津芽湊の暗殺教室 『更新停止中』   作:ケチャップ

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プリン回です♪
この回を見るととてもプッチンプリンを食べたくなる作者ですw

今日の仕事終わりにでも買って帰ろうかな〜

それではどーぞーv(`ゝω・´)


茅野の時間

 

 

『以上、爆発事故を起こした研究所前からお送りしました……続いて次のニュースです。全国で鶏卵が供給過剰になり出荷されず廃棄される卵が増えています』

 

 

 

『卵の値段も急落でさ…運送費の方が卵より高くて出荷するだけマイナスなんだ』

 

 

テレビ画面内では、鶏に似た養鶏業者がインタビューに応えていた。

八重野と伊武鬼が真剣にニュースを見る中、ミナトは呟いた。

 

 

「あの廃棄される卵全部使って卵焼き作ったら、どれぐらいの大きさになるかな?」

 

そんなミナトの言葉に八重野は笑い、伊武鬼は呆れながらも応えていた。

 

 

「どこかのヨウツーバーがそんな事やっていたぞ」

 

「マジで⁈」

 

ミナトは満面の笑みで言うと急いで夕食を平らげ、食器を片付けると自分の部屋へ駆け出して行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えーと、なんて検索すればいいんだ…?」

 

 

検索ワード 《ヨウツべ どデカイ卵焼き》

 

ミナトはパソコンにそう打ち込み検索ボタンを押すと、それっぽい動画がたくさん出てきた。

 

「ビンゴ‼︎とりあえず一番上から見ようかな〜♪」

 

そしてミナトが一番上の動画をクリックすると………何故か律が表示されていた。

 

 

 

「何してんの律?」

 

「茅野さんから伝言を預かってきました」

 

「うん、それはいいんだけど…何で俺のパソコンの中いるの?」

 

「はい!ハッキングさせてもらいました」

 

笑顔で応える律にミナトは苦笑いを浮かべつつ言った。

 

「そんな笑顔でさらっと言うなよ……で、伝言って何?」

 

「えっと…明日、エプロン持参でE組に集まって♪とのことですv(`ゝω・´)」

 

「エプロン持参?」

 

ミナトは疑問を抱きつつも、茅野からの召集に少し驚いていた。

 

 

「と、とりあえずりょーかいした♪」

 

「はい!それでは失礼します♪」

 

そう言って律が画面から消えると、ミナトはどデカイ卵焼きの動画を見始めた。

 

 

その日津芽家では、夜遅くまでミナトの興奮の声が鳴り響いていたという……

 

 

 

 

 

 

 

「うわー!これめっちゃ作りたい‼︎やばっ卵焼きデカッ‼︎」

 

 

「うるさいぞ湊‼︎何時だと思ってる‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日……教室内に集まった生徒達、そして皆の前に立つ茅野は計画書を片手に話し始めた。

 

「というわけで‼︎廃棄される卵を救済し、なおかつ暗殺もできるプランを考えました‼︎」

 

「へ?卵を暗殺に?」

 

「ケッ…メシ作ってコレ混ぜるつもりか?んなモン見破られてるっつーの」

 

疑問を抱く中村に続き、寺坂は対先生物質を手に言った。

 

「ふふふ、もう少し考えてるのだ。烏間先生や泉先生にお願いして下準備もOK‼︎皆校庭へ移動して‼︎」

 

 

(烏間先生や泉先生にお願い…?)

 

ミナトは茅野のそんな言葉に疑問を抱き、教室内にいる2人に目をやるとため息を吐いていた。

 

 

そして生徒達が校庭に移動するとそこには見覚えのある大きな型や、何台ものトラック、そして様々な機械があった。

 

 

「マジかよ…茅野、この型って…」

 

ミナトの問いに茅野は笑顔で応えた。

 

「そう、今から皆で巨大プリンを作りたいと思います。名付けてプリン爆殺計画‼︎」

 

「「「「プリン爆殺計画⁉︎」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒達が作戦名に疑問の声を上げると、茅野は自信満々に話し始めた。

 

「プリンの底に対先生弾と爆薬を密閉しておき、殺せんせーが底の方まで食べ進んだら竹林君の発破でドカン‼︎それが今回の作戦だよ」

 

「…やってみる価値あるかもな」

 

「殺せんせーエロとスウィーツには我を失うとこあるもんな」

 

磯貝や岡島がそう言うと竹林がメガネをクイと上げ言った。

 

「何よりも後方支援に徹していた茅野が前に出て計画してるのも意外性がある」

 

その言葉と共に生徒達は意気込み、プリン爆殺計画は始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

材料は大量の卵、そして砂糖と牛乳、バニラオイルの4種。それを一度ボウルに入れ、混ぜるがそこで倉橋はある事に気づき茅野に問いかけた。

 

「そういえば前にテレビで巨大プリン失敗してたけど、それはどうするの?」

 

「対策はバッチリだよ。凝固剤としてゼラチンの他に寒天も混ぜてるの。寒天の繊維で強度も増すし、融点がゼラチンより高いから9月の野外でも崩れにくくなるんだ」

 

 

 

 

茅野の専門的な応えに驚きつつも、ミナトは隣にいる速水に声をかけた。

 

「茅野ってこういう一面もあったんだな…」

 

「うん…正直驚いた」

 

速水もまた驚いた表情で皆に指示を出す茅野を見ていたが、ある事を思い出しミナトに声をかける。

 

「そういえばミナト…この前はお見舞いありがとう…」

 

