津芽湊の暗殺教室 『更新停止中』   作:ケチャップ

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今回はかなり長めになっています(´・ω・`)

夏休みが終わるなか、確実に物事が進んでいきます…
そしてこの夏祭り、登場キャラが多いw

それではどうぞ〜



花火の時間

ミナトと速水は手を繋ぎ、集合場所へと向かっている途中竹林に会った。

 

 

「迷子見つけられたみたいだね」

 

 

メガネをくいっと上げ笑みを浮かべる竹林の発言に、速水は自分が迷子という設定で作戦が進められていたことを思い出した。

 

「違う!あれは迷子っていうか…」

 

しかし速水が言い終える前に、ミナトは笑いながら言った。

 

「ああ、ちゃんと迷子見つけてきたぜ」

 

「なっ!」

 

ミナトの言葉に速水は驚きつつも、イラついたため脇腹めがけチョップを放った。

 

「いてっ!そう言えば竹林は何でここに?」

 

ミナトは脇腹を抑えながら竹林に問いかけた。

 

「殺せんせーに用があったんだけど、今は忙しいみたいだからね…」

 

ミナトと速水は竹林の言葉の意味がわからず疑問に思ったが、竹林の視線の先に目線を移すと状況を理解した。

 

 

 

 

 

「はいはい、かき氷おひとつですね……たこ焼きいかがですかー?6コでなんと300円!ヌルフフフ……ジャンボフランク2本ですね、ありがとうございます……ヌルフフフ焼きそばですね少々お待ちください」

 

 

 

ミナトと速水の視線の先には分身を使い、屋台を転々としながらも接客をする殺せんせーの姿があった。

 

「……今撃ったら殺れるかな?」

 

「ミナトの射撃じゃ周りのお客さんに当たりかねない」

 

「竹林に同じく」

 

「おい!」

 

ミナトは竹林と速水の言葉に反論せずにはいられなかったが、先ほどの射的を思い出しため息を吐き言った。

 

「とりあえず集合場所行こうぜ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらくして集合場所である神社の近くへたどり着くと、男子生徒達はすでに集まっていて、女子の方もほとんど全員集まっていた。

 

そして何故かミナトと速水に目を向けるとニヤリとした笑顔を見せ、再び顔を背けた。

 

「おい、何だよ今のニヤリは…」

 

そう言ってミナトが近づくと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(凛香が大好きです。これからもずっと俺のそばにいてください)

 

 

 

 

 

聞こえてきたのは聞き覚えのある自分の声、しかもついさっき言った覚えのある言葉だった。

 

 

 

 

 

 

 

「いやー何回聞いてもいいねー♪」

 

「音声だけなのがちょっと残念だけど…」

 

「悪い!まさかこんな展開になるとは知らず」

 

カルマ、中村の言葉に岡島は申し訳なさそうに応えるが、その表情はニヤついていた。

 

「もういっかい!もういっかい聞かせてください!」

 

いつの間に現れたのか殺せんせーも3人の輪に入り、先ほどの音声を再生した。

 

「いやーこれで甘酸っぱい恋愛小説が書けそうです♪」

 

「お前らもそんな遠くにいないでもっとこっちこいよ」

 

にやける殺せんせーを横に、岡島は少し距離を置く他のクラスメイトを呼びかけた。

 

だが、彼らは苦笑いするだけでその場を動けずにいた。

 

否、鋭く突き刺さる殺気に怯えていた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なーにしてんの?おまえら」

 

ニヤける岡島の頭に手を置き、ミナトは爽やかな笑顔で問いかけた。

 

その笑顔に恐怖したのか殺せんせーは一目散に逃げ出そうとしたが…

 

「殺せんせー♪逃げたら先生の持ってるエロ本全部捨てるよ?」

 

「にゅやっ‼︎」

 

 

 

その隙に中村とカルマは逃げ出そうとするが…

 

 

ジャキッ

 

 

「逃がさないよ」

 

2人は速水に先生用のハンドガンを額に突きつけられ、その場に立ち尽くした。

 

