津芽湊の暗殺教室 『更新停止中』   作:ケチャップ

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今回で死神編は完結です‼︎ぐだぐだストーリーにも関わらずお付き合いいただきありがとうございます。

アニメの方は次回、いよいよ茅野編ですね。それと新OPが聴けるのをとても楽しみにしています♪


それではど〜ぞv(`ゝω・´)


世界の時間

烏間は死神を拘束し部下に任せた後、生徒達が捕らわれている檻の部屋に向かいロックを解除しようとするが思い悩んでいた。

 

「何か…何か手は無いものか……こいつだけを閉じ込めたまま殺す方法は」

 

「烏間先生、心の声が出ちゃってるな」

 

「そりゃ心の声も出るだろ。殺したい相手が目の前であんなに笑顔浮かべてんだもん」

 

磯貝と前原は烏間の苦労を読み取り、檻の中で笑みを浮かべる殺せんせーに目を向けた。

 

「プークスクス。考えても無駄ですよ〜烏間先生。何たってあの死神が私を殺すために用意した檻ですからね〜」

 

殺せんせーが余裕ぶって挑発混じりに言葉を投げかけると、2人の生徒がナイフを振るい殺せんせーは慌ててかわした。

 

「別に俺等で殺せばいい話だし♪」

 

「あんたの人をバカにしてる顔、かなりムカつくんだよね〜」

 

「ちょ、ミナト君、鮫島君‼︎ここは死神に勝ったことを皆で喜ぶ場面じゃ」

 

「関係ないね‼︎」

 

「お前等も動き足りないだろ?みんな殺っちまえ‼︎」

 

ミナトと海莉の言葉を聞き、生徒達はナイフを振るい弾丸を撃ち始める。

 

「ちょ、待ってください……にゅ、にゅやー‼︎烏間先生、早く檻を‼︎私をここから出してー‼︎」

 

檻の中で慌てふためく殺せんせーと楽しそうに暗殺を繰り広げる生徒達を目に、烏間はため息をつきながらも笑みを浮かべていた。

 

(今回の件でクラスの結束がより強まった。これも奴の狙い通りと言ったところか)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

檻から解放された生徒達は上のフロアに向かい、拘束された死神の素顔を目に絶句していた。

 

「……驚異的な技術を持つ男だったが、技術を過信しすぎていた。それと人間としてどこか幼く隙があったから、俺も勝つ事が出来た」

 

 

烏間の言葉を聞きつつ渚は自分の手を見つめ、海莉は死神の素顔をじっと見据え何かを感じ取っていた。

 

「…影響を与えた者が愚かだったのです。これほどの才能なら、本来もっと正しい道で技術を使えたはず」

 

そう言うと殺せんせーは渚と海莉の頭に触手を乗せる。

 

「人間を活かすも殺すも周囲の世界と人間次第という事です」

 

「周囲の世界と人間次第……」

 

 

殺せんせーの言葉を耳に、ミヤコは死神と同じように担架に乗せられ運ばれる彩と亜衣に目を向け、ミナトもまた雪乃の方を見ていた。ミヤコが悪刀・鐚の力を使って応急処置をしたと言っても、3人はすぐに病院に運ばなくてはならない状態だった。

 

「行ってあげなさい2人とも」

 

殺せんせーの言葉にミナトは頷きミヤコは礼を言ってそれぞれの目的の場所に向かって走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彩、亜衣」

 

呼びかけると2人はミヤコの方に目を向け、申し訳なさそうな表情を見せた後笑顔を浮かべた。

 

「ケガなら大丈夫、すぐ治るから……」

 

「私の方もそこまで傷追ってないから大丈夫だよ♪」

 

笑顔を浮かべる2人を目に、ミヤコは涙を浮かべた。

 

「ごめんね……辛いときそばにいれなくて」

 

涙をこぼしながら2人の手を握るミヤコに対し亜衣はため息を吐き、彩もやれやれと言った表情で彼女の頭を優しく撫でた。

 

「ミヤコお姉ちゃんってやっぱり泣き虫……」

 

「なっ⁉︎そ、そんなことはありません‼︎」

 

「いや〜そんなことあるよ?ミヤコ姉が自覚してないだけだよ」

 

「2人ともからかわないでください!」

 

