今回のコラボ作は前半と後半に分かれており、トランサミンさんが書かれた後半は今日の20時に投稿される予定です‼︎
それではどーぞー♪
「暇だな〜」
そんな呑気なことを呟きながらも彼は布団に入りつつ、パソコンで漆黒の首無しライダーが池袋の街を駆け回る歪んだ愛の物語を見ていた。
本日は晴天、絶好のお出かけ日和である。
「おー‼︎セルティかっこいい‼︎いやいや静ちゃんも、折原姉妹も………あとやっぱ青葉君かっこいいー‼︎‼︎」
伊武鬼と八重野、そして日和号がいないということでミナトは盛大にはしゃぎぐうたら生活を満喫していた。
ぎゅるるるるる〜〜〜
そんな時ミナトのお腹が鳴り、ふと部屋に掛けられた時計に目を移すと時刻は12時となっていた。
「さすがに腹減ったな〜。何か食べれるものないか見てこよっと♪」
ミナトは急いで台所へ向かい、数分してから階段を駆け上がり自分の部屋へ戻ってきた。
「今すぐ食べれるのはこれしか無かったな…」
そう言うミナトが手にしているのは某カップ焼きそばの激辛味。ミナトはなんとも言えない表情をしながらも、カップ焼きそばを手に定位置についた。
「さてさてアニメの続き〜♪……………って、まさかのデジャブ?」
ミナトは目を大きく開け画面を見つめる、そこに映っていたのは漆黒の首無しライダーでも、バーテン服を着た喧嘩人形でも無く、2Dのクラスメイトだった。
「茅野のプリン計画の時も、こんな感じに俺のパソコンに入ってきたよな律?」
「こんにちは津芽君♪そうですね、こうして津芽君のパソコンに侵入するのは久しぶりな気がします‼︎」
満面の笑みを見せる律にミナトはため息を吐き問いかけた。
「それで今日はどうしたの?」
「はい!実は津芽君に見てもらいたいものがあって」
「見てもらいたいもの?」
「はい♪私の手のひらに津芽君の手のひらを合わせてください」
「こう?」
律の言う通りミナトは自身の手のひらを彼女に合わせると、次の瞬間ミナトはこの世界から姿を消した。
本日は晴天、行き先は何処だろうが絶好のお出かけ日和である。
先ほどまでとは違った雰囲気を感じ取りミナトはゆっくりと目を開ける。するとそこは自分の部屋では無く、数字が連なる電脳空間だった。
「え………ナニコレ?」
「ようこそ津芽君♪ここが普段私の住んでいる場所です」
「いやいや〜いくらなんでもアニメじゃないんだし」
「この話はアニメでしょ」
現実を受け止められないミナトに対するツッコミの声に聞き覚えがあり、ミナトが振り返るとそこには凛香の姿があった。
「凛香…何でここに?」
「私も連れてこられたのよ。律が見せたいものがあるっていうから」
ミナトは視線を凛香から律へ移すと、律はニコッと笑って言った。
「お二人に見せたいもの、それはこの方です」
そう言って律が指差す先に扉が現れ、そこから入ってきたのは金髪に紅い眼をした少年と、もう1人の速水凛香だった。
「「どうなってんの⁉︎」」
突然の来訪者に2人は驚きを隠せず、ミナトにいたっては目玉がほんの少し飛び出していた。
「何で私がもう1人いるの?」
クールビューティの凛香も、自分自身が目の前にいることに驚きを隠せずにいた。
「まぁ俺とミナト君が同じ人を好きになったからかな♪」
「………お前は?」
「俺の名前は桜井和生(さくらいかずき)今日は会うことが出来てすごく嬉しいよ津芽ミナト君♪」
(桜井和生……どっかでその名前聞いたような)
ミナトがそんな疑問を抱いていると和生は手を差し出しニコッと笑う。ミナトはそんな彼の笑みを目に、安心感を覚え握手を交わした。だがその時、和生の手が少し冷たいことにミナトは違和感を抱いた。
「………つまり、和生はパラレルワールドから来た人間だと?」
「うん♪」
「話がめちゃくちゃすぎるだろ‼︎」
話をまとめると、和生ともう1人の速水は別の暗殺教室の世界からやって来たという。許してつかあさい、めちゃくちゃな話ですがこれ小説なので………
「ま、まぁ私が2人いるんだし信じられなくもないけど」
「私だって違和感あるわよ…」
お互いに納得いかないと言わんばかりの表情を浮かべる2人の凛香を目にミナトはため息を吐いた。
「そりゃ自分自身が目の前にいたら俺だってビビるもん」
「でもちゃんと分かるよ、どっちが俺の凛香かね♪」
