湊「元々下手だろ…」
それを言うなよ‼︎豆腐メンタルなんだぞ‼︎
湊「はいはい…グダグダですが読者の皆様、お付き合いいただければ幸いです。それではどーぞー」
あ、それ俺のセリフ…
「イトナ君‼︎」
シロに追いついた殺せんせーは、急いで捕らわれたイトナの元へ向かおうとする。しかしネットに触れようとした時、イトナの触手が溶けている事に気づいた。
「まさかこのネットも…」
「お察しの通り、そしてここが君達の墓場だ」
シロがそう言いつつ手をあげると共に周囲はライトで照らされ、殺せんせーは四方八方を兵士達に囲まれていた。
(この光は…私の動きを一瞬止める圧力光線‼︎)
「撃て、狙いはイトナだ」
その言葉と共に兵士達は銃を構えイトナめがけ発砲した。殺せんせーは動きにくい状況の中、イトナめがけ放たれた弾丸を服と風圧で防いだ。
「なんとか防いだか…だが」
シロがそう言うと再びライトが周囲を照らし、兵士達は再び銃を構えた。
「あと何回持つかな?殺せんせー」
「お前らの攻撃は一回きりだよ‼︎‼︎」
その言葉と共に木の上で構えていた兵士達めがけ自転車が放り投げられる。
その光景に兵士達だけではなく、殺せんせーやシロまでもが驚いていた。放り投げられた自転車は見事、木の上で待機していた兵士達に命中し彼らを木の上から落とした。
「まったく…君も無茶しますね、ミナト君」
「あの自転車…不法投棄されてあったやつなんだけど大丈夫だったかな?」
ミナトはヘラヘラ笑いながらそう言うとシロの前に立ちはだかり言い放った。
「何でもかんでも自分の思い通りになると思うなよ?」
「失敗作の分際で…口だけは達者な奴だ……地上に落ちた5人は彼の相手を、それ以外は予定通りイトナを狙え」
了解と兵士達が頷きミナトを囲む様子を、心配そうに見ていた殺せんせーは言った。
「今回は君の力を借りなくてはならないようです…その5人を任せてもいいですかミナト君?」
「りょーかい♪とりあえずバッキバキにしてやるよw」
ミナトが手を鳴らしながら挑発気味に言ったので、それに対し怒りを覚えた2人の兵士がミナトめがけ走り出してきた。
「ガキふぜいがいい気になるな‼︎」
「お前はそこで大人しく寝てろ‼︎」
「………お前らの方こそガキである俺にやられて寝てろ」
ミナトはそう言いつつ2人の横を通り過ぎると、兵士達はその場で倒れ気を失っていた。
(な…いったい何を)
残った3人の兵士が目の前で起こった光景に驚いている中、シロは冷静に目の前で起こった事を対処していた。
(あまりにも速い手刀…それも相手を気絶させる絶好のポイントに命中させている)
「まったく目障りな存在だが…興味がわくね」
「お前に興味持たれても嬉しくないね‼︎」
ミナトは強く言い放つとシロめがけ走り出した。
「お前達、彼の相手をしろ」
「で、ですが我々では敵うはずも…」
残った兵士の1人が弱々しくも反論すると、シロは笑みを浮かべながら注射器を取り出した。
「大丈夫、そんな弱気もこれで強気に変える事ができる」
シロはそう言うと兵士の1人の首元に注射器を差し、中に入った液体を全て注入した。
「うがぁぁぁぁああ‼︎がっ……ゔぁ…あああああ‼︎」
すると兵士は突然もがき苦しみ、その場でバタンと倒れた。
「お、おい!」
「大丈夫か⁉︎」
2人の兵士が心配する中、ミナトはシロに鋭い眼光を放ちつつ問いかけた。
「おまえ…いったい何をした」
「クックックッ…君は強い、それは以前の戦いでよくわかった。そんな君と対等の戦士を作るために、少し彼を強化させてもらったよ」
シロがそう言うと先ほど注射器を打たれた兵士は立ち上がり、2人の兵士を殴り飛ばしていた。
「はぁ…はぁ…はぁ………へへっ」
その兵士の表情に自我は無く、狂気混じりの笑みを浮かべていた。
「触手細胞と似たような物だ……自我を失うかわりに身体能力を限界まで引き出す。君を相手にするのにはこれぐらいのハンデがあってもいいだろ?」
「いい加減にしろよ…シロ」
「……そいつを黙らせろ」
兵士はシロの言葉に頷くと、ミナトめがけ走り出した。
(あいつの指示には従うのかよ)
ミナトはそんな事を考えながら自分に放たれた拳を右へ左へ避ける。
そして虚刀流の構えを取り、兵士の九尾めがけ最速の一撃を放った。