 

そして岡島は…

 

 

 

「おーかーじーまー♪少しお話しようか?」

 

「は…はい…」

 

 

それからミナトと速水の説教タイムが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中村とカルマは録音した音声を速水により削除され、殺せんせーには生徒達全員にかき氷を奢ることを要求された。

 

そして岡島は…苦し紛れの言い訳をしていた

 

 

 

 

 

「聞いてくれミナト!俺はお前が速水に気があることを修学旅行の日から知っていた!」

 

「なっ‼︎」

 

「あの時のお前は変だったからな…男子全員で気になる女子の話をしてる時、お前無意識で速水って言ったろ?その時にピーンと来たんだよな……ってどうしたんだよお前ら」

 

 

気づくと岡島は他の男子達に睨みつけられていた。

 

 

「お前それは男子だけの秘密って言ったろ!」

 

 

「何ちゃっかりバラしちゃってんだよ!」

 

 

「ハハ、岡島の判定どうすんの?ミナト」

 

 

磯貝、前原に続きカルマは笑いながらミナトに問いかけた。

 

 

 

「もちろん死刑だろ♪」

 

 

「それじゃ後はミナトに任せるとしよう」

 

 

竹林の言葉と共に男子達はミナトと岡島から離れ始めた。

 

「ちょっと待ってくれよw話せばわかるw」

 

 

「虚刀流創作奥義…」

 

 

「待てミナト!平和にやり過ごそう!話し合えば分かるって!」

 

 

「問答無用!虚刀流創作奥義!ちぇりおー‼︎」

 

 

ミナトは勢いよく拳を突き出し、その衝撃で岡島は吹っ飛ばされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーいみんなー!」

 

するとその先から遅れてやってきた茅野達の姿が見えた。

 

「茅野さん危ない!」

 

片岡の声に茅野は岡島がこちらに向かって吹っ飛ばされてることに気づいた。

 

「このままじゃ激突しちゃう!」

 

矢田は心配そうに声を上げるが、それは1人の少女によって防がれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「殺せんせー並にゲスな人ですね」

 

ミヤコはそう呟き茅野の前に立ちはだかると、こちらに向かってくる岡島を蹴り返した。

 

(コンボがつながった!)

 

どこからか天の声が聞こえてくるような気がする中、ミナトは蹴り返された岡島を受け止め、こちらに歩み寄ってくるミヤコに言った。

 

「悪い助かったよ」

 

「いえ、しかし女子に向かって飛びかかってくるとは……殺せんせー並に変態ですね」

 

「にゅやっ‼︎」

 

殺せんせーは訂正するよう頼み込んだが、ミヤコの冷たい目線に頼むのをやめた。

 

「ところでなんでお前がここに?」

 

「たまたまお祭りに来ていたところ茅野さん達に遭遇し、それから一緒にお祭りを見て回りました」

 

「じゃあ花火も見てくんだろ?」

 

ミヤコはその言葉に驚きを隠せずにいた。

 

 

「意外…ですね。てっきり兄様は私の事がお嫌いなのかと…」

 

 

「バーカwいくらお前が暗殺者だとしても俺の妹ってことに変わりはないだろ?それに今日はお祭りだし、めんどくさいこと考えず楽しみたいから♪」

 

 

「そうですね」

 

ミナトの言葉にミヤコはうっすらと笑顔を浮かべていた。

 

 

 

 

 

「あ!花火上がったよ!」

 

誰かのそんな一言で生徒達は夜空を見上げる。

 

ヒュルルルルルルルルと音が鳴り、しばらくするとドォン‼︎と夜空いっぱいに色鮮やかな花火が咲いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃病院では…

 

「悪いな陽菜乃、せっかくE組の奴らと祭りに行ってたのに」

 

「ううん、鮫ちゃんと見たかったんだ♪」

 

「そっか、ありがとう」

 

倉橋と海莉は病室の窓から花火を眺めていた。場所は違えど彼らも同じ夜空を見上げていた。

 