そんなやり取りをしていくうちに、3人は笑い声に包まれ笑顔を浮かべていた。

 

「烏間さん……だっけ?ミヤコお姉ちゃんの先生が言ってた……」

 

「退院した後、しばらくは防衛省の監視下の元で生活することになるけど、それが終わったらまた普通に暮らせるってさ」

 

そして彩と亜衣は互いに顔を合わせ、満面の笑みをミヤコに向けた。

 

「「また会えるね。ミヤコお姉ちゃん♪」」

 

その言葉にミヤコはたまらず涙を流し始める。

 

「彩、亜衣……また会いましょう」

 

担架に乗せられ運ばれていく彩と亜衣を見送った後も涙を流し続けるミヤコに気づき、神崎と奥田が歩み寄り優しく抱きしめていた。

 

 

 

 

 

 

 

一方、ミナトはと言うと先ほどの戦いのダメ出しを雪乃にされていた。

 

「ナイフをかわす動きはなかなかだけど、私以上に強い人なんてゴロゴロいるんだからね?」

 

「……分かったから。もう少しおとなしくしてなって…」

 

入院する必要があるのかと疑問に思うほど、元気な姿を見せる雪乃にミナトはため息を吐いていた。

 

「でも強くなったよねミナト。私が一人暮らし始めてからいったいどんな稽古したのよ?」

 

ニヤニヤしながら話す雪乃に対し、ミナトは一瞬暗い表情を浮かべるがすぐいつもの笑顔に戻り彼女の額にデコピンを放った。

 

「いったぁ……」

 

「そんなに元気なら入院する必要無いんじゃない?」

 

「まったく……これでもケガ人なんだから、少しは大事にしてよね」

 

「はいはい」

 

他愛もない会話を繰り広げていくと、ミナトは真剣な表情を見せ雪乃に問いかける。

 

「なぁ姉ちゃん」

 

「ん?」

 

「俺が怖くないの?」

 

その問いに雪乃は沈黙するが、ミナトを馬鹿にするような顔つきで答えた。

 

「確かに私と戦ってる時のあんたの殺気には恐怖心を抱いた。でもあんたはあの特別なクラスにいるんだもん、殺気が強くなっても不思議じゃないからね。それとも、私が彼女と付き合ってから一度もデートに誘ってないヘタレ弟にビビるとでも思ってるの?」

 

雪乃はそう言うとこちらを心配そうに見つめる速水に目を向けた。

 

「あ〜んな可愛い子、あんたにはもったいないんじゃない?」

 

「喧嘩売ってんのかよ姉ちゃん?」

 

怒りを露わにし鬼のような形相でこちらを睨むミナトを目に、ヤバイと思ったのか雪乃は慌てて言った。

 

「冗談!冗談だってば‼︎」

 

「ったく……まぁいいけど。それより姉ちゃん、退院したらしっかりじいちゃんに怒られてこいよ?」

 

「やっぱ怒られるよね……」

 

「当然だろ」

 

「はぁ…仕方ないか」

 

雪乃は開き直り笑顔を浮かべると、真剣な顔つきで言った。

 

「ありがとうねミナト。私を止めてくれて」

 

「………それはお互い様」

 

そう言って手を振り立ち去るミナトの背を目に、雪乃は近くにいた烏間に目を向けた。

 

「あいつは昔と比べて強く、そして優しくなりました。烏間先生ありがとうございます」

 

「生徒達を変えたのは主にあいつです」

 

烏間はそう言って生徒達の中心にいる殺せんせーに目を向けた。

 

「あなたもあの2人と同じように、初めは防衛省の監視下の元で生活してもらいます。それと……」

 

「聞きたいのはあいつの事ですよね。分かってます………烏間先生、どうかこれからもミナトのことをよろしくお願いします

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪乃達が烏間の部下達によって病院に運ばれ、アジトの中は生徒達と殺せんせー、そして烏間だけになった。

 

「一時はどうなるかと思ったけど」

 

「これで一件落着ね♪」

 

三村と原が嬉しそうに話すのを目に、ミナトはある一点に視線を移すとニヤリと笑みを浮かべ言った。

 

「2人の言う通りようやくこれでみんな一緒に帰れるよ…………な、ビッチ先生?」

 

