津芽湊の暗殺教室 『更新停止中』   作:ケチャップ

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お久しぶりです。

まずは更新するまでに一ヶ月も間を空けてしまったことを謝罪します。ネタがなかなかまとまらず、当初はデート回にする予定でしたが原作通りに進める事にしました。それでも甘々要素を取り入れたつもりなので楽しんでいただければ幸いです(´・ω・)

それではどーぞー♪


進路の時間

死神との戦いも終え、ミナト、ミヤコ、海莉の3人も無事退院し3年E組はいつも通りの日常を過ごしていた。

 

「おっすミナト!体の調子はどうよ?」

 

「うーん、ようやく本調子に戻ってきたって感じかな」

 

杉野と談笑するミナトの元に竹林が歩み寄り呆れた顔で話し始めた。

 

「うちの病院の中でも有名になってたよ。ミナトと鮫島君、どっちが先に退院出来るか競ってたらしいからね」

 

「相変わらずだなぁ……それでミナトの方が少し早く退院したと」

 

「まぁな♪あいつとの勝負事で負けるわけにはいかないし」

 

笑みを浮かべ自慢気な表情を浮かべるミナトの頭に教科書の角が直撃した。

 

「いって〜……誰だよいったい」

 

振り返るとそこにはどこか不機嫌そうな速水が立っていた。

 

「安静にしてなきゃいけないのに、バカみたいな勝負事してるミナトが悪いのよ」

 

そう言うと速水は足早と自分の席へ向かって行った。そんな彼女の姿を目に、杉野と竹林の2人は哀れみの目を向けミナトに言った。

 

「お前も大変だよな…」

 

「速水が嫉妬するのも分かるけどね」

 

「あはははは……」

 

教科書の角が直撃した所を手で押さえつつ、ミナトは速水が不機嫌になっている原因の方に目を向けた。

 

 

 

 

 

視線の先には女子達が1人の生徒の席を取り囲み、質問攻めしているところだった。

 

「ねぇねぇ2人はどんな生活を過ごしてるの〜?」

 

「どんなと言われましても、普通に過ごしてますが」

 

「またまた〜嘘言っちゃって〜。一緒に寝たりとかしたんじゃないの〜?」

 

 

その言葉に速水から殺気が放たれ、質問攻めしていた中村は気まずそうにミヤコの席から離れって行った。

 

 

ミナト達よりも先に退院した雪乃は今回の事で伊武鬼に怒られ、二度と同じような事がないよう一緒に住むように言われた。そして雪乃だけでなく雪乃の家に住んでいたミヤコも、ミナトと同じ屋根の下で暮らすことになったのだ。

 

 

何故速水が不機嫌になっているのかと問いかける律にミナトは苦笑を浮かべることしか出来ず、普段通りの日常ではあるがミナトにとって気まずい1日が始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはようございます。突然ですが今日の1時間目は進路相談をします」

 

「進路相談?」

 

「もし誰かが先生を殺して地球が無事なら皆さんは卒業後の事も考えなくてはなりません。ま……殺せないから多分無駄になりますがねぇ〜」

 

殺せんせーの言葉とシマシマ模様の顔色に男子生徒数人は苛立ち、銃やナイフで暗殺を試みるが難なくかわされ無駄に終わった。

 

「1人1人面談を行うので進路希望が書けた人から教員室に来てください。先程のように相談中の暗殺もアリですよ」

 

そう言って殺せんせーが教室を出ると誰よりも早く1人の生徒が立ち上がった。

 

「ミヤコさん、進路もう決まったの?」

 

「はい、ずっと前から決まっていたので」

 

「見せて見せてー」

 

倉橋に言われミヤコが進路相談の紙を見せると、神崎と倉橋は納得の表情を浮かべていた。

 

「ミヤコさんらしいね」

 

「うん、私もそう思う♪」

 

ミヤコが持つ進路相談の紙には研究者と書かれていた。

 

「暗殺の為に力をつけながらもお父様の仕事を身近に見てきました。次第に私も興味が湧き、いつしか研究者になりたいと思うようになりたいと思ったのです。お父様に恩返しもしたいので…」

 

恥ずかしそうに話すミヤコを目に神崎と倉橋は絶対になれるとエールを送っていた。

 

 

 

2人にありがとうと告げ教員室に向かうミヤコを目に、ミナトは他のクラスメイトがどのような将来を考えているのか気になり散策し始めた。

 

「渚は将来なりたいものあんの?」

 

「それが…まだよく決まってなくて」

 

「ん?でも紙になんか描いてるじゃん」

 

そう言って2人が進路相談の紙に目を向けると、志望校・女子校、職業(第一志望)ナース・(第二志望)・メイドと書かれていた。

 

「……うん、まぁ……その……ガンバレヨ」

 

「僕が書くわけないでしょ⁉︎中村さん人の進路勝手に歪めないでよ‼︎」

 

そう言って隣の席の中村に声をかけようとしたが、すでに他の席に移動しておりそこには誰もいなかった。

 

