津芽湊の暗殺教室 『更新停止中』   作:ケチャップ

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暗殺教室18巻購入しました‼︎

最初は忘れていて、ツイッターでトランサミンさんが呟いているのを目にし思い出すことができたケチャップですw

バレンタインの時間の茅野が可愛い‼︎
本作のバレンタインはどのような内容にするか、まだまだ先のことを必死に考えるケチャップですw

それではどーぞ♪


約束の時間

目の前に現れた海莉を目に、亜衣はイラつきを抑えながら彩に問いかけた。

 

「ねぇ彩姉、死神さんの情報にあんな奴いなかったよね?」

 

「うん……正体不明の乱入者……」

 

「そっか〜乱入者か〜。それなら殺しても問題ないよね‼︎」

 

亜衣はそう言うと双刀・カナヅチを構え、海莉に向かって駆け出した。海莉はその攻撃をかわすが、ニッと笑みを浮かべる亜衣に疑問を抱いた。

 

「双刀・カナヅチ限定奥義『双刀之犬』‼︎」

 

亜衣はかわされた直後に持ち手を変え、モーニングスターのような形状をした方で海莉に向かって打突攻撃を放つ。

 

「あぶねっ‼︎」

 

亜衣の笑みに違和感を覚えていた海莉は集中を切らすことなくギリギリでかわすが、壁をやすやすと粉砕した双刀・カナヅチに驚きを隠せずにいた。

 

「何だよそれ…」

 

「驚いた?」

 

亜衣はそんな海莉に向け、壁にめり込んだ双刀・カナヅチを抜きつつ言った。

 

「この刀は重さに主眼が置かれてるの。その証拠にほら」

 

そう言って亜衣は海莉の真上に双刀・カナヅチを放り投げる。海莉は真上に放り投げられた刀をしばらく眺めていたが、ものすごい速さで落ちてくるのを目に慌ててその場から離れた。

 

 

ドゴォン‼︎

 

 

落下した双刀・カナヅチはコンクリートの床にめり込んでいた。

 

「こんなので体打ちつけられたら死んじゃうよ〜?大人しく帰ってくれると嬉しいんだけどな〜」

 

地面にめり込んだ双刀・カナヅチを軽々しく持ち上げる亜衣を目に、海莉は冷や汗をかきながらも笑みを浮かべて言った。

 

「上等じゃねぇか、やってやるよ‼︎」

 

1人の獲物をその眼に捕らえた一匹の鮫は、標的の強さに身震いしつつも強者と戦えることにとても高揚していた。

 

 

「彩姉‼︎こいつすぐにぶっ殺すから、ミヤコ姉はまだ生かしておいてね♪」

 

「随分と余裕だな…おい‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜衣の言葉に彩は分かったと答え、傷だらけのミヤコに目を移した。

 

「本当に……ミヤコお姉ちゃん?」

 

「……そうですが」

 

ミヤコの言葉に彩はほんの一瞬笑みを浮かべるが、すぐに冷たい眼を向け言い放った。

 

「がっかり……昔は強かったのに、何がお姉ちゃんを弱くしたの………」

 

「ミヤコは弱くない‼︎」

 

強く言い放たれた言葉に彩はミナトの方に目を移し、ゆっくりとミナトと雪乃の元へ歩み寄った。

 

「お姉ちゃんは弱いよ……」

 

「何も知らないみたいだけどな、刀の所持者はお前等だけじゃないんだよ」

 

ミナトはミヤコがまだ悪刀・鐚の力を使用してないと思い笑みを浮かべて挑発混じりに言葉を放つが、トランシーバーアプリの向こうから殺せんせーがそれを否定した。

 

『ミナト君、ミヤコさん達の戦いはカメラがまだ機能していたのでこちらから見ることが出来ました。すでにミヤコさんは悪刀・鐚の力を使用した、その上で彼女に敗北したのです』

 

「嘘だろ……でもそれは、刀の所持者2人を相手にしてたからじゃ‼︎」

 

「違う……ミヤコお姉ちゃんは私1人に負けたの」

 

ミナト達の行く手を遮る、千刀・ツルギの向こうに立つ彩はため息を吐き言い続けた。

 

「お姉ちゃんの力量を測るために私1人で相手をしてみた……その結果があのザマ……」

 

ミナトと雪乃はぐったりとしているミヤコを目に、信じられないと言わんばかりの表情を浮かべていた。

 

「あの程度の実力ならいつでも殺せる………それともお姉ちゃん、この2人を殺せばもう少しマシになる?」

 

そう言ってミナトと雪乃に数本の千刀・ツルギを向ける彩を目に、ミヤコは力を振り絞って立ち上がり必死に叫んだ。

 

「やめて‼︎あなたが殺したいのは私だけでしょ⁉︎私ならどうなってもいいから……だから……鮫島さんも、クラスのみんなも、雪乃お姉様も………ミナト兄様も傷つけないで……」

 

その言葉にイラッときたのか、彩は躊躇なくミヤコめがけ刀の一本を投げつけた。

 