「虚刀流一の奥義・鏡花水月‼︎」
ミナトが放った強烈な拳底は確実に決まっていた。
だが………
「へへ…へへへ…へへへへへへへ‼︎」
兵士はまったく効いていないと言わんばかりに笑みを浮かべると、そのままミナトの腕を掴み木へめがけ放り投げた。
(嘘だろ⁉︎確かに鏡花水月は決まったはず)
ミナトは放り投げられた途中そんな事を考えつつも、受け身を取り木に投げつけられた衝撃を和らげた。
「強化しすぎでしょ…あんなの俺でも勝てるかどうか…」
「ミナト君‼︎…ううっ!」
殺せんせーは心配そうにミナトに声をかけるが、残った兵士達による弾幕が止まることなく殺せんせーとイトナに襲いかかっていた。
「いっそ2人を見捨てて、自分1人だけ逃げ出したほうがいいんじゃないかい?」
弾幕の雨、圧力光線に悪戦苦闘しながらもイトナを助け出そうとする殺せんせーにシロは冷たく言い放った。
(俺は無力だ…)
イトナは朦朧とする意識の中、目の前の光景を見ながら思った。
(力が無かったから協力者にも見捨てられた)
シロのほうを見ると、トラックの荷台に乗った兵士達がこちらに向かって対先生弾を撃ち続けている。
(力への執念もあった…勝利への執念もあった…でも執念は届かなくて今俺は、殺す相手に守られてる)
目の前では兵士達の弾幕から自分を守る暗殺対象の姿があった。
そして視線を移すと、木に倒れかかっている名義上のクラスメイトの姿があった。
(俺は…こんなザコ達に負けるのか…殺す相手に守られながら…)
だがその時、木の上にいた兵士達は突然何者かによって蹴り落とされていた。
「はい簀巻き簀巻き〜」
「一丁上がりと」
落とされた兵士達は次々と簀巻きにされ、身動きが取れなくなっていった。
「まったくよ〜俺らがタコに代わって落とさなきゃなんねーだろ‼︎」
「烏間先生に追われるばかりじゃ悔しいもん。このケイドロはあんた達が泥棒側ね」
寺坂や岡野が次々と兵士達を落としていくと、木の上で銃を構えてる兵士は1人もいなくなった。
その光景にシロとイトナは驚いていた。
「…………‼︎」
「…おまえら…なんで…」
「カン違いしないでよね」
イトナの言葉に速水が答えた。
「シロの奴にムカついてただけなんだから、殺せんせーが行かなけりゃ私達だって放っといてたし」
速水がツンデレを炸裂すると、木に倒れかかっていたミナトは生徒達の元へ歩み寄りイトナへ行った。
「ああは言ってるけど、実際めっちゃ心配してるのが凛香のいいところだ」
「ミナト‼︎」
ミナトの言葉に速水は頬を赤くしつつ怒るが、すぐにミナトの傷に気付いた。
「ミナトその傷…」
「ちょっとね…あいつがなかなか強いんだよ…」
ヘラヘラ笑いながら言うミナトであったが、その表情には疲れが見えていた。
その時だった……
「殺…殺…殺す‼︎」
強化された兵士は突然呟くと、生徒達めがけ拳を振りかざした。
そしてその標的となったのは…倉橋だった。
「陽菜ちゃん‼︎」
「倉橋さん逃げてください‼︎」
生徒達や殺せんせーの言葉は倉橋に届いていたが、恐怖によりその場から逃げられずにいた。
「い…いやっ‼︎」
「人の彼女に手だしてんじゃねぇ‼︎」
その言葉と共に現れた海莉は兵士を蹴り飛ばした。
「鮫ちゃん⁉︎」
「津芽から連絡があってな…それより大丈夫か陽菜乃?」
「うん……ありがとう鮫ちゃん」
涙を浮かべながら抱きついてきた倉橋に怪我が無いことを確認し海莉は一安心すると、少し傷ついたミナトに歩み寄り言った。
「おまえの言う通り…こいつはなかなか面白い喧嘩だな」
「かなり強いよ…あいつ」
「上等だ…陽菜乃に手だしやがって……絶対ぶっ飛ばす‼︎」
「俺も…さっき投げられたカリを返さないとな‼︎」
「「覚悟しろよ‼︎デカブツ野郎‼︎」」
ミナトは虚刀流の構えを取り、海莉は拳を前に突き出し目の前に立ちはだかる兵士に向かって言い放った。
シロに薬品を打ち込まれた兵士。見た目は伝説のスーパーサイヤ人になったブロリーぐらいにしようかなーと思いましたが、気持ち悪いんでやめましたw
次回はミナトと海莉の初共闘です‼︎
湊「ファーストフード店で倒した不良は?」
鮫「あんなの数に含まれねえよ‼︎」
感想お待ちしていますv(`ゝω・´)