇからな……それに言ったろお前等に薬なんざ必要ねーって」

 

生徒達が疑問を抱く中スモッグは言った。

 

「お前等に盛ったのは食中毒菌を改良したもの、あと3時間は猛威を振るうがその後は全くの無毒になる」

 

「つまりほっといても治るって事かよ?」

 

吉田の言葉にスモッグはそうだと応え、生徒達は安堵の表情を見せた。

 

 

「お前等、プロが何でも金で動くと思うなよ?もちろん依頼人の意に沿うよう尽くすが最初から薬を渡すつもりは無いようだったしな……中学生を殺した実行犯になるか、命令違反がバレる事でプロとしての評価を落とすか……冷静に秤にかけただけよ」

 

 

 

 

 

 

「お前はどうなんだ篠宮?」

 

烏間の問いに篠宮は悩みつつもミナトの方を向いて応えた。

 

「俺とこいつ等の依頼人は違う、俺に与えられた任務は津芽湊の監視…まぁ命令違反しちまったけどな」

 

 

「依頼人が違うとはどういう事だ⁉︎」

 

篠宮はため息を吐くが恐怖しているのか少し体を強張らせつつも応える。

 

 

 

 

 

「あいつはその殺せんせーっていう奴にも興味を抱かなかった…奴が何を考えているのかなんて、さっぱりわからねぇよ」

 

 

 

 

「誰なんだよ、お前の依頼人は」

 

 

「……お前が1番憎むべき相手だ。そいつ自体も殺し屋のくせに、本当にわけわかんねぇ奴だったぜ」

 

 

 

篠宮の言葉にミナトはよろめきながらも1人で立ち上がり拳を強く握りしめ、唇を噛み締めた。

 

 

 

そしてミナトは頭によぎった名をゆっくりと口にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………デュラハン…」

 




鷹岡も倒したところで速水とミナトをイチャイチャさせるぞ〜‼︎
湊「え?こんな真面目な雰囲気で終わってるのに⁈」
次回にはイチャイチャしてるよw

感想、ご指摘お待ちしております‼︎

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