「まぁまぁ渚君、落ち着きなって。それより卒業したらタイかモロッコに旅行行かない?とるなら早めの方がいいだろうし」

 

「何でカルマ君は僕からとろうとするの⁉︎」

 

 

そんな2人のやりとりを目にミナトは笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃教員室では………

 

 

「トップバッターはミヤコさんですか」

 

「悩む理由も無いので」

 

「研究者ですか……具体的にどのような研究をしたいのですか?」

 

殺せんせーの問いにミヤコはしばらく考えしっかりとした目で見つめ話し始めた。

 

「私が受けてきた研究は強力な力を得る変わり人を壊すものでした。私は人を助けるための研究がしたい。どんな人にも輸血可能な人工血液や、自己治癒能力を活性化させる薬品の開発。私がしたい研究はそういったものです」

 

 

ミヤコの答えに殺せんせーは赤丸を浮かべていた。

 

「ミヤコさんの知識なら十分可能なことです。テストの成績も良いので最難関クラスの高校受験を視野に入れても良いですね」

 

その言葉にミヤコはナイフを投げつつ笑みを浮かべ答えた。

 

「もちろんそのつもりです。この教室で挑戦することの大切さと楽しさを学びましたから」

 

「ヌルフフフ、今後もミヤコさんの暗殺を楽しみにしていますよ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次々と生徒達が自分の進路を決め教員室に向かう中、速水は何も書けぬまま悩んでいた。

 

(進路なんて今まで真剣に考えたことなかったな。これと言ってやりたい事も無いし……)

 

そんなことを考えていると、中村が自分の机からひょっこり顔を出していたので思わず叫んでしまった。

 

「びっくりした……何してるのよ莉桜」

 

「いや〜さっきのこと謝ろうと思ってさ」

 

「……別に気にしてないし」

 

頬杖をつきそっぽを向く速水を目に、中村は思わず笑みをこぼした。

 

「…なによ」

 

「凛香も変わったよね。昔と比べてとても分かりやすくなった」

 

「それ褒めてるの?」

 

「褒めてるの♪」

 

中村の笑顔に先程の苛立ちも忘れ、速水は中村の進路が気になり問いかけた。

 

「私?私はね〜外交官になりたいんだ〜」

 

「……え?」

 

「そんなに驚かれるとさすがにショックなんだけど……」

 

「ごめん、ちょっと意外だったから」

 

そう言って自分の紙に目を向ける速水に中村は問いかける。

 

「決まらないんでしょ?進路」

 

その言葉に速水はコクンと頷き、中村は言い続けた。

 

「今なりたいものを書けばいいんだよ。夢なんてちょくちょく変わるもんなんだからさ♪」

 

「そんな適当に決められないよ……」

 

「まぁどうしても決められないって言うんなら…」

 

中村はそう言うと紙を奪い何やら書き始めた。恐る恐る速水が覗き込むと………

 

 

志望校 ミナトと一緒

 

職業(第一志望) ミナトのお嫁さん

 

(第二志望) ミナトのお嫁さん

 

 

 

「な、なんてこと書いてるのよ⁉︎」

 

「えー?間違ってないじゃ〜ん♪津芽もきっと喜ぶよ」

 

「うっ……そ、それとこれとは話が別でしょ⁉︎」

 

「そう?でも同じ学校行きたいし、お嫁さんにもなりたいでしょ?」

 

「それは………そうだけど…」

 

「可愛いの〜」

 

「おっさんくさい‼︎」

 

「キャキャキャキャ、酷いこと言うな〜」

 

そう言って中村は立ち上がると自分の紙を手に教員室へ向かおうとした。

 

「ねぇ凛香」

 

「なに?」

 

「そんなに嫉妬しなくていいと思うよ?津芽は凛香のこと大好きなんだしさ♪」

 

「よ、余計なお世話よ‼︎」

 

顔を真っ赤にして叫ぶ速水を目に中村は笑みを浮かべ、手をひらひらと振り教員室に向かって行った。

 

落ち着きを取り戻そうと速水は自分の席に座るが、ミナトの様子が気になりチラッと彼の方に目を向けた。

 

 

「どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう」

 

 

ミナトが暗い表情で両手で頭を押さえながらブツブツと呟いていたので、速水は慌てて彼の元に歩み寄った。

 

 

「どうしたのよミナト」

 

「あ!いやー情けない話なんだけどさ、凛香と同じ学校行けたらいいなーと思って……」

 

その言葉に嬉しさを覚えながらも速水は表情を変えることなく問いかける。

 

「どうして同じ学校がいいの?」

 

「別々の学校行ったら凛香が他の男子に言い寄られる。それがすごく嫌なんだ……」

 

その言葉を聞き再び胸がときめく。速水は喜びを隠しきれなくなりそっぽを向きながら言った。

 

「私も……一緒がいい………」

 

「マジで⁉︎すげー嬉しいよ♪でも、凛香も自分の行きたい高校とかあるんじゃ…」

 