「ぐっ……があぁ‼︎‼︎」

 

投げられた刀はミヤコの足に深々と突き刺さり、痛みに必死に抗う声を上げたミヤコはその場でうずくまった。

 

「「ミヤコ‼︎」」

 

彼女の身を心配してミナトと雪乃の2人は慌ててミヤコの元へ向かおうとするが、床から飛び出してきた千刀・ツルギに再び阻まれた。

 

「死神さんの技術のおかげで、この部屋のいたるところには千刀・ツルギを潜めてある……」

 

千刀・ツルギに四方八方を囲まれたミナトと雪乃に対し、彩は冷たく言い放つとミヤコの元へゆっくりと歩み寄って行った。

 

「おい‼︎待てよ‼︎」

 

「……邪魔しないで。私達の怨恨はこの程度じゃ消えない……」

 

殺意を身にまとった彩は、うずくまるミヤコの前でしゃがみ込み問いかけた。

 

「ねぇ、どうしてあの日助けてくれなかったの?」

 

その問いにミヤコは何も答えることが出来ず黙りこくっていた。

 

「何で助けに来てくれなかったの……信じてた、いつか…いつかミヤコお姉ちゃんが助けに来るって………私達は信じてたんだよ⁉︎」

 

「ごめんなさい……ごめんなさい……」

 

珍しく感情を表に出す彩を前に、ミヤコはただ謝り続けることしかできなかった。

 

「あの後私達がどんな生活を送ったのか教えてあげようか?」

 

彩は狂気混じりの表情を浮かべ、答えを聞くことなく話し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めると真っ暗闇の中にいた。隔離された空間、先程までとは違う部屋に運ばれたのだろうとすぐに理解することが出来た。

 

(何だろう…体がだるい……)

 

体のだるさに疑問を抱いた私は、ふと足に目を向ける。さっきまで血が出ていた場所には白い布がきつく巻かれ止血されていた。

 

(そっか……この前の実験で足に怪我をしたんだ……)

 

以前の出来事を少しずつ思い出してきた私は、右手が柔らかい感触に包まれていると気づき暗闇の中、目を凝らし辺りを見渡した。

 

私の右手を包んでいたもの、それは亜衣の左手だった。耳をすませば可愛らしい寝息も聞こえ、私はそんな現状に安心感を抱いた。

 

 

 

この部屋に入れられてどれくらいの時間が経ったのだろう。亜衣も目を覚ましたが部屋の中は食事が支給される時以外、真っ暗闇だった。

 

時折発狂する声が聞こえ、私達はそんな声に怯えながら長い時間を暗闇の中で過ごした。

 

1人じゃ生き続けることは出来なかったかもしれない。亜衣が、守るべき大切な妹がいたから私は生き続けることが出来た。

 

食事も最低限しか支給されず、足の治療も完全に行えないまま長い時間が経った。

 

「彩姉……足は大丈夫?」

 

「うん…ありがとう亜衣…」

 

亜衣は支給される飲み水を私の足を綺麗にするために使ってくれた。

 

そんな時、部屋のドアが開き久方ぶりに見る光に私達は目をつむった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこにいたのが待ち望んでいた彼女ならどれだけよかっただろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私達2人を部屋から連れ出した研究員は慌てた様子で施設内を走っていた。

 

「早く走れ‼︎くそっ‼︎何で俺がモルモットの保護なんてしなきゃいけないんだ。いくら優秀な奴らだからって、この2人が死んでも誰も悲しむ奴いないのに」

 

その言葉を聞いた私達は研究員の手を離しその場に立ち止まった。

 

「おいお前ら何して」

 

男が怒り混じりにそう言いかけると、私は彼の前に一瞬で近づき隠し持っていたフォークを眼に突き刺した。

 

「ぎゃあああ‼︎ぐっ……モルモットの分際でぇぇ‼︎」

 

片目を抑えつつ銃を構える男に対し、私は怯えることもせずその場に立ち尽くしていた。信じていたから助けてくれるって。

 

「な………何で……?」

 

男は銃を落としぶらんと垂れ下がる腕を抑え驚愕していた。亜衣が男の腕を殴って折ったのだ。

 

「彩姉を殺させはしない」

 

私は銃を拾い男の両足にそれぞれ1発ずつ弾丸を撃ち込んだ。

 

「ま、まて‼︎お前達をここから助け出してやる‼︎だから頼む‼︎殺さないでくれ‼︎」

 

(みっともない…)

 

私は初めて見る死を目の当たりにした人間の末路にそれしか思わなかった。

 

「亜衣……」

 

「うん!彩姉♪」

 

(苦しませちゃかわいそう………でもこいつは私達を苦しめたうちの1人、かわいそうなんて思うことないか)

 

 

 

 

 

 

 

男を殺し何か脱出に役立つものがないか探っていると、亜衣が突然何か思い出し言い出した。

 

「ミヤコお姉ちゃんは元気にしてるかな?」

 

