作者が苦手な分野ですが、精一杯2人をイチャつかせるのでお楽しみにv(`ゝω・´)
湊(まさかあんなことになるなんて…)
速(どうしよう、すごく恥ずかしい…)
ちなみにこのオリジナルストーリーは2〜3話ぐらいまで続く予定です
ある日の放課後…
「凛香、今日は訓練していくの?」
ミナトは自分の席で帰る準備をしていた速水に問いかける。
速水が銃の訓練をしていく日は終わるまで教室で待ち、それから一緒に帰るのがいつしか日課になっていた。
「うーん、今日はやめとこうかなって思ってる。雨降りそうだし千葉も今日は止めとくって言ってたから」
速水の言う通りミナトが外に目を向けると雲行きが怪しく、今にも雨が降りそうだった。
「天気予報ってあまりあてにならないからさ、俺今日傘持ってきてないんだよね〜」
「同じく…」
そんな事を話しながら教室を出る2人を岡島は羨ましそうに見ていた。
「クソ!リア充め‼︎」
「落ち着けよ岡島…」
そしてそんな岡島を菅谷や竹林が慰めていた。
今日の授業や、クラスメイトが仕掛けた暗殺について話しながら帰っているとぽつぽつと雨が降ってきた。
「うわー、やっぱ降ってきたか…」
「強くなりそうだね雨」
速水が暗雲を見上げながらそう言うと、ミナトは隣で大きくため息を吐いた。
「俺雨嫌いなんだよな…」
「どうして…?」
「まず濡れるのが嫌いだし、濡れた後拭くのがめんどくさい」
キッパリと言い切るミナトの応えに速水は思わず笑みをこぼした。
「ミナトって変なところめんどくさがるよね」
「そうかな?」
そんな話をしながら歩いていると次第に雨が強くなってきた。ミナトと速水は雨を凌げる場所になんとかたどり着き、空を見上げていた。
「くしゅん!」
そんな時、雨に濡れて体を冷やしたのか速水がくしゃみをした。
「可愛いくしゃみだなw」
ミナトがそう言うと速水は頬を赤く染めつつミナトを睨みつける。
だが次の瞬間…
「はっ!はっ‼︎………あれ?…くしゅん‼︎」
ミナトの間のあいたくしゃみに速水は笑いを抑えることが出来なかった。
「フフッ、ミナトも面白いくしゃみするね」
「バカにしてるだろ?」
「さっきのお返し♪」
そんなやりとりをしている間も、雨は止む事無く強さを増す一方だった。
速水がそんな空の様子に落胆しているとミナトが言った。
「あのさ…ここからだと俺の家の方が近いから来ない?ここだと寒さは凌げないし、濡れた体拭かなきゃ風邪引くだろ?」
「う、うん…」
こうして2人は雨が降る中、ミナトの家へ向かって走り出した。
ミナトの家にたどり着いた2人であったが、着いた頃には雨で濡れてびしょびしょになっていた。
「うげーめっちゃ濡れた…とりあえずタオル取ってくるから待ってて」
ミナトの言葉に速水は頷き玄関で待っていた。
「他に誰もいないのかな?」
そんな事を呟きつつ速水が辺りを見渡していると…
「伊武鬼さんと八重野は出かけています。姉の雪乃さんならお仕事で海外に行ってますよ」
突然声をかけられ驚きながらも声のする方へ振り返ると、そこには八重野が修理した日和号の姿があった。
「びっくりした……あなたがミナトの言ってた微刀・釵?」
「はい、と言っても普段は家事などしているので、刀本来の力はあまり使っていませんが」
(からくり人形だから表情は無いけど、なんか律に似てる)
そんな事を思いながらも、速水は先ほど日和号が口にした一言を思い出した。
『伊武鬼さんと八重野は出かけています。姉の雪乃さんならお仕事で海外に行ってますよ』
「…………って事はミナトと2人きり?」
「…私もいますよ」
思わず発した一言によってしょんぼりした口調で話す日和号に速水が謝っていると、ミナトがタオルを持ってきた。
「ほい凛香、タオ……ル‼︎」
ミナトはそう言うと、勢いよく速水にタオルを渡し顔を背けた。
「どうしたの?ミナト」
首を傾げながら問いかける速水に対し、ミナトは赤くなりながら答えた。
「その……シャツ…透けてる」
「透けてる?」
速水はミナトの言葉を瞬時に理解できずゆっくりと目線を下に移した。
「…っ‼︎⁇」
目線を下に移すと雨に濡れたシャツが張り付き、素肌や下着が丸見えになっていた。
「み…見た?」
速水は手で上半身を隠しながら顔を背けるミナトに問いかけた。
「少しだけだよ⁉︎……その…淡いピンク色ってことしか……」
「っ‼︎…バカ‼︎」
速水は恥ずかしさのあまりぷしゅーと湯気が出てくるほど赤くなりつつも、ミナトの胸元をポカポカと叩いていた。
