津芽湊の暗殺教室 『更新停止中』   作:ケチャップ

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今回グダグダなためかなり長いです…
いつもは2000〜2300文字ですが、今回は3000文字超えてしまいました…申し訳ないです(´・ω・`)


仲間の時間

男子達から服を返してもらい、早急に着替えた渚とミナトは未だ浮かない顔をしていた。

 

「結局女子が全部やってくれたし、僕が着替えた意味って…」

 

「俺も最大の黒歴史ができちゃった…」

 

2人の言葉を聞き、不破は笑顔で言った。

「いやいや、2人のおかげでスムーズに事が進んだよー。それに、津芽君は速水さんと仲直り出来たしよかったじゃん」

 

その言葉に男子達は振り返りミナトの方を見た。ミナトは頭を掻きながら恥ずかしそうに応える。

 

「まぁ、おかげさまで…」

 

 

ミナトの言葉に生徒達が安堵の表情を見せていた時、7FのVIPフロアから8Fのフロアに続く階段の前で佇む警備の姿が烏間の目に入った。

 

 

「私達を脅してる奴の仲間?それとも無関係の人が雇った警備?」

 

「どっちでもいーわ…倒さなきゃ通れねーのは一緒だろ」

 

拳を鳴らしながら言う寺坂に殺せんせー同意した。

 

「彼等を倒すには君が持ってる武器などが最適ですねぇ」

 

「…ケッ透視能力でもあんのかテメーは」

 

悪態をつきつつも寺坂は持ってきたカバンの中を探り、木村に指示を出した。

 

「木村、ちょっとあいつらをここまで誘い出して来い」

 

「俺がァ?どーやって?」

 

「知らねーよ」

木村はしばらく考えてみるがいい案が思い浮かばなかった。

 

それを見ていたカルマは木村に笑みを浮かべ言った。

「じゃあこう言ってみ木村」

 

カルマの言葉を聞き、木村はマジかよ…と項垂れながらも警備2人の前に出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何だ…ボウズ」

 

「…あ、あっれェ〜脳みそ君がいないなァ〜こいつらは頭の中まで筋肉だし〜……人の形してんじゃねーよ」

 

そう言って立ち去ろうとする木村に警備の2人は当然ブチギレ追いかけてきた。

 

しかしE組一俊足な木村に2人が追いつくはずもなく、速度を緩めた時、寺坂と吉田は飛び出しタックルで突き飛ばした。それと同時に持っていたスタンガンを首元に当て、電流を流し2人を気絶させた。

 

「タコに試そうと思ったんだが、こんな形でお披露目になるとはな…」

 

「ヌルフフフ、なかなかいい武器ですね寺坂君。ですがその2人の胸元を探ってください、もっと良い武器があるはずです」

 

殺せんせーの言葉と共に寺坂が警備の胸元から取り出したのは、本物の銃だった。

 

「その銃は…千葉君、速水さん、君たちが持ちなさい」

 

その言葉に千葉と速水は銃を受け取るが、驚きを隠せずにいた。

 

「今この中でそれを最も使えるのは君達です。ですが、先生は殺す事は許しません」

 

 

(…俺等が本物の銃を⁉︎)

 

(さっきエアガンでも失敗したのに…)

 

心臓の鼓動が聞こえるほど不安になる中、殺せんせーは皆に言った。

 

「さて行きましょう、ホテルの様子を見る限り雇った殺し屋はせいぜい2人ほどでしょう」

 

 

「おう‼︎さっさと行ってぶち殺そうぜ‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(妙だな…監視カメラに何の変化も無さすぎる…”スモッグ””グリップ”とも連絡が取れねぇし、篠宮もいつの間にか姿を消してる…)

 

モニターを見て疑問を抱いたガストロはボスに声をかけるが、興奮していて話が出来そうになかった。

 

「ボス俺は見回り行くんで、何かあったらご連絡を」

 

ため息混じりに言ったガストロの言葉にボスは応えず、モニターに映る

ウィルスに感染した生徒達を見て狂気を混じりの笑みを浮かべていた。

 

