ちなみに、私はお祭りと言ったら焼きそば これは外せませんv(`ゝω・´)
ジウ「僕と同じだね〜w」
茅野達がミヤコと共に屋台を見て回っている頃、ミナト達は……
「くそ!なんで当たんねーんだよ!」
「相変わらずミナトは射撃が苦手なようだね」
屋台の射的相手に悪戦苦闘していた。
「へへ、兄ちゃん全く当たらないね〜。また出直してきな!」
「くっそ〜」
結局ミナトは景品を一つも取ることが出来ず、竹林と共にその場を後にした。
「へへ!最高難易度を誇るウチの射的。景品を落とせる奴なんかいやしねぇぜ!」
屋台の店主はまだ知らなかった…その後、前髪を目元まで伸ばしたスナイパーに景品を根こそぎ持っていかれることを…
「そういえば岡島は?」
今まで一緒にいた岡島がいなくなってることに気づき、ミナトは竹林に問いかけた。
「岡島ならあそこにいるよ…」
そう言って竹林が指差す方を見ると…
「おお!坊主お前なかなかいい趣味してるじゃねぇか!」
「うひょー!まさかこんなとこで巨乳アイドルのブロマイドが手に入るなんて!」
ミナトと竹林の視線の先には、アイドルグッズを取り扱う屋台の前で大声を上げる岡島の姿があった。
「おい坊主こいつはサービスだ、もらっていってくれ」
そう言って店主はいけないビデオを差し出してきた。
「こ、これは!俺も親父もまだ見たことがないAぶふぉぉぉあああ‼︎」
「さすがにそこまで行くと、俺でも見過ごせないぞ岡島」
岡島はいけないビデオを手にすることなく、ミナトに後頭部を思いっきり殴られその場に倒れこんだ。
そんな時、たまたま通りかかった片岡達が倒れる岡島に疑問を抱き問いかけた。
「岡島君だよね?それ…いったいどうしたの?」
「いやー実は岡島が《ピー》もらって喜んでたから殴り倒したw」
ミナトの応えに、矢田と倉橋は苦笑いし中村はケラケラと笑う中、片岡は無言で倒れる岡島の脳天めがけチョップをぶちかました。
岡島の断末魔が夏祭り会場に鳴り響き、片岡達とミナト、竹林は岡島を人目のつかないところに移動させ、その場をあとにした。
「岡ちん大丈夫かな?」
「まぁ、時間になったら起こしに来ようw」
倉橋と中村がそんなことを話す中、ついに作戦が実行された…
「そうだ!岡島君のことで忘れてたけど、津芽君!大変なの凛香ちゃんが迷子になっちゃって!」
「え⁉︎凛香が迷子ってどういうこと⁉︎」
矢田の発言にミナトが慌てふためく中、中村達の計画通り作戦は進められていった。
「……それで人混みから抜け出した時にはもう凛香ちゃんの姿は無くて…」
「それってどの辺か覚えてる?」
「確かあっちの方だったよ!」
そう言って倉橋が指差す方向は、集合場所とは真逆の位置にあるもう一つの神社へと続く道だった。
「わかった!俺はあっちで凛香を探す!片岡達も見つけたら連絡くれよー!」
ミナトはそう言って片岡達の元を走り去っていった。
走り去るミナトを見送り終えると、竹林はメガネをくいっと上げ、中村達に言った。
「計画通り…って感じかい?」
「あちゃーバレた?」
「あの速水が迷子になるとは考えられないからね」
「まぁはやみんも津芽とお祭り見て回りたがってたし」
「まぁ、そろそろミナトにも行動してもらいたいと思っていたところだ」
竹林はメガネをくいっとあげながら言うと、片岡達の元を去ろうとした。
「何処行くの?竹ちゃん」
「ちょっと殺せんせーのところにね…大丈夫ちゃんと花火の時間には合流するさ」
そう言って竹林は片岡達の元を去っていった。
「クソ!何処にいんだよ凛香」
ミナトは矢田が言ったもう一つの神社を目指し、速水を探しながら走っていた。
「確か凛香、向日葵が描かれた浴衣着てたっけ…」
速水の服装を思い出し息を上げながらも周りを見渡すが、それらしき人物はいなかった。
「もっと奥の方にいるのか…?」
ミナトが息を整え再び走り出そうとした時、聞き覚えのある声に呼び止められた。
「あれー?そこにいるのは……やっぱり!津芽君じゃないか♪」
その声に反応しミナトが振り向くと、焼きそばの屋台の中から手を振るジョーの姿があった。
「えっと…確かジョーさん…でしたっけ?」
「そうそう、あの時はちゃんと自己紹介が出来てなかったね…俺は夏川譲 まぁジョーって呼んでくれると嬉しいよ♪」
ジョーはヘラヘラ笑いながら焼きそばを作りつつ、ミナトに問いかけた。
「何か慌ててるようだけど…どうかしたのかい?」
「クラスメイトとはぐれちゃって…」
「ふむふむ、つまり津芽君が迷子になったとw」
「迷子になったのは俺じゃないです!」
ニヤニヤ笑いながら言うジョーに対し、ミナトは強く反論した。
「スワンスワン♪探してるのはもしかしてツインテールの女の子かい?