和生が爽やかスマイルを浮かべつつ言うと、もう1人の速水は顔を赤くし嬉しそうな表情を浮かべていた。
「なるほど〜向こうの速水は和生のあの笑顔に心射抜かれたのか。そりゃかなりのイケメンだし、それに加えてあの笑顔はもはや反則だもんな?」
ミナトが笑いながら凛香に問いかけると、凛香は和生をその眼に写しほんの少し頬を赤く染めていた。
「凛…香さん?」
「もう1人の私が桜井を好きになるのも分かる気がする…」
その瞬間、ミナトの中の何かに火がついた。
「おい和生‼︎俺と勝負しろ‼︎」
「唐突だね……でも受けて立つよ‼︎初めからそのつもりだったからね」
「へぇ〜、そいつは俺に喧嘩を売りに来たってことでいいんだよな?」
「うん!そう受け取ってもらって構わないよ」
ミナトと和生は律が作った特設バトルフィールドに移動し、2人の速水もお互いの彼氏を見守ることにした。
「ごめんね、うちの喧嘩バカが…」
「ううん、和生も戦うつもりだったらしいし。それにしても大事に思われてるんだね」
「どういうこと?」
「あなたも和生のこと見てたでしょ?その時の津芽、すごいショック受けた顔してたから」
その言葉に凛香がその時のことを思い出していると、突風が吹き荒れ2人が振り返るとそこには殺せんせーがいた。
「「なんでここにいるの殺せんせー?」」
「にゅやっ⁉︎見事にハモりましたね。だって折角のコラボですよ⁉︎私も参加したかったんです‼︎」
必死に訴える殺せんせーを目に、2人の速水は苦笑を浮かべていた。
「さて、見守るとしますか。大切な姫を守る王子と剣士の対決を」
殺せんせーがそう言うと2人の速水は、前乗りになり自身の彼氏にエールを送った。
「ミナトー‼︎」
「和生‼︎」
「「がんばれー‼︎」」
彼女からのエールを受け、ミナトと和生は拳を強く握りしめて見せた。そして2人の間に律が現れ、今回の対決のルール説明を始めた。
〈勝利条件〉
・相手に致命傷となる一撃を与える攻撃をする
・相手が負けを認める
「それと武器の使用も有りです。自分が使用したい武器を頭に思い浮かべてください。そうすれば実体として現れる仕組みになっています♪」
「本当になんでもありだなこの世界…」
「あはは……」
ため息を吐くミナトに対し、和生は苦笑を浮かべると手を前に差し出した。
「俺からいくよ?」
そう言って和生は目を閉じる。
「……………来い!『レヴィアタン』‼︎」
和生の言葉とともに青光りする粒子が彼の手元に集まり、一本の剣へと形を変えた。
和生がレヴィアタンを手にした途端、冷気が放たれミナトは思わず身震いしていた。
(あの剣の刃、あんなに蒼い刃は今まで見たことがない。それにこの冷気………本当に楽しませてくれる奴だよ)
ニッと笑みを浮かべると、ミナトも手を前に差し出し刀の名を叫んだ。
「来い!『絶刀・鉋』‼︎」
黒い粒子がミナトの手元に集まり、それは鍔のない切刃造の直刀へと形を変えた。
「それが完成形変体刀12本のうちの一つ、『絶刀・鉋』……」
「へぇ〜こいつを知ってるとは思わなかったな」
2人は他愛もない会話を交わすと、何も言わずに構えた。
「行くよ…ミナト」
「ああ…ただしその頃には、あんたは八つ裂きになっているだろうけどな」
「いざ尋常に……………始め‼︎」
律の掛け声と共にミナトが先に仕掛けた。
「先手必勝‼︎喰らいやがれ『報復絶刀』‼︎」
だがミナトの荒い突きを、和生は難なくかわしていた。
「うわっ‼︎予想以上のスピードだね」
「簡単に避けてる奴に言われても、ちっとも嬉しくねぇよ‼︎」
そう言ってミナトは蹴りを放つが、いち早く察した和生は後ろへ飛びその攻撃をかわしていた。
「流石だねミナト。次は俺の番だ‼︎」
今度は和生がレヴィアタンで突きを放ってくる。その速さはミナトの報復絶刀を超えていた。
「ちっ…」
防ぐことでいっぱいいっぱいのミナトであったが、いつしか捌ききれなくなり体には無数の斬り傷が出来ていた。ミナトは一瞬の隙をつき高く飛び上がると、勢いよく絶刀・鉋を振り下ろした。
砂煙が次第にはれ、ミナトと和生は互いに満足げな笑みを浮かべていた。
「強いなお前」
「そっちもね♪想像以上だったよ………でも本気出してもらわないと困るな」
