津芽湊の暗殺教室 『更新停止中』   作:ケチャップ

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鮫島君の彼女を決めるアンケートまだまだ実施中!v(`ゝω・´)


笑顔の時間 潮田 渚

鷹岡の前に立つ渚に烏間はいくつか忠告していた。

 

「いいかナイフを当てるか、寸止めすれば君の勝ち。君を素手で制圧すれば君の勝ち。それが奴の決めたルールだ。奴には全力で振らないとかすりもしないぞ?」

 

烏間の言葉に渚は静かにはいと応える。

 

「…だがこの勝負、君と奴の最大の違いはナイフの有無じゃない、わかるか?」

 

「…え?」

 

それから烏間は渚に今回の勝負のアドバイスをする。

 

 

そんな中殺せんせーとイリーナは校舎からその様子を見守っていた。

 

「烏丸の奴、頭が変になったのかしら?津芽でも勝てない相手を渚が倒せるわけないじゃない。」

 

渚を選出する烏間を見てイリーナは思った。渚では勝てない、それは他の生徒達も思っていたことだった。

 

「見てればわかります。烏間先生が出した答えは正しい。あの条件なら私でも…渚君を指名するでしょう。…いずれにせよ勝負ば一瞬で決まるでしょうね。」

 

 

 

「さぁ来い‼︎」

(公開処刑だ‼︎全て攻撃をかわしてからいたぶり尽くす。生徒全員が俺に恐怖し…俺の教育に従うようにな)

 

 

 

渚はナイフを持つ腕を上げ烏間先生のアドバイスを思い出していた。

 

(いいか鷹岡にとってこの勝負は見せしめのための戦闘だ。対して君は暗殺…強さを示す必要もなくただ一回当てればいい…そこに君の勝機がある。)

 

 

 

 

 

 

 

 

「…烏間先生が渚を選んだ理由分かったかも…」

 

「え?」

 

突然呟いたミナトに速水は驚き疑問を抱いた。

 

「この勝負は見せしめのための戦闘、だから俺の時も鷹岡は最初あえて何もせず、実力の差を周りに見せつけた。」

 

「それってつまり…」

 

「そう、反撃のこない最初の数撃がチャンスってこと。」

 

「だからってなんで渚を?」

 

「…」

 

ミナトはあえて言わなかった、烏間も感づいている彼の才能を。

 

(闘って勝たなくてもいい……だって殺せば勝ちなんだから…)

 

渚はミナトと同じことを考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

渚は笑顔を見せながら普通に歩いて近づいた。まるで通学路を歩いているように。

渚はそのまま鷹岡の腕にポンとぶつかり寄りかかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

刹那、渚はためらうことなく鷹岡の首めがけナイフを振る。

ここで初めて鷹岡は、自分が殺されかけている事に気付いた。

鷹岡がギョッとして体勢が崩れたのを渚は見逃さなかった。

渚は服を引っ張り鷹岡を転ばせ仕留めに行く。

正面からだと防がれるので背後に回って確実に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「殺す」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「捕まえた」

渚はナイフの峰を鷹岡の首に当てていた。

 

(殺気を隠して近づく才能、殺気で相手を怯ませる才能、本番に物怖じしない才能。渚には…暗殺の才能がある。)

渚の暗殺を見ていたミナトは彼のことを凄いと思い、同時に羨ましいと思った。

 

 

 

 

その後鷹岡は逆上し渚に再び挑もうとしたが、烏間によって倒される。

そして鷹岡の手腕を見に来た理事長により、解雇通知を渡されE組を去った。

 

 

「ところで烏間先生さ、生徒の努力で体育教師に返り咲けたし…なんか臨時報酬あってもいいんじゃない?」

 

「そーそー鷹岡先生そーいうのだけは充実してたよねー」

 

「甘いものなど俺は知らん、財布は出すから食いたい物を街で言え。」

 

中村と倉橋の言葉に烏間は少し微笑みながら応えた。

 

 

「ほら行くよ?津芽」

 

「ああ、悪いね。」

 

そんな様子を見ていた速水はミナトに肩を貸し、みんなのところへ向かっていた。

 

「渚がまさかあそこまでやるとはね…」

 

「うん、私もびっくりした。」

 

「…ねぇ津芽。さっき何か呟いた?」

 

「いや?何も言ってないけど。」

 

「そっか…」

 

みんなのところまでもう少しというところでミナトは速水に頼み事をした。

 

「速水、烏間先生にちゃんとみんなとお茶してくださいって言っといて?」

 

「津芽?」

 

その後津芽は全身に力が入らなくなりその場に倒れこんだ。

 

 

「津芽!」

「津芽君!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鷹岡との戦闘で負傷したミナトは病院に搬送され入院することになった。

 

「そうか津芽君は最後にそんなことを。」

 

「はい…。」

 

「すまない俺が早く鷹岡を止めていれば。」

 

「烏間先生、全ての責任があなたにあるわけじゃない。」

 

烏間が振り返るとそこにはミナトの祖父 井武鬼の姿があった。

 

「井武鬼さん、今回はミナト君をこのような容態にしてしまい申し訳ありません。」

 

「なーに気にすることはありませんよ。こいつもそれぐらいの覚悟は出来ていたはずです。」

 

申し訳なさそうに言う烏間に井武鬼は微笑んで応えた。

それから井武鬼は振り返り生徒達に自己紹介を始めた。

 

「初めましてE組の皆さん、私は湊の祖父 津芽井武鬼といいます。いつもこいつに付き合ってくれてどうもありがとう。」

 

深々と一礼する井武鬼に生徒達はつられて一礼した。

そんな中、竹林は井武鬼に疑問を投げかける。

 

「ミナト君のお母さんと妹さんが亡くなってるってどういうことですか?」

 

「こいつに何があったのか教えてくれよ!」

竹林に続いて岡島も問いかけた。

 

井武鬼はしばらく黙り込んでいた。

 

「すいません井武鬼さん、俺の同期が余計なことを口走ってしまったようで…」

 

烏間の言葉を聞き井武鬼は鋭い眼光で生徒達を見る。

 

「…こいつがいままで黙ってたことを責めないであげてください…湊の母と妹は去年の春に何者かに殺されました。」

 

井武鬼は鷹岡がミナトとの勝負の際、喋っていたことを話した。

 

「そしてもう一つ…湊の母親は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗殺者でした…」

 


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