恥ずかしそうに言う彼女の言葉に、ミナトは笑みを浮かべ応えた。

 

「そりゃあ凛香が心配だったからね…それに俺がE組に来て初めて学校休んだ日、凛香もお見舞いに来てくれたしね」

 

「もう4ヶ月経つんだね……あの日は心配してないって言ったけど…本当は心配…してたから…」

 

「知ってるよw凛香は分かりやすいからね〜」

 

ヘラヘラ笑いながら言うミナトに対し、速水はムッとしながらも笑顔を浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

プリン生地を型に入れ、オブラートで包んだフルーツソースやアムースクリームの味代わりを投げ入れる。そしてプリンを冷やすために、カップの中に通してあるパイプに冷却水を流し、その日の作業は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

 

一晩冷やした型からパイプを抜き、その穴から空気を吹き込ませ型枠を浮かせて外し、プリン肌をゆるめのゼラチン寒天で滑らかに整える。

仕上げにカラメルソースをかけ、表面をバーナーであぶり…遂にそれは完成した‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「できたぁーっ‼︎」」」」

 

「やべ〜超うまそ〜」

 

「あの下に爆弾がある事忘れちゃうね」

 

杉野と中村の言葉に茅野はうんうんと頷き、満足そうな表情を浮かべていた。

 

 

 

 

プリンの完成と共に校庭に現れた殺せんせーは嬉しそうな表情を浮かべつつ、ぷるぷると震えていた。

 

「……こ…これ全部先生が食べていいんですか?」

 

「どーぞー。廃棄卵救いたかっただけだし」

 

「もったいないから全部食べてね〜」

 

中村と倉橋の言葉に、殺せんせーは夢が叶ったと涙を流しながら巨大プリンに飛び乗った。

 

その様子を見た生徒達は教室に移動し、爆破のタイミングを待つ事にした。

 

「ほら、行くぞ茅野」

 

「う…うん…」

 

この時、ミナトは何か嫌な予感がしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…すげー勢いで食ってんな」

 

「底までたどりつくのも時間の問題だね」

 

プリン底にはリモコン爆弾と観察カメラがセットしてある。

リモート起爆のタイミングは周りのプリンが無くなってゆき、暗闇の画面にうっすら光が映った瞬間…

 

パソコンの画面に目をやる生徒達の緊張感は次第に高まっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「プリン…爆破…」

 

教室内からプリンをものすごい勢いで食べる殺せんせーを眺め茅野は呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日のために様々なスイーツ本を読み参考にしてきた…

 

 

 

 

 

 

 

この日のために研究所に電話して成功する方法を導き出した…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日のために何度も作って失敗した…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全てはこの日の…否、プリンのために…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダメだーーーーーっ‼︎‼︎」

 

突如茅野は叫びだした。

 

「愛情込めて作ったプリンを爆破なんてダメだー‼︎」

 

「ちょ、落ち着け茅野‼︎」

 

杉野の言葉でも茅野は止まることなく、寺坂が羽交い絞めすることで何とか抑えることが出来ていた。

 

 

「落ち着けよ茅野!暗殺のために作ったプリンだろ?」

 

「うるさい‼︎あのプリンはモニュメントとしてこれからずーっと飾るんだい‼︎」

 

「「「「腐るわ‼︎」」」」

 

なんとか落ち着かせようとするミナトの言葉に、茅野は泣き叫びながら応えた。

 

 

「ふぅ、ちょっと休憩」

 

茅野を抑えるのに悪戦苦闘している中、突如教室内に殺せんせーが現れていた。そしてその手には、起爆装置の外された爆弾があった。

 

「異物混入を嗅ぎ取ったのでぇ土を食べて地中に潜り外してきました。先生の鼻にかからない爆弾の匂いも研究してみて下さい、竹林君」

 

「…っ…はい」

 

暗殺は失敗、その事実に生徒達はため息を吐きつつも殺せんせーが分けたプリンを美味しそうに頬張った。

 

 

 

 

 

「惜しかったね茅野…むしろ安心した?」

 

渚の言葉に茅野は恥ずかしそうに笑いながらも応える。

 

「本当の刃は親しい友達にも見せないものよ。また殺るよ、ぷるんぷるんの刃なら他にもいろいろ持ってるから」

 

そう言って茅野はプリンを掲げつつ、殺せんせーをロックオンした。

 

「おーい三村、余ってるプリンくれー」

 

しかし茅野はその言葉に瞬時に反応し、トレー上にあるプリンに伸びる手をはたき落した。

 

「ミナト君、それ何個目?」

 

「何個って二個目…」

 

「食べ過ぎだよ‼︎」

 

「いいだろ‼︎俺だってプリン食べたいんだよ‼︎」

 

 

 

そしてミナトと茅野によるプリン争奪戦が始まった…

 

 

 

 

 

 

 

 

プリンマニア、スイーツ男子もE組のでは立派な暗殺者

次は誰が刃を露わにするのか…

 

 

 

 

 

 

 

 

渚はそんなことを思いながらも茅野とミナトの戦いを眺めていた。

 

 

「ちょっ!茅野タンマ!待って…強い……ちょっと待って‼︎」

 

 

「問答無用‼︎」




ちなみにこの後ミナトは負け、二個目のプリンを口にすることはありませんでした…

湊「食べ物の力恐ろしい…」

時間は鬼ごっこの前に新任の真琴とイリーナの話をかければいいと考えていますv(`ゝω・´)


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