その時……
「きゃっ‼︎」
「わっ‼︎」
気づけば速水が上になり、ミナトを押し倒していた。
自分の体を支えるため速水は床に手をつけていたので、透けたシャツを隠せずにいた。しかしそれはミナトも同じだった。速水の手によってミナトの腕は動きを制限され、速水同様に透けたシャツを隠せずにいた。
2人は無言のまま互いに見つめ合う…空気を読んだのか日和号はいつの間にか姿を消していた。
速水は無意識のうちにミナトの顔に自分の顔を近づける…ミナトもまた無意識のうちに速水の背中に腕を回していた。
互いの唇があと少しで触れ合うといったところで、沈黙した2人の間に着信音が鳴り響いた。
「ひゃぁ‼︎」
速水は携帯の振動で我に返ると、慌ててミナトに背を向け電話に出た。ミナトも速水の声で我に返り、慌てて背を向けていた。
「もしもし?あ、お母さん?うん…今はミナトの家で雨宿りしてるけど……えっ⁉︎ちょっと待って、それどういうこと⁉︎」
慌てて声を上げる速水が気になりミナトがゆっくり振り返ると、速水が手で上半身を隠しつつ携帯を差し出してきた。
「…お母さんが、ミナトに変わってって」
「お母さんが⁈」
速水が顔を俯かせ、頬を赤く染めながら言ってきたのでミナトは何事かと思いながらもおそるおそる携帯を受け取った。
「も、もしもし?」
『初めまして津芽湊君、夫や凛香から話は聞いているわ。凛香の母の速水玲奈(はやみ れいな)です』
「は!初めまして!凛香さんとお付き合いさせていただいてる津芽湊です!」
『ふふ、まさか裕翔と美月の息子が凛香と付き合っているなんてね』
「父と母をご存知なんですか?」
『ええ私と雅哉、そして裕翔と美月の4人は同じ高校のクラスメイトだったのよ』
「そう…だったんですか」
自分の知らなかった父と母の学生時代の話を聞いたミナトは、ほんのりと笑みを浮かべていた。
『それでミナト君、一つお願いしたいことがあるんだけどいいかしら?』
「へ?あ!はい!俺に出来ることなら何でも‼︎」
ミナトが慌てて玲奈の言葉に答えた時、速水は更に頬を赤く染めていた。
『これはあなたにしか頼めないことよ……私今晩仕事で家に帰れそうにないの…夫もこの雨で帰るのは難しいって言ってるし…』
「確かにすごい雨ですもんね…」
(じいちゃんとばあちゃん帰ってこれるかな?)
外の雨音に耳を傾けながら自分の祖父母を心配していると、電話の向こうからとんでもない言葉が聞こえてきた。
『そこでミナト君にお願いしたいの…今晩、凛香を君の家に泊めてもらえないかしら?』
「……………えーーーーー‼︎‼︎」
その時のミナトの叫び声は外で降り続ける豪雨よりも大きかったらしい…
その後ミナトは、慌てて伊武鬼と八重野に連絡を取った。
「もしもし⁉︎ばあちゃん?今日って帰ってこれそう?」
『それがすごい雨でね…今日は近くの宿舎に泊まろうかっておじいさんと話してたんだけど、何かあったのかい?』
「それが…その……」
ミナトはつい先ほど起こったことを八重野に話した。すると八重野は明るい声で言った。
『そういうことならぜひ泊まっていってもらいな!』
「わ、わかった…」
ミナトはしぶしぶ電話を切ると速水の方へ振り返り、恥ずかしさのあまり頭を掻きながら答えた。
「ばあちゃんがぜひ泊まっていってもらいなだって……着替えは……姉ちゃんの服貸すよ」
速水はミナトの言葉を聞くと頬を赤く染め、ペコリと頭を下げて答えた。
「その……よろしくお願いします…」
「こ、こちらこそよろしくお願いします…」
こうして速水は今晩ミナトの家に泊まることになった。
(煩悩退散煩悩退散煩悩退散煩悩退散煩悩退散煩悩退散煩悩退散煩悩退散)
(どーしよ‼︎ミナトの家に泊まることになるなんて…それに、ミナトのおじいさんとおばあさんもいないし…)
目の前で赤くなりながらもあたふたする2人を目に、日和号は言った。
「私がいるの忘れてませんよね?」
「「あ、ごめん…」」
先ほどまで姿を見せずにいた日和号が寂しげに言うと、ミナトと速水は申し訳なさそうに謝った。
2人+からくり人形の長い夜が今、始まろうとしていた。
さぁさぁ2人のイチャイチャタイムの始まりですよ♪
みなさんカメラの準備はいいですか?
岡「任せとけ!ドローンの準備もバッチリだ‼︎」
中「ボイスレコーダーも用意しないとw」
業「いや〜どうなるのか楽しみだねw」
読者の皆様も今後どのような展開になるか楽しみにお待ちくださいv(`ゝω・´)