突然声をかけられイリーナは慌てて振り返ると、彼女のことをすっかり忘れていた生徒達がポカンとした表情でこちらを見ていた。

 

イリーナはゆっくり後ずさりしこの場から立ち去ろうとするが………

 

 

「なに逃げようとしてんだテメー‼︎」

 

「逃すわけねーだろ‼︎」

 

「ひぃぃぃぃぃぃ‼︎」

 

 

イリーナはあっさり生徒達に捕まった。

 

 

「あーもう‼︎裏切ったんだからどんな制裁だって受けてやるわよ‼︎女子は私の美貌に対する嫉妬を、男子は日頃溜まった獣欲を性的な暴力でぶつければいいわ‼︎」

 

「「「………いやいいわ」」」

 

「おいこら男子共‼︎こんな美しい女を前にして欲情しないとか頭おかしいんじゃないの⁉︎」

 

「おかしいのはお前のほうだ」

 

男子達に怒鳴るイリーナの頭を烏間は優しめに叩き、彼女の手を取り立ち上がらせた。

 

「さっきも言ったはずだ。俺と生徒がいるこの教室(せかい)にはお前が必要だと」

 

「……でも私はあんた達を裏切った。それに許されないことを過去に散々やってきたのよ………」

 

 

「それがどうしたの?」

 

 

俯き話すイリーナはミナトの言葉に顔を上げた。

 

「ビッチなんだから裏切って当然。過去にいろいろやってきたのはビッチ先生だけじゃないよ?ビッチと学校生活楽しめない器の小さい奴なんて、俺等の中にいないんだからさ」

 

ミナトの言葉に生徒達は皆、イリーナに笑顔を向けていた。

 

「でも私は……」

 

「いいから帰るぞ。お前の腕も病院に行ってみてもらう必要がある。それと…」

 

烏間はそう言うと一輪のバラを差し出した。

 

「この花は生徒達からの借り物じゃない。俺の意思で、敵を倒して得たものだ。誕生日はそれなら良いか?」

 

「……はい」

 

そう言ってバラを受け取るイリーナの顔はとても清々しく、まさに恋する乙女の表情だった。

 

烏間とイリーナの距離感が縮まったのを嬉しそうに眺める生徒達の後ろで、ミナトは壁に寄りかかりながら溜息を吐き言った。

 

「やっと……めでたしめでたしだな」

 

「ああ、なんて言うか…久々に疲れたわ……」

 

 

 

ドサッと何かが倒れる音に気付き生徒達が振り返ると、ミナトと鮫島がその場に倒れていた。

 

 

ミヤコの負担を減らすため悪刀・鐚による応急処置を断った2人は、その後病院に運ばれ数日間入院することとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰もいなくなった死神のアジト内に1人の女性はスッと姿を表す。その表情はどこか暗く、何かに対し思い詰めてるように見えた。

 

そんな彼女の姿を目に、1人の男は鼻歌交じりで歩み寄った。

 

「表情が暗いよ〜?何かあったのかい?」

 

「……いえ、何でもありません」

 

声をかけられた女性 泉 真琴は笑みを浮かべるデュラハンにいつもの表情で答えた。

 

「それは良かった♪監視役の君がしっかり働いてくれないとまた手術することになっちゃうからねw」

 

真琴は肩を抑え、デュラハンの言葉を黙って聞いていた。

 

「言う通りに動いてくれれば僕は何もしない。だから安心してよ…………また君の生徒が全員死ぬことはないからさ」

 

デュラハンの言葉はとても冷たく、真琴の心に深く突き刺さった。脳裏に浮かぶのはデュラハンのような裏のある笑顔では無く、無邪気な子ども達の笑顔。

 

 

「私は絶望していたところをあなたに救われた。まだその恩は返していません」

 

「うん♪期待してるよunknown」

 

笑みを浮かべるデュラハンと共に、真琴は決意した表情で死神のアジトを後にした。

 




暗殺教室19巻買いました!真っ黒な表紙はかなりインパクトがありますねw

それと皆様は今週のジャンプの番外編を読みましたでしょうか?
正直驚きです。殺せんせーの私生活にでは無く、あんな可愛いキャラが登場するなんて‼︎まだの方は是非読んでみてください(*´w`*)


それでは次回もお楽しみにv(`ゝω・´)感想お待ちしてます♪

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