「まだ決まってないんだ。そう言うミナトはもう自分の進路決めてるの?」

 

「まぁね……なれるかどうか分からないけど」

 

そう言って見せてきた紙に速水は目を通した。

 

「幼稚園教諭?」

 

「うん、最近まではラーメン屋になりたいと思ってんだけどね」

 

「かなり変わったね…どうして幼稚園教諭になりたいの?」

 

「この前のわかばパークでさ、子ども達に楽器の吹き方教えてどんどん上達していく姿を見るのがすごく嬉しかった。じいちゃんやばあちゃんに姉ちゃん、母さんがそうしてくれたように俺も誰かの成長を手助けしたいと思ったのがきっかけかな」

 

恥ずかしくてなかなか言えなかったんだけどねwと付け足すミナトに速水は満面の笑みで答えた。

 

「ミナトならなれるよ。誰よりも素敵な幼稚園の先生に」

 

「サンキュー♪凛香もさ、ゆっくりでいいから自分の進み道探してみなよ。見つからない時は俺も探すの手伝うから♪」

 

そう言って教員室に向かうミナトを見送り、速水は中村に言われたことを思い出しボンッと顔を赤くしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「失礼しま〜〜〜す‼︎」

 

「ヌルフフフ、入室と同時に投げナイフ。でもその程度の速さでは先生には届きませんね〜」

 

「百も承知ですよそんなこと」

 

笑いながら席に着くミナトは自身の進路を書いた紙を殺せんせーに差し出した。

 

「ふむ、幼稚園教諭ですか」

 

「子ども達の成長の手助けをしたくてさ。もちろん子どもが好きってのも理由の一つだけどね」

 

「理由がしっかりしていてとても素晴らしいです。ですがミナト君、ピアノは弾けますか?」

 

「楽譜読むのに時間は少しかかるけど……」

 

「折り紙は得意ですか?」

 

「…どちらかと言うと苦手…かな〜」

 

「園児達の前でピアノの弾き語りをしたり、教室内の装飾を手作りしたり幼稚園教諭は結構大変な職業です。子どもが好きというのも大事な理由ですが、それだけでは務まりませんよ?」

 

「…なりたいんだどうしても。殺せんせー見たいに勉強教えるのは苦手だけど、俺は子ども達の成長を見届けたい」

 

「強い意志があるみたいですね。よろしい!それでは明日からイリーナ先生にピアノを習いなさい。折り紙の方は手先が器用な速水さんにお願いするといいでしょう」

 

「かなり困難な道だね…」

 

「だからこそやりがいがあるのではありませんか?」

 

挑発混じりの殺せんせーの言葉にミナトはニッと笑みを浮かべ答える。

 

「上達♪殺ってやるさ、自分の夢叶えたいからね」

 

「ヌルフフフ、君の殺る気はいつ見ても素晴らしいです。残るは渚君と速水さんの2人ですね。読んできてもらえますか?」

 

「ほ〜い」

 

そう言ってドアを開けるとそこには速水の姿があった。

 

「お、終わった?」

 

「ちょうど今終わったよ」

 

「そ、そう…」

 

そう言って速水はミナトと入れ違いになり席に着いた。

 

「大丈夫ですか速水さん?顔が真っ赤ですが」

 

「……ピンクの顔色で言われても殺意しか湧きません」

 

「ヌルフフフ♪それでは速水さん、あなたの将来の目標を教えてください」

 

「私は…………ごめん、殺せんせー。まだハッキリとは決められない」

 

顔を俯かせながら申し訳なさそうに話す速水の頭に殺せんせーは優しく触手をおいた。

 

「それでは速水さんの進路はこれから探すという事になりますね。進む道の選択肢を増やす為にもより勉強し長所を伸ばす必要があります」

 

オススメの高校や速水に合った職業について説明してくれることを嬉しく感じ速水は笑みを浮かべた。

 

「にゅや?どうしました速水さん」

 

「ううん、ただこの教室に来れて殺せんせーに出会えて良かったって思っただけ」

 

「ヌルフフフ、嬉しいです。ですがミナト君にも同じことを言ってあげてください。彼も喜ぶはずですから♪」

 

「それは……恥ずかしくて…言えない……」

 

「速水さんはツンデレですね〜」

 

 

退室した速水を見送り、殺せんせーは窓の外に目を向けた。

 

(あぐり、私はあなたのような教師になれていますか?)

 

その時教員室のドアが開き、殺せんせーは慌てて振り返った。

 

「君で最後ですね渚君」

 

「殺せんせー、僕には人を殺す才能があります。教えてください僕は殺し屋になるべきでしょうか」

 

 

 

 




久しぶりに書いたからおかしな箇所が多々あるかも……

Twitterの方で言った通り、現在暗殺教室の二次小説第二弾も執筆中です。オリキャラ達の設定を決め、プロローグも書き終えたところです。更新がいつになるかは分かりませんが、楽しみにしていただけたら幸いです(*´w`*)

感想や評価、お待ちしてますv(`ゝω・´)

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