今更ではありますが、暗殺教室アニメ終わってしまいましたね。2期が待ち遠しいです!
きっかけは幼い頃、母と一緒にお気に入りのアニメを見ている時だった。
その中で見た、ヒロインが銃に撃たれ主人公の腕の中で息絶えたシーンはその頃の俺に衝撃を与えた。
「なんで…死んじゃったの?」
幼かった俺は、疑問を抱き母に問いかけていた。
「まぁ、そういうお話だからね…」
母の応えに俺は納得することが出来なかった。
(守れるぐらい強ければ悲しい思いしないのに…)
アニメが終盤に差し掛かると主人公は1人、敵の根城へ向かい激戦を繰り広げていた。
血に染まり赤くなったヒロインの装束を身にまとい、彼女の遺髪を腰に堤げ戦う姿は幼きミナトの目に焼き付いた。
「母さん‼︎俺この人みたいに強くなりたい‼︎」
子どもがテレビのヒーローに憧れるのはよくある話、そんな子どもを両親は好き嫌いせずちゃんと野菜も食べればいつかなれるよ などと言ってくれるが、美月は違った。
「私もこの剣法習得しようと思ってたんだよー。ミナト‼︎一緒に練習しよう‼︎」
自分のそんな一言があのスパルタ特訓を始めるきっかけになったと思うとミナトは後悔した。
(本当に、今思い出すと苦しすぎて泣けるぜ…でもそのおかげで今戦える)
ミナトは構えを取りつつ、目の前の相手 篠宮に目をやった。
「今までのお前とどう違うのか、楽しませてもらうぜ‼︎」
そう言うと篠宮は毒刀・鍍を突き出してきた。
(相手の突きを背中越しに避け、両腕の二の腕と肘の部分を使い、背骨を軸にテコの原理でへし折る!)
「虚刀流・菊‼︎」
「…チッ」
篠宮は刀を受け止められたことに焦り、ミナトとの距離を開けた。
「いや〜驚いた、まさか受け止められるとはな。初めて見たぜ刀を使わ無い剣法 虚刀流‼︎いや…津芽正亞記が作った最後の刀……完了形変体刀…虚刀・鑢‼︎」
「俺はただ、母さんと一緒にアニメで使われていたこの戦い方を学んだだけだ」
「どっちでもいいさ、今のお前はさっきよりも殺り甲斐がある。礼を言うよ津芽、さっきまでの眠気もどっか行っちまった、清々しい気分だぜ」
「そいつはどうも、おはようございます」
「フ、そして、おやすみなさい…かな?」
笑みを浮かべ篠宮はゆっくりと近づく。
ミナトの変わりように速水は心配の眼差しを向けていた。
そんな速水と、生徒達に向かって殺せんせーは話し始める。
「ミナト君は大切な人を失ったことに恐怖し、自分の戦う理由に自信が持てずにいました。でも、今は違う、迷いを捨て守るという強い信念を持ち戦っている。あそこにいるのは先ほどとは違うミナト君なのです」
「先生、ミナトは…」
「大丈夫ですよ速水さん。強い意志を持つものはそう簡単に倒れないものです」
殺せんせーにそう言われ、速水は再びミナトに目を移した。
(ミナト…)
(お前が虚刀・鑢だとしても…)
「俺には勝てねぇよ‼︎」
そう叫び篠宮は毒刀・鍍を振り下ろす。だが、ミナトはその攻撃を軽々と避けていた。
「虚刀流・百合!」
ミナトが放った回し蹴りをくらい、篠宮がよろける。さらにミナトは攻撃を止めること無く打ち続けた。
「虚刀流・牡丹!」
「ガァッ‼︎」
篠宮は毒刀・鍍で防いだが受け止めきれずに吹き飛ばされた。
「ふざけんな…」
砂煙が舞う中、篠宮の怒りこもった声がホールに鳴り響く。
「ふざけるなぁ‼︎」
その叫びと共に、砂煙の中からナイフを投げる篠宮。
ミナトはそのナイフから目をそらすこと無く、蹴りで向きを変えハンドル部分を的確に狙い篠宮に向かって蹴り返した。
ミナトに向かって走る篠宮は返されたナイフを毒刀・鍍で弾き下方から上方に向かってミナトを切り上げる。
だが、ミナトは一歩下がり篠宮の攻撃を躱すと再び、鈴蘭の構えを取った。
「虚刀流 七の奥義 鏡花水月‼︎」
言葉と共にミナトは腰のひねりを加えた強烈な拳底を浴びせた。