その言葉にミナトは一瞬、驚きの表情を浮かべるがすぐに笑みを浮かべて見せた。
「それはこっちのセリフw和生だってまだ本気じゃないだろ?」
ミナトの言葉に和生は舌を出しバレてたか……と笑みを浮かべた。
「まぁどっちもまだまだ本気じゃなかったってことだ。ウォーミングアップはもういいだろ」
「そうだね、そろそろお互い本気で殺ろうか」
2人は武器を投げ捨て、和生はレヴィアタンを呼んだ時よりも強く叫んだ。
「来い‼︎『ヴラド』‼︎」
和生の叫びと共にその手には異形の銃が握られていた。
バトルフィールドで激しい戦いを繰り広げる2人を見ていた凛香は、和生が持つ銃に驚いていた。
「あんな形の銃見たことない…」
「にゅ…先生も見るのは初めてです。さらに並ならぬ力も感じます」
そんな2人の疑問に速水が答えた。
「あの銃はヴラド。あの武器はエルレンシア王家に代々伝わってきた銃。王家以外の人間が使うと、その血を喰らい尽くすってレグルスさんが言ってた」
その言葉に凛香と殺せんせーは目を丸くした。
「えっ………ってことは桜井は」
「そ、和生は英国王家エルレンシア王家の御氏族ってこと」
速水の答えに凛香は和生の顔立ちがあまりにも整っていることを納得すると同時に笑みを浮かべた。
「ふふっ、そうすると桜井とミナトは似た者同士かもね」
「どういうこと?」
「桜井が王家の血を引き継いでいると同じように、ミナトも受け継いでいるのよ……最強の刀をね」
速水はミナトに目を移したが、彼が何の武器も所持していないことに疑問を抱いた。
「津芽は武器を使わないつもり?」
「ヌルフフフ、武器ならすでに桜井君の目の前にありますよ」
「それって………まさか‼︎」
「そう、ミナトが受け継いだ最強の刀……それはミナト自身よ」
和生は先程とは違う雰囲気を放つミナトをジッと見据えていた。
(なんて力強い気迫なんだ。油断するとすぐに飲み込まれてしまう………これがミナトの本気か)
冷や汗をかく和生を前にミナトはゆっくりと構える。
「虚刀流一の構え『鈴蘭』」
(来る…)
「行くぜー和生ぃ‼︎」
ミナトは勢いよく走り出した。
「虚刀流『百合』‼︎」
ミナトの腰を使った回し蹴りを和生は何とか防ぐ。だがミナトの攻撃は止まることなく、すぐ目の前まで2発目が迫っていた。
「虚刀流『牡丹』‼︎」
ミナトの後方回し蹴りを和生は防ぎきれず、その衝撃で吹っ飛ばされてしまう。
ミナトは容赦なく、彼を仕留めるため技を繰り出した。
「虚刀流『木蓮』‼︎」
だがミナトの攻撃は和生に当たることなく、気づいたときには和生はミナトの後ろにいた。
「流石だねミナト」
そう言うと和生はヴラドのトリガーを引き、杭のような形をした弾丸がミナトめがけ放たれた。
「あぶねっ‼︎」
ミナトは何とかしゃがみ込むことでその弾丸をかわすが、先ほど和生が自分の後ろに瞬時に移動していたことに恐怖し慌てて距離を取った。
(何なんだ一体……さっきの和生の状態で俺の後ろに瞬時に移動するなんてどう考えても無理)
ミナトが和生の動きに疑問を抱いていると、和生はすぐ目の前にいた。殺られると思ったミナトであったが、和生はヴラドを構えることなく話し始めた。
「『蒼魔凍』って言ってね、代々俺の一族が使えた秘技なんだ。世界が凍りついたような感じがしてその結果、相手の動きがゆっくりに見える。だから俺はさっきも今もこうして瞬時に移動することが出来たんだよ」
「なるほどね〜。なかなかのチート能力だな」
「そうかな?ミナトの虚刀流もかなりのチートだと思うよ?」
2人は笑みを浮かべると互いに何かを悟り、ヴラドを、自分の拳を強く握りしめた。
「そろそろケリをつけるか」
「うん!楽しみにしてるよミナト」
それから少ししてミナトと和生は同時に動き出し、激しい攻防戦が繰り広げられた。
ミナトが蹴りを放てば和生がヴラドで防ぎ、ヴラドから放たれる弾丸をミナトが紙一重でかわし、ミナトの激しい突きを和生は受け流すことで防いでいた。
(まずいな、こっちに来る前に凛香が作ってくれたケーキを食べたけどそろそろ糖分が切れそうだ……)
(やばい、今日休みだからって昨日の夜徹夜したからか睡魔が……)
糖分切れと徹夜の疲労を理由に、2人の集中力は途切れ始めミナトと和生は同じタイミングで足を滑らせた。