(味の悪ィ仕事になってきたぜ…元々は超生物を殺す任務だったはずが、いつの間にかガキ共のお出迎え……やっぱり美味ぇのは銃だけだ…)

 

 

銃を加えつつ8Fコンサートホールに入ったガストロは、すぐさま異変に気付き暗殺者としての表情を見せていた。

 

 

 

 

 

「…15いや16か?驚いたな、動ける全員で乗り込んで来たのか」

 

そう言うとガストロは振り向かず後ろにある照明器具を撃ち抜いた。

 

「言っとくがこのホールは完全防音、お前ら全員撃ち殺すまで誰も助けに来ねぇって事だ。今の内におとなしくボスに頭下げとけや‼︎」

 

そう言いながら銃を器用に回すガストロ。その銃めがけ速水は銃弾を撃っていた。

 

だが銃弾は当たる事なく、ガストロの後ろにある照明器具に命中した。

 

(…外した‼︎銃を狙ったのに…‼︎)

 

 

 

(外しはしたが射撃の技術はなかなかだな…暗殺の訓練を受けた中学生…か)

 

グリップは予想以上の相手を前にし、照明をフルパワーにし叫んだ。

 

「いーねー!意外と美味ぇ仕事じゃねぇか‼︎」

 

その言葉と共に速水の目の前を、ガストロが撃った弾丸が通り過ぎた。

 

(う…そでしょ?こんな狭い隙間を通して⁉︎)

 

生徒達がガストロの銃の正確さに驚いている中、ガストロは叫んだ。

 

「一度発砲した敵の位置は忘れねぇ もうお前はそこから一歩も動かさねぇぜ」

 

コンサートホール内に緊張が走る中、ある人物の声が鳴り響いた。

 

「速水さんはそのまま待機‼︎今撃たなかったのは懸命です千葉君‼︎君はここぞという時まで待つんです‼︎」

 

「クソ、どこからしゃべって…」

ガストロが辺りを見渡すと目の前の座席に、ニヤニヤしながらこちらを見てる殺せんせーの姿があった。

 

「テメー何かぶりつきで見てやがんだ‼︎」

 

「ヌルフフフ、熟練の銃手に中学生が挑むんです、このくらいのハンデはいいでしょう」

 

殺せんせーの言葉にどうやって指揮をとるのかガストロは考えていると、殺せんせーは叫んだ。

 

「木村君5列左へダッシュ‼︎寺坂君と吉田君はそれぞれ左右に3列‼︎」

 

(シャッフルだと⁉︎ややこしいマネしやがって…だが指示するほど名前と位置ぐらい覚えられる‼︎)

 

しかし、殺せんせーにとってそれも計算の内だった。

 

「出席番号12番‼︎右に1列で準備しつつそのまま待機‼︎ポニーテルは左前列へ前進‼︎バイク好きも左前に2列進めます‼︎」

 

出席番号や特徴で出される指示にガストロは混乱していた。

 

「最近竹林君イチオシのメイド喫茶に興味本位で行ったらちょっとハマりそうで怖かった人とゴスロリネコミミは撹乱のため大きな音を立てる‼︎」

 

「うるせー‼︎何で行ったの知ってんだテメー‼︎」

 

「おいタコ‼︎俺の黒歴史を2度と話すな‼︎」

 

寺坂とミナトは殺せんせーに怒鳴りながらも座席をおもいっきり叩いていた。そんな中、殺せんせーは千葉と速水に声をかけた。

 

 

「…さていよいよ狙撃です千葉君、速水さんは状況に合わせ彼のフォロー、敵の動きを封じることが目標です」

 

心臓の鼓動がどんどん速くなっていく…失敗出来ない、失敗してはいけない…2人はプレッシャーに押しつぶされそうな感覚になり、思うように指が動かなくなっていた。

 

そんな2人の気持ちを感じ取った殺せんせーは言った。

 

 

