出来るだけ2人をいい感じにしようとした結果、やりすぎたかもと思いましたが、これはこれでありだと思いました!
今回速水さんのキャラが安定してない気がしますがご了承ください。
ミナトと速水は長いこと歩いていたが、その間2人に会話はほとんど無く、沈黙が続いていた。
(さすがに会話無しってのはまずいよな…)
ミナトがそんなことを考えながら視線を速水に移した時、速水と目が合い、次第に2人の顔が赤くなっていく。
(あれ、ヤバイ…速水ってこんなに…)
「あのさ速水…」
「な、なによ」
速水の言葉にミナトは一旦冷静を取り戻しつつ応えた。
「ゲーセンでも行かない?」
ゲーセンに入ると様々なゲーム音が店内で鳴り響いていた。
「いやー久しぶりに来たなー」
「最近来てなかったの?
「まぁ訓練とか忙しかったからね。そういう速水はゲーセンよく来るの?」
「私はあんまり…」
「そっか、んじゃ楽しもうぜ〜」
ミナトと速水は様々なゲーム機を眺め歩いていた。するとミナトは何かに視線を奪われ立ち止まる。
「どうしたの?」
「速水…これ一緒にやろう?」
ミナトが指差していたのはハウスオブザデッド4というガンシューティングゲームだった。
「別に…いいけど」
「サンキュー!いやー昔からこれ好きでさ〜」
笑顔で話すミナトの顔を見て速水は不思議と嬉しくなっていた。
(すごく楽しそうに話してる。子どもみたいに笑ってるし、楽しんでくれてるなら良かった。)
「そういえば速水は怖いの平気?」
「え?」
速水はミナトの笑顔を見ていて気づかなかった。ミナトが一緒にやろうと言ったゲーム、ハウスオブザデッド4はゾンビを標的とするゲームだということに…
「だ、大丈夫よ!」
そう言って速水は接続されている銃をとるが…
(なんでここにまでゾンビを取り入れるのよ!)
速水は恐る恐る銃を手に取ろうとするが、速水よりも先にミナトがその銃を手にした。
「ほいっ」
「あ、ありがとう…」
「そんじゃ行くぜ‼︎」
ゲームが始まると同時に無数のゾンビがこちらに向かってくる。それだけでも速水にとってはかなり怖かったのだが、速水はそれどころではなかった。
「あれ?全然当たんないな…」
「…」
Chapter2に移行したが…
「……当たらないな〜」
「……」
Chapter2終了時2人の命中率は
速水が93%それに対しミナトは8%だった。
「このゲームやったことあるんじゃないの⁉︎」
「いや〜あることはあるけどまぁ見ての通りの命中率で、Chapter1クリア出来たのも今日が初なんだ。」
申し訳なさそうに応えるミナトに速水は脱力した。
それからミナトの命中率が上がることはなく、ほとんど速水の力でゲームをクリアしてしまった。
「楽しかった?」
「めっちゃ楽しかった!」
呆れる速水の問いにミナトは満点の笑みで応えた。
「そっか」
(まぁ楽しかったなら良かった。)
それからミナトは両替してくると言って、両替機を探しに行った。
その間速水は適当に見て回っていた。そんな時、ゲーセンに来る前のことを思い出す。
会話が無いことを気にしていた時、思わずミナトのほうに視線を向けた。こんな沈黙が続いている時間を楽しんでいるのか心配になったからだ。
少しずつミナトのほうに視線を移す。
するとミナトと目があった。そらすことなくしばらく見つめ合っていた。
(やっぱ…かっこいいな…)
その時を考えながら歩いていると、速水の周りにはいつの間にカップルが多く集まり賑わっていた。
何事かと思ったがどうやらプリクラのキャンペーン期間だったらしく、カップルで撮ると一回無料になるというものだった。
(プリクラか…あいつと一緒に撮れたら…)
「速水?」
「ひゃい⁉︎」
不意に後ろに現れたミナトに声をかけられ、速水は今まで出したこともない声で応えた。
「ごめん、そんな驚かせた?」
「ううん、なんでもない…」
「そっか、まったく勝手に歩き回ったら心配すんじゃん。」
「え…探してたの?」
速水の前に立つミナトは少し汗をかいていた。
「まぁ…すぐ見つかったから良かったけどさ。」
「…ごめん…」
「なんで謝るのさ?こういう時はお礼言われた方が嬉しいよ?」
「馬鹿…でも、ありがとう。」
速水の言葉にミナトは笑顔でどういたしましてと応える。
「ところでさ、速水…」
「なに?」
ミナトは頬を書きながら応える。
「…速水さえ良ければ…その…プリクラ撮らない?」
「え?」
「いや、嫌ならいいんだけど…」
「嫌だなんて…わかった撮ってあげるよ。」
「なぜ上から目線w」
そんなやりとりを終え、2人はプリクラの中に入っていく。
だが、お互い緊張しているためか表情は引きつっていたり、とても笑顔と言えるものではなかった…
「速水緊張してんの?」
「べ、別に緊張なんてしてないわよ!そういうあんたはどうなの?」
「お、俺もそんなことねぇよ?」
「じゃあ、もっと楽しそうに撮りなさいよ!」
「わかってるよ。」
ミナトが笑顔で応えると、プリクラの音声が次で最後だと告げる。
(次で最後か…)
「ポーズどうするのよ?」
「そうだなーここは無難にピースでいこう。」
2人はプリクラの指示に従いカメラに目を向ける。
5
4
3
2
1
「…ごめん速水」
「え?」
0
プリクラのカメラは2人の写真を撮る
少し顔を赤くしながらも笑顔でピースをしているミナトと、ミナトに肩を抱き寄せられ赤面している速水の2人の写真を
「あー楽しかった。」
ミナトはそう言いながら腕を伸ばしていた。
「速水はどうだった?」
「私も楽しかったよ。最後のは…びっくりしたけど…」
「ごめんね、楽しんでもらいたくてっていうか一緒に楽しみたくて。」
少し申し訳なさそうに応えるミナトは、速水は笑顔で言った。
「別に謝ることない、ありがとう津芽。」
「こちらこそ、ありがとう速水。」
それからミナトは速水をうちまで送り、目的地である速水の家にたどり着いていた。時刻は8時、速水の家は門限が厳しいらしくこの時間となった。
「送ってくれてありがとうね。」
「どういたしまして!」
会話はそこで止まり、また最初のように沈黙が続いてしまった。
「そ、それじゃまた明日ね。」
「待って速水!えっと、その、はいこれ。」
そう言ってミナトは月と猫のネックレスを速水に渡す。
「誕生日おめでとう速水。」
「今日私が誕生日って知ってたの?」
「え⁉︎いやーその…岡島から聞いた。修学旅行のお礼も兼ねてね。」
照れているのかミナトの声は次第に小さくなっていた。
「…ありがとう。大事にする。」
「良かった。それじゃまた明日な!」
ミナトはそう言うと手を振りながら自分の家へと向かっていく。
「…おやすみ!津芽!」
手を振りながらいう速水に応えるよう、ミナトも手を振りながら言った。
「おやすみ!速水!」
7月12日 この日は速水凛香の誕生日
そして津芽湊と速水凛香の宝物に、
2人で撮ったプリクラが新しく追加された。
今回の話に登場したハウスオブザデッド4は作者も実際に好きなゲームです。ミナト同様Chapter1はたまにクリアできるくらい下手くそですが…
次回からプール編になります!
感想やご指摘お待ちしてます!