(助けに来てくれることを願ってた。でももしかしたら彼女も、助けに行ける状態ではなかったのかもしれない)

 

私は自分にそう言い聞かせミヤコお姉ちゃんと過ごしたあの部屋に向かった。

 

 

 

たどり着いた私達が見たものは、死体で溢れかえった施設だった。

 

「なに…これ……」

 

数々の死体を眼に私達の不満は積もる一方だった。

 

(急いでミヤコお姉ちゃんを探さなきゃ‼︎)

 

慌てて彼女を探しある一室のドアを開けた時、そこにいたのは今にも死にそうな研究員の1人だった。

 

「何だ……まだ生きて…たのか……」

 

「こいつ……」

 

(覚えてる……私をゴミのように投げ捨てた奴だ)

 

亜衣が研究員に対し殺意を向けるのを私は抑え、研究員に問いかけた。

 

「ミヤコお姉ちゃんはどこ?」

 

「ミヤコ…お姉ちゃん?あーあいつのことか………クフフ、バカな奴らだな………そいつはもうここにはいねぇよ‼︎何日か前にやってきた男が引きとったんだ‼︎……今頃幸せに過ごしてるんじゃないのか⁉︎」

 

 

そう言い終えると共に、その研究員は私が撃った1発の弾丸で死んだ。

 

 

 

「ミヤコお姉ちゃん……」

 

亜衣の方に目を向けると、絶望した表情を見せていた。

 

(幸せに?幸せって何……待ってたのに………信じてたのに‼︎)

 

彼女に裏切られ尋常じゃない殺意を抱いた私は、後方に立つ何者かにいち早く気づきバッと振り返った。そこには笑みを浮かべ2丁の銃を手にした男が立っていた。

 

「君達はこの施設の被験者かな?まさか武器を奪い、生きながらえてるなんてね」

 

(敵……)

 

私は一瞬で間合いを詰め先程と同じように、フォークを突き刺そうと振り下ろした。

 

「ふむ、実験の影響かなかなか素早いね。それに君の力も人間の域を超えている」

 

その男は私の攻撃を難なく受け止め、同時に放たれた亜衣の攻撃も受け流していた。

 

「あなただれ……」

 

「僕は死神と呼ばれる殺し屋です。どうかな、君達2人を僕の仲間に加えたいのだけれど」

 

その言葉に私と亜衣は互いに見合わせ、死神と名乗った男の方に再び目を向けて答えた。

 

「私達は殺したい人がいる……」

 

「その人よりも強くなりたいから」

 

「「あなたの仲間になる」」

 

そんな私達の答えに満足したのか、死神は笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それから死神さんの元で人の殺し方を教わり、私達は自分の力の使い方もマスターした………私は常人離れしたスピード、亜衣は常人離れした怪力……今持っている刀も死神さんから貰ったもの……全てはこの日のため、あなたを殺すため……」

 

そう言って彩が指を鳴らすと、ミヤコの周りを千刀・ツルギが取り囲んだ。

 

「幸せな生活をして平和ボケしたあなたに、もう何も言うことは無い」

 

「確かに幸せな日々を送りました」

 

ようやく口を開いたミヤコの言葉を彩は黙って聴き続けた。

 

「私は私を必要としてくれる人と出会い、私のことを友達と言ってくれる人と出会い、そして家族と出会えた。でもね彩、私は出来ることならあなた達ともう一度やり直したい」

 

「無駄……あなたはここで死ぬ。その次はあの2人も殺す……そしてあなたの友達も家族も………私達が味わった悲しみをあなたにも味あわせてあげる」

 

その言葉にミヤコはホッと安堵したように息を吐き、胸元に手を当て立ち上がった。

 

「よかった、これであなたと戦う理由が出来ました。殺させはしません私の大切な人達を‼︎」

 

ミヤコは再び悪刀・鐚の力を使い自分の傷を治療し始める。

 

『いけないミヤコさん‼︎それ以上悪刀・鐚の力を使っては、あなたの体がもたない‼︎』

 

トランシーバーアプリからの声を耳に、ミナトは今すぐやめるようミヤコに向かって叫ぶが、そんなミナトに対しミヤコは笑みを浮かべた。

 

「大丈夫です兄様。約束します、ちゃんとみなさんの元に帰ると」

 

傷が完治したのを確認するとミヤコは悪刀・鐚の力を最大限に発揮させた。

 

「限界を超えます‼︎出力最大‼︎」

 

 

「やめろー‼︎」

 

 

ミナトの声をその背に受け、大量の雷をその身に宿したミヤコは決意した表情を見せ、彩に向かっていった。

 

 




覚悟を決め雷をその身に宿した少女は走る
今の仲間を、そしてかつての仲間と同じ時を過ごすため‼︎



今回は彩と亜衣がどのようにして死神と出会ったのか明らかになりました。そして限界を超え悪刀・鐚を使用するミヤコ……彼女は再びみんなの元に帰るという約束を果たすことが出来るのか………

感想お待ちしてます‼︎v(`ゝω・´)
次回の更新をお待ちください♪

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