「ちょっと海莉?いい雰囲気なところ悪いけど、私がいるの忘れないでよ?」

 

「うるせー!分かってるよ!」

 

七海の冷やかしに海莉は顔を赤くしながら応える。そんな風景に倉橋は幸せを感じ笑顔で2人を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おお!花火上がったね〜。たーまやー♪」

 

「花火より接客をちゃんとしろ」

 

子どものようにはしゃぐジョーを前に、真琴はため息混じりに呟いた。

 

「だって花火だよ?見える時間は少ない……だからこそとても綺麗に見える……そんな綺麗な花火見なきゃ損じゃん♪」

 

話す途中に見せたジョーの真剣な表情を真琴は見逃さなかったが、それに対し問いかけることをせず淡々と応えた。

 

「お前にロマンチックって言葉は似合わないぞ?」

 

「えー?俺結構ロマンチストだよwそれより…どうだった彼らは?」

 

ジョーの言葉に真琴は珍しく笑みを浮かべ応えた。

 

「なかなか個性的な生徒達だった…明日が少し楽しみに思えてくるよ」

 

「まぁ頑張ってね〜。俺は任務から外されちゃったし…篠宮みたいに忘れちゃダメだよ?あくまで君の任務は…」

 

「分かっている……津芽湊の監視。お前に言われなくても任務はこなすさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここからでも花火は見えるな」

 

男は幻のプリン風味綿あめを手に、墓地から花火を眺めていた。

 

「お前が食べたがっていた綿あめ、なんとか手に入れることが出来だぞ」

 

そう言って裕翔は亡き娘、都の墓石に綿あめを供えた。

 

「また来年もここに来る。だから必ず奴を殺す……そしてお前達の仇を討つ‼︎」

 

そして裕翔は立ち上がり、花火を眺めながら呟いた。

 

「ミヤコ…そしてあいつには抱えきれない重荷を背負わせた…美月、俺はまた来年あいつらと必ずここに来る…待っていてくれるか?」

 

裕翔の問いかけに返事が返って来るはずもなく、裕翔は墓石を前に手を供えその場を立ち去ろうとした。

 

 

「待ってます…都と一緒に…」

 

そんな声が聞こえたような気がしたが、裕翔は後ろを振り返ることなく笑みを浮かべその場を去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミナトと速水は手を繋ぎながら花火を眺めていた。

 

「ミナト、さっきの岡島の話ほんと?」

 

「えっ?うん、まぁほんとだよ」

 

「そっか♪」

 

ミナトはご機嫌な速水に疑問を抱いたが、幸せそうに微笑む彼女の横顔を笑顔で眺めていた。

 

「凛香」

 

「なに?」

 

「大好きだから」

 

「うん、私も大好きだよミナト」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰もが夜空を色鮮やかに染める花火を見る中、戦隊ヒーローの面をつけた男は呟いた。

 

「花火ねぇ…結局は黒色火薬を紙で包んで点火、破裂させたものでしょ…。な〜んてこと言ったら幻滅されるかなw」

 

男はりんご飴をペロリと舐め、しばらく眺めるとガキッと噛み砕いた。

 

「でも現実なんてそんなもんw綺麗なものなんて大半が作り物…簡単に壊れてしまうもの…花火も友情も愛情もね♪」

 

男はりんご飴を噛み砕き終えると、夜空を見上げ言った。

 

「さぁて、そろそろ動くか…。休みは終わりだ、次のステップへ進めようか♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この暗殺教室で確かなのは、生徒達も殺せんせーも決してこのまま何事も無く終わらない事

 

彼らの2学期は案の定 大波乱から幕を開ける…

 




タイトルの花火の時間 これは打ち上がる 何かが始まろうとしているという事に関連付けているつもりですw

作中でもあるように2学期は大波乱から幕を開ける事になります‼︎v(`ゝω・´)

感想、ご指摘、またミナトのコードネームなど書いていただけたら嬉しいです♪

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