(まずい‼︎)
(くそっ‼︎)
((ここで殺らなきゃ殺られる‼︎))
ミナトはそのまま体勢を崩すと自然な動きで攻撃に繋ぎ、しゃがみ込む和生の腹部めがけ拳を放った。
「そこまでー‼︎」
律の声と共に2人は攻撃を止める。和生の腹部にはミナトの拳が、ミナトのこめかみには和生のヴラドが寸の所まで迫っていた。
体勢を崩してから攻撃へと繋げたミナトの動き、そして体勢を崩しながらも的確な位置に狙いを定める和生の技術を目に2人は互いに息を呑んでいた。
「ここまでワクワクした戦いは久しぶりだったよ」
「戦い好きなミナトにそう言ってもらえるなんて嬉しいよ♪」
お互いに握手を交わすと、戦いを見ていた殺せんせーと速水達がバトルフィールドに降りてきた。
「素晴らしい戦いでした!2人とも見事でしたよ」
殺せんせーの言葉に和生は笑みを浮かべ、ミナトは素っ気なく答えながらも満足げに笑みを浮かべていた。
そんな時ついに集中力が切れ、倒れるミナトと和生を2人の速水が支えた。
「和生大丈夫?」
「う〜ん…あ、甘いものが食べたい」
「そんなことだろうと思った♪」
そう言うとポケットから飴を差し出し、和生の口元へ運んだ。
「これで大丈夫でしょ?」
「食べさせてくれると嬉しいな?」
「もう、仕方ないわね」
そんなことを言いつつも顔を赤く染めつつ、速水は笑顔で和生に飴を食べさせていた。
「う〜ん♪ありがとう凛香♪」
「どういたしまして♪」
そんな甘々な2人を目にミナトと凛香は、ただただ顔を赤くしていた。
「ヌルフフフ、桜井君と速水さんはとてもラブラブなようですね〜。2人はああいうことしないんですか?」
「うるせーこのタコ‼︎ピンクに顔色変えてニヤニヤしてんじゃねぇ‼︎」
ミナトは顔を真っ赤にしながらも銃を形成し、殺せんせーに向け乱射していた。
「………する」
「「…………ん?」」
「ああいうことするって言ったの‼︎ミナトちょっと来なさい」
顔を真っ赤にしながらキリッとした目で話す凛香に従い、ミナトは言われるがままに彼女の元へやってきた。
「あのー?いったい何を……」
「疲れたでしょ?ここ使っていいよ…」
そう言って凛香は自分の膝をポンポンと叩いた。
「…えーと、その……」
「いいから早く‼︎」
「はいぃ‼︎」
どうも律です♪
現状説明します。桜井君は速水さんに飴を食べさせてもらい、ご満悦と言った表情。速水さんもそんな桜井君を目に、幸せそうな表情を浮かべています。
いっぽう津芽君達の方は2人とも顔を真っ赤にしながらも、津芽君が速水さんに膝枕してもらい幸せそうな雰囲気を全面に醸し出しています。
おっと、殺せんせーがゲスな笑みを浮かべネタ帳に何か書き込んでいますね。そんな物は没収です♪
律side終了
姫を守る王子と剣士
超人とも言える2人の戦いは、引き分けに終わった。そんな2人の超人も最愛の人の前では、普通の恋する中学生だった…
前半はバトルものを書かせていただきました。桜井君のイメージを崩すことなくミナトとの戦闘シーンを描くのは大変でしたが、全力で戦う2人を想像し楽しみながら書ききることができました♪
ここでトランサミンさんの紹介を少しさせていただきます。
トランサミンさんが書いている暗殺教室の二次小説
『桜井和生と暗殺教室』は速水さんをヒロインとした作品です。私が知る暗殺教室の二次小説の中では1番の甘々恋愛ストーリーが描かれている作品だと思います。
ですがこの作品の見どころはそれだけでは無く、桜井君の過去、そして今作でも登場した『レヴィアタン』や『ヴラド』と言った見どころのある武器などもこの作品の見どころと言えます。
最近、桜井君の妹が新たに登場したので妹キャラが出てる作品を読みたい‼︎という方にもオススメです♪
またトランサミンさんは暗殺教室の他に、『ラブライブ』や『空戦魔導士候補生の教官』を原作とした作品も書いているのでそちらも読んでいただけると幸いです。
長くなりましたが、文章力の無い私の紹介よりも実際に見てもらったほうがトランサミンさんの作品の良さがわかると思うので、一度読んでみることをオススメします。
トランサミンさん、今回はコラボしていただき本当にありがとうございました‼︎またこのような機会があれば、その時はよろしくお願いします♪