彼女ならさっき神社の方に行くのを見たよ」
「本当ですか⁉︎」
「ほんとほんとジョーさん嘘つかない♪」
ミナトはジョーにありがとうございますと言うと、神社を目指し再び走り出した。
「うんうんいいねー♪俺もあれぐらい青春したかったな〜」
走り去るミナトの後ろ姿を見送るとジョーは再び焼きそばを売り始めた。
神社は屋台が並ぶ道と比べ薄暗く、人の気配も無かった。
「もーなんで指定場所がこんな薄暗いところなのよ…」
速水はため息を吐きながら賽銭箱の前に腰掛けていた。
「…本当に来るかな…ミナト」
ガサッ‼︎
突然茂みの中から聞こえてきた音に、速水は思わず身震いする。
「な…誰かいるの…?」
速水は身体を強張らせながらも、茂みの方へ目を向ける。そして、ガサガサと音を立て茂みの中から出てきたのは、1匹の猫だった。
「…………」
速水は周りを見渡し誰もいないことを確認し、しゃがみこむと猫を呼んだ。
「にゃーん♪」
そんな速水の呼びかけに猫は不思議そうな表情を見せ、首を傾げながらも応えた。
「にゃーん?」
それにつられ速水も首を傾げながら再び猫を呼びかけた。
「にゃーん♪」
「にゃーん♪」
速水を仲間だと思ったのか、猫は笑顔を見せ速水の元に歩み寄っていった。
「………」
神社へと辿り着いたミナトの目の前では、猫を膝の上に乗せ顎回りを書きつつ、速水が楽しそうに猫と話していた。
「にゃーん?」
「にゃー♪」
「もはやどっちが猫かわからない…」
そんな呟きに猫は気付いたのか、ミナトが隠れる茂みのほうにバッと視線を移すとその場から逃げ出してしまった。
「にゃーん…」
速水は逃げた猫を目で追いつつ、悲しげな声を出していたが後ろに立つミナトの存在に気づくと、顔を赤くし俯いた。
ミナトは何も言わずに速水の隣に座り、しばらく2人の間に沈黙が続いた。
そんな沈黙を破ったのは速水だった。
「いつからあそこにいたの?」
「いやー、凛香が猫語で話し始めた時から」
「あれは違うの!誰もいないこと確認して、可愛い猫がいたからつい猫語で喋っちゃって…でもあの猫が可愛すぎたからそれは仕方ないことなの!」
慌てふためく速水の言葉は何が言いたいのか伝わってこなかった。
だが、ミナトはそんな速水の話を聴き終えると笑顔で言った。
「今度猫カフェ行く?」
「う…うん…」
ミナトの笑顔に対し再び顔を俯かせる速水。2人の間には再び沈黙が流れた。
「もう夏も終わりか〜」
ミナトは夜空を見上げながら呟いた。
「こんな濃い中学生活なんて、他じゃ経験できないよね」
「普通の中学生なら夏は恋の季節だー!とか言ってんだろーなーw」
ミナトは自分の発言にしまったと思いつつ、速水に目を移すと真剣な表情を浮かべていた。
「ミナトはさ、いないの?好きな人」
(いや、目の前にいるけど今それ言えるわけないでしょ‼︎俺を殺す気か‼︎俺が死んだらこの作品終わっちゃうよ⁉︎作者‼︎)
ミナトはポーカーフェイスを崩さぬよう淡々と応えた。
「いないかなー、暗殺メインの中学生活送ってるからねw」
ミナトは笑顔でそう言い返すが、速水は真剣な表情を崩さずにいた。
「凛香?」
「いるよ」
「え?」
「私はいるよ…好きな人」
彼女の言葉はミナトのポーカーフェイスを崩し、ミナトは信じられないといった面持ちを浮かべていた。
速水と猫が戯れていたら可愛いだろうなーと思って今回戯れてもらいました!
そして速水の大胆告白!
まぁ、好きな人が誰かはわかっているのですが、知らずにいるミナトにとっては驚愕の一言!
次回どうなるのか楽しみにお待ちくださいv(`ゝω・´)