「大丈夫です、君達は1人で抱え込む必要は無い。ここにいる皆が同じように訓練と失敗を経験している、君達の横には同じ経験を持つ仲間がいる。安心して引き金を引きなさい」

 

 

殺せんせーの言葉が終わると共にミナトは速水に歩み寄って言った。

 

「大丈夫だよ速水なら出来る、だから1人で抱え込むな…ちゃんと……隣にいるからさ」

 

ミナトの言葉に速水は顔を赤くしつつも笑顔で応える。

 

「ちゃんと隣にいてくれないと…嫌だからね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、殺せんせーは最後の指示を出す。

 

「出席番号12番‼︎立って狙撃‼︎」

 

「ビンゴ‼︎」

 

ガストロは予想通りと立ち上がった標的の脳天に弾丸を直撃させるが、人間だと思っていたのは……菅谷が作った人形だった。

 

「分析の結果狙うならあの一点です」

 

「…オーケー律」

 

狙いを定めた千葉の弾丸はガストロに命中することはなかった。

 

「フへへ へへへ外したなこれで2人目も場所が…⁉︎」

次の瞬間、ガストロは吊り照明によって叩きつけられていた。

 

(金具…あいつ吊り照明の金具を狙ったのか…)

 

「く…そが…」

ガストロは最後の力を振り絞り千葉に銃口を向けるが…

 

 

ズギュッ‼︎

 

「ふーっ…やぁっと当たった」

銃は速水の撃った弾丸により弾かれ、ガストロはその場に倒れこんだ。

 

「肝を冷やしたぞ…よくこんな危険な戦いをやらせたな」

 

ガストロを簀巻きにする生徒達を見て言った烏間の言葉に殺せんせーは応えた。

 

「どんな人間にも殻を破り、大きく成長できるチャンスがあります。しかしそれには、集中力を引き出せる強敵、経験を分かつ仲間達が必要。だから私は用意できる教師でありたい、生徒の成長の瞬間を見逃さず高い壁を、良い仲間を揃えてあげたいのです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「津芽」

速水は男子達と共にガストロを簀巻きにするミナトに声をかけた。

 

「お疲れちゃん速水♪」

 

「さっきはありがとうね、その…ミ…ミナ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

速水が言い終わる前にミナトは異変を感じ、速水をかばうように竹刀袋を構え前に立った。

 

「津芽…?どうしたの……‼︎」

 

突然の行動に疑問を抱く速水だったが、目の前の光景に驚愕した。

 

「クソッ…捌ききれなかった…」

 

そういうミナトの首元からは血が流れていた。

 

「津芽‼︎」

 

「動くな‼︎ 俺の背中から出るんじゃない」

 

 

 

刹那、次の瞬間ミナトは突然現れた男と竹刀袋から取り出した木刀と刀を交えていた。

 

「よく受け止めたね。それにその木刀…いや君自身も気づいているだろう?それが木刀じゃないことに」

 

男の言葉と共にミナトが持つ木刀に切れ目が入り、粉々に砕け散るとその刀は正体を現した。

 

切刃造の直刀。その刀には鍔や鞘といったものが付いていなかった。

 

 

 

 

 

「見つけたよ…絶刀・鉋」

 

 

絶刀・鉋

『頑丈さ』に主眼を置いて作られた刀で、世界の何よりも固き、折れず曲がらぬ絶対の刀と称された。決して折れず曲がらないため、永久機関のような刀とも評されている。

 

 

 

男は笑顔を見せ呟くと手に持った刀 斬刀・鈍を構える。ミナトは速水に下がっててと告げ、絶刀・鉋を構え、目の前の男と対峙していた。

 




ガストロを倒したも束の間、ミナト達は次なる暗殺者と出会っていた。
斬刀・鈍を持つ男を相手にミナトは絶刀・鉋を用いどう戦うのか‼︎

次回 津芽湊の暗殺教室
刀の時間 絶刀・鉋vs斬刀・鈍

ご期待ください!ちぇりおー‼︎
感想、ご指摘お待ちしてますv(`ゝω・´)

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