ミナトの戦いに烏間だけで無く、生徒達も驚きを隠せずにいた。
「ミナトの優勢じゃねぇか…」
「あんなに強かったなんて…」
吉田と岡野がそう言うと殺せんせーは言った。
「彼の長所は集中力、ですがそれを継続できないことが彼の短所です。ですが彼は今、自分の戦う理由を明確にした。戦うことに迷いがない今、彼は今まで引き出せずにいた実力を出し切り、戦うことが出来るのです」
(確かに彼の集中力はなかなかのものだが、継続できないことが弱点だった…彼自身の身体能力と集中力、そして殺し屋の母と共に学んだ技術が合わさった結果か…)
烏間は殺せんせーの言葉を聞き、目の前の2人に目をやりつつ、ミナトの実力に驚いていた。
ミナトは崩れ落ちる篠宮にゆっくり近づき言い放った。
「あんたさ、刀の毒に侵されて本来の実力が発揮されて無いの分かる?」
篠宮はミナトの問いに応えない。
「あんたほどの実力なら分かってるだろ?」
返事は無い。
「だからその刀手放して早くどっかに…」
「ああ、刀を使うのはやめにするよ」
そう言って篠宮は立ち上がり隠し持っていた銃をミナトに向けていた。
「いい気になるなよガキ‼︎流石のお前もこいつが相手じゃ手も足も出ないだろ」
ミナトは何も応えない。
「だけどな、先にお前の心から殺してやる」
そう言うと篠宮は銃口をミナトからずらし生徒達に向けた。
「目の前で大事なお友達殺してやるよ‼︎それとも、さっきお前を庇ってたあの女から殺してやろうか⁉︎」
その瞬間、銃はミナトの蹴りによって空中に舞い上がっていた。
「は?」
「殺させるかよ…そんなの俺が許さない」
「ひっ…‼︎」
篠宮は隠していたもう一つの銃に手を伸ばすが、ミナトの殺気に怯み思うように動けなかった。
「なんで、なんでお前は…なんのために戦ってるんだ‼︎」
「言ったろ?守るためだって、失いたく無い人を守るためだよ。そのためにもお前にはここで負けてもらう」
「虚刀流最終奥義‼︎七花八裂‼︎」
一の奥義『鏡花水月』
二の奥義『花鳥風月』
三の奥義『百花繚乱』
四の奥義『柳緑花紅』
五の奥義『飛花落葉』
六の奥義『錦上添花』
七の奥義『落花狼藉』
7つの奥義を同時に叩き込む。
篠宮はその攻撃をくらいながらも意識を保っていた。
「へへ…へへへ言ったろ‼︎お前とは実戦経験の差が開きすぎてんだよ‼︎お前の最終奥義とやらも俺には無意味なんだよ‼︎」
「誰もこれで終わりなんていって無いだろ?こっからは俺のオリジナルだ」
「虚刀流・創作奥義…」
(全ての手刀、足刀を相手の体に叩き込む)
全ての攻撃を受け、篠宮はよろけその場に崩れかかる。
(がら空きになった鳩尾に拳底をくらわせる)
悶絶する篠宮を前にミナトは高く飛び上がった。
(とどめはまぁ虚刀流の奥義なんだけどね)
ミナトはそのまま足を斧刀に見立て踵落としで篠宮を沈めた。
「これが虚刀流創作奥義・花天月地
この名前をつけた時は母さんにネーミングセンス無いわねーって笑われたけどな」
苦笑いするミナトを前に篠宮は完全に意識を失った。
「……もしまた起き上がったらのことも考えとこう。カルマー!」
カルマを呼ぶと、2人は話し合い悪どい笑みを浮かべ篠宮の周りにトラップを仕掛けていた。
「なんか思ったよりいつも通りだね、津芽君」
「ヌルフフフ、普段の姿と戦っている時の姿、メリハリつけられるのも彼の良さですね」
殺せんせーがそう言うと男子達は篠宮を先ほどよりもきつめに簀巻きし、コンサートホールを後にした。
そう言えば囲い込みの時間で星4 潜入捜査千葉君と片岡さんをゲットしました!
作者お気に入りの速水さんはまだ手元にいません…
あと、ミナトが使う虚刀流の読み方、技の内容について知りたい人がいたら感想欄にお願いします!
湊「俺のメダルはー?」
………えと、感想、ご指摘お待ちしてます!